噛みたい僕VSヤりたい俺

丸井まー(旧:まー)

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噛みたい僕VSヤりたい俺

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古い集合住宅の一室にて、男が2人、小さめのソファーに並んで座っていた。


「……なぁ」

「んーー」

「そろそろ腕を解放してくんない?」

「ひゃら(やだ)」


ボニーノは筋肉の筋がしっかりしているアルバーノの腕をふにふに噛んでいた。ガジガジではない。ふにふにである。歯形なんてつかない優しい甘噛みである。


「ボニーノさんや」

「あに?(なに?)」

「そんなにされちゃうと俺興奮しちゃうんですけど」

「へんはい?(変態?)」

「いやだって。俺達恋人じゃないですか。そろそろセックスしてもよくない?ていうか、しよう?させてください。お願いします」

「やら(やだ)」

「えぇぇ……」


ボニーノとアルバーノは恋人である。男同士だが、恋人だ。ボニーノは国立図書館に勤める司書で、アルバーノは軍人である。
ボニーノとアルバーノが暮らす王国では、同性愛が推奨されている。理由は、人口が増えすぎて、食糧や住居が足りないから。田舎に行けば行くほど、娯楽なんてセックスくらいしかない。為政者側としては、男女で恋人になったり結婚をしたりして、子供をポンポンつくられるよりも、同性同士で性欲を解消したり、愛を育んでもらいたいらしい。そして緩やかに人口をいい感じに減らしたいそうだ。間引きなんて野蛮で非情なことをしたくない国王達が必死で考えた政策が、同性愛推奨なのである。
ボニーノはアルバーノから3ヶ月前に告白されて、その告白を受けた。条件付きで。恋人になる条件は、ボニーノが噛みたい時にいつでも噛んでいいこと。アルバーノがその条件を快諾したので、2人は恋人になった。

ボニーノは幼い頃から人の肉を噛むのが大好きだった。小さい頃は5つ上の兄の腕や親指の付け根辺りの掌をやわやわと噛んでいた。6歳の時に弟が産まれると、弟の柔らかい尻をふにふにと噛んでいた。親にはいつも怒られていたが、ボニーノは隙あらば兄か弟を噛んでいた。やんわり優しく歯で肉をふにふにするのが好きなだけなので、誰かに怪我をさせたことなどない。兄はボニーノが噛んでも『くすぐったい』と笑うだけだったし、弟もボニーノが噛むと、きゃーきゃー笑っていた。しかし、大きくなると、どちらも噛ませてくれなくなった。仕方がないので、ボニーノは自分の腕を噛むようになった。だが、自分の腕を噛んでも、正直あまり楽しくはない。しかし、むやみやたらに人を噛んではいけないことは成長過程で親からみっちり教え込まれた。ボニーノは欲求不満を抱えたまま大人になった。
アルバーノのことは、単なる国立図書館の常連としか認識していなかった。そのアルバーノに告白をされた時に閃いたのだ。恋人という関係ならば、人を噛んでもいいのではないかと。ボニーノは条件付きでアルバーノと恋人になった。恋人になってみて、アルバーノの固い筋肉がしっかりとした腕を噛ませてもらい、ボニーノはアルバーノの身体に夢中になった。なんて噛みごたえのある身体なのかと。張りのある肌に、歯を当てると感じるしっかりとした筋肉。実に素晴らしい噛みごたえである。アルバーノはボニーノとセックスをしたいらしいが、ボニーノはただ単にアルバーノを噛みたくて恋人になっただけなので、セックスをする気がまるでない。キスはしているのだから、恋人としての触れあいはそれで十分だと思っている。

ボニーノは休みの度にアルバーノの家に押しかけ、気が済むまでアルバーノの腕を噛んでいる。アルバーノの腕を噛んでいる時間は、ボニーノにとってはまさに至福の時である。ものすごく楽しい。ボニーノは今夜もひたすらアルバーノの腕を噛みまくるつもりだ。ふにふにふにふにふにふに……。


***


アルバーノはボニーノの頭を片腕で抱え込むような体勢で、かれこれ1時間近く、腕をボニーノに甘噛みされていた。アルバーノの手首と肘を手に持ち、うっとりとした顔で楽しそうにアルバーノの腕を噛み続けるボニーノの横顔を見て、アルバーノは小さく溜め息を吐いた。国立図書館の貸出カウンターでボニーノと出会い、アルバーノはすぐに恋に落ちた。ボニーノは頬にソバカスが散った童顔で、いつも丸い眼鏡をかけている。茶髪茶眼のどこからどう見ても地味な普通の男だ。だが、声がいい。少しハスキーな落ち着いた雰囲気の声が、アルバーノの好みど真ん中だった。

アルバーノは声フェチである。顔の美醜はどうでもいい。声がよければ、どれだけ不細工でも構わないし、逆に言えば、どれだけ美形でも声が好みじゃなかったら恋人になんかならない。ボニーノの声は本当にアルバーノ好みで、高すぎず低すぎず、耳に心地よい、いつまでも聞いていたい声なのだ。アルバーノは男前な整った顔をしていて、明るい金髪に深い緑色の瞳の、世間一般的には美形に分類される顔面を持っている。今まで告白されることの方が圧倒的に多かったのだが、アルバーノはボニーノに随分と久しぶりに自分から告白をした。ボニーノは図書館の受付カウンターでは、いつも素っ気ない事務的対応しかしてくれない。恋人になって、もっと色んな声を沢山聞きたかった。

ボニーノと恋人になって3ヶ月。手は普通に繋ぐし、キスもしている。休みの度にボニーノがアルバーノの家に来てくれるが、セックスは未だにしていない。ひたすらアルバーノが噛まれているだけだ。アルバーノはボニーノとセックスがしたい。より具体的に言うと、セックスをしている時のボニーノの色っぽい声が聞きたい。百万歩譲って、セックス本番はしなくていいから、何かエロいことがしたい。兎に角、ボニーノのエロい声が聞きたい。

アルバーノは腕をふにふに甘く優しく噛まれながら、少しの間考え、ある作戦を思いついた。名付けて『噛みたいのなら噛ませてしまえばいいじゃない大作戦』である。要は『腕以外も噛んでみない?』とボニーノを誘うのだ。とりあえずお互い服を脱ぐように仕向けたら、あとは有耶無耶にエロいことができそうな気がする。なんて完璧な作戦なのだろうか。アルバーノとしては、ペニスや陰嚢以外なら別にどこを噛まれても構わない。ボニーノが噛むのに夢中になっている隙にエロい悪戯をして、ボニーノがムラムラして『僕もう我慢できない!抱いてっ!』と言うように仕向ければアルバーノの勝ちである。自慢じゃないが、アルバーノはテクニシャンである。母親が美形に産んでくれたお陰で、セックスをする相手に困ったことはないし、アルバーノも普通の男なので、エロいことは大好きだ。つまり、セックスが大好きで、それなりに場数を踏んでおり、技巧を磨いてきた。多分童貞のボニーノなんて、百戦錬磨のアルバーノの前では赤子も同然。今までは、ボニーノのペースに合わせて、キスも子供みたいな触れるだけのものしかしてこなかったが、そろそろ本気でエロいことをしよう。ボニーノに思いっきりエロいことを言わせて、あんあん喘いでもらいたい。アルバーノは、楽しそうにのほほんとはむはむしているボニーノを横目に見て、にやぁ、と人の悪い笑みを浮かべた。


***


「ボニーノ」

「はに?(なに?)」

「たまにはさ、腕以外も噛んでみない?」

「まひ!?(まじ!?)」


アルバーノの突然の言葉に、ボニーノは目を丸くした。なんと、腕以外の場所も噛んでいいのか。アルバーノの着替え中にチラッと見たことがある、がっしりした肩や上腕二頭筋、ぱっつんぱっつんばいーんな逞しい大胸筋やぷりっとしたデカい尻も噛んでいいのか。なんて心が広い男なんだろう。ボニーノは感動した。アルバーノの気前のよさに、ボニーノはアルバーノを見直した。顔がいいだけじゃなかったのか、と。
ボニーノからすると、アルバーノは顔がいい阿呆である。重要書類を栞代わりに使って、それを挟んだまま図書館の本を返却したり、恋人になる前にプレゼントと言って大量の蜂蜜を渡してきたり。大量の蜂蜜は本当に大量だったので、同僚達に配り歩いても無くならず、ボニーノの家の台所の戸棚の殆んどを未だに占拠している。蜂蜜なんて、そんなに大量に食べるものではない。熊じゃあるまいし。ボニーノのアルバーノに対する認識は『顔がいいだけの阿呆』である。そんな顔がいいだけの阿呆が、実はこんなにも心が広い器の大きな男だったなんて……。ボニーノは感動して、思わずアルバーノの腕から口を離した。


「……本当にいいのか?」

「いいよ。ここじゃ狭いし、ベッドの方に行こうか。服を脱ぐから、好きなとこ噛んでいいよ」

「肩とか二の腕とか指とか胸筋とか尻とか、噛んでいい?」

「いいよ」

「……やった!」

「わぁ。ボニーノのそんなに輝く笑顔初めて見たー」


何故か呆れた顔をするアルバーノを放って、ボニーノはパッとソファーから立ち上がった。ソファーに座ったままのアルバーノの腕を掴んで引く。


「早く行こう!さあ行こう!早く!早く!」

「はいはい」


ボニーノは意気揚々とアルバーノを寝室へと引っ張っていった。


***


ボニーノはうっとりとアルバーノの裸体を眺めた。なんて噛み甲斐がありそうな身体なんだろう。しっかりとした筋肉がついているアルバーノの身体は、どこを噛んでも楽しそうだ。思わず涎を垂らしてしまいそうな程、魅力的な身体をしている。アルバーノがにっこり笑って、ボニーノに手招きをした。


「どこでも噛んでいいよ。その代わり、俺もボニーノに触っていい?」

「……どこを?」

「色々?俺だけ噛まれるのはフェアじゃないだろ」

「……まぁ、いいか」


どこを触る気なのかは知らないが、ボニーノは魅力的過ぎるアルバーノの身体を前にして、噛みたい欲求が高まりすぎて、アルバーノがボニーノの身体に触れるということを深く考えなかった。

ベッドの上で向かい合って座り、ボニーノは早速アルバーノの肩に両手で触れ、口を大きく開けて、アルバーノの肩に歯を当てた。顎を動かして、ふにふにと優しく肩を噛む。見事な弾力がある肩の筋肉に、いっそ感動してしまう。なんて噛みごたえがある肩なんだ。肩をふにふに噛んでいるボニーノの頭をアルバーノが優しく撫でた。肩から口を離し、今度は上腕二頭筋の辺りを噛む。上腕二頭筋の辺りも実に素晴らしい噛みごたえだ。擽ったいのか、アルバーノがクスクス小さく笑っている。アルバーノの盛り上がっている胸筋にかぷりと噛みつくと、アルバーノがボニーノの手を握り、自分の口元へ持っていった。胸筋に下の方から噛みつきながら目だけでアルバーノの顔を見上げると、アルバーノがボニーノの指先にキスをして、ぬるりとボニーノの指を舐めた。中指と薬指を咥えられて、ぬるぬると舐め回される。背筋がぞわっとする感覚に、ボニーノは思わず口を離した。


「何で舐めるんだ」

「舐めたいから?気にせず噛んでていいよ」

「……うん」


ボニーノは今度は鎖骨の辺りに噛みついた。肌の下にある骨の感触が楽しい。優しくあむあむしていると、アルバーノがボニーノの手首を舐めた。舌先で手首のうっすら見える血管をなぞるように、ねろねろと舐められる。背中や腰の辺りがぞわぞわする。アルバーノの手がボニーノの腰に触れ、ズボンに入れているシャツの裾を引きずり出した。


「なに」

「俺だけ全裸はズルくない?恥ずかしいからボニーノも脱いでよ」

「えぇ……」

「はい。脱ぐー」


アルバーノがボニーノのシャツのボタンを外し始めた。シャツを脱がされ、ズボンと下着まで脱がされる。いくら恋人同士とはいえ、男2人でベッドで全裸でいるとか普通に嫌だ。ていうか、アルバーノの前で服を脱ぎたくない。ボニーノの身体は痩せぎすで貧相なので、筋肉ムキムキなアルバーノには理解できないであろうコンプレックスを持っている。ボニーノは太りにくく、筋肉もつきにくい体質である。逞しいこれぞ男!な体格をしているアルバーノに少々嫉妬してしまう。
ボニーノが毛布を手繰り寄せ、貧相な身体を隠そうとすると、アルバーノがボニーノの身体を引き寄せ、抱き締めた。うわ、全裸で抱き締められた。ボニーノは誰かと性的接触をしたことがない。ぶっちゃけ童貞である。初めて感じる他人の肌の感触と体温に、ぶわっと顔が熱くなった。なんだこれ。恥ずかしい。ボニーノは細いので、アルバーノの逞しい腕の中にすっぽりとおさまっている。下腹部に熱くて固いものが当たっている。


「…………なあ」

「ん?」

「もしかして勃ってる?」

「そりゃ勃つだろ」


平然と言うアルバーノに、何故だかボニーノの方が恥ずかしくなってしまう。アルバーノの手がボニーノの背中を触れるか触れないかの微妙なタッチで撫で始めた。ぞわぞわする感覚に思わず身体をくねらせてしまう。肩甲骨の辺りを撫でられると、下っ腹がなんだか熱くなってくる。


「噛んでていいよ」

「……う、うん」


ボニーノはアルバーノの肩に唇をつけ、大きく口を開けて噛みついた。あむあむとやんわり肩を噛んでいると、アルバーノが裸のボニーノの腰を撫で、尻を両手で掴んだ。驚いて、思わず強めにアルバーノの肩を噛んでしまう。


「なにして……あ、それより痛くなかったか?」

「平気。ボニーノのお尻柔らかいね」


ふにふにと尻の肉をアルバーノに揉まれる。手つきがなんだかいやらしい。尻をマッサージするかのように、両方の尻肉の中心あたりを優しくぐりぐりされた。気持ちよくて、思わず、んっと小さく声がもれる。


「ここ、マッサージされると気持ちいいよな」

「ん、うん」


尻肉をマッサージしているアルバーノの指が、ボニーノのアナルをやんわり撫でた。思わずビクッとするボニーノを宥めるように、アルバーノがボニーノの頬に優しくキスをした。


「ほら。俺のことは気にせず噛んでていいよ」

「う、うん」


気にするなと言われても気になるのだが、ボニーノは再びアルバーノの肩に噛みついた。ボニーノがふにふに優しく噛むと、アルバーノがすりすり優しくアナルを指先で撫でる。アナルなんて単なる排泄孔の筈だ。何故アルバーノはそんなところを撫でるのか。変態だからか。ボニーノは性的なことに興味が薄かったので、男同士のセックスについて無知といってもよかった。
指先で優しくアナルをすりすりされると、なんだか背筋がぞわぞわして落ち着かない気分になる。指は更に伸び、会陰にも触れてきた。陰嚢とアナルの間を指で優しくすりすりされる。ゾクゾクゾクッと感じたことがない感覚が背を走って、ボニーノは再び強くアルバーノの肩を噛んでしまった。アルバーノの指が会陰とアナルを往復している。


「ボニーノ」

「な、なんだ」

「浄化剤入れるよ」

「浄化剤?」

「中をキレイにしてくれるっていう便利アイテム」

「中?どこの中?」

「直腸」

「……は?」

「あれ?もしかして知らない?男同士だとアナルに挿れるんだよ」

「なにを?」

「ちんこ」


ボニーノは肩から口を離し、楽しそうに微笑んでいるアルバーノの顔を真正面から見た。 


「……アナルは排泄孔だ」

「同時に入れる所でもあるね」

「出口専門だろ」

「男の直腸内には前立腺というものがあってね」

「ぜんりつせん」

「頭がぶっ飛ぶんじゃないかってくらい、気持ちよくなれるよ」

「何それ怖い」

「怖くない怖くない。ここ、すりすりされるの気持ちいいんでしょ?」


アルバーノがまたボニーノのアナルを絶妙なタッチですりすりしてきた。ぞわぞわとした形容しがたい感覚に襲われる。アルバーノが片手でボニーノの下腹部を撫で、ボニーノのペニスをやんわり掴んだ。誰にも触られたことがないペニスをふにふに優しく揉まれ、直接的な快感に驚いてしまう。


「うあっ!」

「ほら。ボニーノも勃ってる」

「あ、あ、そこ、やめっ」

「そこってどこ?」

「……右手の方」

「それじゃ分からないなぁ」

「んっ、動かすなっ、あっ、ち、ちんこやめて……」

「はぁ、ボニーノ可愛い」

「うあっ!やめっ、激しく、すんの、や、やぁ!」

「本当に止めていいの?出したいんじゃないの?」

「やぁ!う、あぁっ!んぅ!ん、んんん!」


アルバーノが片手でボニーノのアナルを指先ですりすりしながら、ボニーノのペニスを激しく擦ってくる。先走りが滲んでしまった先っぽをゴツくて固い掌でぐりぐりするように擦られると、射精感が一気に高まってしまう。


「気持ちいい?ボニーノ」

「あぅ!んぅ!や、や、で、でちゃ、でちゃうぅ!」

「何が出るのかな?」

「せ、せーえき……あぁっ!やぁ!はげしっ!んうぅぅぅ」


ボニーノは高まり続ける射精感に抗えず、目の前のアルバーノの肩に噛みつきながら、アルバーノの手で射精した。ボニーノがはぁはぁと大きく息をしながら涙目でアルバーノの顔を見ると、アルバーノは輝くような笑顔であった。


「ボニーノ」

「……なに」

「もっと気持ちよくなろうね」

「……は?」


射精する以上に気持ちがいいことなんてないし、そもそもやるなんて言ってない。ボニーノのアナルにボニーノの精液で濡れているアルバーノの指が触れた。ぬるぬるの精液を塗り込むようにアナルをくるくる撫でられる。なんだか背筋がゾクゾクする。ボニーノが少し身体をくねらせると、アルバーノがボニーノの頬にキスをした。


***


ボニーノはベッドに仰向けになり、シーツを強く掴みながら、何がどうしてこうなったのだろうか、と今更ながらに疑問に思った。ボニーノはただアルバーノの身体を噛みたかっただけだ。しかし、今は何故か、アルバーノの指を3本もアナルで咥えこんでいる。前立腺とやらを指の腹で優しくすりすりされると、腰が勝手にビクビク震え、頭の中が真っ白になるような、初めて感じる強烈な快感に襲われる。
アルバーノが指を複雑に動かしながら、いつの間にか再び勃起してしまったボニーノのペニスの裏筋をねろーっと舐めた。強烈な快感に身体が勝手にビクビク震える。高まり続ける熱が解放を求めて身体の中をぐるぐる駆け回っている。


「あっ!あぅ!あぁっ!」


自分の喘ぎ声なんて聞きたくないのに、自然と意味がない上擦った声を出してしまう。あとほんの少しの刺激があれば、またイクというところで、唐突にアルバーノの指がボニーノのアナルから引き抜かれた。


「あ、あ……なんで……」

「俺もそろそろ限界だからね」


ボニーノの開いた脚の間にいるアルバーノを見れば、ローションとかいうぬるぬるした液体を自分のペニスに塗っていた。ひくひくしているアナルに、熱くて固い肉の塊が押しつけられる感じがして、そのまま狭いボニーノのアナルを抉じ開けるようにして、アルバーノのペニスがゆっくりとアナルの中に入ってきた。痛い。でも、熱く固いもので中を擦られるのが気持ちいい。ボニーノはだらしなく涎を垂らしながら、目を見開いて、自分の中にアルバーノが入ってくるのを見つめた。太いカリの所で気持ちいいと教え込まれた前立腺をぐりっとされ、アルバーノのペニスが不安になる程奥まで入り込んでくる感覚に、気づけばボニーノのペニスから白い精液がたらたらと流れ出していた。呆然としているボニーノの頭を、アルバーノが笑って優しく撫でた。


「挿れただけでイッちゃうなんて可愛いなぁ」

「あ、あ、あ、あ……」

「もっと気持ちよくなろうか」

「あ……あぁっ!あっ!あ!あっ!あぁっ!」


アルバーノが腰を振り始めた。内壁を熱くて固いペニスで擦られ、前立腺の辺りをぐりぐりされ、多分入ってはいけない奥の方までずっぽり突き上げられる。あまりの快感と衝撃に、ボニーノは目を見開いて涙を溢しながら、ボニーノの腰を掴んでいるアルバーノの腕をすがりつくように掴んだ。


「ボニーノ、気持ちいい?」

「あぁっ!あ!いいっ!きもちいい!」

「どこが?」

「あ、あなるっ!あなるきもちいいっ!!」

「指とちんこどっちがいい?」

「あっ!あっ!ちんこぉ!」

「そっかぁ。俺のちんこ、そんなに気持ちいいかぁ」

「あぁぁっ!あぅ!あん!あぁっ!」


アルバーノが腰を激しく動かしながら、だらしなく顔を弛めているが、ボニーノは生まれて初めての強烈過ぎる快感に夢中で気づいていない。気持ちよすぎて頭の中が真っ白になり、イクこと以外、何も考えられない。ボニーノは揺さぶられながら、身体をくねらせ、腰を震わせ、意味のない声を上げ続けた。


***


アルバーノはボニーノのエロさに感動していた。経験が浅そうというか、ぶっちゃけ童貞だと思っていたが、まさか男同士のセックスについて無知であったとは。その上、アナルや前立腺の才能が豊かで、初めてなのにペニスを挿れただけでイクなんて。ボニーノの掠れた喘ぎ声は想像以上にエロくて堪らない。ボニーノ自身もものすっごくエロい。俺の恋人は最高か。アルバーノはボニーノに『ちんこ、きもちいい』と言わせながら、内心諸手を上げて感激していた。エロ過ぎて暴発してしまいそうな程、ボニーノはエロい声をしている。もっとボニーノにエロい声を出してほしくて、アルバーノはボニーノの前立腺の辺りを太くなっているカリでぐりぐりしながら、ボニーノの濡れたペニスの先っぽを掌でぐりぐり少し強めに擦った。ボニーノが悲鳴のような喘ぎ声を上げる。掠れた色っぽい声を聞いているだけで射精してしまいそうだ。おまけにボニーノのアナルはかなり締まりがよく、本当に油断するとイッてしまいそうである。まだ終わりたくないアルバーノは下っ腹に力を入れて射精を堪えつつ、ボニーノのアナルを激しく突き上げ、ペニスを弄りまくった。


「あぁぁぁぁ!でちゃう!でちゃう!やぁぁぁ!!」


ぷしゅうっとボニーノのペニスから透明な液体が勢いよく飛び出た。どうやら潮を吹いたようである。痛いほどキツくアナルでペニスを締めつけられる。初めてなのに潮まで吹けるなんて、なんてエロ過ぎる身体の持ち主なのか。アルバーノは興奮のあまり、ボニーノの両足を持って、更に激しく腰を動かした。


「あぁっ?あ!あ!あ!やぁ!も!やぁ!あぁ!」

「ボニーノ!可愛いよ!ボニーノ!中にっ!出すよ!」

「あぁぁぁぁぁっ!!」


アルバーノはボニーノに覆い被さって、ビクビク震えているボニーノの身体を抱き締め、ぐっと腰を強く押しつけて、ボニーノの奥に思いっきり精液を吐き出した。


***


ボニーノはギリギリと強く、寝転がったアルバーノの尻の肉に噛みついていた。喘ぎすぎた喉も腰もアナルも痛い。動きたくない程身体が怠い。有耶無耶に始まった初めてのセックスは確かに気持ちよかったが、どう考えても初心者向けではなかった気がする。ボニーノは腹いせにアルバーノの尻を噛んでいた。


「ボニーノさんや」

「あに(なに)」

「痛いです。ごめんなさい」

「ふんっ」

「あとさ」

「ん?」

「可愛かったよ」


ぎりぎりぎりきりっ。


「いたいいたいいたいいたい」


ボニーノは全力でアルバーノの尻を噛んだ。


「ボニーノ。ボニーノ」

「……今度は何」

「君のさ、声が1番好きなんだよね、俺。エロい声ももっと沢山聞きたいけど、できたら普通のお喋りをもっとしたいんだよね。君のこと、もっと知りたい」

「…………」

「噛んでくれるのもいいけど、もっと2人で話をして、お互いを知り合わない?」

「……僕は面白みなんてない平凡な男だぞ」

「そんなことないよ。君は十分魅力的で面白い人だよ。俺が保証する」


アルバーノが首を捻って、尻に噛みついているボニーノを見て、楽しそうに笑った。ボニーノは返事の代わりに、かぷっふにふに、と優しくアルバーノの尻を噛んだ。



(おしまい)


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