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38:洗いっこ
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シェリーが風呂から上がった後。
セガールは着替えを片手にカールと一緒に脱衣場へ向かった。
脱衣場で服を脱いでいる時に、カールがとんでもないことを言い出した。
「セガールさん。洗いっこしましょう」
「……なんでだ」
「俺だけ洗ってもらうのも不公平かと思いますので!俺もセガールさんを洗います!脱!駄目人間!」
「あーー。まぁ、いいが……」
誰かに身体を洗ってもらうなんて、相当久しぶりである。怪我をして、入院していた頃以来じゃないだろうか。別れた妻とは、風呂には殆ど一緒に入ったことがない。だから、洗いっこなんかしたことがない。抜きっこもしているくらいなんだから、洗いっこくらい別に構わないが、昨夜のことがあるので、正直若干気まずい気もする。
昨夜のキスを忘れる為にも、今夜酒を飲もうと思って、酒の肴を買ってきたのだが、その前にまさかの洗いっこである。
セガールは若干の気恥ずかしさを感じながら、何故かやる気満々なカールと一緒に風呂場に入った。
先にカールを洗ってやる。3ヶ月も毎日洗ってやっていたので、慣れたものだ。頭を洗うのは久しぶりだが、少し伸びたカールの髪を洗い始めると、地味に楽しくなってきた。
カールが、ほぁーと気の抜けた声を出した。
「めちゃくちゃ気持ちいいですー」
「そうか。痒いところはないか?」
「ないでーす」
「流すぞ。目を閉じていろ」
「はい」
セガールは手桶でお湯を掬い、ゆっくりとカールの頭の泡をお湯で流した。
タオルに石鹸を擦りつけて、もこもこに泡立て、カールのうなじから洗い始める。古傷がある広い背中を洗い、腰や尻も洗っていく。腕や足も洗ったら、カールの身体の前面を洗っていく。
チラッとカールを見れば、リラックスした顔をしていた。皮被りのペニスの皮を剥いて洗っても、特に反応はない。セガールは、カールのペニスに触れて、少しだけドキッとした。どうしても昨夜のことを思い出してしまう。顔が赤くなっていないことを祈りながら、平静を装って、カールのペニスや陰嚢を洗った。
最後に手で石鹸を泡立てて、カールの顔を洗っていく。カールの肌は、セガールよりも若いから、まだまだ瑞々しい。少しだけ羨ましいと思いながら、顔と身体の泡を流した。
「ふぃー。セガールさんに洗ってもらうと気持ちいいし、なんか落ち着きます」
「そうか」
「さて!交代です!」
「あぁ」
「義足を外してもらっていいですか?」
「分かった」
「頭から始めます。痛かったら言ってくださいね」
セガールが義足を外すと、カールが背後に回った。一声かけてから、カールがセガールの頭にゆっくりとお湯をかけた。セガールの頭を洗うカールの手は、ちょっと擽ったいくらい優しい。こんなに優しく触れられるのは初めてで、少し居心地が悪いが、気持ちがいいし、胸の奥がなんだか擽ったい。
セガールは小さく笑った。
「もう少し強めでもいい」
「これくらいですか?」
「あぁ」
「痒いところはないですか?」
「いや、大丈夫だ」
「お湯かけますねー」
「ん」
またゆっくりとお湯をかけられた。カールのゴツい指がセガールの髪を優しく梳いてくる。
カールが今度はタオルに石鹸を擦りつけて、もこもこに泡立て、セガールの真似をするように、うなじから洗い始めた。
やっぱり擽ったいくらい優しい手つきで、少し落ち着かないが、気持ちがいい。他人に洗ってもらうのが、こんなに気持ちがいいものとは知らなかった。少しだけ気恥ずかしいが、悪い気はしない。
腕や脇、足を洗われてから、身体の前面も洗われる。
正面にいるカールが、楽しそうに笑った。
「なんかちょっと楽しいです」
「俺はちょっと落ち着かない」
「ですよね。慣れます」
「慣れるまで洗いっこするのか」
「はい。俺だけ洗ってもらうと、駄目人間まっしぐらなんで。ちんこ洗いますねー」
「あー。手早く頼む」
「はぁい」
カールの手が優しくセガールのペニスを握って、泡がもこもこついているタオルで優しくペニスを洗い始めた。カールの手がペニスに触れていると、どうしても昨夜のことを思い出してしまう。セガールはうっかり勃起しないように、カールから目を逸らして、頭の中で数字を数えた。
顔もカールに優しく洗ってもらい、全身の泡を流してもらうと、セガールは小さくほっと息を吐いた。なんとか変な反応をせずに済んだ。
2人で温かいお湯で満ちた浴槽に入ると、ざばぁっとお湯が浴槽から溢れ出た。膝がぶつかるが、この窮屈さがやけに落ち着く。
セガールはカールと同時に、はぁーっと大きく息を吐き出した。
「やっぱ、この感じが落ち着きますね」
「あぁ。1人だと、どうにも広すぎるように感じてしまうようになったな」
「そーなんですよー。それにしても、誰かを洗うのって地味に楽しいですね」
「だろう?風呂から上がったら酒を飲もう。いっそ俺の部屋で飲むか?それなら、朝まで飲んでもシェリーに怒られないだろ。多分」
「あ、いいですねー。居間で朝まで飲んだら確実に怒られますからね。『くっさい!』って」
カールが楽しそうに笑ったので、セガールもつられて小さく笑みを浮かべた。
洗いっこも悪くなかったし、お湯に浸かりながら、こうしてお喋りするのも楽しいし、落ち着く。
カールもだが、セガールも、すっかりカールと一緒に風呂に入るのに慣れきってしまっている。一緒じゃないと落ち着かないなんて、割と末期な気がするが、細かいことは考えないことにする。考えたら、なんだか気づいたらいけないことに気づいてしまいそうで、少し怖い。
セガールはのんびりお湯に浸かったまま、カールと他愛のないお喋りをして、ゆっくり身体を温めた。
風呂から出て、それぞれ身体を拭き、パジャマを着ると、2人で脱衣場を出た。
居間に行けば、シェリーが本を読んでいた。シェリーが寝る時間までは、一緒に本を読もうということになり、3人でそれぞれ好きな本を読む。
今の沈黙は気まずさは全然ない。むしろ、落ち着いた空気が流れていて、とてもリラックスできる。
セガールは本を読むカールをチラッと見て、なんとなく少しだけ口角を上げた。
シェリーが部屋に引き上げると、セガールはカールと手分けして酒瓶とグラス、酒の肴を自室に運び込んだ。
カールと一緒に飲もうと思ってチマチマ買っていた酒は、結構な量がある。
カールが嬉しそうなホクホク顔で、ベッドのシーツの上に置いたお盆の上のグラスに蒸留酒を注いだ。
「どれも美味しいやつばっかりですね!ありがとうございます!」
「どうせ飲むなら美味い方がいいだろう?」
「はい!じゃあ、乾杯しましょうか」
「あぁ。乾杯」
「かんぱーい」
セガールはカールとグラスをカチンと軽くぶつけて乾杯すると、蒸留酒を一口飲んだ。ふわっと豊かな香りが鼻に抜け、キツい酒精が喉を焼く。お気に入りの蒸留酒は相変わらず美味い。カールがナイフで切ったチーズを摘み、もぐもぐと咀嚼してから、再び蒸留酒を口に含む。チーズの風味と相性抜群で、より美味くなる。
カールも美味しそうにチーズを食べ、蒸留酒を飲んでいる。
セガールはゆるく笑って、カールとの久しぶりの本格的な酒盛りを楽しみ始めた。
セガールは着替えを片手にカールと一緒に脱衣場へ向かった。
脱衣場で服を脱いでいる時に、カールがとんでもないことを言い出した。
「セガールさん。洗いっこしましょう」
「……なんでだ」
「俺だけ洗ってもらうのも不公平かと思いますので!俺もセガールさんを洗います!脱!駄目人間!」
「あーー。まぁ、いいが……」
誰かに身体を洗ってもらうなんて、相当久しぶりである。怪我をして、入院していた頃以来じゃないだろうか。別れた妻とは、風呂には殆ど一緒に入ったことがない。だから、洗いっこなんかしたことがない。抜きっこもしているくらいなんだから、洗いっこくらい別に構わないが、昨夜のことがあるので、正直若干気まずい気もする。
昨夜のキスを忘れる為にも、今夜酒を飲もうと思って、酒の肴を買ってきたのだが、その前にまさかの洗いっこである。
セガールは若干の気恥ずかしさを感じながら、何故かやる気満々なカールと一緒に風呂場に入った。
先にカールを洗ってやる。3ヶ月も毎日洗ってやっていたので、慣れたものだ。頭を洗うのは久しぶりだが、少し伸びたカールの髪を洗い始めると、地味に楽しくなってきた。
カールが、ほぁーと気の抜けた声を出した。
「めちゃくちゃ気持ちいいですー」
「そうか。痒いところはないか?」
「ないでーす」
「流すぞ。目を閉じていろ」
「はい」
セガールは手桶でお湯を掬い、ゆっくりとカールの頭の泡をお湯で流した。
タオルに石鹸を擦りつけて、もこもこに泡立て、カールのうなじから洗い始める。古傷がある広い背中を洗い、腰や尻も洗っていく。腕や足も洗ったら、カールの身体の前面を洗っていく。
チラッとカールを見れば、リラックスした顔をしていた。皮被りのペニスの皮を剥いて洗っても、特に反応はない。セガールは、カールのペニスに触れて、少しだけドキッとした。どうしても昨夜のことを思い出してしまう。顔が赤くなっていないことを祈りながら、平静を装って、カールのペニスや陰嚢を洗った。
最後に手で石鹸を泡立てて、カールの顔を洗っていく。カールの肌は、セガールよりも若いから、まだまだ瑞々しい。少しだけ羨ましいと思いながら、顔と身体の泡を流した。
「ふぃー。セガールさんに洗ってもらうと気持ちいいし、なんか落ち着きます」
「そうか」
「さて!交代です!」
「あぁ」
「義足を外してもらっていいですか?」
「分かった」
「頭から始めます。痛かったら言ってくださいね」
セガールが義足を外すと、カールが背後に回った。一声かけてから、カールがセガールの頭にゆっくりとお湯をかけた。セガールの頭を洗うカールの手は、ちょっと擽ったいくらい優しい。こんなに優しく触れられるのは初めてで、少し居心地が悪いが、気持ちがいいし、胸の奥がなんだか擽ったい。
セガールは小さく笑った。
「もう少し強めでもいい」
「これくらいですか?」
「あぁ」
「痒いところはないですか?」
「いや、大丈夫だ」
「お湯かけますねー」
「ん」
またゆっくりとお湯をかけられた。カールのゴツい指がセガールの髪を優しく梳いてくる。
カールが今度はタオルに石鹸を擦りつけて、もこもこに泡立て、セガールの真似をするように、うなじから洗い始めた。
やっぱり擽ったいくらい優しい手つきで、少し落ち着かないが、気持ちがいい。他人に洗ってもらうのが、こんなに気持ちがいいものとは知らなかった。少しだけ気恥ずかしいが、悪い気はしない。
腕や脇、足を洗われてから、身体の前面も洗われる。
正面にいるカールが、楽しそうに笑った。
「なんかちょっと楽しいです」
「俺はちょっと落ち着かない」
「ですよね。慣れます」
「慣れるまで洗いっこするのか」
「はい。俺だけ洗ってもらうと、駄目人間まっしぐらなんで。ちんこ洗いますねー」
「あー。手早く頼む」
「はぁい」
カールの手が優しくセガールのペニスを握って、泡がもこもこついているタオルで優しくペニスを洗い始めた。カールの手がペニスに触れていると、どうしても昨夜のことを思い出してしまう。セガールはうっかり勃起しないように、カールから目を逸らして、頭の中で数字を数えた。
顔もカールに優しく洗ってもらい、全身の泡を流してもらうと、セガールは小さくほっと息を吐いた。なんとか変な反応をせずに済んだ。
2人で温かいお湯で満ちた浴槽に入ると、ざばぁっとお湯が浴槽から溢れ出た。膝がぶつかるが、この窮屈さがやけに落ち着く。
セガールはカールと同時に、はぁーっと大きく息を吐き出した。
「やっぱ、この感じが落ち着きますね」
「あぁ。1人だと、どうにも広すぎるように感じてしまうようになったな」
「そーなんですよー。それにしても、誰かを洗うのって地味に楽しいですね」
「だろう?風呂から上がったら酒を飲もう。いっそ俺の部屋で飲むか?それなら、朝まで飲んでもシェリーに怒られないだろ。多分」
「あ、いいですねー。居間で朝まで飲んだら確実に怒られますからね。『くっさい!』って」
カールが楽しそうに笑ったので、セガールもつられて小さく笑みを浮かべた。
洗いっこも悪くなかったし、お湯に浸かりながら、こうしてお喋りするのも楽しいし、落ち着く。
カールもだが、セガールも、すっかりカールと一緒に風呂に入るのに慣れきってしまっている。一緒じゃないと落ち着かないなんて、割と末期な気がするが、細かいことは考えないことにする。考えたら、なんだか気づいたらいけないことに気づいてしまいそうで、少し怖い。
セガールはのんびりお湯に浸かったまま、カールと他愛のないお喋りをして、ゆっくり身体を温めた。
風呂から出て、それぞれ身体を拭き、パジャマを着ると、2人で脱衣場を出た。
居間に行けば、シェリーが本を読んでいた。シェリーが寝る時間までは、一緒に本を読もうということになり、3人でそれぞれ好きな本を読む。
今の沈黙は気まずさは全然ない。むしろ、落ち着いた空気が流れていて、とてもリラックスできる。
セガールは本を読むカールをチラッと見て、なんとなく少しだけ口角を上げた。
シェリーが部屋に引き上げると、セガールはカールと手分けして酒瓶とグラス、酒の肴を自室に運び込んだ。
カールと一緒に飲もうと思ってチマチマ買っていた酒は、結構な量がある。
カールが嬉しそうなホクホク顔で、ベッドのシーツの上に置いたお盆の上のグラスに蒸留酒を注いだ。
「どれも美味しいやつばっかりですね!ありがとうございます!」
「どうせ飲むなら美味い方がいいだろう?」
「はい!じゃあ、乾杯しましょうか」
「あぁ。乾杯」
「かんぱーい」
セガールはカールとグラスをカチンと軽くぶつけて乾杯すると、蒸留酒を一口飲んだ。ふわっと豊かな香りが鼻に抜け、キツい酒精が喉を焼く。お気に入りの蒸留酒は相変わらず美味い。カールがナイフで切ったチーズを摘み、もぐもぐと咀嚼してから、再び蒸留酒を口に含む。チーズの風味と相性抜群で、より美味くなる。
カールも美味しそうにチーズを食べ、蒸留酒を飲んでいる。
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