BREAK THROUGHー地下大都市からの脱出ー

Dry_Socket

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第一章 地下大都市トウキョウ

19.啓司の日常

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 翌日から、啓司はまたいつもの啓司に戻った。
 仕事は仕事。
 俺のスタンスは変わらないのさ、と嘯うそぶく。

 遠夜は割り切れない思いを抱えながら、それでも少し丸みを帯びたように感じられる啓司の雰囲気を嬉しく思って真面目に仕事に従事した。

 啓司はこの2日間の遠夜の仕事ぶりをレポートと直紀からの報告で知り、内心舌を巻いていた。
 どの仕事も最高点なのに酷評されている。
 しかしその評価というのが、いい歳こいた大人が傑出した才能をやっかんでいるような内容のものばかりで、 この都市の大人達は大丈夫なのかと疑問を感じざるを得ない。

 遠夜がこの先、ここで潰されずに活躍していくためには、信頼できる友人を増やしていかなければならない。
 自分ももっと頑張らないと。
 こんな自分を兄弟と言ってくれた遠夜を絶対守る。

 貴彦は精神サイキック未成年アンダーではトップだから、恐らくこれからずっと遠夜と一緒に仕事をしていくことになるだろう…

 ・・・・・・
 あっそうだった!

 啓司は唐突に大神医師との約束を思い出した。
 昨夜はすっかり忘れていた。

 何だっけ、技術テクニックの可愛い女の子?
 まさか、あの人嫌いの遠夜がなあ…

 どうやって訊こう。
 こんなことは未だかつてなかったから、どう対応していいかわからん…
 うーむ。
 困った。

 啓司は人工太陽灯の光が差し込むオフィスで、一人唸った。

 そこへ、本部からメッセージが来た。
 タブレット端末に表示される。

 『明日14時、地上都市東京より幸田真人が来所。
 同伴者一人あり。
 B1隆一・P1悠美・B1u遠夜・P1u貴彦・B2u啓司は業務地区オフィスセクションN5小会議室へ集合』

 サキタ・マヒト…?
 一瞬、誰だか解らずに首を傾げ、ああそうかと思い出す。
 地上都市の17歳の新人だ。
 昨日面談の筈だった。
 俺と貴彦がぶっ倒れてキャンセルになったんだ。

 明日の14時か。
 啓司はスケジュール管理のアプリを起動して確認する。

 遠夜のスケジュールは…空けられる。
 俺の方が難しいな。
 今日中に片付けておかないと。

 啓司は遠夜と女の子の件はとりあえず頭の片隅に押しやり、いつも通り大車輪で仕事をこなし始めた。

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