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1章 始まりの街
2話 引越し
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「準備は万全だ」
俺は生地が厚めの白の作業着を着込み、手には鉄鋼製の丸棒、背中に小さめのリュックを背負う。
今日は、ここより安全な場所の探索だ。
人の家に忍び込む事に対して罪悪感は一切湧かない。
まぁ状況が状況だからな。
俺は耳を澄まし、慎重にドアを開ける。
うん、大丈夫だな。奴らはいない。
辺りを見回し奴らが居ないことを確認した。
まずは、心当たり1カ所目、住宅メーカーの展示場に行こうと考えている。
いくつも展示されてたから無事な家もあるだろうし、気になる家もそこにはある。
それにしても酷いな……
おそらく怪物に殺されたのだろう
陵辱された死体、喰われた死体が散在している。
あの化け物は女性であれば、子供、老人問わず襲うのか……全く反吐が出るほど最低な怪物だ。
それにしても道中で気になった点が一つあった。
時折、小石程度の緑のガラス玉みたいなのが落ちているのだ。
最初は建物もガラス片かと思ったが、これほど広範囲に落ちているのも変だ。
疑問に思った俺だったが、状況が状況なため、拾ってみたい衝動を抑え、辺りを警戒しながら進む事に
その後、緑の怪物に見つかれば逃げ、見つければ逃げを繰り返し、目的の展示場に到着した。
怪物はどうやら速度はそこそこあるもののスタミナはあまり無いことがわかった。
俺は通勤のウォーキングと仕事終わりのランニングは毎日欠かさずしていたため余裕を持って逃げ切れる。
展示場は俺の予想通り、大半は倒壊しているが、一軒の家のみ無事に立っていた。
その家はマスコミで話題となった本メーカーの窓の無い家だ。完全防犯を謳った1階建の家である。
見た目はまるで黒い箱で、かなり異質さを放っている。
まぁ、俺は結構好きな形状ではあるが
俺は辺りを見回し、怪物の姿が見えない事を確認し、中に入った。
流石は展示品、物が落ちたり散らばったりはしているが綺麗なものだ。何より死体が無いだけでも安心できる。
窓はないが天井より光を取り入れる仕組みなため十分に明るい。
部屋は2LDKの1階建てだ。
和室があるのも嬉しいな
"ガチャ"
そんな事を考えていると、扉のドアノブが捻る音が聞こえた。
あれ?鍵閉めたっけ?
やばい……背筋が氷点下まで凍る。
頼む……人であってくれ、この家は扉も厚く頑丈だ。
しかし、扉が壊れたら逃げれないという問題点でマスコミに取り上げられた問題の家でもある。
棒を構えて、扉のある後ろを振り返る。
--開く扉
そして、露わになる緑の肌
最悪だ……奴である。
後ろは逃げ場がない部屋
捕まれば喰われる。
生きたまま喰われるとか絶対嫌だ。
俺は棒を構え、覚悟を決める。
こうなったらブチ殺してやる!
ついに姿を現した怪物、口元に血がべっとりと付いてる。
どうやらご飯は済ませて来たみたいだ。
って俺は何呑気な事を考えているんだ。
なんか恐怖が行き過ぎて逆に冷静だ。
怪物と目が合う。
爬虫類のような瞳がこちらを向く。
「ギャギャギャ」
は?笑いやがった。醜悪な顔が更に醜悪になってやがる。
口元には鋭い犬歯、手にも尖った爪が付いている。
しかし、奴の体格は子供並み、リーチという点では俺の棒の方が遥かに上。
天井高さは十分、通路は2人分程度の幅
--やるしかねぇ!
「こいよ!ブサイク!」
「ギャー!」
俺の侮辱の声が伝わったのか怒りの声を上げて突っ込んできた。
俺はそれに合わせて、全力で棒を真上から振るう。
タイミングはバッチリ、怪物の頭上に当たる。衝撃が棒に伝わる。
バタリと怪物がうち伏に倒れる。
どうやら気絶したようだ。
これだけ威力で殴られて死なないって……
仕方ない……俺はもう一度振りかぶり一撃を頭に入れた。
嫌な感触だ。
そして、今度こそ死んだようだ。
目は空いたままピクリとも動かない。
あまりの安堵感に身体から力が抜け、その場に寝転がる。
"ゴブリンを撃破"
"魔物初撃破を確認"
"ハンターになりました"
"ステータスを獲得"
"身体の再構成を開始します"
脳内にあの時と同じ音声が流れ、俺の意識は暗転した。
俺は生地が厚めの白の作業着を着込み、手には鉄鋼製の丸棒、背中に小さめのリュックを背負う。
今日は、ここより安全な場所の探索だ。
人の家に忍び込む事に対して罪悪感は一切湧かない。
まぁ状況が状況だからな。
俺は耳を澄まし、慎重にドアを開ける。
うん、大丈夫だな。奴らはいない。
辺りを見回し奴らが居ないことを確認した。
まずは、心当たり1カ所目、住宅メーカーの展示場に行こうと考えている。
いくつも展示されてたから無事な家もあるだろうし、気になる家もそこにはある。
それにしても酷いな……
おそらく怪物に殺されたのだろう
陵辱された死体、喰われた死体が散在している。
あの化け物は女性であれば、子供、老人問わず襲うのか……全く反吐が出るほど最低な怪物だ。
それにしても道中で気になった点が一つあった。
時折、小石程度の緑のガラス玉みたいなのが落ちているのだ。
最初は建物もガラス片かと思ったが、これほど広範囲に落ちているのも変だ。
疑問に思った俺だったが、状況が状況なため、拾ってみたい衝動を抑え、辺りを警戒しながら進む事に
その後、緑の怪物に見つかれば逃げ、見つければ逃げを繰り返し、目的の展示場に到着した。
怪物はどうやら速度はそこそこあるもののスタミナはあまり無いことがわかった。
俺は通勤のウォーキングと仕事終わりのランニングは毎日欠かさずしていたため余裕を持って逃げ切れる。
展示場は俺の予想通り、大半は倒壊しているが、一軒の家のみ無事に立っていた。
その家はマスコミで話題となった本メーカーの窓の無い家だ。完全防犯を謳った1階建の家である。
見た目はまるで黒い箱で、かなり異質さを放っている。
まぁ、俺は結構好きな形状ではあるが
俺は辺りを見回し、怪物の姿が見えない事を確認し、中に入った。
流石は展示品、物が落ちたり散らばったりはしているが綺麗なものだ。何より死体が無いだけでも安心できる。
窓はないが天井より光を取り入れる仕組みなため十分に明るい。
部屋は2LDKの1階建てだ。
和室があるのも嬉しいな
"ガチャ"
そんな事を考えていると、扉のドアノブが捻る音が聞こえた。
あれ?鍵閉めたっけ?
やばい……背筋が氷点下まで凍る。
頼む……人であってくれ、この家は扉も厚く頑丈だ。
しかし、扉が壊れたら逃げれないという問題点でマスコミに取り上げられた問題の家でもある。
棒を構えて、扉のある後ろを振り返る。
--開く扉
そして、露わになる緑の肌
最悪だ……奴である。
後ろは逃げ場がない部屋
捕まれば喰われる。
生きたまま喰われるとか絶対嫌だ。
俺は棒を構え、覚悟を決める。
こうなったらブチ殺してやる!
ついに姿を現した怪物、口元に血がべっとりと付いてる。
どうやらご飯は済ませて来たみたいだ。
って俺は何呑気な事を考えているんだ。
なんか恐怖が行き過ぎて逆に冷静だ。
怪物と目が合う。
爬虫類のような瞳がこちらを向く。
「ギャギャギャ」
は?笑いやがった。醜悪な顔が更に醜悪になってやがる。
口元には鋭い犬歯、手にも尖った爪が付いている。
しかし、奴の体格は子供並み、リーチという点では俺の棒の方が遥かに上。
天井高さは十分、通路は2人分程度の幅
--やるしかねぇ!
「こいよ!ブサイク!」
「ギャー!」
俺の侮辱の声が伝わったのか怒りの声を上げて突っ込んできた。
俺はそれに合わせて、全力で棒を真上から振るう。
タイミングはバッチリ、怪物の頭上に当たる。衝撃が棒に伝わる。
バタリと怪物がうち伏に倒れる。
どうやら気絶したようだ。
これだけ威力で殴られて死なないって……
仕方ない……俺はもう一度振りかぶり一撃を頭に入れた。
嫌な感触だ。
そして、今度こそ死んだようだ。
目は空いたままピクリとも動かない。
あまりの安堵感に身体から力が抜け、その場に寝転がる。
"ゴブリンを撃破"
"魔物初撃破を確認"
"ハンターになりました"
"ステータスを獲得"
"身体の再構成を開始します"
脳内にあの時と同じ音声が流れ、俺の意識は暗転した。
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