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3章 3つ巴ベース編
52話 調査開始
しおりを挟む「よし、これで準備万全だ」
あれから数時間仮眠を取り、時刻は18時になろうとしている
辺りは日が暮れ始め薄暗い。
今からやろうとしている事にはうってつけの時間だ。
ちなみにパールは寝起きが弱いため、今はリュックの中だ。
魔法袋(小)によって持ち運ぶ物資が無くなったため、リュックにパールを入れる事が可能になったのだ。
で今から何をするのかというと簡単にいうと"調査"だ。
【隠密】を使って塚平組の真相を調査する。
【隠密】の鍛錬にもなるしな。
よし、早速黒スーツ探しだ。
****
ピンクの大人向けの建物が多く並ぶ歓楽街
俺は行った事は無いが、和歌山中の男がお世話になっている場所と聞く。
確かに塚平組はこの歓楽街を拠点としていたはず
早速見つけた
黒スーツの二人組だ。
金髪にピアスの男
ショートモヒカンにサングラスの男
見るからにDQNという奴だ。
俺は足音、気配を消して近づいていく。
「あぁ、夕勤…後6時間もダリィな」
「まぁ夜勤じゃねぇだけマシじゃね?」
「それもそうだな」
聞こえて来た男2人の話より塚平組の見回り?はシフト制らしい。
よし、もう少しだけ後をつけて話を聞いてみよう。
あれから10分ほどつけているが
うーん、やっぱりつけたのは失敗だったか?
こいつらの会話はアホだった。
話の8割、9割が下ネタ。しかも中学レベルの…
よし、引き揚げよう
「俺も組長のお兄さんのほうに行けば良かったなぁ」
うん?引けあげようと思ったが少し気になる話だ。
「え?それマジで言ってる?お兄さんは元は堅気だろ、しかも賊になるって事だぜ?」
お兄さん、賊?どういう事だ。
「だってよぉ~。タクマさんもあっちに行っちゃったし」
「お前タクマさんラブだったもんな。」
「おぅよ!タクマさんの短刀術マジ半端ねぇからな」
「でもなぁ…正解だったんじゃね。」
「そうかなぁ。」
タクマ、短刀術、賊……
俺の中でピースがカチッとハマった。
おそらくこの男言っている兄というのはガーディアンを襲った賊達のボスの事だろう。
配下にタクマという短刀術使いもいた。
なるほど、それならば奴らの充実した武装にも納得がいく。
そうか……塚平組が賊の発生源
ガーディアンの人達を命を奪った人間がこの塚平組から出た。
まだ確実とは言い切れないが
これは拠点に乗り込む必要がありそうだな。
組長がいる場所はもう2人の会話から分かってるしな。
ちなみに塚平組の拠点の場所はここら一体に何件もあるらしいが、組長がいるのは2階建の高級ラウンジらしい。
まぁ場所は何となくわかる。
で、とりあえず来ては見たが
場所は目的地の斜め向かいの建物屋根の上
さすがの防御だ。
入り口の前に黒服が2人、直立不動で立っている。
しかも放つ雰囲気がさっきの2人組とは全然違う。
結構強い…
にしても隙がないな
建物の窓は全て木材で塞がれている。
周りをぐるりと一周見たが
入り口は一つだけっぽい
2人の護衛を一瞬で無力化してもいいが
ーー数分、手をこまねいていると
遠くの方からさっきのアホ2人組が来た。
おそらく途中報告的な何かだろう
そこで俺は妙案を思いついた。
少しばかり悪いが、許せ
俺はアホ2人組に向かって小さな瓦礫を投げた。
投げられた瓦礫は片方の金髪ピアスの弁慶の泣き所に直撃
「イッテェェェ!!」
ストライクだ!
男の叫び声が響く。
2人のガードマンが何事かと金髪ピアスの方へと近づいていく。
ドアから離れた距離は数十メートルだが
これだけあれば十分
俺は【隠密】状態で【全力】を使用。
一気に扉まで行き、そっと開いて侵入。
扉を閉じる。
侵入完了だ!
後はここにいるー
「やぁ、君は新入りかい?」
突如かけられた声
振り返るとそこにはワイングラスを片手に持った男がソファーで座っていた。
両隣には煌びやかな女性を侍らせて
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