パンストおじさん、異世界でどっぴゅん☆

丸井まー(旧:まー)

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4:ゴブリンの森

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食事や必要な休養の時以外は騎竜に乗り、空を飛び続けて3日。
第一王子達一行は、通称『ゴブリンの森』に到着した。魔王が現れるまでは美しい景観地として有名だった森は、今やゴブリン達の住処と化している。ゴブリン達は集団で森から出ては近隣の人間達を襲い、いくつもの小さな村を潰している。事前の調査で、魔物の活動が活発で被害状況が大きい場所は調べている。出立前から『ゴブリンの森』の浄化は決定していた。
ゴブリンは小柄で、単体ならば大して強いものではない。しかし、ゴブリンは群れで暮らす。『ゴブリンの森』は数え切れない程の数のゴブリンに支配されており、集団で襲いかかってくる大量のゴブリンは脅威でしかない。

森の上空からでも、木々の間からゴブリンの姿が確認できた。緑色の肌をした、おぞましい醜い姿がいくつも見える。
騎竜を中心とする結界を張った状態で、森の開けた場所に着陸すれば、たちまち大量のゴブリンに囲まれた。
ゴブリンは小さく、大きいものでも大人の腰の高さ位までしかない。そんな小さなゴブリン達が、太い棍棒を持った状態でうじゃうじゃと次から次へと現れ、ギラギラとした目で見つめてくる。結界を張っていなければ、すぐに大量のゴブリン達に押し潰されていただろう。結界の前の方にいるゴブリン達が醜い声を上げながら、結界をガンガンと棍棒で叩いて破壊しようとしている。第一王子の背中に冷たい汗が流れた。ゴブリンは小さく、頭も悪い。少数ならば、それなりに剣を叩き込まれた第一王子の敵ではない。なのに、今は恐怖を感じている。ゴブリン達の圧倒的な数の力が恐ろしい。

騎竜から地面に降りた第一王子は、腰に佩いた剣の柄を握りしめ、パンストおじさんを背後に守るように前面に出た。将軍達も全員戦闘体勢になり、騎竜を中心にして、お互いに守り合うような陣形をとっている。第一王子は事前に自分を優先するなと全員に厳命している。何がなんでも勇者を守れ、と。勇者はこの世界を救える唯一の者だ。代わりがきく第一王子達とは、生命の価値が違う。
国では王位を継ぐものとして扱われるのが当然だが、ここでは第一王子もパンストおじさんを守る為の唯の戦闘要員だ。
熟練の魔術師達が張った結界が、周囲をみっちり埋め尽くしているゴブリン達の打撃だけで震え、今にも破られそうになっている。
第一王子はチラッと背後のパンストおじさんを見た。そして、目を見開いた。
パンストおじさんは、笑っていた。


「生ちんぽが大っっ量ぉぉぉぉ!!ふぅぅーーー!食ーいほぉ~だい!食ーいほぉ~だいっ!!」


両手を勇ましく突き上げ、パンストおじさんが歓喜の叫び声を上げた。信じられない。今まさに結界を破られ、襲いかかってくるゴブリン達に押し潰されるかもしれないという瀬戸際に、一体何を言っているんだ。

思わず呆然としてしまった第一王子の近くに、パンストおじさんがすたすたと歩いてきて、第一王子のすぐ隣に立った。
パンストおじさんが両足を肩幅より少し大きめに広げて立ち、仰け反るようにしてピンク色の可愛らしいデザインのパンツに包まれた股間を突き出した。両手を上げ、頭の後ろで組み、腰をカクカク振りながら、パンストおじさんが叫ぶ。


「勃ち上がれーい!おちんち~ん!ゔをっきん☆」

「気持ちが悪い」


第一王子は反射的に呟いてしまった。だって本当に気持ちが悪い。『ゔをっきん☆』の言い方が本当に気持ちが悪い。百万歩譲って『ぼっきん☆』ならまだ許せる。いや、それでも殴りたくなる程気持ちが悪いが。『ゔをっきん☆』って何だ。発音がクドすぎて気持ちが悪い。カクカク腰を振って、股間を突き上げまくっている変態野郎が本当に気持ちが悪い。

そんな状況ではないのに、第一王子がドン引きしていると、突然パンストおじさんの股間が光り始めた。


「……は?」

「あ、そ~れ!ゔをっきん☆ゔをっきん☆がんばれがんばれ~☆」


パンストおじさんの股間の光はどんどん強くなっていく。気持ちが悪い。
第一王子がついジリジリと謎の光を股間から発しているパンストおじさんから離れると、すすっと魔術師長が側に近寄ってきた。


「殿下。これが勇者の能力の1つです。周囲をご覧ください」

「……な、なんだ。これは……」


魔術師長に言われて周囲を見渡せば、ゴブリン達が汚い腰布を脱ぎ捨て、股間を手で押さえていた。よくよく見れば、体格に見合ったサイズの勃起したペニスを涎を垂らしながら激しく擦っている。最前列のゴブリン達が放った黄色がかった白い精液が、半透明な結界を濁った白に染めていく。
第一王子は顔を引き攣らせた。なんだこれ、キッツい。あまりにも酷い絵面に、いっそ気絶してしまいたい。同行している者達は、流石と言うべきか、誰も取り乱してはいない。しかし、ドン引きしているのは空気でなんとなく分かる。
パンストおじさんを見れば、光り輝く股間を一生懸命振っている。しかも楽しそうな笑い声を上げながら。心底気持ちが悪い。

ゴブリン達の汚い喘ぎ声が森に響き渡る。第一王子達が様子をみていると、森の奥から一際大きな個体が現れた。おそらくゴブリン達の首魁だろう。
第一王子は素早く剣を抜き、真っ直ぐにゴブリンの王を厳しい目で見つめた。


「ひゃっほーい!デッカイちんぽきたぁぁぁぁ!!」

「……ぐぅっ、緊張感っ!!」


パンストおじさんの嬉しそうな歓声に腹が立つ。何より気持ちが悪い。第一王子は額に青筋を浮かべた。気持ちが悪い大量のゴブリン達の自慰を見せられている上に、味方の筈のパンストおじさんの言動が1番気持ちが悪い。なんだこれは。本当に魔王討伐の戦いなのか。
周囲のゴブリンを太い腕でぶん投げながら、ずんずんと近づいてくるゴブリンの王から目を離さずに、第一王子はギリギリと奥歯を強く噛みしめた。

ゴブリンの王が、結界にかなり太い棍棒を勢いよく叩きつけた。ゴブリン達の地味な攻撃で弱っていた結界が、パァンと破られた。結界が破れたというのに、周囲のゴブリン達は襲ってこない。汚い喘ぎ声を上げながら、ひたすら自分のペニスを擦っている。ゴブリンの王だけがずんずんと破られた結界の中に入ってきた。汚い腰布はこんもり盛り上がっている。ゴブリンの王にもパンストおじさんの魔法は効いているらしい。目を血走らせ、ふんがー、ふんがーと荒い息を吐くゴブリンの王の前に、止める間もなくパンストおじさんが立った。そして予想外に軽やかな動きでゴブリンの王の顔面に飛び蹴りをくらわせた。


「……は?」

「どぅふっ!どぅふふふふ!は、はーっはっはっは!!おちんちんの時間だおー?生ちんぽっ!生ちんぽっ!ゴブリンちんぽはどんな味ー?」

「気持ちが悪い」


パンストおじさんが倒れたゴブリンの王に馬乗りになり、汚い腰布を捲り上げた。ゴブリンの王の濃い緑色をしたゴツゴツの醜悪な勃起ペニスが丸見えになる。パンストおじさんが自分でパンツの後ろの紐をぐいっとずらした。ちなみに、パンストおじさんが着用している女もののパンツはティーバックとかいうものである。パンストおじさんは常にだらしない尻を丸出しで生きている。気持ちが悪い。
パンストおじさんが自分の尻を両手で掴み、ぐいーっと大きく尻肉を広げた。見たくはないが、パンストおじさんの微妙に毛が生えたアナルが見えてしまった。気持ちが悪い。
パンストおじさんは、そのままの体勢でゴブリンの王のペニスにすりすりと自分の尻を擦りつけ始めた。


「説明しよう!」

「気持ちが悪い」

「パンストおじさんは神様から素敵なものを沢山貰ったのであーる!」

「うわ……」

「その1つがこれ!事前準備もローションもなしでもケツマンコに生ちんぽを咥えこめちゃうよ!!ひゃっほーい!!ゴブリンちんぽで種付けハメハメのお時間だーよ!」

「気持ちが悪い気持ちが悪い気持ちが悪い気持ちが悪い……」

「殿下。落ち着かれてください」

「将軍。無理だ」

「勇者殿があのゴブリンを浄化すれば、ここにいる全てのゴブリンが消え去ります」

「ぐっうぅ……」

「はーい。おちんぽ入りまーす。どゅふっ!いいっ!いいっ!ゴブリンちんぽいいよぉぉ!!」


パンストおじさんのアナルにどんどん太くて長い醜悪なゴブリンの王の勃起ペニスが入っていく。パンストおじさんに強制発情させられているゴブリンの王が、醜い声を上げながら、激しく腰を突き上げ始めた。パンストおじさんが尻肉を自分で広げたままなので、パンストおじさんの小汚いアナルにゴブリンの王の醜悪なペニスが激しく抜き差しされているのが見えてしまう。それを見ているのか、周囲のゴブリン達も益々自慰で盛り上がっている。正直キッツい。
パンストおじさんとゴブリンの性行なんて心底見たくなどないが、万が一のことがある。第一王子達は周囲を警戒しながら、じりじりと繋がっている1人と1匹に近づいた。


「あっは!いいっ!いいっ!!ゴブリン!ちんぽ!いいっ!」

「ぐおぉっ!ふぐっ!ふんぐっ!ふんぐっ!!」

「あぁぁっ!!イッちゃう!イッちゃう!!ゴブリンちんぽでイッちゃうぅぅぅ!!」

「ふんごぉぉぉぉぉ!!」


キッツい。激しく交わっている変態と魔物にドン引きである。第一王子はキリキリと胃が痛むのを感じた。


「ひゃぁぁぁぁん!!イクぅっ!!イクぅっ!!あぁぁぁぁぁっ!!」


ゴブリンの王に激しく揺さぶられていたパンストおじさんが仰け反るように大きく身体を震わせ、ずり下ろしたパンツからはみ出た勃起したペニスから、勢いよく白い精液をゴブリンの王の身体へと振りまいた。


「ふんっごぉぉぉぉ!?」


パンストおじさんの精液がかかったゴブリンの王の身体が、まるで溶けるかのように急速に消えていった。驚いて目を丸くしている第一王子の前で、ゴブリンの王は完全に泡のように溶けて消え去り、慌てて周囲を見回してみれば、大量のゴブリン達も消えていた。
呆然としてしまう第一王子に向かって、はぁ、はぁ、と荒い息を吐くパンストおじさんが四つん這いになり、尻を見せつけてきた。自分でぐいーっとアナル周りのだらしない尻肉を広げ、ぽっかりと口を開け、ひくひくと収縮しているアナルから、微妙に黄色がかった白いゴブリンの王の精液をぶゅるぶゅるぅぅっと、まるで排泄のようにひり出した。びちゃびちゃと大量の精液が地面に溢れ落ちる。


「どゅふっ。見て見てー。おじさん、いっぱいゴブリンちんぽに中出しされちゃったー。どゅふふふっ!最っ高っ!!」

「気持ちが悪い」


どゅふどゅふと精液まみれのアナルを第一王子達に見せつけながら上機嫌に笑う変態に心底ドン引きする。
もしかして、こんなのが魔王を討伐するまでずっと続くのか。第一王子はギリギリと強く痛みだした胃の辺りを手で押さえた。

こうして、『ゴブリンの森』の浄化は無事に終わったのである。


(つづく)
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