珍・桑田少年の品定め

泉出康一

文字の大きさ
18 / 26

第18珍 『俺にしかできない事』

しおりを挟む
満足研究所、通路にて…

舞香と長岡の元へ、宮崎と木本、そして洗脳された市村と幸太郎がやってきた。

「死んだー?」
「そのようね。」

木本は意識の無い舞香に近づこうとした。
するとその時、通路の奥から一発の銃声が聞こえた。

「なんしッ⁈」

弾丸は木本の眉間を貫いた。

「『死生姦プロビナ』!!!」

しかし、木本は超再生により復活した。

「誰だ。」

すると、通路の奥から圭人達が現れた。

「舞香!!!」

圭人は舞香に駆け寄った。

「確かに眉間を撃ち抜いたはず…」

モカは読心術を使った。

「…奴は不死身だ。」
「不死身⁈」
「どうやら、ヒニン族は復活したようだ。」

ヒニン族を知る圭人や珍三郎は驚きを露わにしている。

「なにッ⁈」
「ヒニン族が…!」

その時、圭人は長岡の遺体を見つけた。

「…大介…」

その様子を見て、宮崎は彼が桑田圭人である事に気づいた。

「桑田圭人…」
「宮崎…か…?」

その時、圭人は幸太郎の存在に気づいた。

「幸太郎!!!」

しかし、幸太郎は返事をしない。
モカは幸太郎の様子を見て、彼が洗脳されている事を察した。

「お前の息子は洗脳されているようだ。」
「洗脳…」

幸太郎はナイフを取り出し、自分に向けた。宮崎が操作しているのだ。

「コイツは人質よ。無事に返して欲しかったら、私達に従いなさい。」
「宮崎…何でそんな事すんねん…!」
「貴方が悪いのよ、桑田くん。私はずっと、貴方の事が忘れられなかった。好きだった…それなのに…貴方は私を選んではくれなかった…許せない…」

宮崎は顔を掻きむしった。

「許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない…」

宮崎は顔面が血だらけになっている。

「許 さ な い!!!?!?!??!!!」

次の瞬間、宮崎は幸太郎を操り、ナイフで幸太郎の腕の皮膚を削ぎ始めた。

「やめてくれぁ宮崎!俺が悪かった!やるなら俺をやれ!やから幸太郎には手ぇ出すな!頼む!!!」

圭人の悲痛な顔を見て、宮崎は笑顔になった。

「いーや♡」

木本がモカの元へ近づいた。

「あんさーあんさー、分かってるよなー?」
「…好きにすれば良い。」

木本はモカを殴った。
しかし、幸太郎が人質になっている以上、モカは自身を守ることも、ましてや反撃することもできない。

「やさしーなー、元No.2ー。」

木本は何度も何度もモカを殴り続けた。
圭人達は何もできずに、ただ悲惨な光景を見せつけられていた。

「(このままじゃダメだ…全員殺される…何か…何か策は…)」

バレットはどうすべきか必死に考えている。
そんな中、珍三郎は呟いた。

「…洗脳を解くしかない。」
「でも、そんな事…」

その時、レインは気づいた。

「女王の宿主…!」
「その通りだ。」

珍三郎は圭人に話した。

「よく聞け。桑田圭人。このままでは、全員死ぬ。」
「そんなん分かってるわ!それより今は幸太郎ヤバいねん!何とかせな…!」
「お前が何とかするんだ。」
「そうしたいよぉ!でもどうすればいか分からへんねん…!」

圭人は半泣きで叫んでいる。

「お前は今まで何をしていた…」
「は…」
「お前はヒニン族との戦いで、一体何を学んだ…どう切り抜けた…」
「俺が…学んだ事…」

圭人は過去のヒニン族との戦いを思い出した。

「俺は…」

その時、圭人の頭の中に声が響いた。

〈アンタはただ、今までやってきた事をやればいいのよ。〉

「そうや…俺にできる事…俺にしかできない事…!」

圭人は決心した。

「(幸太郎…今助けたるからな…)俺はただ、口説くだけやぁ!!!」

口説きバトル開始!!!

「(幸太郎が正気に戻りそうな事…幸太郎が好きな事…)」

1.今夜はハンバーグや!
2.明日こそ、お魚クイズの答え…エイかな?
3. キン○マ袋のシワって迷路みたいでおもろいよな!

「(コレしかない!!!)」

圭人は言い放った。

「キン○マ袋のシワって迷路みたいでおもろいよな!」

その場にいた全員が圭人を凝視し、固まった。
幸太郎の動きも止まった。

「なにっ⁈」

宮崎は幸太郎の操作が効かなくなり、焦っている。

「(もっとや!もっと幸太郎が振り向くような事を…!)」

1.ごめん、豆腐ハンバーグやったわぁ。
2.特殊能力の名付け親は、ゴミ置き場で寝てたおっさんやねんで。
3. 尻の穴の筋って大体みんな何本なんかな?

「尻の穴の筋って大体みんな何本なんかな?」
「お、おい。桑田圭人。お前、さっきから何を…」

珍三郎が圭人に話しかけたその時、幸太郎は声を発した。

「…ぃ……に……ゅ……」

洗脳されているはずの幸太郎が喋り出し、全員が注目している。

「…じ……ゅう……」

次の瞬間、幸太郎は言った。

「NiziU……」

それを聞くや否や、圭人が叫んだ。

「にじゅぅぅぅぅぅう!!!?!?!」

圭人は幸太郎の答えに興奮している。

「コイツら何言ってるんだ…」

珍三郎がボソッと呟いた。だが、珍三郎以外の人間も同じ思いだ。
その時、レインの持っているタブレット端末から矢里本珍太郎の声が聞こえてきた。

〈数の二十と某アイドルグループの名前をかけるとは!流石は桑田氏の息子!知的な返しでござる!〉
「親子そろって何考えてるのやら…」

幸太郎はだんだんと正気に戻ってきた。

「(よし!もう一押しや!たたみかけるぞぉ!)」

1.全裸の女がブリッジしてるぞ!
2.海佳の秘蔵写真見せたろか!
3.あ!植松ちゃんが生着替えしてるぅ!

「全裸の女がブリッジしてるぞ!」

更に、圭人は言った。

「海佳の秘蔵写真見せたろか!」

更に更に、圭人は言った。

「あ!植松ちゃんが生着替えしてるぅ!」

圭人は全ての選択肢をたたみかけたのだ。

「な……な………」

幸太郎は鼻血を出した。

「なんやってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ!!!?!?!」

幸太郎は洗脳が解けた。
それを確認するや否やモカは木本に足払いし、長めのナイフで木本の両腕を貫通させ、地面に突き刺した。

「なんしー⁈」

木本は動けない。
少し遅れて、バレットが宮崎の額を撃ち抜いた。

「ッ………」

宮崎は地面に倒れた。

「どこじゃどこじゃ!全裸の植松が生着替え中にブリッジしてる秘蔵写真は!!!」
「幸太郎!」

その時、幸太郎は圭人達に気づいた。

「え、父さん…それに母さんも⁈何で…」

その時、幸太郎は自分が今まで何をしていたかを思い出した。

「そ、そうだ…俺…!」

幸太郎は圭人達の方へ駆け寄った。

「大丈夫か、幸太郎。」
「うん。大丈夫。確か俺、捕まって女性器の中に閉じ込められて、それから…えーっと…」

珍三郎は自身の耳を疑った。

「女性器?」
「自分の女性器の中に閉じ込めた奴を洗脳できんねん。」

圭人が細く説明した。

「何ですか、その能力発動条件。」

レインは引いている。

「洗脳…?」
「幸太郎。お前、洗脳されててん。」
「マジか!全然覚えてねぇ…」
「おいおい幸太郎ぉ!それは酒の勢いで初対面の女性と肉体的関係を結んだ翌朝のセリフやんけ!」
「いやいやいや!俺はちゃんと責任取るから!な!海佳!植松!」

幸太郎は重傷の海佳と植松を見た。二人はそれぞれ、圭人とレインに背負われている。

「(そうだった…あの手久野って奴に…)それにしても、何で母さんいるの?」

その時、モカは木本の体をロープで縛りながら、圭人に話しかけた。

「おい。コイツはどうする。あらかた、情報は引き出せた。始末したいんだが、何か方法はあるか?」
「昔やったら、ヒニン族に取り憑かれてる奴の処女奪えば倒せたで。ヤってみれば?あ、男の場合はケツ処女な。」

モカは渋々、木本のケツの穴にナイフを差し込んだ。

「シィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイ!!!?!?!」

木本のケツは血まみれだ。

「(傷の治る気配は無い。本当に、こんな方法で能力を殺せたのか…)」

その時、幸太郎は木本を見た。

「あ、確かコイツ…」
「知り合いか?」
「うん。市村の補佐役。仲間だよ。てか、アンタ生きてたんだ。」

その時、木本はこの場を切り抜ける策を思いついた。

「あ、あんさーあんさー。俺さー洗脳されてて何が起こったか…」

次の瞬間、モカは木本を撃ち殺した。

「え⁈」
「愚策だな。」
「アンタ何やってんだよ!」

幸太郎の元へ、バレットがやってきた。

「敵よ。そいつは。」
「…アンタ誰?」

その時、市村が目を覚ました。どうやら、宮崎が死んで洗脳が解けたようだ。

「…何や何や…」

その声に気づき、皆、市村の顔を見た。

「「「きもッ…」」」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

処理中です...