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変態ストーカー野郎の顔面を磨り下ろしたいストレスマッハな俺
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アーノルド・クルーシオは額に青筋を浮かべた。
此処は自宅の寝室である。アーノルドは警邏隊の単身用官舎に住んでいる。単身用官舎は5階建てで、アーノルドの部屋は5階の角部屋だ。玄関の鍵は2カ月に一度は交換している。窓の鍵も同じ頻度で変えている。そもそも此処は5階の部屋で、屋上には高い柵があり、普通に考えたら誰にも侵入できない筈の部屋だ。しかし、誰かに侵入された形跡がある。それも、アーノルドが寝室で寝ていた筈の時間帯に。
何故それが分かるのかというと、寝室に置いてあるチェストの中身の一部が全て違うものに変わっていたからだ。より具体的に言うと、パンツが変わっていた。アーノルドはトランクスタイプのパンツを愛用している。それも色は白限定である。それが全てカラフルな紐パンに変わっていた。赤、紫、青、黄色、ピンクに黒に白。チェストの中のパンツスペースが地味に自己主張を強めている。アーノルドは顔を引き攣らせて、布面積が小さな紐パンを1つ手にした。淡いピンク色の紐パンは布地が薄く、微妙に透けている。薄い布地は防御力に乏しく、紐パンを穿いたら大事なところが透けるどころか、布面積が小さ過ぎて金玉がポロリするのは明らかだ。
アーノルドは大きく深呼吸をして、腹の底から叫んだ。
「出てこいやぁ!!変態ストーカー野郎っ!!」
アーノルドが叫んだきっかり10秒後。誰もいない筈の我が家なのに、寝室のドアが静かに開き、ひょこっと男が顔を見せた。淡い金髪に白い肌、吊り気味の涼やかな目元に淡い水色の瞳。ちょっと険があるが、十分男前だと言える容姿の男が、アーノルドを見て、にっこりと笑った。
「僕からの贈り物は気に入ってもらえました?隊長」
「ぶっ……」
「ぶ?」
「ぶっっ殺すぞ!!このイカれストーカー野郎!!」
アーノルドは全力で手にしていた紐パンを男に向かって投げつけた。男は普通に紐パンを片手でキャッチして、丸まった紐パンを警邏隊の制服の内ポケットから出した小さな袋に大事そうに仕舞った。
「隊長の指紋入手ー」
「気持ちが悪い!!つーか!昨日鍵を変えたばっかだぞ!!どうやって入ってきやがった!この野郎!!」
「僕に開けられない鍵はないでーすよー。えへっ」
「おう。ごら。この不法侵入者。お前の顔面を磨り下ろしたい」
「やだぁ!隊長ってば激しーいー」
「心底磨り下ろしたい」
大変遺憾ながら、目の前の不法侵入者はアーノルドの部下の1人である。同時に、アーノルドに付き纏う変態ストーカーである。
変態ストーカー・ギャラハッドを睨みつけながら、アーノルドは唸るようにギャラハッドに問いかけた。
「俺のパンツはどうした」
「全部僕のコレクションになりまーしたー。あ、ちゃんとオカズにしましたよ?」
ギャラハッドの変態発言に、ぶわっとアーノルドの全身に鳥肌が立った。
アーノルドは大きめのチェストをがっと両手で掴み、鍛えまくった筋力に物を言わせて重いチェストを持ち上げ、全力で変態ストーカー野郎に向かってぶん投げた。
どがぁっと大きな音を立てて、チェストが寝室のドアにぶつかった。仕留めたか、と寝室のドアの辺りを注視するが、そこには既に変態ストーカー野郎の姿は無かった。逃げられたか。
アーノルドは大きく舌打ちをすると、苛立ってガシガシと頭を掻き毟った。
パンツは1枚残らず紐パンに変わっていた。今は早朝で、当然ながら服屋は開店前だ。そして1時間後には、1年で一番大事な予算会議がある。パンツを買いに行く時間はない。
パンツを穿かずに生装備で出勤するか、紐パンを穿いて出勤するか。今のアーノルドには、この2択しかない。
アーノルドはぶつぶつと変態ストーカー野郎への怨嗟を呟きながら、寝室のドアを破壊したチェストに向かった。
アーノルドが部下であるギャラハッド・アンタレスにストーカーされるようになり、既に半年が経つ。気がついたらギャラハッドにストーカーされていた。最初に感じたのは、視線だった。それから、家の中の物が僅かに移動していたり、官舎の集積所に出した筈のゴミ袋が無くなっていたり、古くなったから買い換えようと思っていた物がいつの間にか新品になっていたりと、おかしな事が続いた。アーノルドは密かに、信頼している部下に探らせようとした。その結果、その信頼している部下本人がストーカーだった事が判明した。
ギャラハッドにアーノルドの身の回りに起こる不可解な事を探るよう頼むと、ギャラハッドがにっこりと笑って、こう言った。
「あ、それ。僕ですー」
アーノルドはとりあえずギャラハッドを全力で殴った。
ギャラハッドをボコって吐かせたところ、ギャラハッドはアーノルドに惚れていて、アーノルドの全てを観察したいとかほざいた。ギャラハッドは普段と変わらない表情で、直近1週間のアーノルドの行動や食べたもの、会った人や会話、それからトイレの回数やオナニーの回数までベラベラと話し始めた。アーノルドはそんなギャラハッドにドン引きし、とりあえずまた全力で殴った。
少し言動が軽いが仕事ができて頼りになる部下だと思っていたギャラハッドは、やべぇ変態ストーカー野郎だった。
アーノルドは拳と拳と拳を混じえながら、ギャラハッドを全力で説教した。しかし、ギャラハッドはストーカーを止めるどころか、開き直って、更に過激な行動に出た。
自宅に帰れば誰もいない筈の部屋に出来たての温かい食事が用意してあり、風呂も適温で用意してあり、使用済みの服は全て新品のものに変わっている。粘っこい感じがする視線を常に感じているし、うっかり便秘になった時には、寝室のベッドの上に効き目がいいと評判の便秘薬が置いてあった。
アーノルドは拳と拳と拳と言葉で、なんとかギャラハッドのストーカー行為を止めさせようとしたが、ギャラハッドには何の効果もなく、仕方がないので、家に侵入されないようにと、定期的に鍵を交換するようになった。鍵屋すら毎回変えている程なのに、何故かギャラハッドは易々とアーノルドの部屋に侵入し、更なるストーカー行為を仕掛けてくる。
ここ半年のアーノルドのストレスはうなぎ登りで、ついに後頭部に小さな円形のハゲができた。あと心なしか白髪も増えた。胃の調子も良くない。頻繁に胃薬が寝室のベッドの上に置いてあるのもストレスの要因の1つである。ハゲに効くと評判の育毛剤も置いてあった。全部捨てたが、翌日にはまた置いてあった。
ギャラハッドに対して、何度も何度も何度も何度も何度も拳と拳と拳と罵倒と拳をもって説得を試みたが、何の変化もない。むしろ、悪化の一途を辿っている気がする。
ギャラハッドは現在28歳である。ギャラハッドが18歳で警邏隊に入隊した時、まだ隊長ではなかったアーノルドが新人指導役としてギャラハッドの面倒をみた。ギャラハッドには普通に懐かれていると思っていたが、全然普通じゃない懐かれ方をしていたようだ。
アーノルドはキリキリと痛む胃の辺りを片手で押さえながら、紐パンの頼りない感覚に奥歯を強くギリギリと噛み締めつつ、重い空気を背負って出勤した。
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なんとか予算会議が終わった後、アーノルドは隊長室に戻ってから、机の上にいつの間にか置いてあった効き目がいいと評判の胃薬を飲んだ。効果が高い薬に罪はない。最初のうちは気持ちが悪くて捨てていたが、最近は開き直って薬を飲んだりしている。
アーノルドは事情を知る副隊長に憐れみの目で見られながら、薬と一緒に置いてあった胃に優しい果物のゼリーを食べた。胃が痛すぎて、普通の固形物を食べられそうにないので仕方がない。
アーノルドは魂さえ零れ落ちそうな大きな溜め息を吐いてから、山積みの書類を手に取った。
割と遅い時間帯まで残業したアーノルドは、のろのろとした足取りで自宅である官舎へと帰った。5階まで階段を上り、家のドアの鍵を開けて家の中に入れば、ふわっと柔らかい美味しそうなスープの匂いが鼻を擽った。アーノルドはギリギリと痛む胃の辺りを擦りながら、のろのろと食堂兼居間である部屋に向かった。
食卓としても机としても使っているテーブルの上には、温かな湯気が立つ穀物の粥が入った皿とスプーン、温かいお茶と消化に良い果物が置いてあった。
アーノルドはぐったりと脱力して、膝から崩れ落ちた。
こういう細やかな気遣いができるのであれば、そもそもストーカー行為を止めろと言いたい。というか、何度も言っている。ほぼ四六時中アーノルドのストーカーをしている筈なのに、ギャラハッドは何故か仕事もキッチリしている。最近では、ギャラハッド複数存在説がアーノルドの中で有力になってきている。
アーノルドは大きな溜め息を吐いてから、のろのろと立ち上がり、椅子に座って、もそもそと温かい粥を食べた。アーノルド好みの薄めの味付けで、痛みまくる胃に非常に優しい。もう腹が立つというレベルを超えている。
アーノルドは粥を食べ終えると、のろのろとした動きで風呂場へと向かった。脱衣場で制服を脱げば、黒い紐パンが嫌でも視界に入る。布面積が小さ過ぎて、金玉がほぼはみ出している。アーノルドは1日金玉がパンツからはみ出た状態で仕事をしていた。誰かに知られたら舌を噛んで死ぬしかない。
不快な紐パンを脱ぎ捨て、脱衣場に置いてあるゴミ箱に突っ込むと、アーノルドは鏡を見た。
アーノルドは顔立ちはかなり普通である。短く整えている焦げ茶色の髪に、深い色合いの緑色の瞳、若干顔色が悪くなっている日焼けした肌。顔立ちそのものは本当に普通である。今年で38歳になるので、普通に口元にほうれい線がある。目元をよくよく見れば、小さな皺もある。年相応の普通のオッサンである。背はそこそこ高く、身体はしっかり鍛えているので、筋肉質で逞しい方だと思う。腕っ節はそれなりに自信があり、隊内では一番強いが、見た目はかなり普通である。男前と評していいギャラハッドに惚れられる要因がまるで分からない。
アーノルドはまた大きな溜め息を吐いて、鏡の前から移動して、シャワーを浴びてから、適温のお湯が溜まっている浴槽に入り、しっかりと身体が温まるまで、のんびりとお湯に浸かった。
風呂から出ると、脱衣場に置いてある濯物籠に入れていた制服と、ゴミ箱に入れていたパンツが無くなっていた。制服は流石に毎回新品のものを用意できないからか、いつも気づいたら洗濯済みの状態でチェストに入っている。キチンと畳んで置かれていた紫色の紐パンを嫌々穿き、寝間着を着てから脱衣場を出る。今日は会議もあって忙しく、パンツを買いに行く時間を作れなかった。自宅とはいえ、パンツを穿かないのはキツいものがある。
アーノルドはドアが壊れたままの寝室に移動して、何もしていないのにキレイに整っているベッドに腰を下ろした。
いい加減、色々限界である。特にストレスがヤバい。ギャラハッドが堂々と告白なりしてくれたら、すっぱりフることができるが、ギャラハッドはストーカー行為を自白した時以外で、アーノルドへの好意を口にすることはない。ギャラハッドが何をしたいのかが、本当に分からない。
アーノルドは暫く考えてから、ギャラハッドの名前を呼んだ。
きっかり10秒後に、壊れたままの寝室のドアから、ひょいとギャラハッドが顔を見せた。
「なんですー?隊長」
「ちょっと来い」
「はーい」
ギャラハッドがゆるく笑って、ベッドに座ったままのアーノルドの前に正座した。
アーノルドはギャラハッドを見下ろし、口を開いた。
「お前、何で俺が好きなんだよ」
「えー。それ聞いちゃいますー?」
「速やかに吐け」
「んー。あれですよ。なんか気づいたら好きだった感じですねー」
「あぁ?」
「や。僕も本当に謎でして。本当に気づいたらって感じ?」
「……そうか。で」
「はーい?」
「お前、何がしたいんだ」
「ん?言ったでしょー?隊長の全てを観察したいんですよー」
「恋人になりたいとか、そういうのは」
「えー?なぁーい。そんな烏滸がましいじゃないですかー。僕なんかと隊長じゃ、釣り合い取れませんよー」
「あぁ?」
へらっと笑ったギャラハッドに、心底イラッとする。ギャラハッドは基本的に自己評価が低い。ものすごく低い。ギャラハッドは裕福な商家の妾腹の生まれで、幼い頃から本妻の子供と比べられ、とことん否定されまくって育ったらしい。そのせいだろう。入隊した頃は特に、アーノルドがギャラハッドを褒めると、変なものを見るような目で見られた。ギャラハッドは身体能力が高く、観察力に優れていて、状況判断能力も非常に高い。腕っ節も隊内では上位に入る程だが、未だに自分は『不出来で糞の役にも立たない出来損ない』だと思っている節がある。おそらく、色々と歪んだ環境で育ったから、歪んだ愛情表現しかできないのだろう。
アーノルドは疲れきった大きな溜め息を吐き、パシッと軽くギャラハッドの頭を叩いた。
「おい。選べ」
「何をですかー?」
「俺の恋人になるか、付き纏いの不法侵入しまくりの犯罪者として逮捕されるかの2択だ」
「はいー?隊長。僕なんかを恋人にするとか正気ですかー?」
「うるせぇ。お前、俺が好きだろうが」
「そりゃもう」
「なんかもう諦めた。恋人になるからストーカー行為を止めろ。堂々と俺の隣に立て。この馬鹿野郎」
「えーと……」
ギャラハッドが困ったように眉を下げ、落ち着き無く目を泳がせ始めた。
「隊長。それは止めといた方がいいですってー。僕なんかが恋人になったら隊長の評判に傷がつきますよー」
「あぁ?んなもん気にするかボケ」
「いやほらぁ。僕如きが隊長と釣り合う訳ないですしぃ。隊長を観察するだけで、僕は満足ですしぃ」
「俺に恋人や嫁さんができても、観察するだけで満足すると?」
「……そぅですよー」
ギャラハッドが情けなく眉を下げて、へらっと笑った。アーノルドはまた心底イラッとして、軽くギャラハッドの頭を叩いた。
ガシガシと頭を掻いて、アーノルドは大きな溜め息を吐いた。
「おい」
「はいー?」
「もう本気で面倒くせぇ」
「何がですー?」
「ケツ出せ」
「は?」
「もういいわ。面倒くせぇ。マジで面倒くせぇ。もうあれだ。セックスすんぞ。セックス」
「え?え?なんで?」
「セックスしまくって明日の朝一で隊全員の前で恋人宣言してやる」
「……はぁぁぁぁぁ!?」
「はい。決まり。お前が素直に恋人にならねぇから仕方がねぇ。つーことで、ケツ出せ」
「い、いやいやいやいや!!隊長!落ち着きましょー?それは流石にやべぇですって!」
「うーるせぇ。もう決めた。絶対やる」
「だ、駄目ですよー!僕なんかが……」
「やっかましいわ!!このド阿呆!!お前はよぉ!何度言わせりゃ気が済むんだ!!お前は!俺の自慢の後輩で!自慢の部下だ!!このド阿呆!!」
「い、いや……でも……あの、ほら。隊長、別に僕のことなんか好きでもないでしょー?ほら。ね。やめときましょー?疲れてるんですよー。今夜は寝ましょうよー」
「どこぞの誰かのせいでストレスがやべぇのは否定しねぇ」
「ほらー。大人しく薬飲んで寝ましょーねー」
「お前のことは別に恋愛対象って意味じゃ好きじゃねぇ」
「……知ってまーすよー」
「が」
「が?」
「ちったぁ、まともに俺がお前に惚れるように努力してみやがれ。変態ストーカーヘタレ馬鹿野郎」
「……いや、だから……僕なんかじゃ……」
「お前、次に『僕なんか』って言ったら問答無用でケツにちんこ突っ込むからな。お前の選択肢は2択だ。大人しく俺に抱かれて恋人になるか、問答無用でケツにちんこ突っ込まれて恋人になるかだ」
「はぁ!?2択変わってるんですけど!?それ1択じゃないですかー!!」
「うるせぇ。もう知らん。心底めんどくせぇ。お前は!俺の!恋人!はい決まり!!」
アーノルドは、かなり焦った様子のギャラハッドをビシッと指差した。なんかもう本当に考えるのが面倒くさいのだ。ギャラハッドのストーカー行為を止めさせるには、もうギャラハッドと恋人になるしかない。というか、ストーカーをするくらいなら、正々堂々とアーノルドを口説けと声を大にして言いたい。
ギャラハッドのことは別に恋愛対象として好きな訳ではないが、後輩として部下としては普通に好きである。ギャラハッドと同じ想いを返せるかと言われたら、自信がないどころか多分無理だが、このままギャラハッドの歪んだ愛情表現を受け入れる気はない。そんなことをしたら、アーノルドがストレスで死ぬ。それだったら、いっそのこと形から入ってしまえばいい。普通の恋人としてギャラハッドと過ごしていれば、そのうち、なんかこう普通の恋人として大事にできるような気がするようなしないような。ぶっちゃけ恋人として大事にできるか自信はないが、自己評価が最底辺のストーカー野郎をこのままにしておくのも気分が悪い。恋人としてきっちり手綱を握り、自己評価糞野郎を矯正しなければ。
アーノルドはこうと決めたら曲げることはない。
それを知っているギャラハッドが、顔面蒼白にして、ぷるぷると震え出した。
「つーことで。とりあえず恋人同士のスキンシップをやるぞ。セックスすんぞ。セックス。服を脱げー。ケツを出せー。その前にキスすんぞー」
「……む……」
「む?」
「無理ーー!!死ぬっ!そんなんしたら僕死んじゃうっ!!」
「あぁ?」
真っ青だったギャラハッドの顔が、一瞬で真っ赤になった。アーノルドは手を伸ばして、正座をした状態でジリジリ後ろに下がり始めたギャラハッドの頭をガッと掴んだ。
「うるせぇ。お前に拒否権はねぇ」
「や、や、や……」
「はいはーい。ちゅー」
「にゃーーーー!!」
アーノルドは素早く動いて、全力で暴れようとするギャラハッドを床に押し倒した。水をかけられた猫みたいに叫ぶギャラハッドの唇に自分の唇を押しつけ、問答無用でギャラハッドの口内に舌を突っ込む。組み敷いたギャラハッドの身体が、ピシッと固まった。うーわ。男とキスしちゃった……と思いながらも、アーノルドはギャラハッドの性感を煽るように、敏感な上顎をぬるぬると舐め回した。上顎に舌を這わせ、歯列をなぞり、奥の方に引っ込んでいるギャラハッドの舌に自分の舌を絡める。ぶっちゃけギャラハッドに勃起できる自信は欠片もないが、男にはやらねばならない時がある。気合で勃たせる。どうしても勃たなかったら、その時はその時だ。
アーノルドはギャラハッドがぐったりとするまで、延々とギャラハッドの口内を舌で嬲った。
抵抗する気がないギャラハッドの制服を脱がせると、ギャラハッドが先程風呂に入る前にアーノルドが穿いていた黒い紐パンを穿いていたことが判明した。ギャラハッドが変態過ぎて割とキツい。だが、男にはやらねばならない時がある。
アーノルドは据わった目で、真っ赤な顔でぐったりとしているギャラハッドを見下ろした。
ギャラハッドも鍛えているので、かなり筋肉質な方だ。身長はアーノルドと同じくらいで、腕周りや胸周り、バキバキに腹筋が割れている腹回りは、アーノルドとほぼ変わらない太さである。しっかりと盛り上がった胸筋を揉みながら、アーノルドはギャラハッドの乳首を見た。薄茶色の存在感が薄い、普通の男の乳首である。当然テンションは上がらない。むしろテンションが下がる。しかし、男にはやらねばならない時がある。
アーノルドは無抵抗のギャラハッドの唇を軽く吸ってから、ギャラハッドの普通の男の乳首に舌を這わせた。チロチロと舌先で転がし、ちゅくちゅくとギャラハッドの小さな乳首を吸う。チラッとギャラハッドの顔を目だけで見れば、何やら生温かい目でアーノルドを見ていた。ちゅぽっと小さな音を立ててギャラハッドの普通乳首から口を離し、アーノルドは指で優しくギャラハッドの乳首を弄りながら、口を開いた。
「何か言いたいことは?」
「やー。赤ちゃんみたいだなぁと」
「お前の乳首を引き千切るぞ」
「やめてくださーいー」
「ちっ。未開発かよ」
「そうですけどー」
「しょうがねぇ。乳首は追々開発する」
「えー……」
「おい」
「あ、はーい」
「このまま動くな。動いたら新聞社に『俺達恋人になりました!』と垂れ込む」
「それはやめましょー!?」
「嫌なら動くな」
「……うぅ……はぁーい……」
アーノルドはギャラハッドの上に伏せていた身体を起こし、立ち上がって、薬箱が置いてある棚へと移動した。ローションなんてものは当然家にはない。仕方がないので、傷薬の軟膏を使う。当たり前のことだが、アナルは女のまんこみたいに濡れない。潤滑剤的なもので滑りを良くしないと、絶対に痛いし、最悪流血沙汰になる。
アーノルドは軟膏が入った容器を片手に大人しくしているギャラハッドの元へ戻り、ギャラハッドの足を大きく広げさせた。ギャラハッドの股間を見下ろせば、ギャラハッドのペニスは勃起しており、布面積が小さい紐パンからペニスの先っぽが飛び出していた。ついでに金玉も殆どがポロリしている。かなり間抜けである。
アーノルドは傷薬の軟膏の容器の蓋を開け、たっぷりと指に軟膏を纏わりつかせると、躊躇なくギャラハッドのアナルに触れた。ギャラハッドのアナルの皺に軟膏を擦り込むように指を動かすと、ギャラハッドの身体がビクッと震えた。
「おい」
「……はーい」
「痛かったら正直に言え」
「…………はーい」
アーノルドはくるくるとギャラハッドのアナルを優しく撫で回して軟膏をアナルの表面に馴染ませると、ゆっくりとギャラハッドのアナルの中に中指を入れ始めた。ギャラハッドが堪えるように眉間に深い皺を寄せ、はぁ、と熱い息を吐いた。
中指をゆっくりとアナルの中に押し込みながら、アーノルドはじっとギャラハッドを観察した。
「ここを弄ったことは?」
「……ある訳ないでしょー」
「そうか。痛いか」
「……そんなに……異物感が、ちょっと気持ち悪いです……」
「慣れろ」
「無茶言わないでくださーいー」
ギャラハッドの顔が泣きそうに歪んだ。男前だと巡回先のあちこちで若い女にキャーキャー言われているギャラハッドの情けない顔に、じわぁっと罪悪感が湧き上がるが、アーノルドはぐっと眉間に力を入れて、指の動きを続行した。仕方がない。男にはやらねばならない時がある。
ゆっくりとアナルに入れた指を抜き差しする。括約筋のキツい締めつけと熱くて柔らかい腸壁の感触を指に感じる。爪で中に傷をつけないように慎重に指を動かしていると、微かな痼のような所に指が触れた。その瞬間、ギャラハッドが驚いたような裏返った声を上げ、ビクッと身体を揺らし、キュッと括約筋でアーノルドの指を締めつけた。もしかして、ここが気持ちいいのだろうか。そういえば、男の直腸内にとんでもなく気持ちがいい所があると聞いたことがあるようなないような。ものすごくうろ覚えで確信はないが、アーノルドはそこを指の腹ですりすりとんとんと優しく撫でたり叩いたりして弄った。
「いっ!ひっ!ひっ!ふぅっ!」
「ここ気持ちいいか?」
「ふあっ!んんっ!や、やめっ!にゃっ!」
「いいんだな。ふーん」
アーノルドはしつこいくらいにそこだけを指で弄った。ビクッビクッと面白いくらいギャラハッドの身体が震え、そのうち、ギャラハッドが低い喘ぎ声を響かせるようになり、更に続けると、ひんひん泣き始めた。ギャラハッドのペニスはずっと勃起したままで、亀頭が先走りで濡れて、微かにてらてらと光っている。
アーノルドは一度ギャラハッドの心なしか柔らかくなってきたアナルから中指を引き抜き、軟膏を足してから、今度は揃えた2本の指をゆっくりとギャラハッドのアナルに押し込んだ。
ギャラハッドのアナルがアーノルドの指を3本咥えこみ、スムーズに動かせるようになる頃には、ギャラハッドはガチ泣きしながら喘いでいた。どうやらギャラハッドはアナルの才能があるらしい。乳首の才能が開花するのは多分これからだ。
そろそろイケるか、と思い、アーノルドはギャラハッドの熱いアナルから指を引き抜いた。力が入っていないギャラハッドの身体をびっくり返し、四つん這いの体勢にさせる。
膝立ちになり、寝間着のズボンを下ろして自分の股間を見下ろせば、もっこりと布面積が小さな紫色の紐パンのペニス部分が盛り上がっていた。完全に勃起している訳ではない。それでも半勃ちではある。ひんひん泣きながら喘ぐギャラハッドがちょっと可愛いとか思ってない。思っていないとも。
アーノルドは紐パンの前面をずり下ろして自分のペニスを取り出すと、軟膏とギャラハッドの腸液でぬるつく手で自分のペニスを擦り、完全に勃起させた。こちらに筋肉質でムキッとした尻を向けているギャラハッドの紐パンの右側の紐だけ解いて、ギャラハッドの尻の谷間を露わにする。ちなみに、今色違いのお揃い状態で穿いている紐パンは、布面積が小さくて半ケツ状態ではあるが、一応後ろにも布がある。Tバックではない。
アーノルドは片手でギャラハッドのアナル周りの尻肉を広げた。少しだけ周りに毛が生えているギャラハッドの若干黒みがかった濡れたアナルが丸見えになる。
くぽくぽと大きく収縮しているアナルが、妙にいやらしく感じる。アーノルドは自分のペニスを掴んで、ペニスの先っぽをギャラハッドのアナルにくっつけた。ギャラハッドのしっかりとした腰を掴み、ゆっくりと腰を動かして、ギャラハッドのアナルにペニスを押し込んでいく。キツい括約筋を通り過ぎれば、熱くて柔らかい腸壁にペニスが包まれていく。ちょっと悔しいくらいに気持ちがいい。微妙に痛いくらいの締めつけが、正直癖になりそうだ。アーノルドはゆっくりとペニスを根元近くまで押し込むと、手を伸ばして、大きく荒い息を吐いているギャラハッドの頭をやんわりと撫でた。
「おい。痛いか」
「……い、たい……」
「ふむ」
「う、あ……!?」
アーノルドはギャラハッドの少し萎えたペニスを片手で掴んで、ゆるゆると擦り始めた。きゅっと更にキツく括約筋が締まる。微妙に痛いが、同時に気持ちがいい。ギャラハッドの反応を観察しながら、ギャラハッドのペニスを手で弄り、ゆるゆると小さく腰を動かし始める。ゆっくりとペニスを引き抜き、指で散々弄ったギャラハッドが気持ちがいい所ら辺をペニスのカリで擦るようにすると、ギャラハッドが裏返った声を上げ、腰をビクビクッと震わせた。括約筋のキツい締めつけとギャラハッドの中の熱さに、思わず唸るように低く喘いでしまう。ぶっちゃけかなり気持ちがいい。そこだけを集中的にペニスで擦りながら、ギャラハッドのペニスを激しく手で擦る。ギャラハッドの涙で濡れた声がどんどん切羽詰まったものになっていく。
「あっ!あっ!あっ!ひっ!でるっ!でるっ!」
「おー。出せ出せ。俺も出す」
「や、あっあっあっ……っあぁぁぁぁぁっ!!」
「ふっ……おぅっ……」
ギャラハッドのペニスの先っぽから熱い液体が飛び出してアーノルドの手を濡らした。ぎゅうっとキツくペニスを括約筋で締めつけられて、アーノルドもそのままギャラハッドの中に思いっきり精液をぶち撒けた。ゆるゆると腰を振って精液を出し切る。
うぇっ、うぇっと泣いているギャラハッドの汗が滲む尻を労るように撫でてから、アーノルドはゆっくりと萎えたペニスをアナルから引き抜いた。
両手でギャラハッドのムッキリした尻肉を掴み、大きく広げると、閉じ切らないぽっかりと口を開けたままのアナルから、こぽぉっと白いアーノルドの精液が溢れて垂れ落ちていった。じっとギャラハッドのアナルを観察するが、どうやら切れている様子はない。アーノルドはほっとして、ギャラハッドの身体をひっくり返した。
汗と涙と鼻水と涎でぐちゃぐちゃのギャラハッドの顔を見下ろし、アーノルドは今一度ギャラハッドに向かって宣言をした。
「お前は俺の恋人」
「う、うぇっ、うえっ、うぅ……」
「恨むんなら俺に惚れたお前自身を恨めよ。そんで、大人しく恋人として俺に可愛がられろ」
「む、むちゃくちゃだ……」
「うるせぇ。ちゅーすんぞ。この野郎」
「うぅ……」
「お前。ここまでされても俺が好きか」
「……好きでーすよー。悪いでーすかー」
「物好きめ」
アーノルドはギャラハッドの身体に覆いかぶさり、情けなく鼻水が垂れているギャラハッドの唇を優しく吸って、ギャラハッドの身体をぎゅっと抱きしめた。
翌日。アーノルドは本当に隊全員の前で恋人宣言をし、ギャラハッドを卒倒させた。一応恋人なので気絶したギャラハッドを背負って医務室へと連れて行き、目が覚めるなり何故か泣きじゃくりだしたギャラハッドを適当に慰めて、それから普通に仕事をした。
ギャラハッドのストーカー行為はそれから2年程続いたが、頻繁に対等な恋人であるということを根気よく身体に教えこんだら、恋人になって3年目にはストーカー行為をしなくなった。
アーノルドは結局、ギャラハッドを死ぬまで離さなかった。アーノルドに惚れたのはギャラハッドだ。更に、それからアーノルドをギャラハッドに惚れさせたのもギャラハッドだ。しっかりと責任は取るべきだと思う。
アーノルドはギャラハッドと普通に一緒に暮らすようになった。
休日の朝。同じベッドで寝ているギャラハッドを起こさないように、やんわりとギャラハッドの身体を抱きしめて、アーノルドは穏やかな二度寝へとしゃれこんだ。
(おしまい)
此処は自宅の寝室である。アーノルドは警邏隊の単身用官舎に住んでいる。単身用官舎は5階建てで、アーノルドの部屋は5階の角部屋だ。玄関の鍵は2カ月に一度は交換している。窓の鍵も同じ頻度で変えている。そもそも此処は5階の部屋で、屋上には高い柵があり、普通に考えたら誰にも侵入できない筈の部屋だ。しかし、誰かに侵入された形跡がある。それも、アーノルドが寝室で寝ていた筈の時間帯に。
何故それが分かるのかというと、寝室に置いてあるチェストの中身の一部が全て違うものに変わっていたからだ。より具体的に言うと、パンツが変わっていた。アーノルドはトランクスタイプのパンツを愛用している。それも色は白限定である。それが全てカラフルな紐パンに変わっていた。赤、紫、青、黄色、ピンクに黒に白。チェストの中のパンツスペースが地味に自己主張を強めている。アーノルドは顔を引き攣らせて、布面積が小さな紐パンを1つ手にした。淡いピンク色の紐パンは布地が薄く、微妙に透けている。薄い布地は防御力に乏しく、紐パンを穿いたら大事なところが透けるどころか、布面積が小さ過ぎて金玉がポロリするのは明らかだ。
アーノルドは大きく深呼吸をして、腹の底から叫んだ。
「出てこいやぁ!!変態ストーカー野郎っ!!」
アーノルドが叫んだきっかり10秒後。誰もいない筈の我が家なのに、寝室のドアが静かに開き、ひょこっと男が顔を見せた。淡い金髪に白い肌、吊り気味の涼やかな目元に淡い水色の瞳。ちょっと険があるが、十分男前だと言える容姿の男が、アーノルドを見て、にっこりと笑った。
「僕からの贈り物は気に入ってもらえました?隊長」
「ぶっ……」
「ぶ?」
「ぶっっ殺すぞ!!このイカれストーカー野郎!!」
アーノルドは全力で手にしていた紐パンを男に向かって投げつけた。男は普通に紐パンを片手でキャッチして、丸まった紐パンを警邏隊の制服の内ポケットから出した小さな袋に大事そうに仕舞った。
「隊長の指紋入手ー」
「気持ちが悪い!!つーか!昨日鍵を変えたばっかだぞ!!どうやって入ってきやがった!この野郎!!」
「僕に開けられない鍵はないでーすよー。えへっ」
「おう。ごら。この不法侵入者。お前の顔面を磨り下ろしたい」
「やだぁ!隊長ってば激しーいー」
「心底磨り下ろしたい」
大変遺憾ながら、目の前の不法侵入者はアーノルドの部下の1人である。同時に、アーノルドに付き纏う変態ストーカーである。
変態ストーカー・ギャラハッドを睨みつけながら、アーノルドは唸るようにギャラハッドに問いかけた。
「俺のパンツはどうした」
「全部僕のコレクションになりまーしたー。あ、ちゃんとオカズにしましたよ?」
ギャラハッドの変態発言に、ぶわっとアーノルドの全身に鳥肌が立った。
アーノルドは大きめのチェストをがっと両手で掴み、鍛えまくった筋力に物を言わせて重いチェストを持ち上げ、全力で変態ストーカー野郎に向かってぶん投げた。
どがぁっと大きな音を立てて、チェストが寝室のドアにぶつかった。仕留めたか、と寝室のドアの辺りを注視するが、そこには既に変態ストーカー野郎の姿は無かった。逃げられたか。
アーノルドは大きく舌打ちをすると、苛立ってガシガシと頭を掻き毟った。
パンツは1枚残らず紐パンに変わっていた。今は早朝で、当然ながら服屋は開店前だ。そして1時間後には、1年で一番大事な予算会議がある。パンツを買いに行く時間はない。
パンツを穿かずに生装備で出勤するか、紐パンを穿いて出勤するか。今のアーノルドには、この2択しかない。
アーノルドはぶつぶつと変態ストーカー野郎への怨嗟を呟きながら、寝室のドアを破壊したチェストに向かった。
アーノルドが部下であるギャラハッド・アンタレスにストーカーされるようになり、既に半年が経つ。気がついたらギャラハッドにストーカーされていた。最初に感じたのは、視線だった。それから、家の中の物が僅かに移動していたり、官舎の集積所に出した筈のゴミ袋が無くなっていたり、古くなったから買い換えようと思っていた物がいつの間にか新品になっていたりと、おかしな事が続いた。アーノルドは密かに、信頼している部下に探らせようとした。その結果、その信頼している部下本人がストーカーだった事が判明した。
ギャラハッドにアーノルドの身の回りに起こる不可解な事を探るよう頼むと、ギャラハッドがにっこりと笑って、こう言った。
「あ、それ。僕ですー」
アーノルドはとりあえずギャラハッドを全力で殴った。
ギャラハッドをボコって吐かせたところ、ギャラハッドはアーノルドに惚れていて、アーノルドの全てを観察したいとかほざいた。ギャラハッドは普段と変わらない表情で、直近1週間のアーノルドの行動や食べたもの、会った人や会話、それからトイレの回数やオナニーの回数までベラベラと話し始めた。アーノルドはそんなギャラハッドにドン引きし、とりあえずまた全力で殴った。
少し言動が軽いが仕事ができて頼りになる部下だと思っていたギャラハッドは、やべぇ変態ストーカー野郎だった。
アーノルドは拳と拳と拳を混じえながら、ギャラハッドを全力で説教した。しかし、ギャラハッドはストーカーを止めるどころか、開き直って、更に過激な行動に出た。
自宅に帰れば誰もいない筈の部屋に出来たての温かい食事が用意してあり、風呂も適温で用意してあり、使用済みの服は全て新品のものに変わっている。粘っこい感じがする視線を常に感じているし、うっかり便秘になった時には、寝室のベッドの上に効き目がいいと評判の便秘薬が置いてあった。
アーノルドは拳と拳と拳と言葉で、なんとかギャラハッドのストーカー行為を止めさせようとしたが、ギャラハッドには何の効果もなく、仕方がないので、家に侵入されないようにと、定期的に鍵を交換するようになった。鍵屋すら毎回変えている程なのに、何故かギャラハッドは易々とアーノルドの部屋に侵入し、更なるストーカー行為を仕掛けてくる。
ここ半年のアーノルドのストレスはうなぎ登りで、ついに後頭部に小さな円形のハゲができた。あと心なしか白髪も増えた。胃の調子も良くない。頻繁に胃薬が寝室のベッドの上に置いてあるのもストレスの要因の1つである。ハゲに効くと評判の育毛剤も置いてあった。全部捨てたが、翌日にはまた置いてあった。
ギャラハッドに対して、何度も何度も何度も何度も何度も拳と拳と拳と罵倒と拳をもって説得を試みたが、何の変化もない。むしろ、悪化の一途を辿っている気がする。
ギャラハッドは現在28歳である。ギャラハッドが18歳で警邏隊に入隊した時、まだ隊長ではなかったアーノルドが新人指導役としてギャラハッドの面倒をみた。ギャラハッドには普通に懐かれていると思っていたが、全然普通じゃない懐かれ方をしていたようだ。
アーノルドはキリキリと痛む胃の辺りを片手で押さえながら、紐パンの頼りない感覚に奥歯を強くギリギリと噛み締めつつ、重い空気を背負って出勤した。
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なんとか予算会議が終わった後、アーノルドは隊長室に戻ってから、机の上にいつの間にか置いてあった効き目がいいと評判の胃薬を飲んだ。効果が高い薬に罪はない。最初のうちは気持ちが悪くて捨てていたが、最近は開き直って薬を飲んだりしている。
アーノルドは事情を知る副隊長に憐れみの目で見られながら、薬と一緒に置いてあった胃に優しい果物のゼリーを食べた。胃が痛すぎて、普通の固形物を食べられそうにないので仕方がない。
アーノルドは魂さえ零れ落ちそうな大きな溜め息を吐いてから、山積みの書類を手に取った。
割と遅い時間帯まで残業したアーノルドは、のろのろとした足取りで自宅である官舎へと帰った。5階まで階段を上り、家のドアの鍵を開けて家の中に入れば、ふわっと柔らかい美味しそうなスープの匂いが鼻を擽った。アーノルドはギリギリと痛む胃の辺りを擦りながら、のろのろと食堂兼居間である部屋に向かった。
食卓としても机としても使っているテーブルの上には、温かな湯気が立つ穀物の粥が入った皿とスプーン、温かいお茶と消化に良い果物が置いてあった。
アーノルドはぐったりと脱力して、膝から崩れ落ちた。
こういう細やかな気遣いができるのであれば、そもそもストーカー行為を止めろと言いたい。というか、何度も言っている。ほぼ四六時中アーノルドのストーカーをしている筈なのに、ギャラハッドは何故か仕事もキッチリしている。最近では、ギャラハッド複数存在説がアーノルドの中で有力になってきている。
アーノルドは大きな溜め息を吐いてから、のろのろと立ち上がり、椅子に座って、もそもそと温かい粥を食べた。アーノルド好みの薄めの味付けで、痛みまくる胃に非常に優しい。もう腹が立つというレベルを超えている。
アーノルドは粥を食べ終えると、のろのろとした動きで風呂場へと向かった。脱衣場で制服を脱げば、黒い紐パンが嫌でも視界に入る。布面積が小さ過ぎて、金玉がほぼはみ出している。アーノルドは1日金玉がパンツからはみ出た状態で仕事をしていた。誰かに知られたら舌を噛んで死ぬしかない。
不快な紐パンを脱ぎ捨て、脱衣場に置いてあるゴミ箱に突っ込むと、アーノルドは鏡を見た。
アーノルドは顔立ちはかなり普通である。短く整えている焦げ茶色の髪に、深い色合いの緑色の瞳、若干顔色が悪くなっている日焼けした肌。顔立ちそのものは本当に普通である。今年で38歳になるので、普通に口元にほうれい線がある。目元をよくよく見れば、小さな皺もある。年相応の普通のオッサンである。背はそこそこ高く、身体はしっかり鍛えているので、筋肉質で逞しい方だと思う。腕っ節はそれなりに自信があり、隊内では一番強いが、見た目はかなり普通である。男前と評していいギャラハッドに惚れられる要因がまるで分からない。
アーノルドはまた大きな溜め息を吐いて、鏡の前から移動して、シャワーを浴びてから、適温のお湯が溜まっている浴槽に入り、しっかりと身体が温まるまで、のんびりとお湯に浸かった。
風呂から出ると、脱衣場に置いてある濯物籠に入れていた制服と、ゴミ箱に入れていたパンツが無くなっていた。制服は流石に毎回新品のものを用意できないからか、いつも気づいたら洗濯済みの状態でチェストに入っている。キチンと畳んで置かれていた紫色の紐パンを嫌々穿き、寝間着を着てから脱衣場を出る。今日は会議もあって忙しく、パンツを買いに行く時間を作れなかった。自宅とはいえ、パンツを穿かないのはキツいものがある。
アーノルドはドアが壊れたままの寝室に移動して、何もしていないのにキレイに整っているベッドに腰を下ろした。
いい加減、色々限界である。特にストレスがヤバい。ギャラハッドが堂々と告白なりしてくれたら、すっぱりフることができるが、ギャラハッドはストーカー行為を自白した時以外で、アーノルドへの好意を口にすることはない。ギャラハッドが何をしたいのかが、本当に分からない。
アーノルドは暫く考えてから、ギャラハッドの名前を呼んだ。
きっかり10秒後に、壊れたままの寝室のドアから、ひょいとギャラハッドが顔を見せた。
「なんですー?隊長」
「ちょっと来い」
「はーい」
ギャラハッドがゆるく笑って、ベッドに座ったままのアーノルドの前に正座した。
アーノルドはギャラハッドを見下ろし、口を開いた。
「お前、何で俺が好きなんだよ」
「えー。それ聞いちゃいますー?」
「速やかに吐け」
「んー。あれですよ。なんか気づいたら好きだった感じですねー」
「あぁ?」
「や。僕も本当に謎でして。本当に気づいたらって感じ?」
「……そうか。で」
「はーい?」
「お前、何がしたいんだ」
「ん?言ったでしょー?隊長の全てを観察したいんですよー」
「恋人になりたいとか、そういうのは」
「えー?なぁーい。そんな烏滸がましいじゃないですかー。僕なんかと隊長じゃ、釣り合い取れませんよー」
「あぁ?」
へらっと笑ったギャラハッドに、心底イラッとする。ギャラハッドは基本的に自己評価が低い。ものすごく低い。ギャラハッドは裕福な商家の妾腹の生まれで、幼い頃から本妻の子供と比べられ、とことん否定されまくって育ったらしい。そのせいだろう。入隊した頃は特に、アーノルドがギャラハッドを褒めると、変なものを見るような目で見られた。ギャラハッドは身体能力が高く、観察力に優れていて、状況判断能力も非常に高い。腕っ節も隊内では上位に入る程だが、未だに自分は『不出来で糞の役にも立たない出来損ない』だと思っている節がある。おそらく、色々と歪んだ環境で育ったから、歪んだ愛情表現しかできないのだろう。
アーノルドは疲れきった大きな溜め息を吐き、パシッと軽くギャラハッドの頭を叩いた。
「おい。選べ」
「何をですかー?」
「俺の恋人になるか、付き纏いの不法侵入しまくりの犯罪者として逮捕されるかの2択だ」
「はいー?隊長。僕なんかを恋人にするとか正気ですかー?」
「うるせぇ。お前、俺が好きだろうが」
「そりゃもう」
「なんかもう諦めた。恋人になるからストーカー行為を止めろ。堂々と俺の隣に立て。この馬鹿野郎」
「えーと……」
ギャラハッドが困ったように眉を下げ、落ち着き無く目を泳がせ始めた。
「隊長。それは止めといた方がいいですってー。僕なんかが恋人になったら隊長の評判に傷がつきますよー」
「あぁ?んなもん気にするかボケ」
「いやほらぁ。僕如きが隊長と釣り合う訳ないですしぃ。隊長を観察するだけで、僕は満足ですしぃ」
「俺に恋人や嫁さんができても、観察するだけで満足すると?」
「……そぅですよー」
ギャラハッドが情けなく眉を下げて、へらっと笑った。アーノルドはまた心底イラッとして、軽くギャラハッドの頭を叩いた。
ガシガシと頭を掻いて、アーノルドは大きな溜め息を吐いた。
「おい」
「はいー?」
「もう本気で面倒くせぇ」
「何がですー?」
「ケツ出せ」
「は?」
「もういいわ。面倒くせぇ。マジで面倒くせぇ。もうあれだ。セックスすんぞ。セックス」
「え?え?なんで?」
「セックスしまくって明日の朝一で隊全員の前で恋人宣言してやる」
「……はぁぁぁぁぁ!?」
「はい。決まり。お前が素直に恋人にならねぇから仕方がねぇ。つーことで、ケツ出せ」
「い、いやいやいやいや!!隊長!落ち着きましょー?それは流石にやべぇですって!」
「うーるせぇ。もう決めた。絶対やる」
「だ、駄目ですよー!僕なんかが……」
「やっかましいわ!!このド阿呆!!お前はよぉ!何度言わせりゃ気が済むんだ!!お前は!俺の自慢の後輩で!自慢の部下だ!!このド阿呆!!」
「い、いや……でも……あの、ほら。隊長、別に僕のことなんか好きでもないでしょー?ほら。ね。やめときましょー?疲れてるんですよー。今夜は寝ましょうよー」
「どこぞの誰かのせいでストレスがやべぇのは否定しねぇ」
「ほらー。大人しく薬飲んで寝ましょーねー」
「お前のことは別に恋愛対象って意味じゃ好きじゃねぇ」
「……知ってまーすよー」
「が」
「が?」
「ちったぁ、まともに俺がお前に惚れるように努力してみやがれ。変態ストーカーヘタレ馬鹿野郎」
「……いや、だから……僕なんかじゃ……」
「お前、次に『僕なんか』って言ったら問答無用でケツにちんこ突っ込むからな。お前の選択肢は2択だ。大人しく俺に抱かれて恋人になるか、問答無用でケツにちんこ突っ込まれて恋人になるかだ」
「はぁ!?2択変わってるんですけど!?それ1択じゃないですかー!!」
「うるせぇ。もう知らん。心底めんどくせぇ。お前は!俺の!恋人!はい決まり!!」
アーノルドは、かなり焦った様子のギャラハッドをビシッと指差した。なんかもう本当に考えるのが面倒くさいのだ。ギャラハッドのストーカー行為を止めさせるには、もうギャラハッドと恋人になるしかない。というか、ストーカーをするくらいなら、正々堂々とアーノルドを口説けと声を大にして言いたい。
ギャラハッドのことは別に恋愛対象として好きな訳ではないが、後輩として部下としては普通に好きである。ギャラハッドと同じ想いを返せるかと言われたら、自信がないどころか多分無理だが、このままギャラハッドの歪んだ愛情表現を受け入れる気はない。そんなことをしたら、アーノルドがストレスで死ぬ。それだったら、いっそのこと形から入ってしまえばいい。普通の恋人としてギャラハッドと過ごしていれば、そのうち、なんかこう普通の恋人として大事にできるような気がするようなしないような。ぶっちゃけ恋人として大事にできるか自信はないが、自己評価が最底辺のストーカー野郎をこのままにしておくのも気分が悪い。恋人としてきっちり手綱を握り、自己評価糞野郎を矯正しなければ。
アーノルドはこうと決めたら曲げることはない。
それを知っているギャラハッドが、顔面蒼白にして、ぷるぷると震え出した。
「つーことで。とりあえず恋人同士のスキンシップをやるぞ。セックスすんぞ。セックス。服を脱げー。ケツを出せー。その前にキスすんぞー」
「……む……」
「む?」
「無理ーー!!死ぬっ!そんなんしたら僕死んじゃうっ!!」
「あぁ?」
真っ青だったギャラハッドの顔が、一瞬で真っ赤になった。アーノルドは手を伸ばして、正座をした状態でジリジリ後ろに下がり始めたギャラハッドの頭をガッと掴んだ。
「うるせぇ。お前に拒否権はねぇ」
「や、や、や……」
「はいはーい。ちゅー」
「にゃーーーー!!」
アーノルドは素早く動いて、全力で暴れようとするギャラハッドを床に押し倒した。水をかけられた猫みたいに叫ぶギャラハッドの唇に自分の唇を押しつけ、問答無用でギャラハッドの口内に舌を突っ込む。組み敷いたギャラハッドの身体が、ピシッと固まった。うーわ。男とキスしちゃった……と思いながらも、アーノルドはギャラハッドの性感を煽るように、敏感な上顎をぬるぬると舐め回した。上顎に舌を這わせ、歯列をなぞり、奥の方に引っ込んでいるギャラハッドの舌に自分の舌を絡める。ぶっちゃけギャラハッドに勃起できる自信は欠片もないが、男にはやらねばならない時がある。気合で勃たせる。どうしても勃たなかったら、その時はその時だ。
アーノルドはギャラハッドがぐったりとするまで、延々とギャラハッドの口内を舌で嬲った。
抵抗する気がないギャラハッドの制服を脱がせると、ギャラハッドが先程風呂に入る前にアーノルドが穿いていた黒い紐パンを穿いていたことが判明した。ギャラハッドが変態過ぎて割とキツい。だが、男にはやらねばならない時がある。
アーノルドは据わった目で、真っ赤な顔でぐったりとしているギャラハッドを見下ろした。
ギャラハッドも鍛えているので、かなり筋肉質な方だ。身長はアーノルドと同じくらいで、腕周りや胸周り、バキバキに腹筋が割れている腹回りは、アーノルドとほぼ変わらない太さである。しっかりと盛り上がった胸筋を揉みながら、アーノルドはギャラハッドの乳首を見た。薄茶色の存在感が薄い、普通の男の乳首である。当然テンションは上がらない。むしろテンションが下がる。しかし、男にはやらねばならない時がある。
アーノルドは無抵抗のギャラハッドの唇を軽く吸ってから、ギャラハッドの普通の男の乳首に舌を這わせた。チロチロと舌先で転がし、ちゅくちゅくとギャラハッドの小さな乳首を吸う。チラッとギャラハッドの顔を目だけで見れば、何やら生温かい目でアーノルドを見ていた。ちゅぽっと小さな音を立ててギャラハッドの普通乳首から口を離し、アーノルドは指で優しくギャラハッドの乳首を弄りながら、口を開いた。
「何か言いたいことは?」
「やー。赤ちゃんみたいだなぁと」
「お前の乳首を引き千切るぞ」
「やめてくださーいー」
「ちっ。未開発かよ」
「そうですけどー」
「しょうがねぇ。乳首は追々開発する」
「えー……」
「おい」
「あ、はーい」
「このまま動くな。動いたら新聞社に『俺達恋人になりました!』と垂れ込む」
「それはやめましょー!?」
「嫌なら動くな」
「……うぅ……はぁーい……」
アーノルドはギャラハッドの上に伏せていた身体を起こし、立ち上がって、薬箱が置いてある棚へと移動した。ローションなんてものは当然家にはない。仕方がないので、傷薬の軟膏を使う。当たり前のことだが、アナルは女のまんこみたいに濡れない。潤滑剤的なもので滑りを良くしないと、絶対に痛いし、最悪流血沙汰になる。
アーノルドは軟膏が入った容器を片手に大人しくしているギャラハッドの元へ戻り、ギャラハッドの足を大きく広げさせた。ギャラハッドの股間を見下ろせば、ギャラハッドのペニスは勃起しており、布面積が小さい紐パンからペニスの先っぽが飛び出していた。ついでに金玉も殆どがポロリしている。かなり間抜けである。
アーノルドは傷薬の軟膏の容器の蓋を開け、たっぷりと指に軟膏を纏わりつかせると、躊躇なくギャラハッドのアナルに触れた。ギャラハッドのアナルの皺に軟膏を擦り込むように指を動かすと、ギャラハッドの身体がビクッと震えた。
「おい」
「……はーい」
「痛かったら正直に言え」
「…………はーい」
アーノルドはくるくるとギャラハッドのアナルを優しく撫で回して軟膏をアナルの表面に馴染ませると、ゆっくりとギャラハッドのアナルの中に中指を入れ始めた。ギャラハッドが堪えるように眉間に深い皺を寄せ、はぁ、と熱い息を吐いた。
中指をゆっくりとアナルの中に押し込みながら、アーノルドはじっとギャラハッドを観察した。
「ここを弄ったことは?」
「……ある訳ないでしょー」
「そうか。痛いか」
「……そんなに……異物感が、ちょっと気持ち悪いです……」
「慣れろ」
「無茶言わないでくださーいー」
ギャラハッドの顔が泣きそうに歪んだ。男前だと巡回先のあちこちで若い女にキャーキャー言われているギャラハッドの情けない顔に、じわぁっと罪悪感が湧き上がるが、アーノルドはぐっと眉間に力を入れて、指の動きを続行した。仕方がない。男にはやらねばならない時がある。
ゆっくりとアナルに入れた指を抜き差しする。括約筋のキツい締めつけと熱くて柔らかい腸壁の感触を指に感じる。爪で中に傷をつけないように慎重に指を動かしていると、微かな痼のような所に指が触れた。その瞬間、ギャラハッドが驚いたような裏返った声を上げ、ビクッと身体を揺らし、キュッと括約筋でアーノルドの指を締めつけた。もしかして、ここが気持ちいいのだろうか。そういえば、男の直腸内にとんでもなく気持ちがいい所があると聞いたことがあるようなないような。ものすごくうろ覚えで確信はないが、アーノルドはそこを指の腹ですりすりとんとんと優しく撫でたり叩いたりして弄った。
「いっ!ひっ!ひっ!ふぅっ!」
「ここ気持ちいいか?」
「ふあっ!んんっ!や、やめっ!にゃっ!」
「いいんだな。ふーん」
アーノルドはしつこいくらいにそこだけを指で弄った。ビクッビクッと面白いくらいギャラハッドの身体が震え、そのうち、ギャラハッドが低い喘ぎ声を響かせるようになり、更に続けると、ひんひん泣き始めた。ギャラハッドのペニスはずっと勃起したままで、亀頭が先走りで濡れて、微かにてらてらと光っている。
アーノルドは一度ギャラハッドの心なしか柔らかくなってきたアナルから中指を引き抜き、軟膏を足してから、今度は揃えた2本の指をゆっくりとギャラハッドのアナルに押し込んだ。
ギャラハッドのアナルがアーノルドの指を3本咥えこみ、スムーズに動かせるようになる頃には、ギャラハッドはガチ泣きしながら喘いでいた。どうやらギャラハッドはアナルの才能があるらしい。乳首の才能が開花するのは多分これからだ。
そろそろイケるか、と思い、アーノルドはギャラハッドの熱いアナルから指を引き抜いた。力が入っていないギャラハッドの身体をびっくり返し、四つん這いの体勢にさせる。
膝立ちになり、寝間着のズボンを下ろして自分の股間を見下ろせば、もっこりと布面積が小さな紫色の紐パンのペニス部分が盛り上がっていた。完全に勃起している訳ではない。それでも半勃ちではある。ひんひん泣きながら喘ぐギャラハッドがちょっと可愛いとか思ってない。思っていないとも。
アーノルドは紐パンの前面をずり下ろして自分のペニスを取り出すと、軟膏とギャラハッドの腸液でぬるつく手で自分のペニスを擦り、完全に勃起させた。こちらに筋肉質でムキッとした尻を向けているギャラハッドの紐パンの右側の紐だけ解いて、ギャラハッドの尻の谷間を露わにする。ちなみに、今色違いのお揃い状態で穿いている紐パンは、布面積が小さくて半ケツ状態ではあるが、一応後ろにも布がある。Tバックではない。
アーノルドは片手でギャラハッドのアナル周りの尻肉を広げた。少しだけ周りに毛が生えているギャラハッドの若干黒みがかった濡れたアナルが丸見えになる。
くぽくぽと大きく収縮しているアナルが、妙にいやらしく感じる。アーノルドは自分のペニスを掴んで、ペニスの先っぽをギャラハッドのアナルにくっつけた。ギャラハッドのしっかりとした腰を掴み、ゆっくりと腰を動かして、ギャラハッドのアナルにペニスを押し込んでいく。キツい括約筋を通り過ぎれば、熱くて柔らかい腸壁にペニスが包まれていく。ちょっと悔しいくらいに気持ちがいい。微妙に痛いくらいの締めつけが、正直癖になりそうだ。アーノルドはゆっくりとペニスを根元近くまで押し込むと、手を伸ばして、大きく荒い息を吐いているギャラハッドの頭をやんわりと撫でた。
「おい。痛いか」
「……い、たい……」
「ふむ」
「う、あ……!?」
アーノルドはギャラハッドの少し萎えたペニスを片手で掴んで、ゆるゆると擦り始めた。きゅっと更にキツく括約筋が締まる。微妙に痛いが、同時に気持ちがいい。ギャラハッドの反応を観察しながら、ギャラハッドのペニスを手で弄り、ゆるゆると小さく腰を動かし始める。ゆっくりとペニスを引き抜き、指で散々弄ったギャラハッドが気持ちがいい所ら辺をペニスのカリで擦るようにすると、ギャラハッドが裏返った声を上げ、腰をビクビクッと震わせた。括約筋のキツい締めつけとギャラハッドの中の熱さに、思わず唸るように低く喘いでしまう。ぶっちゃけかなり気持ちがいい。そこだけを集中的にペニスで擦りながら、ギャラハッドのペニスを激しく手で擦る。ギャラハッドの涙で濡れた声がどんどん切羽詰まったものになっていく。
「あっ!あっ!あっ!ひっ!でるっ!でるっ!」
「おー。出せ出せ。俺も出す」
「や、あっあっあっ……っあぁぁぁぁぁっ!!」
「ふっ……おぅっ……」
ギャラハッドのペニスの先っぽから熱い液体が飛び出してアーノルドの手を濡らした。ぎゅうっとキツくペニスを括約筋で締めつけられて、アーノルドもそのままギャラハッドの中に思いっきり精液をぶち撒けた。ゆるゆると腰を振って精液を出し切る。
うぇっ、うぇっと泣いているギャラハッドの汗が滲む尻を労るように撫でてから、アーノルドはゆっくりと萎えたペニスをアナルから引き抜いた。
両手でギャラハッドのムッキリした尻肉を掴み、大きく広げると、閉じ切らないぽっかりと口を開けたままのアナルから、こぽぉっと白いアーノルドの精液が溢れて垂れ落ちていった。じっとギャラハッドのアナルを観察するが、どうやら切れている様子はない。アーノルドはほっとして、ギャラハッドの身体をひっくり返した。
汗と涙と鼻水と涎でぐちゃぐちゃのギャラハッドの顔を見下ろし、アーノルドは今一度ギャラハッドに向かって宣言をした。
「お前は俺の恋人」
「う、うぇっ、うえっ、うぅ……」
「恨むんなら俺に惚れたお前自身を恨めよ。そんで、大人しく恋人として俺に可愛がられろ」
「む、むちゃくちゃだ……」
「うるせぇ。ちゅーすんぞ。この野郎」
「うぅ……」
「お前。ここまでされても俺が好きか」
「……好きでーすよー。悪いでーすかー」
「物好きめ」
アーノルドはギャラハッドの身体に覆いかぶさり、情けなく鼻水が垂れているギャラハッドの唇を優しく吸って、ギャラハッドの身体をぎゅっと抱きしめた。
翌日。アーノルドは本当に隊全員の前で恋人宣言をし、ギャラハッドを卒倒させた。一応恋人なので気絶したギャラハッドを背負って医務室へと連れて行き、目が覚めるなり何故か泣きじゃくりだしたギャラハッドを適当に慰めて、それから普通に仕事をした。
ギャラハッドのストーカー行為はそれから2年程続いたが、頻繁に対等な恋人であるということを根気よく身体に教えこんだら、恋人になって3年目にはストーカー行為をしなくなった。
アーノルドは結局、ギャラハッドを死ぬまで離さなかった。アーノルドに惚れたのはギャラハッドだ。更に、それからアーノルドをギャラハッドに惚れさせたのもギャラハッドだ。しっかりと責任は取るべきだと思う。
アーノルドはギャラハッドと普通に一緒に暮らすようになった。
休日の朝。同じベッドで寝ているギャラハッドを起こさないように、やんわりとギャラハッドの身体を抱きしめて、アーノルドは穏やかな二度寝へとしゃれこんだ。
(おしまい)
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