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朝起きたら森の熊さんな俺にま○こがついてたぁ!……どうすんのこれぇ!!
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ボルドーはだらだらと嫌な汗をかきながら、手鏡に映るものをじっと見た。
昨日まではなかった筈のものがある。会陰のところに筋があり、恐る恐る指先でぷにっとした肉厚の肉襞をくぱぁと広げれば、無垢なピンク色をした孔がある。どこからどう見てもまんこだ。
ボルドーは高速でパチパチと瞬きをしながら、心の中で叫んだ。
どうすんだこれぇぇぇぇ!!!!
ーーーーーー
ボルドーはど田舎の村の側にある森に一人で住んでいる。先祖代々木こりをしており、森の中の小さめの家で暮らしている。
両親は早くに亡くなっており、ボルドーは祖父母に育てられた。その祖父母も一昨年に相次いで亡くなり、今は一人ぼっちで毎日を過ごしている。
ボルドーは一番近くの村の人達から『森の熊さん』と呼ばれている。背が高くて筋骨隆々な上に毛深いからだ。
濃い茶色の髪や伸ばしている髭も相まって、熊っぽく見えるらしい。村の小さな女の子からは『お目目が優しいね』と褒めてもらえたことがあるが、若い結婚適齢期の女の子からは見向きもされない。今年で二十八歳になるが、結婚はとっくの昔に諦めている。
村から依頼を受けて木を切り倒し、枝葉を落として整え納品した日の夜に、不思議な夢を見た。
とんでもない美形が謎の筒状の物体を担いで現れ、ずどーんっと大きな音を立てたかと思えば、『おめでとうございます! 貴方は選ばれました。子どもを産む名誉を与えます!』と言って丸いものについている紐を引っ張った。
丸いものはパカッと割れ、中から色とりどりの小さな紙が出てきて宙を舞っていた。
不思議と鮮明に覚えている夢に首を傾げながら起き上がったら、なんとなく股間に違和感を覚えた。
物置から亡くなった祖母が使っていた手鏡を発掘して、自分の股間を見てみたら、春画でしか見たことがないまんこがついていた。
これは本当にどうしたらいいのか。男にまんこがつくなんて聞いたことがない。ボルドーが田舎者だから知らないだけで、実はある日突然男の身体にまんこがついちゃうものなのだろうか。
ボルドーは暫く頭を抱えて唸っていたが、現実としてまんこができちゃったものはしょうがない。ボルドーは女に見向きもされないが、男にだって見向きもされない容姿だ。
ボルドーにまんこができちゃったとしても、誰も困らないし、使うこともない。
ボルドーは考えることをやめて、もぞもぞとパンツとズボンを穿き、朝の水汲みをすべく部屋から出た。
木こりの仕事は、ただ木を切り倒すだけじゃない。木を切り倒すだけでは、森がいつか無くなってしまう。森の木がちゃんと育つように考えながら木を切り倒し、新たな木の苗を植えるのも仕事だ。植えた木の苗がしっかり育つように世話もする。
秋や冬になると狩りもするが、今は春の終わり頃だ。
新芽が育ち、木々の葉っぱが色濃くなっていく時期である。
ボルドーが森の中の杏の木から食べる分だけの杏を収穫して家に帰ると、家の前に大きな箱を背負ったひょろりとした細身の男がいた。赤茶色の長い髪を一つの三つ編みにしている。
今の時期に毎年やって来る行商人のエルマーだ。
エルマーは二つ年上で、いつでも笑っているように見える垂れ気味の糸目をしている。垂れ気味の糸目もあって、顔立ちが優しそうに整っているのが正直ちょっと羨ましい。
数年前までは父親と一緒に行商していたが、父親が亡くなり、今は一人で行商している。
ボルドーにとっては、年に一度だけ会う友達のような存在だ。
籠を背負ったボルドーに気づいたエルマーが、ゆるく笑って声をかけてきた。
柔らかい少し高めの優しい声はよく通る。ボルドーの声はひたすら低いだけなので、聞き取りやすいきれいな声も羨ましい。
「ボルドー。久しぶり。元気だったかい?」
「あぁ。エルマー。久しぶり。見ての通り元気だ」
「それは何より。また今年も泊めてくれるかな」
「勿論。昨日、村で豚肉の塊を貰った。焼いて一緒に食べよう」
「いいねぇ! 豪勢だ。ありがとう。ボルドー」
「いや。旅の話を聞かせてくれるか」
「勿論いいとも!」
「まずは茶を飲もう。杏を採ってきたから、杏も食べよう」
「ありがとう。置き薬は大丈夫かい?」
「足りなくなりそうなのがいくつかある。薬箱を確認してくれ」
「いいとも。お土産もあるんだ」
「お土産?」
「ちょっと珍しい砂糖菓子でね。甘くて美味しいんだ」
「そんな高価そうなもの貰ってもいいのか?」
「ボルドーに食べてもらおうと思って買ったんだ。貰ってくれなきゃ困っちゃうよ」
「心遣いありがとう。おっと。ずっと立ち話してたな。まずは中へ」
「お邪魔するよ」
ボルドーは家のドアを開けて、エルマーを中に入れた。
台所でお湯を沸かし、乾燥させた香草をブレンドした香草茶を淹れる。香草茶の作り方は祖母から習った。
両親が早くに亡くなったからか、祖父母はボルドーが一人になってもちゃんと生きていけるようにと、たくさんのことを教えてくれた。
いつもより丁寧に香草茶を淹れると、洗った杏と共にお盆にのせて居間へと運んだ。
背負っていた大きな箱を床に下ろしているエルマーに香草茶と杏を差し出すと、一口飲んだエルマーが嬉しそうに笑った。
「この香草茶を飲むと、なんだかほっとするなぁ。ばぁちゃんの味と一緒だ」
「ばぁちゃんに教えてもらいながら、ずっと一緒に作ってたからな」
「杏も美味い。普段は干したものしか食わないから、瑞々しい生の杏をここで食うのが毎年の楽しみなんだ」
「エルマーは甘いものが好きだろう。前の秋に作った干しイチヂクもあるぞ」
「食べる!」
「すぐに持ってくる。あ、昼飯は食ったのか?」
「まだだよ。ボルドーに早く会いたくてね」
「そうか。俺もまだ食ってないから一緒に食おう。雑穀入りの干し肉と野菜のスープでよければ」
「ありがたくご馳走になるよ。ボルドーは料理上手だから、作ってくれるものはなんでも美味しい」
「褒めても干した苺しか出てこないぞ」
「苺のためにボルドーを褒め称えなきゃ」
「ははっ! 褒めなくても出す」
「ふふっ。あたしも手伝うよ。台所で煮炊きをするの、好きなんだ。普段は旅暮らしで『普通の家』の台所で料理なんてしないからね」
「じゃあ、一緒に作ろう」
「うん」
エルマーと一緒に台所へ移動し、エルマーが朝に庭の畑から収穫した野菜を切っている間に、家のすぐ隣の貯蔵庫から猪の干し肉を取って台所へ戻る。
竈に火を起こし、お湯を沸かして一口大に切った干し肉と野菜、雑穀を入れる。味付けはしない。干し肉を作る時に使う塩と香草でしっかり味がつくし、野菜の自然な甘さで美味しくなる。
二人で作った昼食を食べて後片付けをすると、エルマーが薬箱の中身を確認している間に、夕食用の追加の野菜を収穫した。
家の側の井戸で収穫した野菜を洗い、家の中に戻ると、エルマーが薬箱を閉じたところだった。
「結構減っていただろう」
「そうだね。ちゃんと補充しておいたよ」
「ありがとう。代金はいくらになる」
「いらないよ。泊めてもらうからね」
「村の宿に泊まった方が安いくらいになるだろう」
「いいのいいの。ここはあたしにとっちゃあ、羽を休めるとまり木みたいなもんだしね。野菜の収穫は終わった? ちょっと早いけど香草茶を飲もう。お土産の砂糖菓子を一緒に食べたいんだよね」
「エルマー。本当にありがとう。茶を淹れてくる」
この家がずっと旅暮らしをしているエルマーの休める場所なのは嬉しい。
ボルドーはいそいそと丁寧に香草茶を淹れると、居間へ向かい、エルマーと向かい合って椅子に座った。
エルマーが大きな箱から取り出したのは、硝子の小瓶だった。中には色とりどりの小さな丸いものが入っている。
ボルドーはふと、昨夜見た不思議な夢を思い出した。
とんでもない美形が丸いものについていた紐を引っ張ったら色とりどりの紙が舞っていた。
連鎖的に自分にまんこがついちゃったことを思い出して、ボルドーは全力でそのことを頭の中の隅っこに押しやった。
エルマーが小瓶のコルク栓を開け、何粒か掌に落とし、ボルドーに差し出してきた。
「食べてごらんよ。色によって少しだけ味が違うんだ」
「……! 甘い! 口の中でさらっと溶けてなくなった。これは桃の風味か?」
「あ、ボルドーは桃だったんだ。あたしは多分木苺かな? 甘くて美味しいだろう?」
「あぁ。あ、これは多分オレンジだ」
「あたしのはなんだろ。林檎かな?」
「食べるのがすごく楽しい。ありがとう。エルマー」
「ふふっ。喜んでもらえて嬉しいね」
エルマーが嬉しそうに笑った。
珍しい砂糖菓子を食べながら、夕食の支度の時間まで、のんびりと旅の話を聞いた。
ボルドーは一番近くの村にしか行ったことがない。ずっと森の中で暮らしている。エルマーの柔らかい声で聞かせてもらう外の世界は、ボルドーからすると違う世界の話みたいだ。
幼い頃から、エルマーやエルマーの父親が来る度に、旅の話をねだっていた。
外の世界の話は、まるで物語のようで聞いていて全く飽きない。
夕食も一緒に作りながら、エルマーの耳に心地よい声で語られる外の世界の物語を夢中で聴いた。
いつになく賑やかな夕食を楽しんだ後。風呂場の浴槽に井戸から汲んだ水を溜め、薪を燃やしてお湯を沸かした。
普段は三日に一度しかお湯を沸かさないが、エルマーがいる時は特別だ。エルマーが滞在する数日間は毎日風呂の湯を沸かしている。
祖父が風呂好きだったので、ボルドーの家の風呂の浴槽は広めだ。いつもなら一緒に入るのだが、今日はちょっと躊躇われる。だって、まんこができちゃっているのだ。
どう言い訳して別に入ろうかと頭を悩ませている間に、風呂のお湯がいい感じになってしまった。
いつも通り一緒に入る気満々のエルマーへの言い訳が思いつかずに、ボルドーは諦めて脱衣場で服を脱ぎ始めた。
身体を洗ってお湯に浸かると、エルマーがほぁーと気の抜けた声を出した。
温かいお湯に浸かっていると、ボルドーもなんだか気が抜けてくる。
ボルドーはふと思った。旅暮らしをしているエルマーなら、男にまんこがつく話を聞いたことがあるかもしれない。もしかしたら、対処法も知っているかもしれない。
ボルドーはちょっとドキドキしながら、まったりした様子のエルマーに声をかけた。
「エルマー」
「んー?」
「男の身体にある日突然まんこができる話って知らないか?」
「えー? そんな話聞いたことがないなぁ。なんかの本で読んだのかい?」
「い、いや……」
「ボルドー?」
「しっ! 知らないならいいんだ!」
「ボルドー。突然そんなこと聞くなんてどうしたのさ」
「い、いや? 別に……」
「ボルドー? 何があったか、お兄さんに正直に話してごらん?」
「う……絶対に信じない……」
「それは聞いてみなきゃ分からないよ。ていうか、ボルドーが嘘なんてつく筈がないし」
「うぅ……実は……」
ボルドーはぼそぼそと、不思議な夢を見たこと、朝起きたらまんこができていたことをエルマーに話した。
ちらっとエルマーを見れば、ぽかんと間抜けに口を開けている。
やっぱり信じられないよなぁと思っていると、エルマーが何故か顔を赤らめて口を開いた。
「ボルドー。その、ボルドーが嘘なんかつかないことはよぉく分かってるよ。分かってるんだけど、そのー……証拠というか……見せてもらってもいいかい? その、ボルドーのまんこ」
「うぇっ!? み、見せるのか!?」
「大丈夫!! 誰にも口外しないから!」
エルマーのことは信頼している。まんこを見せても、本当に誰にも言わないでくれるだろう。
ボルドーは少しだけ迷ってから、ざばぁっとお湯の中で立ち上がり、浴槽から出て木の床の上に腰を下ろした。
ドキドキしながら、膝を立てて足を大きく広げる。自分の太くて長いペニスとずっしりとした陰嚢を左手で下腹部にくっつけ、思い切って右手の指でぷにっとした肉厚の肉襞をくぱぁと開いた。
まんこの孔に直接外気が触れる感覚に、不思議と腰のあたりがぞわぞわする。
エルマーを見れば、いつもは線みたいな糸目がかっと開いており、淡い緑色の瞳が見えていた。
エルマーの瞳を見るのは初めてだ。新芽のような色合いがきれいだなぁと暢気に思っていると、じっとまんこを見つめられていることに気づいた。
エルマーの視線を意識した途端、とろっとまんこの孔から熱い液体が溢れ出る感覚がした。
ボルドーは挙動不審に目を泳がせながら、おずおずとエルマーに声をかけた。
「これが、俺の、まんこ」
「……うん。あー、ボルドー」
「な、なんだ」
「……ちょっと触ってみていい? いやほら! 本当にまんこの孔なのか確かめる的な!? あ、もしかして自分で確認済み?」
「さっ! 触ってない! ばぁちゃんの手鏡で見て確認しただけだ!」
「そっ、それじゃあ、ちょっとだけ触らせてくれないかな。その……念の為! 念の為の確認!! ほんとにまんこなのか!」
「わ、わかった……さ、触ってくれ……」
「う、うん」
エルマーがざばぁっとお湯から出てきて、足を大きく広げているボルドーのすぐ側にやって来た。
足の間にちょこんとおさまったエルマーが、ボルドーの股間に顔を近づけた。
「……ほんとにまんこみたいだ。もしかして、濡れてる?」
「ぬ、濡れてない! これはお湯だ!」
「そ、そっか! えっと、じゃ、じゃあ、ちょっと触るね!」
「あ、あぁ。……あぁっ!? エルマー!?」
まんこの孔に熱くてぬるついたものが触れた。ぞわっとした初めての快感が背を駆け抜ける。それがエルマーの舌だと気づいた瞬間、何故かどっと愛液が溢れ出る感覚がした。
エルマーの舌がぬるぬるとまんこの孔の表面を舐め回し、つーっと上へと上がり、陰嚢のすぐ下にあるクリトリスに触れた。
クリトリスがあるのは、朝に手鏡で見た時に確認済みだ。
クリトリスをぴこぴこと舌で弾くように舐められると、気持ちよくて身体が勝手に震えてしまう。
「あ、あ、エルマー、だ、だめだっ……あ、あぁっ、も、も、いくっ、いっちまうっ……!」
「んー」
「んぁっ!? あ、あ、あ、あーーーーっ!!」
エルマーがクリトリスをちゅーっと優しく吸ってきた。
身体の中でぐるぐる暴れ回っていた快感がパァンと弾け飛ぶ。ボルドーはエルマーの唇にクリトリスを押しつけるように腰を浮かせてイッた。
射精とは違う長引く快感の余韻に荒い息を吐いていると、エルマーの舌が濡れ濡れになっているまんこの孔へと這っていった。
じゅるっと品のない音を立てて愛液を啜られている。身体の奥がかっと熱くなる。まるで酒をしこたま飲んだ時のように頭がふわふわして、イクことしか考えられなくなる。
「エ、エルマー。もっと、もっと触ってくれ。イ、イカせてくれ」
「はぁっ……ボルドー。いっぱい気持ちよくなって」
「んっ……はぁっ……」
「指は痛い?」
「い、いたくない……」
「中のいいところを探すから、気持ちいいところを教えてよ」
「あ、あぁ……ふっ、ふぅっ、んっ……あっ!?」
「ここ?」
「そ、そこっ! なんかっ! きもちいいっ!」
エルマーの指がまんこの中に入っている。異物感はあるが、痛みはない。エルマーの指がある一点に触れると、ぞわぞわっと背筋を新たな快感が駆け抜けた。
そこばかりを重点的に弄りながら、エルマーが自分のペニスと陰嚢を押さえているボルドーの手の甲にキスをした。
「手、どけて」
「いや、でも……」
「こっちも可愛がってやらないと」
「あ、あぁ……んぁっ!? エッ、エルマー! そこっ、舐められたらっ……! うっ、あぁっ! あ、あ、だめだっ! でるっ! 出ちまうっ!」
「んー。らひて(出して)」
「あ、あ、~~~~っ、あーーーーっ!」
エルマーがまんこの中の気持ちいいところを指で刺激しながら、勃起したペニスの裏筋をべろーっと舐め上げ、敏感な亀頭をパクンと口に咥えた。熱い口外で、エルマーの舌が円を描くように亀頭を舐め回してきた。
ボルドーはあまりの快感に訳がわからなくなり、そのまま我慢できずにエルマーの口内に精液をぶち撒けた。
ちゅーっと精液を吐き出しているペニスの尿道口を吸われて、ボルドーは裏返った声を上げながら、全身をびくびく震わせた。
ボルドーの半分萎えたペニスから口を離したエルマーが、こちらを見て口を大きく開けた。赤い舌の上に白いねっとりとした精液がある。
エルマーが口を閉じ、ごくんとボルドーの精液を飲み込んだ。
驚いて目を見開くボルドーのまんこの孔から指を引き抜き、エルマーが膝立ちになった。
反射的にエルマーの股間を見れば、エルマーのペニスは勃起して下腹部にくっつきそうな勢いで反り返っていた。
目を見開いたままのエルマーが、まんこの孔をつんつんとペニスの先っぽで突いた。
熱くて硬いペニスの感触に、また何故かどっと愛液が溢れ出る感覚がした。
「ボルドー。ここに入りたい」
「…………あ、あぁ」
「いい?」
「い、いい……」
あまりにも非現実的で、ボルドーは熱に浮かされたような頭で頷いていた。
エルマーのペニスがまんこの孔を押し拡げるようにして腹の中に入ってくる。鈍く痛むが、それ以上に敏感な粘膜同士が擦れ合う快感の方が強い。みっちりと腹の中を満たされていく感覚が不思議なほど気持ちがいい。
「あ、あ、あ……」
「ボルドー。一気に挿れるよ」
「あぁっ!?」
「ごめん。痛い?」
「い、たい……けど、きもちいい……」
「はぁっ……ボルドー!」
「あぁっ!? あっ! あっ! んぁっ! あぁっ! おくっ! だめだっ! いてぇ! きもちいいっ!」
「こっちもっ!」
「はぅっ!? ちんこっ! どうじっ! だめだっ! あ、あ、いくっ! いっちまうっ!」
「好きなだけイッて! あたしもっ、も、無理っ!」
「あっあっあっあっあっ! あ、あぁぁぁぁっ!!」
ペニスで腹の奥深くを突き上げられると、鋭い痛みと共に強烈な快感が脳天に突き抜ける。腹の奥深くを小刻みに強く突き上げられながら、また勃起したペニスを扱かれたら、もう駄目だった。
ボルドーは仰け反るようにして全身を震わせ、身体の中で弾け飛んだ高まりすぎた快感に吠えるような声を上げた。
はぁー、はぁーと大きな荒い息を吐きながらエルマーを見れば、エルマーはまだ目を見開いたままだった。新芽のようなきれいな瞳がギラギラと輝いている。
エルマーの瞳を見ると、腹の奥深くが何故かうずうずして、さっきと同じ強烈な快感が欲しくて堪らなくなる。
ボルドーはごくっと唾を飲み込んでから、わざと下腹部に力を込めた。
なんとなく中に入ったままのエルマーのペニスがぴくっと微かに動いたのが分かった。
エルマーのペニスが再び腹の中で暴れ始める。腹の奥深くを突かれる度に脳みそが痺れるような快感に襲われる。
エルマーが腰を振りながら上体を伏せ、ふさふさの胸毛が濡れて肌に張りついている盛り上がった胸筋に頬ずりをしてから、濃い茶褐色のちょこんとした存在感が薄い乳首に吸いついてきた。
乳首をちゅくちゅく吸われると、なんだかじんわり気持ちよくて、妙に興奮して、腹の中のエルマーのペニスを締めつけてしまう。エルマーのペニスの形が分かるような気すらしてくる。
ボルドーはじっとエルマーの瞳を見つめた。
腹の中を暴れ回るエルマーのペニスの動きがどんどん激しくなっていく。乳首を交互に吸われながら、ボルドーはまた吠えるように喘ぎながらイッた。
頭の中が強烈な快感で真っ白になる。ちゅぽっと乳首から口を離したエルマーが、硬いペニスで腹の奥深くをぐりぐりしながら、ボルドーの唇に噛みつくような勢いで吸いついた。
間近に見えるエルマーの瞳は、確かに熱を孕んでいる。不思議と背筋がゾクゾクするほど興奮して、ボルドーはペニスを引き抜いたエルマーに言われるがままに四つん這いになった。
ーーーーーー
ボルドーは全裸のまま風呂場の床に寝転がり、呆然としていた。
まんこの孔だけじゃなくて、アナルにもペニスを突っ込まれた。アナルは排泄孔なのに不思議と気持ちよくて、ボルドーは初めての快感に酔いしれた。
隣を見れば、エルマーがこちらを向いていた。目はいつもの垂れ気味の糸目に戻っている。新芽のような瞳をもう一度見てみたい気がする。
エルマーがのろのろと起き上がったので、ボルドーも腹筋だけで起き上がった。
エルマーと向かい合って胡座をかくと、たらーっとまんこの孔からエルマーの精液が溢れ出る感覚がした。
エルマーがボルドーのゴツい手を両手で握り、顔を真っ赤に染めて口を開いた。
「ボルドー。あたしはボルドーのことが好きなんだ。あたしの子を産んでくれないか」
「エルマー!?」
「男同士なんて変だって分かってる。けど、子どもの頃からボルドーだけが好きなんだ」
「あ、あ、でも……お、俺は熊みたいな男だぞ!?」
「そこも可愛い」
「正気か!?」
「正気だよ。ボルドーはちっちゃい頃からずっと可愛い」
「エルマー……そ、その、なんだ。あれだ。……その、割と、いや、かなり、嬉しい……気がする……」
「ボルドー!」
「んっ!」
パァッと笑顔になったエルマーが抱きついてきて、ボルドーの唇に自分の唇を押しつけた。
顔を見合わせて、ものすごく照れくさくなり、ボルドーは挙動不審に目を泳がせた。
「ボルドー。あたしと家族になってよ」
「あ、あぁ」
「行商はやめる。今時、行商やってもそんなに儲からない。村で小さな店を開くよ。ここから毎日通う」
「……ほんとにいいのか?」
「ボルドーの側にいたい」
「そ、そうか」
顔がものすごく熱い。多分、嬉しいのだと思う。
男同士で家族になるだなんて聞いたことがないが、エルマー曰く、外の世界ではたまにあることらしい。
エルマーは、本当はずっとボルドーへの想いを自分の中に閉じ込めておくつもりだったらしい。
ボルドーはエルマーが家族になってくれたら嬉しい。一緒に食事をとって、一緒に風呂に入って、一緒に寝る。なんて素敵なんだろう。
エルマーのことは子どもの頃から大好きだ。エルマーの『好き』とボルドーの『好き』は少し違うかもしれないが、家族として過ごしていくうちに、同じ『好き』になっていく気がする。
ボルドーはおずおずとエルマーの唇に自分の唇をくっつけた。
エルマーがまた目を見開いた。
新芽のような瞳が見えると、腹の奥深くがうずっとする。流石に今はこれ以上はしないけど。
「髭もじゃの熊でよければ、嫁にしてくれ」
「喜んで! ボルドー。一緒に幸せになるための努力をしよう」
「あ、あぁ! その、末永くよろしく……」
「こちらこそ!」
エルマーの弾けるような笑みを見て、ボルドーも気づけば笑っていた。
それから、エルマーは本当に行商をやめ、一番近くの村で小さな店を開いた。
通勤用に馬を飼い始めた。仕入れのために二か月に一度は十日ほど不在になるが、その時以外は毎日ボルドーの家に帰ってきてくれる。それが堪らなく嬉しい。
『森の熊さん』ことボルドーとエルマーの家族が増えるのは、三年後のこと。
(おしまい)
昨日まではなかった筈のものがある。会陰のところに筋があり、恐る恐る指先でぷにっとした肉厚の肉襞をくぱぁと広げれば、無垢なピンク色をした孔がある。どこからどう見てもまんこだ。
ボルドーは高速でパチパチと瞬きをしながら、心の中で叫んだ。
どうすんだこれぇぇぇぇ!!!!
ーーーーーー
ボルドーはど田舎の村の側にある森に一人で住んでいる。先祖代々木こりをしており、森の中の小さめの家で暮らしている。
両親は早くに亡くなっており、ボルドーは祖父母に育てられた。その祖父母も一昨年に相次いで亡くなり、今は一人ぼっちで毎日を過ごしている。
ボルドーは一番近くの村の人達から『森の熊さん』と呼ばれている。背が高くて筋骨隆々な上に毛深いからだ。
濃い茶色の髪や伸ばしている髭も相まって、熊っぽく見えるらしい。村の小さな女の子からは『お目目が優しいね』と褒めてもらえたことがあるが、若い結婚適齢期の女の子からは見向きもされない。今年で二十八歳になるが、結婚はとっくの昔に諦めている。
村から依頼を受けて木を切り倒し、枝葉を落として整え納品した日の夜に、不思議な夢を見た。
とんでもない美形が謎の筒状の物体を担いで現れ、ずどーんっと大きな音を立てたかと思えば、『おめでとうございます! 貴方は選ばれました。子どもを産む名誉を与えます!』と言って丸いものについている紐を引っ張った。
丸いものはパカッと割れ、中から色とりどりの小さな紙が出てきて宙を舞っていた。
不思議と鮮明に覚えている夢に首を傾げながら起き上がったら、なんとなく股間に違和感を覚えた。
物置から亡くなった祖母が使っていた手鏡を発掘して、自分の股間を見てみたら、春画でしか見たことがないまんこがついていた。
これは本当にどうしたらいいのか。男にまんこがつくなんて聞いたことがない。ボルドーが田舎者だから知らないだけで、実はある日突然男の身体にまんこがついちゃうものなのだろうか。
ボルドーは暫く頭を抱えて唸っていたが、現実としてまんこができちゃったものはしょうがない。ボルドーは女に見向きもされないが、男にだって見向きもされない容姿だ。
ボルドーにまんこができちゃったとしても、誰も困らないし、使うこともない。
ボルドーは考えることをやめて、もぞもぞとパンツとズボンを穿き、朝の水汲みをすべく部屋から出た。
木こりの仕事は、ただ木を切り倒すだけじゃない。木を切り倒すだけでは、森がいつか無くなってしまう。森の木がちゃんと育つように考えながら木を切り倒し、新たな木の苗を植えるのも仕事だ。植えた木の苗がしっかり育つように世話もする。
秋や冬になると狩りもするが、今は春の終わり頃だ。
新芽が育ち、木々の葉っぱが色濃くなっていく時期である。
ボルドーが森の中の杏の木から食べる分だけの杏を収穫して家に帰ると、家の前に大きな箱を背負ったひょろりとした細身の男がいた。赤茶色の長い髪を一つの三つ編みにしている。
今の時期に毎年やって来る行商人のエルマーだ。
エルマーは二つ年上で、いつでも笑っているように見える垂れ気味の糸目をしている。垂れ気味の糸目もあって、顔立ちが優しそうに整っているのが正直ちょっと羨ましい。
数年前までは父親と一緒に行商していたが、父親が亡くなり、今は一人で行商している。
ボルドーにとっては、年に一度だけ会う友達のような存在だ。
籠を背負ったボルドーに気づいたエルマーが、ゆるく笑って声をかけてきた。
柔らかい少し高めの優しい声はよく通る。ボルドーの声はひたすら低いだけなので、聞き取りやすいきれいな声も羨ましい。
「ボルドー。久しぶり。元気だったかい?」
「あぁ。エルマー。久しぶり。見ての通り元気だ」
「それは何より。また今年も泊めてくれるかな」
「勿論。昨日、村で豚肉の塊を貰った。焼いて一緒に食べよう」
「いいねぇ! 豪勢だ。ありがとう。ボルドー」
「いや。旅の話を聞かせてくれるか」
「勿論いいとも!」
「まずは茶を飲もう。杏を採ってきたから、杏も食べよう」
「ありがとう。置き薬は大丈夫かい?」
「足りなくなりそうなのがいくつかある。薬箱を確認してくれ」
「いいとも。お土産もあるんだ」
「お土産?」
「ちょっと珍しい砂糖菓子でね。甘くて美味しいんだ」
「そんな高価そうなもの貰ってもいいのか?」
「ボルドーに食べてもらおうと思って買ったんだ。貰ってくれなきゃ困っちゃうよ」
「心遣いありがとう。おっと。ずっと立ち話してたな。まずは中へ」
「お邪魔するよ」
ボルドーは家のドアを開けて、エルマーを中に入れた。
台所でお湯を沸かし、乾燥させた香草をブレンドした香草茶を淹れる。香草茶の作り方は祖母から習った。
両親が早くに亡くなったからか、祖父母はボルドーが一人になってもちゃんと生きていけるようにと、たくさんのことを教えてくれた。
いつもより丁寧に香草茶を淹れると、洗った杏と共にお盆にのせて居間へと運んだ。
背負っていた大きな箱を床に下ろしているエルマーに香草茶と杏を差し出すと、一口飲んだエルマーが嬉しそうに笑った。
「この香草茶を飲むと、なんだかほっとするなぁ。ばぁちゃんの味と一緒だ」
「ばぁちゃんに教えてもらいながら、ずっと一緒に作ってたからな」
「杏も美味い。普段は干したものしか食わないから、瑞々しい生の杏をここで食うのが毎年の楽しみなんだ」
「エルマーは甘いものが好きだろう。前の秋に作った干しイチヂクもあるぞ」
「食べる!」
「すぐに持ってくる。あ、昼飯は食ったのか?」
「まだだよ。ボルドーに早く会いたくてね」
「そうか。俺もまだ食ってないから一緒に食おう。雑穀入りの干し肉と野菜のスープでよければ」
「ありがたくご馳走になるよ。ボルドーは料理上手だから、作ってくれるものはなんでも美味しい」
「褒めても干した苺しか出てこないぞ」
「苺のためにボルドーを褒め称えなきゃ」
「ははっ! 褒めなくても出す」
「ふふっ。あたしも手伝うよ。台所で煮炊きをするの、好きなんだ。普段は旅暮らしで『普通の家』の台所で料理なんてしないからね」
「じゃあ、一緒に作ろう」
「うん」
エルマーと一緒に台所へ移動し、エルマーが朝に庭の畑から収穫した野菜を切っている間に、家のすぐ隣の貯蔵庫から猪の干し肉を取って台所へ戻る。
竈に火を起こし、お湯を沸かして一口大に切った干し肉と野菜、雑穀を入れる。味付けはしない。干し肉を作る時に使う塩と香草でしっかり味がつくし、野菜の自然な甘さで美味しくなる。
二人で作った昼食を食べて後片付けをすると、エルマーが薬箱の中身を確認している間に、夕食用の追加の野菜を収穫した。
家の側の井戸で収穫した野菜を洗い、家の中に戻ると、エルマーが薬箱を閉じたところだった。
「結構減っていただろう」
「そうだね。ちゃんと補充しておいたよ」
「ありがとう。代金はいくらになる」
「いらないよ。泊めてもらうからね」
「村の宿に泊まった方が安いくらいになるだろう」
「いいのいいの。ここはあたしにとっちゃあ、羽を休めるとまり木みたいなもんだしね。野菜の収穫は終わった? ちょっと早いけど香草茶を飲もう。お土産の砂糖菓子を一緒に食べたいんだよね」
「エルマー。本当にありがとう。茶を淹れてくる」
この家がずっと旅暮らしをしているエルマーの休める場所なのは嬉しい。
ボルドーはいそいそと丁寧に香草茶を淹れると、居間へ向かい、エルマーと向かい合って椅子に座った。
エルマーが大きな箱から取り出したのは、硝子の小瓶だった。中には色とりどりの小さな丸いものが入っている。
ボルドーはふと、昨夜見た不思議な夢を思い出した。
とんでもない美形が丸いものについていた紐を引っ張ったら色とりどりの紙が舞っていた。
連鎖的に自分にまんこがついちゃったことを思い出して、ボルドーは全力でそのことを頭の中の隅っこに押しやった。
エルマーが小瓶のコルク栓を開け、何粒か掌に落とし、ボルドーに差し出してきた。
「食べてごらんよ。色によって少しだけ味が違うんだ」
「……! 甘い! 口の中でさらっと溶けてなくなった。これは桃の風味か?」
「あ、ボルドーは桃だったんだ。あたしは多分木苺かな? 甘くて美味しいだろう?」
「あぁ。あ、これは多分オレンジだ」
「あたしのはなんだろ。林檎かな?」
「食べるのがすごく楽しい。ありがとう。エルマー」
「ふふっ。喜んでもらえて嬉しいね」
エルマーが嬉しそうに笑った。
珍しい砂糖菓子を食べながら、夕食の支度の時間まで、のんびりと旅の話を聞いた。
ボルドーは一番近くの村にしか行ったことがない。ずっと森の中で暮らしている。エルマーの柔らかい声で聞かせてもらう外の世界は、ボルドーからすると違う世界の話みたいだ。
幼い頃から、エルマーやエルマーの父親が来る度に、旅の話をねだっていた。
外の世界の話は、まるで物語のようで聞いていて全く飽きない。
夕食も一緒に作りながら、エルマーの耳に心地よい声で語られる外の世界の物語を夢中で聴いた。
いつになく賑やかな夕食を楽しんだ後。風呂場の浴槽に井戸から汲んだ水を溜め、薪を燃やしてお湯を沸かした。
普段は三日に一度しかお湯を沸かさないが、エルマーがいる時は特別だ。エルマーが滞在する数日間は毎日風呂の湯を沸かしている。
祖父が風呂好きだったので、ボルドーの家の風呂の浴槽は広めだ。いつもなら一緒に入るのだが、今日はちょっと躊躇われる。だって、まんこができちゃっているのだ。
どう言い訳して別に入ろうかと頭を悩ませている間に、風呂のお湯がいい感じになってしまった。
いつも通り一緒に入る気満々のエルマーへの言い訳が思いつかずに、ボルドーは諦めて脱衣場で服を脱ぎ始めた。
身体を洗ってお湯に浸かると、エルマーがほぁーと気の抜けた声を出した。
温かいお湯に浸かっていると、ボルドーもなんだか気が抜けてくる。
ボルドーはふと思った。旅暮らしをしているエルマーなら、男にまんこがつく話を聞いたことがあるかもしれない。もしかしたら、対処法も知っているかもしれない。
ボルドーはちょっとドキドキしながら、まったりした様子のエルマーに声をかけた。
「エルマー」
「んー?」
「男の身体にある日突然まんこができる話って知らないか?」
「えー? そんな話聞いたことがないなぁ。なんかの本で読んだのかい?」
「い、いや……」
「ボルドー?」
「しっ! 知らないならいいんだ!」
「ボルドー。突然そんなこと聞くなんてどうしたのさ」
「い、いや? 別に……」
「ボルドー? 何があったか、お兄さんに正直に話してごらん?」
「う……絶対に信じない……」
「それは聞いてみなきゃ分からないよ。ていうか、ボルドーが嘘なんてつく筈がないし」
「うぅ……実は……」
ボルドーはぼそぼそと、不思議な夢を見たこと、朝起きたらまんこができていたことをエルマーに話した。
ちらっとエルマーを見れば、ぽかんと間抜けに口を開けている。
やっぱり信じられないよなぁと思っていると、エルマーが何故か顔を赤らめて口を開いた。
「ボルドー。その、ボルドーが嘘なんかつかないことはよぉく分かってるよ。分かってるんだけど、そのー……証拠というか……見せてもらってもいいかい? その、ボルドーのまんこ」
「うぇっ!? み、見せるのか!?」
「大丈夫!! 誰にも口外しないから!」
エルマーのことは信頼している。まんこを見せても、本当に誰にも言わないでくれるだろう。
ボルドーは少しだけ迷ってから、ざばぁっとお湯の中で立ち上がり、浴槽から出て木の床の上に腰を下ろした。
ドキドキしながら、膝を立てて足を大きく広げる。自分の太くて長いペニスとずっしりとした陰嚢を左手で下腹部にくっつけ、思い切って右手の指でぷにっとした肉厚の肉襞をくぱぁと開いた。
まんこの孔に直接外気が触れる感覚に、不思議と腰のあたりがぞわぞわする。
エルマーを見れば、いつもは線みたいな糸目がかっと開いており、淡い緑色の瞳が見えていた。
エルマーの瞳を見るのは初めてだ。新芽のような色合いがきれいだなぁと暢気に思っていると、じっとまんこを見つめられていることに気づいた。
エルマーの視線を意識した途端、とろっとまんこの孔から熱い液体が溢れ出る感覚がした。
ボルドーは挙動不審に目を泳がせながら、おずおずとエルマーに声をかけた。
「これが、俺の、まんこ」
「……うん。あー、ボルドー」
「な、なんだ」
「……ちょっと触ってみていい? いやほら! 本当にまんこの孔なのか確かめる的な!? あ、もしかして自分で確認済み?」
「さっ! 触ってない! ばぁちゃんの手鏡で見て確認しただけだ!」
「そっ、それじゃあ、ちょっとだけ触らせてくれないかな。その……念の為! 念の為の確認!! ほんとにまんこなのか!」
「わ、わかった……さ、触ってくれ……」
「う、うん」
エルマーがざばぁっとお湯から出てきて、足を大きく広げているボルドーのすぐ側にやって来た。
足の間にちょこんとおさまったエルマーが、ボルドーの股間に顔を近づけた。
「……ほんとにまんこみたいだ。もしかして、濡れてる?」
「ぬ、濡れてない! これはお湯だ!」
「そ、そっか! えっと、じゃ、じゃあ、ちょっと触るね!」
「あ、あぁ。……あぁっ!? エルマー!?」
まんこの孔に熱くてぬるついたものが触れた。ぞわっとした初めての快感が背を駆け抜ける。それがエルマーの舌だと気づいた瞬間、何故かどっと愛液が溢れ出る感覚がした。
エルマーの舌がぬるぬるとまんこの孔の表面を舐め回し、つーっと上へと上がり、陰嚢のすぐ下にあるクリトリスに触れた。
クリトリスがあるのは、朝に手鏡で見た時に確認済みだ。
クリトリスをぴこぴこと舌で弾くように舐められると、気持ちよくて身体が勝手に震えてしまう。
「あ、あ、エルマー、だ、だめだっ……あ、あぁっ、も、も、いくっ、いっちまうっ……!」
「んー」
「んぁっ!? あ、あ、あ、あーーーーっ!!」
エルマーがクリトリスをちゅーっと優しく吸ってきた。
身体の中でぐるぐる暴れ回っていた快感がパァンと弾け飛ぶ。ボルドーはエルマーの唇にクリトリスを押しつけるように腰を浮かせてイッた。
射精とは違う長引く快感の余韻に荒い息を吐いていると、エルマーの舌が濡れ濡れになっているまんこの孔へと這っていった。
じゅるっと品のない音を立てて愛液を啜られている。身体の奥がかっと熱くなる。まるで酒をしこたま飲んだ時のように頭がふわふわして、イクことしか考えられなくなる。
「エ、エルマー。もっと、もっと触ってくれ。イ、イカせてくれ」
「はぁっ……ボルドー。いっぱい気持ちよくなって」
「んっ……はぁっ……」
「指は痛い?」
「い、いたくない……」
「中のいいところを探すから、気持ちいいところを教えてよ」
「あ、あぁ……ふっ、ふぅっ、んっ……あっ!?」
「ここ?」
「そ、そこっ! なんかっ! きもちいいっ!」
エルマーの指がまんこの中に入っている。異物感はあるが、痛みはない。エルマーの指がある一点に触れると、ぞわぞわっと背筋を新たな快感が駆け抜けた。
そこばかりを重点的に弄りながら、エルマーが自分のペニスと陰嚢を押さえているボルドーの手の甲にキスをした。
「手、どけて」
「いや、でも……」
「こっちも可愛がってやらないと」
「あ、あぁ……んぁっ!? エッ、エルマー! そこっ、舐められたらっ……! うっ、あぁっ! あ、あ、だめだっ! でるっ! 出ちまうっ!」
「んー。らひて(出して)」
「あ、あ、~~~~っ、あーーーーっ!」
エルマーがまんこの中の気持ちいいところを指で刺激しながら、勃起したペニスの裏筋をべろーっと舐め上げ、敏感な亀頭をパクンと口に咥えた。熱い口外で、エルマーの舌が円を描くように亀頭を舐め回してきた。
ボルドーはあまりの快感に訳がわからなくなり、そのまま我慢できずにエルマーの口内に精液をぶち撒けた。
ちゅーっと精液を吐き出しているペニスの尿道口を吸われて、ボルドーは裏返った声を上げながら、全身をびくびく震わせた。
ボルドーの半分萎えたペニスから口を離したエルマーが、こちらを見て口を大きく開けた。赤い舌の上に白いねっとりとした精液がある。
エルマーが口を閉じ、ごくんとボルドーの精液を飲み込んだ。
驚いて目を見開くボルドーのまんこの孔から指を引き抜き、エルマーが膝立ちになった。
反射的にエルマーの股間を見れば、エルマーのペニスは勃起して下腹部にくっつきそうな勢いで反り返っていた。
目を見開いたままのエルマーが、まんこの孔をつんつんとペニスの先っぽで突いた。
熱くて硬いペニスの感触に、また何故かどっと愛液が溢れ出る感覚がした。
「ボルドー。ここに入りたい」
「…………あ、あぁ」
「いい?」
「い、いい……」
あまりにも非現実的で、ボルドーは熱に浮かされたような頭で頷いていた。
エルマーのペニスがまんこの孔を押し拡げるようにして腹の中に入ってくる。鈍く痛むが、それ以上に敏感な粘膜同士が擦れ合う快感の方が強い。みっちりと腹の中を満たされていく感覚が不思議なほど気持ちがいい。
「あ、あ、あ……」
「ボルドー。一気に挿れるよ」
「あぁっ!?」
「ごめん。痛い?」
「い、たい……けど、きもちいい……」
「はぁっ……ボルドー!」
「あぁっ!? あっ! あっ! んぁっ! あぁっ! おくっ! だめだっ! いてぇ! きもちいいっ!」
「こっちもっ!」
「はぅっ!? ちんこっ! どうじっ! だめだっ! あ、あ、いくっ! いっちまうっ!」
「好きなだけイッて! あたしもっ、も、無理っ!」
「あっあっあっあっあっ! あ、あぁぁぁぁっ!!」
ペニスで腹の奥深くを突き上げられると、鋭い痛みと共に強烈な快感が脳天に突き抜ける。腹の奥深くを小刻みに強く突き上げられながら、また勃起したペニスを扱かれたら、もう駄目だった。
ボルドーは仰け反るようにして全身を震わせ、身体の中で弾け飛んだ高まりすぎた快感に吠えるような声を上げた。
はぁー、はぁーと大きな荒い息を吐きながらエルマーを見れば、エルマーはまだ目を見開いたままだった。新芽のようなきれいな瞳がギラギラと輝いている。
エルマーの瞳を見ると、腹の奥深くが何故かうずうずして、さっきと同じ強烈な快感が欲しくて堪らなくなる。
ボルドーはごくっと唾を飲み込んでから、わざと下腹部に力を込めた。
なんとなく中に入ったままのエルマーのペニスがぴくっと微かに動いたのが分かった。
エルマーのペニスが再び腹の中で暴れ始める。腹の奥深くを突かれる度に脳みそが痺れるような快感に襲われる。
エルマーが腰を振りながら上体を伏せ、ふさふさの胸毛が濡れて肌に張りついている盛り上がった胸筋に頬ずりをしてから、濃い茶褐色のちょこんとした存在感が薄い乳首に吸いついてきた。
乳首をちゅくちゅく吸われると、なんだかじんわり気持ちよくて、妙に興奮して、腹の中のエルマーのペニスを締めつけてしまう。エルマーのペニスの形が分かるような気すらしてくる。
ボルドーはじっとエルマーの瞳を見つめた。
腹の中を暴れ回るエルマーのペニスの動きがどんどん激しくなっていく。乳首を交互に吸われながら、ボルドーはまた吠えるように喘ぎながらイッた。
頭の中が強烈な快感で真っ白になる。ちゅぽっと乳首から口を離したエルマーが、硬いペニスで腹の奥深くをぐりぐりしながら、ボルドーの唇に噛みつくような勢いで吸いついた。
間近に見えるエルマーの瞳は、確かに熱を孕んでいる。不思議と背筋がゾクゾクするほど興奮して、ボルドーはペニスを引き抜いたエルマーに言われるがままに四つん這いになった。
ーーーーーー
ボルドーは全裸のまま風呂場の床に寝転がり、呆然としていた。
まんこの孔だけじゃなくて、アナルにもペニスを突っ込まれた。アナルは排泄孔なのに不思議と気持ちよくて、ボルドーは初めての快感に酔いしれた。
隣を見れば、エルマーがこちらを向いていた。目はいつもの垂れ気味の糸目に戻っている。新芽のような瞳をもう一度見てみたい気がする。
エルマーがのろのろと起き上がったので、ボルドーも腹筋だけで起き上がった。
エルマーと向かい合って胡座をかくと、たらーっとまんこの孔からエルマーの精液が溢れ出る感覚がした。
エルマーがボルドーのゴツい手を両手で握り、顔を真っ赤に染めて口を開いた。
「ボルドー。あたしはボルドーのことが好きなんだ。あたしの子を産んでくれないか」
「エルマー!?」
「男同士なんて変だって分かってる。けど、子どもの頃からボルドーだけが好きなんだ」
「あ、あ、でも……お、俺は熊みたいな男だぞ!?」
「そこも可愛い」
「正気か!?」
「正気だよ。ボルドーはちっちゃい頃からずっと可愛い」
「エルマー……そ、その、なんだ。あれだ。……その、割と、いや、かなり、嬉しい……気がする……」
「ボルドー!」
「んっ!」
パァッと笑顔になったエルマーが抱きついてきて、ボルドーの唇に自分の唇を押しつけた。
顔を見合わせて、ものすごく照れくさくなり、ボルドーは挙動不審に目を泳がせた。
「ボルドー。あたしと家族になってよ」
「あ、あぁ」
「行商はやめる。今時、行商やってもそんなに儲からない。村で小さな店を開くよ。ここから毎日通う」
「……ほんとにいいのか?」
「ボルドーの側にいたい」
「そ、そうか」
顔がものすごく熱い。多分、嬉しいのだと思う。
男同士で家族になるだなんて聞いたことがないが、エルマー曰く、外の世界ではたまにあることらしい。
エルマーは、本当はずっとボルドーへの想いを自分の中に閉じ込めておくつもりだったらしい。
ボルドーはエルマーが家族になってくれたら嬉しい。一緒に食事をとって、一緒に風呂に入って、一緒に寝る。なんて素敵なんだろう。
エルマーのことは子どもの頃から大好きだ。エルマーの『好き』とボルドーの『好き』は少し違うかもしれないが、家族として過ごしていくうちに、同じ『好き』になっていく気がする。
ボルドーはおずおずとエルマーの唇に自分の唇をくっつけた。
エルマーがまた目を見開いた。
新芽のような瞳が見えると、腹の奥深くがうずっとする。流石に今はこれ以上はしないけど。
「髭もじゃの熊でよければ、嫁にしてくれ」
「喜んで! ボルドー。一緒に幸せになるための努力をしよう」
「あ、あぁ! その、末永くよろしく……」
「こちらこそ!」
エルマーの弾けるような笑みを見て、ボルドーも気づけば笑っていた。
それから、エルマーは本当に行商をやめ、一番近くの村で小さな店を開いた。
通勤用に馬を飼い始めた。仕入れのために二か月に一度は十日ほど不在になるが、その時以外は毎日ボルドーの家に帰ってきてくれる。それが堪らなく嬉しい。
『森の熊さん』ことボルドーとエルマーの家族が増えるのは、三年後のこと。
(おしまい)
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