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2章 ガーディアン襲撃編
15話 壁越え
しおりを挟む「もう着くわよ」
「はっ!はっ!はっ!はっ!」
「って!あんたうるさいのよ!なんで反復横飛びしながら移動してるのよ!」
俺は反復横飛びを一旦止める。
「はぁ~。お前は何回突っ込めば気がすむんだ」
ちょくちょく入ってくるミナミの質問で何度鍛錬を中断させられただろうか。全く反復横跳びは、瞬発力、連続した重心移動による体幹強化、そして持久力が鍛えられる優れたトレーニング法だと言うのに
「何ため息ついてるのよ!逆立ちで跳びながら移動したり、うさぎ跳びを始めたり、普通に歩いて!ほんと」
「仕方ない、もう着くしな」
中断される事はあったが、中々有意義な時間を過ごすことが出来た。
「ほんと異常ね!そーいや会った時から思ってたんだけどあんたって壁越え経験者?」
「壁越え?」
また聴き慣れない言葉が出てきたな
「進化や成長とか言い方はいろいろあるけどね。
人としての位階が上がり身体能力、知覚能力、たまにスキルとかが強化される現象らしいよ?私も聴いた程度だけど」
「なるほどな、でどうすればできるんだ?」
「うーん、魔物を倒し経験値を得るという意見が多いんだけど、それだけじゃダメらしいのよね。うちのベースだとリーダーと副リーダーが1回ずつ壁越えを経験したらしいけど、あまり教えてくれなくて、そう簡単に壁越えはできないとか……」
もしかして俺が勝手に言っているレベルアップと壁越えが同じ物だとするならば、ペースのリーダー達が教えないのは当たり前だな。
「で、なんで俺が壁越え経験者なんだ?」
「雰囲気が違うのよね!存在が上というか?ちなみに身体能力が上がったなって思う事とかあった?」
「あまり覚えていないが、1回はそう言う現象があった気がするな」
俺はやり方など聞かれるのも面倒なため、1回だけと言うことにする。
「そうよね!じゃないと異常よ、反復横飛びで残像が見えるなんて普通じゃないもんね」
「そうか?まぁ壁越えもあるだろうが、日々の努力こそが一番だと思うぞ」
「ふーん、アタシも早くレベルアップしたいなぁ」
今のままでも十分強いと思うけどな
ゴブリンを瞬殺してたし、
「ちなみにミナミのスキルはなんなんだ?」
俺は何気なく聴いてみる。
「私のスキルは跳躍っていうスキルと、照準って言うスキルよ」
案外あっさりと教えてくれたな。
この女警戒心というものがないのか?
聞いといて思うのもなんだが、とても心配だ。
「で、どういう効果があるんだ?」
「うーん、跳躍は文字通り高く跳べるスキル。照準はスナイパーのスコープが視界と一体化する感じかな」
「かなり良い組み合わせだな。まるで銃を使うためにあるようなスキル構成だな」
「まぁね!この銃に出会えたのは本当幸運だったわ」
そう言ってうっとりしながら銃を引き抜き構えるミナミ
銃を使い戦っているだけあってなかなか様になっている。
「そーいや、銃打つ時かなりテンション高かったがあれはスキルではないんだよな?」
「あー、あれね!トリガーを引くと気持ちよすぎて、どんどん気が大きくなるのよね」
予想通りトリガーハッピー
一緒には闘いたくない女だな
そうこう話しているうちにショッピングモールの建物の入り口が見えてきた。立体駐車場が併設する2階建の大きな建物だ。
だが一つ不可解な点がある。
「綺麗すぎる」
建物自身にはヒビや割れ、一部倒壊が見られるが、それはあの地震のせいだろう。だが俺が不可解に思ったのは
「闘いの跡が見られない、でしょう!」
「あぁ、その通りだ」
なぜなら、これだけ大きなショッピングモールだ。魔物を流入は避けきれないはず
よって魔物との戦いによって勝ち取る必要があるが、その痕跡がない。魔物は死後、消滅し魔石は残るが、血などは残ったままになる。
何よりここからは人の血など戦った形跡が全くない
「そのネタ明かしは中に入ってからね」
「あぁ楽しみだ」
俺は一応警戒だけはしようと気を引き締め直し、先に進んでいくミナミの後を追う。
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