仲の悪かった金の一族と銀の一族は、一組のツガイによって運命が変わる

多賀 はるみ

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「は?   もう一回言ってみ」

「いや、だからその、アリアに無理強いを……」

「は?   なに、無理矢理で最後までしちゃったってこと?」

「あの……はい」

「なんなの?   バカなの?   男として、人として最悪じゃん」

「はい、そうです。俺は最悪の人間です。ていうか、犯罪者です」

 はぁー、っと大きなため息をつくルイ。
 あの後、なかなか温室から戻らない俺を心配してルイが迎えに来てくれた。
 最後の日ぐらいお目付け役はいないほうがいいだろ、と気を利かせてくれて近くにもいなかったようだ。
 呆然としている俺を見てどうしたのかと聞いてきたが、さすがに言い出せなくてモニョモニョしている俺にさっさと言えと怒られた。

 意を決して、さっき俺がしてしまったことをざっと説明すると冒頭の言葉が浴びせられた。

「なぁ、俺警察行ったほうがいいよな」

 ルイに虫でも見るかのような目で見られながら、もう一度盛大にため息をつかれた。

「お前がやっちまったのは確かに犯罪行為だけど……アリアさんがどう出るかだな。お前が勝手に大事にしたら、もしかしたらあっちは困るかもだろ。シルバー家の次期当主が、ゴールド家の次期当主にいいようにされたなんて、今後の事にも関わるだろ」

「いや、でも……」

「あっちが訴えてきたら、素直にお縄になれ」

「……」

 俺が項垂れていると、単純にさ、と疑問を口にされた。

「なんでそんな事になったわけ?   だって、ウィルは別にどうこうしたいなりたい訳じゃないって言ってただろ。なんで?」

 俺もなんであんな事をしてしまったのか不思議だった。

「分からない」

「あぁ?」

「本当に分からないんだ。俺だってなんであんな事をしてしまったのか……別に好きだとか伝えようなんて思ってなかった、ただ今までの感謝なんかを伝えようと思って話していたら、なんでかアリアは結婚するのか?   って聞いちまって……多分、ゼンとニ年か三年後に結婚するかもって聞いたら、頭の中がアリアをツガイにしないとっていう思考でいっぱいになって、気づいたら押し倒してた……」

「いや、なんでツガイにしないとなんて思ってんだよ。アリアさんはアルファだからツガイになんてなれないだろうが」

「分かってる!   分かってるけど、なんでかその時はその事で頭がいっぱいで……だから、本当に俺もなんでか分からないんだ」

 まじでなんであんな最悪の別れ方をしてしまったのか、本気で落ち込む。

「はぁ……この件に関しては、俺はウィルの味方にはなれないぜ。もし、お前が訴えられたら俺はお前を庇うつもりはない」

「あぁ……それでいい」

 いっそのこと、ここで俺を殺してほしいくらいだ。

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