珍・桑田少年の品定め

泉出康一

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第1珍 『エイかな?』

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2045年7月15日、私立TL高校、下駄箱置き場の前にて…

夕焼けが差し込む中、ニ人の男女が面と向かって話をしている。

「え~っと…三組の桑田くわた幸太郎こうたろうくんだよね?どうしたの?話って。」
「好きです!!!付き合って下さい!!!」
「ごめんなさい。」
「え…」
「私、彼氏いるから。」
「あっ、そう…なんや…」

桑田はがっかりし、下を向いた。
少し沈黙が続いた後、桑田は決意の表情を浮かべ顔を上げた。

「好きです付き合って下さい好きです付き合って下さい好きです付き合って下さい!!!」
「三回言っても無理。」

桑田は肩を落とし、下を向いた。しかし、数秒後再び。

「俺、特殊能力持ってます!」
「ちょっと何言ってるか分かんない。」

その夜、桑田家、幸太郎の部屋にて…

幸太郎は妄想でヌいていた。

「どうだッ!この野郎ッ!俺の告白を素直に受け入れないからこうなるんだッ!」

相手は今日告白した女子生徒のようだ。

「今のお前の姿を見たら、彼氏は何て言うかな!楽しみだぜ…!い、いや…それだけはやめて…お願い…何でもするから…!」

一人二役だ。
その時、幸太郎の部屋に幸太郎の妹、桑田くわた海佳うみかが入ってきた。

「お兄ちゃ~ん!」

次の瞬間、幸太郎は光の速さで布団に潜った。

「おおおおお前ノノノノノノノノノックぐらいしろよ!!!」
「そんな事より聞いてよ!私、ついに彼氏が出来ちゃいました~!」
「彼氏だと…」

幸太郎は布団から顔を出した。

「うん!一つ歳上のサッカー部の先輩!」
「海佳。悪い事は言わん。すぐに別れろ。」
「お兄ちゃん嫉妬してるぅ~ww」
「ち、違う!俺はお前の為を思ってイッてる…言ってるんだ!」
「私の為?」
「あぁ、そうだ。いいか、よく聞け海佳。サッカー部と野球部はクズの集まりだ。盗みもカツアゲもする。」
「偏見でしょ?」
「一般常識だ!そんなクズ共に、ウチの可愛い妹は任せられん!」
「もう、シスコンなんだから~お兄ちゃんってば~ww」
「それで、何しに来たんだ?まさか、それを自慢しに来ただけじゃないだろうな?」
「ううん。それだけだよ。」
「は…?」
「お兄ちゃんも、早く彼女作りなよ。まぁ、一生無理だろうけどww」

海佳は半笑いで部屋を出た。

「メスガキが…!いつか分からせてやる…!」

幸太郎はオカズ対象を妹に変更し、続きをした。

「あっやめてっ…この野郎…あっやめて…この野郎…!」

翌朝、幸太郎の部屋にて…

幸太郎はベットの上で全裸で寝ている。
その時、幸太郎の母、桑田くわた舞香まいかが部屋に入ってきた。

「幸太郎!いつまで寝てるの!遅刻するわよ!」

幸太郎は起きない。しかし、幸太郎の幸太郎は既にお目覚めのようだ。
その時、舞香は幸太郎の耳元で叫んだ。

「いい加減起きなさい!!!」

幸太郎は目を覚ました。

「っるせぇなぁ~朝っぱらから耳元で…ASMR気取りかこの野郎…」
「海佳はもうとっくに学校行ったわよ!アンタも早く飯食って学校行け!」

舞香は部屋を出た。

「人妻が…!テメェもいつか分からせてやる…!」

幸太郎は服を着ようとした。しかし、制服が見当たらない。

「…もうバイト着でいいや。」

桑田家、リビングにて…

リビングにはスーツ姿の幸太郎の父、桑田くわた圭人けいとがテレビを見ていた。

〈お魚お魚~今日のお魚コレなぁ~んだ!!!〉

すると、テレビ画面に魚のシルエットが現れた。
父親は必死に考えている。

「う~んとね…コレはねぇ~……エイかな?いやいやいや!僕は全然エイやと思うねんよ!でもホンマにそれって…エイかな?」

テレビに向かって一人で喋っている。
その時、バイト着姿の幸太郎がリビングにやってきた。
舞香がその姿を見るや否や声を荒げた。

「幸太郎!アンタなんて格好してるの!制服は⁈」
「今日はコレに決めた。」

舞香は完全に呆れている。
その時、圭人は幸太郎を見た。

「おはよう、幸太郎。なぁ、あのシルエット、何やと思う?エイかな?」
「知るか唇。」
「おいおい幸太郎。父親に向かってそんな口聞いて…いかな?いやいやいや!僕は全然いと思うねんよ!でもホンマにそれって…いかな?」

幸太郎は無視した。

「母さん、飯~。」

圭人はニコニコしながらテレビに向き直った。

「え~へ~へ~。反抗期はおっそろしぃわぁ~。」
「正解は~…カジキマグロでした~!!!」
「あ、全然ちゃうかった。くそが。」

父親は真顔になり、頭を軽く掻きむしりながらチャンネルを変えた。

〈続いてのニュースです。『ちんちん満足の会』会長、矢里本やりもと珍太郎ちんたろう氏が先週の水曜日、自宅で死亡している事が判明しました。〉

圭人は真剣な眼差しでテレビを観ている。

TL高校、昼休み、校舎裏にて…

幸太郎はセミの交尾を見ながらヌいていた。

「うわぁ~キモいなぁ~…♡」

その時、近くから声が聞こえてきた。

「やべっ!」

幸太郎は木の影に隠れた。

「チッ…人が気持ち良くなってる時に…」

すると、先程まで幸太郎が居た場所に、四人の男子生徒たちが座り込み、タバコを吸い始めた。

「(あのネクタイの色…二年か。タバコなんか吸いやがって…バスケ部か?)」

四人の男子生徒たちは話をしている。

「今度の女どうよ?」
「まぁ、貧乳だけど顔は悪くねぇな。あとアレ、絶対処女だぜ。」
「でもお前、どうせヤったらすぐ捨てんだろ。」
「あったりまえだろ!俺があんなガキ、本気で相手にする訳ねーじゃん!」
「終わったら俺にもヤらせろよ。」
「あ、俺も。」
「ワオッ!ミーニモヤラセルガヨロシヨ!」
「あ、お前はダメ。」
「Why⁈」
「だってお前、『ちんちん満足の会』会員じゃねーだろ。」
「会員じゃない奴はヤれない。そういう法律なんだよ、日本は。」
「オーマイガー!!!」
「(早くどっか行けや!交尾終わっちまうだろが!)」

幸太郎はイライラしている。

「その女、一年だよな?」
「あぁ。桑田海佳って奴。」
「んなッ⁈」

幸太郎は驚きのあまり声が漏れた。

「そいつ、桑田幸太郎の妹だろ。三年の。」
「それってアレか?学校一変態で有名な?」
「あぁ。」
「大丈夫か?あの変態の妹だぞ?」
「誰が変態じゃい!!!」

幸太郎は木の影から姿を現した。

「あ!学校一の変態!」
「うるせぇ!変態変態言いやがって!俺の何処が変態なんだ!言ってみろ!!!」

虫でヌくところ。

「聞いてたぞ!お前、海佳に酷い事する気だろ!」
「あ?だから何だよ?」
「やっぱサッカー部だな!このクズ野郎が!」

次の瞬間、幸太郎は男子生徒たちに殴りかかった。

「海佳は俺が守ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉるッ!!!」

幸太郎はボコボコにされた。 

「弱っ…」
「てかコイツ何でバイト着?」
「もう行こうぜ。」
「命アルダケマシダト思イナ!アディオス!!!」

男子生徒達は去っていった。

「…情けねぇ…」

その時、金髪天パのハーフの少女が、幸太郎の元へやって来た。

「(可愛い…♡)」

幸太郎は勃起した。

「お前やな。次期会長候補。」
「…へ?会長?何が?」

少女は幸太郎を指差した。

「お前が次の…『ちんちん満足の会』会長になるんや!!!」
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