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11:急変と逃亡
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深夜遅く。ビオンダが気に入ったマルチェロの下絵に色を塗っていると、玄関の呼び鈴が鳴った。マルチェロは昨日来たばかりである。ロケットペンダントを用意してから、マルチェロは5日も空けずにビオンダの家に来ている。何か忘れ物でもしたのだろうかと、特に深く考えずに玄関のドアを開ければ、真っ青な顔をしたマルチェロが玄関先に立っていた。マルチェロは大きな鞄を一つだけ持っていた。強張った顔をしたマルチェロに、ビオンダが驚いていると、マルチェロが家の中に入り、ドアを閉めた途端、ビオンダの身体に縋りつくように抱きついてきた。マルチェロの身体は微かに震えていた。一体何事なのか。ビオンダが困惑して、マルチェロの名前を呼ぶと、マルチェロが震える息を吐いて、囁くような小さな声で話し始めた。
「劇団長に売られた。相手は嗜虐趣味があるので有名なド変態貴族だ」
「何故」
「さぁな。金を積まれたか、不興を買ったか、両方か、分かんねぇ。心当たりが思いつかない。ド変態の所に行ったら、生きて外に出ることはねぇ。……ビオンダ。俺、俺、死にたくねぇっ!」
「マルチェロ……」
カタカタと震えているマルチェロをぎゅっと抱きしめて、ビオンダは高速で頭を動かし、大きく深呼吸をして、腹を括った。
「マルチェロ。南の方にカリム島っていう島があるのは知っているか?」
「え? あ、名前だけなら聞いたことがある。観光地だろう?」
「有名な観光地でもあるし、魔導具や魔導製品の生産が盛んで、冒険者ギルドもあって、とにかく人の出入りの多い島らしい。そこに行こう。王都からなら、半年近くかかるが、そこまで遠くに逃げたら、きっと追手も諦める」
「……旅なんかしたことねぇ」
「俺もねぇ。だが、するしかない。一緒に逃げるぞ。荷物をまとめる。今夜のうちに王都を出る。少しだけ待っていてくれ」
「ア、アンタはいいのか。今の暮らしを捨てることになる」
「別に。今の生き方じゃ、どうせ長生きなんてできない。夫人が俺の絵に飽きたら、それで終いの綱渡りな生活だ。それに、南の島なんて憧れるだろう?」
「……死ぬのが怖いんだ。1人も怖い。ビオンダ。俺と一緒に逃げてくれ」
「あぁ。すぐに支度する。アンタの準備は?」
「金と少しの着替えだけ鞄に詰め込んできた」
「上等。俺も金と服をまとめたら、アンタの顔にちょっと細工をしてから出る」
「細工?」
「アンタの顔は美しくて目立つ。顔に薄い茶色の絵の具でそばかすを描く。それだけで印象が変わる。王都を出たら、帽子か鬘を買えば尚いい。とにかく急ぐぞ。こっそり抜け出してきたんだろう?」
「あぁ。……アンタしか、思い浮かばなくて……助けを、求められるのが……」
「マルチェロ。アンタは意地でも俺が生かす。ちゃんと助けを求めてきてくれて、ありがとう」
ビオンダが抱きしめていたマルチェロの身体を離し、マルチェロの冷たい頬を温めるように両手で包み、あえて微笑むと、マルチェロの顔が泣きそうに歪み、ぽろっと大粒の涙を一つ零した。
マルチェロにはアトリエ部屋に居てもらって、大急ぎで簡易金庫に放り込んだままの蓄えていた金を引っ張り出し、比較的丈夫な服と一緒に鞄に詰める。茶色の絵の具と細い絵筆だけは持っていく。残りの画材は、確かに思い入れのある大事なものなのだが、マルチェロの生命の方がずっと大事だ。画材はまた買えばいい。
ビオンダは手早く準備を整えると、真っ青な顔をしたままのマルチェロの顔に、薄い茶色の絵の具で、そばかすを描いた。ついでに、かなり昔に見たことがある火傷の痕を試しに描いてみる。顔の左半分近くを描いた火傷の痕で覆えば、ぐっと印象が変わった。火傷の痕があれば、顔を隠す理由にもなっていい。単なる思い付きだったが、悪くない。ビオンダは、火傷の痕を描く為の絵の具も鞄に突っ込んで、古ぼけたマフラーでマルチェロの顔を殆ど隠してから、家の鍵もせずに、マルチェロの手を引いて、家を出た。
数年住んでいた家だし、大事にしていた画材や気に入っていた下絵が沢山あるが、そんなものどうでもいい。ビオンダだって旅なんかしたことがない。王都生まれの王都育ちだ。聞けば、マルチェロもそうなのだと言う。旅の知識なんかないが、きっとなんかなる。ビオンダ達には立派な足がついている。歩みを止めなければ、少しずつでも逃げることができるだろう。
ビオンダはマルチェロと手を繋いで、真っ暗な道を早歩きで歩き、普段なら近寄らない治安が悪い場所をあえて通って、王都の街から抜け出た。
一晩中、歩いたら、隣の名前だけは知っていた街に着いた。そこで南に向かう乗合馬車に乗り、漸く少しだけ楽に息ができるようになった。昨夜はずっと、追手が来ないかと緊張しながら歩いていた。乗合馬車に乗れたから、王都を離れる速さも徒歩よりも速くなるし、夜通し歩いて疲れた身体を休めることができる。
ビオンダが小さく息を吐き、乗合馬車に乗る前に買った瓶入りの水で喉を潤していると、すぐ隣に密着するようにくっついて座っているマルチェロが、小さな声で話しかけてきた。
「なぁ。何で南のカリム島なんだ?」
「夫人の旦那の領地は北の方にあるから、北には行けない。カリム島は、普通に領主はいるが、デカい島だから、殆ど自治区のようなものだと聞いたことがある。本当かどうかは分からないが、カリム島に逃げ込んでしまえば、多分、ド変態貴族も好き勝手なことはできないだろう。自分の領地なら好きに出来るが、他人の領地だと好き放題できないものだと聞いたことがある」
「ふーん。そういうものか」
「それに、うろ覚えだが、確かカリム島には湯治場があった筈だ。アンタの火傷の痕を治しに行くという名目で旅をすれば、多分不審に思われない。俺とアンタは兄弟ということにしよう。似ていないから、腹違いということで」
「分かった。そう演じる。演じるのは得意だ」
「頑張れよ。役者さん。カリム島に着くまでが正念場だ」
「あぁ。……アンタのこと、なんて呼べばいい?」
「兄貴でいいんじゃないか? アンタ、歳はいくつだ」
「この冬で24」
「俺は28だ。ちょうど俺が少し年上だから、そんなに違和感もないだろ」
「ん。……ビオンダ」
「なに」
「……ありがとう」
「礼を言うのは、まだ早い。生きてカリム島に着いてからにしてくれ」
「うん」
ずずっと、すぐ隣から小さく鼻を啜る音が聞こえた。朝一の馬車だからか、他に乗客はまだいない。ビオンダはすぐ隣に座るマルチェロの手を握り締めた。分からないことだらけだ。カリム島に着いたところで、どうやって生計を立てていけばいいのかも分からないし、今ある金でカリム島まで辿り着けるのかも分からない。それでも、なんとかしなくてはいけない。
マルチェロのことを愛しているのかなんて、自分でもよく分からない。でも、みすみすマルチェロを変態貴族なんかにくれてやる気はない。『死にたくない』と震えて泣くマルチェロを1人にしておくきたない。
もう腹は括った。マルチェロを生かして、怯えて暮らさずに済むようにしてやる。マルチェロが一緒なら、きっとビオンダも笑って暮らしていける。
ビオンダとマルチェロの逃亡劇が始まった。
「劇団長に売られた。相手は嗜虐趣味があるので有名なド変態貴族だ」
「何故」
「さぁな。金を積まれたか、不興を買ったか、両方か、分かんねぇ。心当たりが思いつかない。ド変態の所に行ったら、生きて外に出ることはねぇ。……ビオンダ。俺、俺、死にたくねぇっ!」
「マルチェロ……」
カタカタと震えているマルチェロをぎゅっと抱きしめて、ビオンダは高速で頭を動かし、大きく深呼吸をして、腹を括った。
「マルチェロ。南の方にカリム島っていう島があるのは知っているか?」
「え? あ、名前だけなら聞いたことがある。観光地だろう?」
「有名な観光地でもあるし、魔導具や魔導製品の生産が盛んで、冒険者ギルドもあって、とにかく人の出入りの多い島らしい。そこに行こう。王都からなら、半年近くかかるが、そこまで遠くに逃げたら、きっと追手も諦める」
「……旅なんかしたことねぇ」
「俺もねぇ。だが、するしかない。一緒に逃げるぞ。荷物をまとめる。今夜のうちに王都を出る。少しだけ待っていてくれ」
「ア、アンタはいいのか。今の暮らしを捨てることになる」
「別に。今の生き方じゃ、どうせ長生きなんてできない。夫人が俺の絵に飽きたら、それで終いの綱渡りな生活だ。それに、南の島なんて憧れるだろう?」
「……死ぬのが怖いんだ。1人も怖い。ビオンダ。俺と一緒に逃げてくれ」
「あぁ。すぐに支度する。アンタの準備は?」
「金と少しの着替えだけ鞄に詰め込んできた」
「上等。俺も金と服をまとめたら、アンタの顔にちょっと細工をしてから出る」
「細工?」
「アンタの顔は美しくて目立つ。顔に薄い茶色の絵の具でそばかすを描く。それだけで印象が変わる。王都を出たら、帽子か鬘を買えば尚いい。とにかく急ぐぞ。こっそり抜け出してきたんだろう?」
「あぁ。……アンタしか、思い浮かばなくて……助けを、求められるのが……」
「マルチェロ。アンタは意地でも俺が生かす。ちゃんと助けを求めてきてくれて、ありがとう」
ビオンダが抱きしめていたマルチェロの身体を離し、マルチェロの冷たい頬を温めるように両手で包み、あえて微笑むと、マルチェロの顔が泣きそうに歪み、ぽろっと大粒の涙を一つ零した。
マルチェロにはアトリエ部屋に居てもらって、大急ぎで簡易金庫に放り込んだままの蓄えていた金を引っ張り出し、比較的丈夫な服と一緒に鞄に詰める。茶色の絵の具と細い絵筆だけは持っていく。残りの画材は、確かに思い入れのある大事なものなのだが、マルチェロの生命の方がずっと大事だ。画材はまた買えばいい。
ビオンダは手早く準備を整えると、真っ青な顔をしたままのマルチェロの顔に、薄い茶色の絵の具で、そばかすを描いた。ついでに、かなり昔に見たことがある火傷の痕を試しに描いてみる。顔の左半分近くを描いた火傷の痕で覆えば、ぐっと印象が変わった。火傷の痕があれば、顔を隠す理由にもなっていい。単なる思い付きだったが、悪くない。ビオンダは、火傷の痕を描く為の絵の具も鞄に突っ込んで、古ぼけたマフラーでマルチェロの顔を殆ど隠してから、家の鍵もせずに、マルチェロの手を引いて、家を出た。
数年住んでいた家だし、大事にしていた画材や気に入っていた下絵が沢山あるが、そんなものどうでもいい。ビオンダだって旅なんかしたことがない。王都生まれの王都育ちだ。聞けば、マルチェロもそうなのだと言う。旅の知識なんかないが、きっとなんかなる。ビオンダ達には立派な足がついている。歩みを止めなければ、少しずつでも逃げることができるだろう。
ビオンダはマルチェロと手を繋いで、真っ暗な道を早歩きで歩き、普段なら近寄らない治安が悪い場所をあえて通って、王都の街から抜け出た。
一晩中、歩いたら、隣の名前だけは知っていた街に着いた。そこで南に向かう乗合馬車に乗り、漸く少しだけ楽に息ができるようになった。昨夜はずっと、追手が来ないかと緊張しながら歩いていた。乗合馬車に乗れたから、王都を離れる速さも徒歩よりも速くなるし、夜通し歩いて疲れた身体を休めることができる。
ビオンダが小さく息を吐き、乗合馬車に乗る前に買った瓶入りの水で喉を潤していると、すぐ隣に密着するようにくっついて座っているマルチェロが、小さな声で話しかけてきた。
「なぁ。何で南のカリム島なんだ?」
「夫人の旦那の領地は北の方にあるから、北には行けない。カリム島は、普通に領主はいるが、デカい島だから、殆ど自治区のようなものだと聞いたことがある。本当かどうかは分からないが、カリム島に逃げ込んでしまえば、多分、ド変態貴族も好き勝手なことはできないだろう。自分の領地なら好きに出来るが、他人の領地だと好き放題できないものだと聞いたことがある」
「ふーん。そういうものか」
「それに、うろ覚えだが、確かカリム島には湯治場があった筈だ。アンタの火傷の痕を治しに行くという名目で旅をすれば、多分不審に思われない。俺とアンタは兄弟ということにしよう。似ていないから、腹違いということで」
「分かった。そう演じる。演じるのは得意だ」
「頑張れよ。役者さん。カリム島に着くまでが正念場だ」
「あぁ。……アンタのこと、なんて呼べばいい?」
「兄貴でいいんじゃないか? アンタ、歳はいくつだ」
「この冬で24」
「俺は28だ。ちょうど俺が少し年上だから、そんなに違和感もないだろ」
「ん。……ビオンダ」
「なに」
「……ありがとう」
「礼を言うのは、まだ早い。生きてカリム島に着いてからにしてくれ」
「うん」
ずずっと、すぐ隣から小さく鼻を啜る音が聞こえた。朝一の馬車だからか、他に乗客はまだいない。ビオンダはすぐ隣に座るマルチェロの手を握り締めた。分からないことだらけだ。カリム島に着いたところで、どうやって生計を立てていけばいいのかも分からないし、今ある金でカリム島まで辿り着けるのかも分からない。それでも、なんとかしなくてはいけない。
マルチェロのことを愛しているのかなんて、自分でもよく分からない。でも、みすみすマルチェロを変態貴族なんかにくれてやる気はない。『死にたくない』と震えて泣くマルチェロを1人にしておくきたない。
もう腹は括った。マルチェロを生かして、怯えて暮らさずに済むようにしてやる。マルチェロが一緒なら、きっとビオンダも笑って暮らしていける。
ビオンダとマルチェロの逃亡劇が始まった。
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