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第2章『ガイ-過去編-』
第138障『空回り』
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どうして父上は何も言ってくれないのだろう。
どうして父上は僕に関心を持ってくれないのだろう。
どうして父上はあんなに寂しそうなんだろう。
「元気な男の子ですよ!」
ありがとうって言ってみた。だけど今日も返事は無い。おはよう、おやすみなさい、どれも無視される。寂しい。寂しいよ、お母さん。
「お父さんはね、あなたの事をいつも一番に想ってるのよ。」
母さん。その意味が今ならわかるよ。俺も、そうなってしまったから。アイツから逃げる為に。
〈どう足掻いたって俺からは逃げられないよ?〉
うるさい。出てくるな。俺を取るな。
「優子って呼んでください。もう同じ苗字なんですから。」
本当は、結婚なんてするつもりはなかった。障坂の因縁は俺で終わらせたかったんだ。
「お前が子を作らんのなら、あの女は俺が使う。障坂の血を絶やしてはならん。」
『完璧』を手に入れてから、親父は一体何を目的として動いていたのか。それも、今とはなってはわからず終いだ。
「ごめんなさい…巌さん……私……」
妻が妊娠した。俺の子じゃない。親父の子だ。だが、今日から俺の子になる。複雑だ。
〈俺を拒むからこうなるんだ。バーカ。〉
うるさい。
「今日は仕事お休みになられたらどうですか…?」
いや、まだやらねばならない事がある。俺が俺でいるうちに。
〈何をしても無駄だ。〉
黙れ。
「この子は私たちの子供です。誰が何と言おうと。」
そうだ。この子は、俺たちの子供だ。
〈お前の親父の子供だろ?〉
黙れッ!!!!!!!!!!!
〈…厄介だな、そのタレント…〉
俺は、何をすれば良かったんだっけ?
「見て!巌さん!ガイが歩けるようになったんですよ!」
あぁ。そうか。俺はこの子に、幸せになって欲したかったんだ。障坂の因縁を断ち切るんだ。⬛︎⬛︎の為に。
「巌さん…?」
俺はこの子に、⬛︎⬛︎になって欲したかったんだ。障坂の因縁を断ち切るんだ。⬛︎⬛︎の為に。
「巌さん…⁈どうしたんですか⁈巌さん‼︎」
俺は⬛︎⬛︎⬛︎に、⬛︎⬛︎︎になっ⬛︎⬛︎した⬛︎⬛︎⬛︎ん⬛︎。障坂の因縁⬛︎断ち切る⬛︎⬛︎。⬛︎⬛︎の為⬛︎。
【???にて…】
真っ白の空間に、ガイと巌の姿が。2人は向かい合い、話をしていた。
「ガイ…どうして…」
「抗うだけ無駄だって…やっとわかったから…」
ガイは巌の顔を見る。巌の体は以前の若々しさを取り戻していた。
「アンタもそうだったじゃないか。アンタが抗い拒んでも、俺は生まれてきた。」
ガイは先程の巌の記憶を見た。そう。ガイは巌の息子ではなく、巌の父の息子。つまり、父だと思っていた障坂巌とは腹違いの兄弟だったのだ。
「抗った結果、悪い方へと転がるんだ。アンタは父親に妻を寝取られ、俺は死んだ。最初っから、レールの上をただ走ってさえいれば、それなりの幸せにはありつけたんだ…」
ガイの言葉を受け止め、神妙な面持ちになる巌。
「そうかもな…」
そこへ、雷世がやってきた。
「やっとお分かりですか~。お二人とも。」
雷世は冗談まじりの軽い口調で話しながら2人に近づく。
「ほんっと、苦労が好きな兄弟だ事。あ、そだ。ガイ。シオンさん殺したんだって?」
「シオンさん…?」
「あー、石川か。石川の事。あんましイジメてやるなよな。か弱い乙女なんだからさ。」
ガイは薄々勘付いてはいた事を雷世に聞いてみた。
「石川もリアムの使徒の1人なのか?」
「うん。あの人、転生厨だからまた会う事になるよ。多分。知らんけど。まぁ、そんな事より…」
雷世はガイの目の前に立ち止まり、こう言った。
「なんでまだ抗ってんのかな?佐藤武夫の体、動かせないんだけど?」
ガイは『雷世』を『理解』に保存した。そして、その『理解』の発動権はガイにある。つまり、雷世はガイの許可無しに動く事が出来ないのだ。
「まだやる事がある。ガイとして。」
「陽道の抹殺かい?」
「あぁ。」
それを聞くと、雷世はガイから離れた。
「好きにしなよ。あ、そだ。『理解』の中身、使いやすいように俺が勝手にイジっておいたから。」
「そんな事できるのか?」
「誰だと思ってんのさ!雷世様よ!ストック数も増やしといたから。死んでもらっちゃ困るからね。あ、でも『リアムの無限戒』ってのは解けなかったわ。伊達に『リアム』って入ってる程はあるね。じゃ頑張って。」
【4月2日、19:25、リズの家前にて…】
ガイの目の前には石川と巌の亡骸が転がっている。
「……」
ガイは巌の亡骸を背にし、こう呟いた。
「じゃあな。クソ親父…」
障坂巌。40歳。死亡。
【19:40、永久氷地、神殿前にて…】
首を切断されたもょもと。胸にナイフを突き刺された氷室。そんな2人の前には、先程まで影も形も見当たらなかった陽道の姿が。
「(なんで…⁈)」
氷室は胸に刺さったナイフを抜き取り、『現代のオーパーツ』で治癒しながら、もょもとの体と首を拾い、陽道から離れた。
「(絶命する前にくっ付ける…‼︎)」
氷室は陽道を凝視しながら、もょもとの首をつなげようとした。しかし次の瞬間、氷室の首が切断された。
「は……?」
雪の上に落ちる氷室の頭部。その時、氷室は雪道を見た。
「(足跡が無い…)」
もし、時和のように時間を止めるタレントなら、移動した痕跡があるはず。それが無いという事は、瞬間移動の類い。
「(いや…違う……)」
そう。氷室が気づいた時には既に首は切断されていた。もし、目の前に瞬間移動して首を切断したのなら、切られた瞬間を認識できるはずだ。しかし、それがなかった。まるで、攻撃までの過程を全て飛ばしたかのように。
「(そう…か……)」
その時、氷室は陽道のタレントの正体に気づいた。しかし、段々と意識が遠のいていく。一方の陽道はそそくさと神殿の方へと歩いて行った。
「(ヤブ助さんに…ガイさんに…知らせないと……)」
氷室は『現代のオーパーツ』で自身の首を繋げようとした。するとその時、氷室はとあるものを目にした。
「ぁ……」
それはもょもとの体だ。もょもとの首には接合途中の肉片が付いており、氷室のPSI供給があればすぐにでも再生できる。
氷室は自身ともょもとの治療を同時に行う。すると、もょもとの首は元通りに繋がった。しかし、氷室の首は胴体と離れており、接続に時間がかかる。もし、コレが自身の治癒だけに集中していれば、きっと既に完治していただろう。
「(これが損する性格ってやつか…まぁいいや…後悔はない…)」
【同時刻、永久氷地、神殿近くにて…】
猛吹雪の中、半猫人化したヤブ助は、魔物化した猪頭妹と、『Zoo』の殺し屋カフと対峙していた。付近にはヤブ助が倒した魔物化した白鳥組の男達の死骸が。
「ッ…‼︎」
瞬間、ヤブ助は秀頼に向かって飛び出した。それを察知し、秀頼はカフにこう言った。
「手ヲ出スな。」
「了解。」
カフはそれを了承した。師弟の殺し合いを邪魔するのは野暮だと判断したのだ。
一方、ヤブ助は間合いを詰め、秀頼の顎に向けて手を伸ばす。
「『齟顎』ッ‼︎」
ヤブ助は右手で秀頼の顎を揺さぶろうとした。
「なッ…⁈」
しかし、秀頼の顎はびくともしない。すると、秀頼はヤブ助の右手首を掴んだ。
「(まずい…‼︎)」
ヤブ助は捻りを入れてすぐさま拘束を解く。しかし、そうこうしているうちに秀頼は次の攻撃モーションへと入っていた。
「『酩酊跋倒』ッ‼︎」
「ぬぁッ…⁈」
秀頼はヤブ助を宙へ投げ上げる。投げ上げられたヤブ助はあり得ない程に回転していた。これでは着地の際にダメージを負うのは必至。
しかし、秀頼はそれを待たずして、落下中のヤブ助に拳を放った。
「『人間化猫化』!!!」
ヤブ助は完全に猫化し、秀頼の拳を躱した。また、猫になった事で着地にも成功した。
「ふぎゃッ‼︎」
しかし、秀頼はそれを読んでいた。着地すると同時に体を押さえつけられてしまったのだ。
「危ウクなるトすぐ猫化スる。悪イ癖ダぞ、ヤブ助。」
「くッ…‼︎」
猫の姿では技を使う事ができない。また、人間化する事も不可能。もし人間化すれば、体の巨大化に伴い、秀頼の手で圧死してしまうからだ。
「何故、来てシマったンだ…」
「決まってる…お前達を殺す為だ…‼︎」
「ソウか…」
すると、秀頼はヤブ助の首を手刀で叩いた。
「にゃがッ……」
ヤブ助は意識を失った。しかし、生きてはいる。それを悟ったカフは秀頼に言った。
「殺さねぇのか?」
「……」
「気が引けるなら私が殺してやろぉか?」
「……」
何も答えず、カフに背を向け続ける秀頼。カフは、そんな彼女から異様な雰囲気を感じ取った。
「私ノ弟子ハ殺サセない…」
その秀頼の呟きを聞き、カフは確信した。
「(やっぱり、コイツの支配は陽道だけ。最初からこんな予感はしてたぜ。まったく。)」
秀頼はカフの方を向き、構えをとった。
「この子達ヲ見テいるとツクづく思ウ。自分ガいかニ、弱イ人間ナのかを…これ以上、弟子ノ前デ醜態ヲ晒ス訳ニはいかなイ。」
カフは秀頼の敵意を感じ取る。しかし、構えは一切取らない。戦う気が無いのか。
「御託は良い。さっさと来いよ。殺るなら殺ろうぜ。」
いや、違う。彼女が構えを取らないのは強者の余裕。カフは自信があったのだ。秀頼には絶対に負けないという自信が。
どうして父上は僕に関心を持ってくれないのだろう。
どうして父上はあんなに寂しそうなんだろう。
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ありがとうって言ってみた。だけど今日も返事は無い。おはよう、おやすみなさい、どれも無視される。寂しい。寂しいよ、お母さん。
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本当は、結婚なんてするつもりはなかった。障坂の因縁は俺で終わらせたかったんだ。
「お前が子を作らんのなら、あの女は俺が使う。障坂の血を絶やしてはならん。」
『完璧』を手に入れてから、親父は一体何を目的として動いていたのか。それも、今とはなってはわからず終いだ。
「ごめんなさい…巌さん……私……」
妻が妊娠した。俺の子じゃない。親父の子だ。だが、今日から俺の子になる。複雑だ。
〈俺を拒むからこうなるんだ。バーカ。〉
うるさい。
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いや、まだやらねばならない事がある。俺が俺でいるうちに。
〈何をしても無駄だ。〉
黙れ。
「この子は私たちの子供です。誰が何と言おうと。」
そうだ。この子は、俺たちの子供だ。
〈お前の親父の子供だろ?〉
黙れッ!!!!!!!!!!!
〈…厄介だな、そのタレント…〉
俺は、何をすれば良かったんだっけ?
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あぁ。そうか。俺はこの子に、幸せになって欲したかったんだ。障坂の因縁を断ち切るんだ。⬛︎⬛︎の為に。
「巌さん…?」
俺はこの子に、⬛︎⬛︎になって欲したかったんだ。障坂の因縁を断ち切るんだ。⬛︎⬛︎の為に。
「巌さん…⁈どうしたんですか⁈巌さん‼︎」
俺は⬛︎⬛︎⬛︎に、⬛︎⬛︎︎になっ⬛︎⬛︎した⬛︎⬛︎⬛︎ん⬛︎。障坂の因縁⬛︎断ち切る⬛︎⬛︎。⬛︎⬛︎の為⬛︎。
【???にて…】
真っ白の空間に、ガイと巌の姿が。2人は向かい合い、話をしていた。
「ガイ…どうして…」
「抗うだけ無駄だって…やっとわかったから…」
ガイは巌の顔を見る。巌の体は以前の若々しさを取り戻していた。
「アンタもそうだったじゃないか。アンタが抗い拒んでも、俺は生まれてきた。」
ガイは先程の巌の記憶を見た。そう。ガイは巌の息子ではなく、巌の父の息子。つまり、父だと思っていた障坂巌とは腹違いの兄弟だったのだ。
「抗った結果、悪い方へと転がるんだ。アンタは父親に妻を寝取られ、俺は死んだ。最初っから、レールの上をただ走ってさえいれば、それなりの幸せにはありつけたんだ…」
ガイの言葉を受け止め、神妙な面持ちになる巌。
「そうかもな…」
そこへ、雷世がやってきた。
「やっとお分かりですか~。お二人とも。」
雷世は冗談まじりの軽い口調で話しながら2人に近づく。
「ほんっと、苦労が好きな兄弟だ事。あ、そだ。ガイ。シオンさん殺したんだって?」
「シオンさん…?」
「あー、石川か。石川の事。あんましイジメてやるなよな。か弱い乙女なんだからさ。」
ガイは薄々勘付いてはいた事を雷世に聞いてみた。
「石川もリアムの使徒の1人なのか?」
「うん。あの人、転生厨だからまた会う事になるよ。多分。知らんけど。まぁ、そんな事より…」
雷世はガイの目の前に立ち止まり、こう言った。
「なんでまだ抗ってんのかな?佐藤武夫の体、動かせないんだけど?」
ガイは『雷世』を『理解』に保存した。そして、その『理解』の発動権はガイにある。つまり、雷世はガイの許可無しに動く事が出来ないのだ。
「まだやる事がある。ガイとして。」
「陽道の抹殺かい?」
「あぁ。」
それを聞くと、雷世はガイから離れた。
「好きにしなよ。あ、そだ。『理解』の中身、使いやすいように俺が勝手にイジっておいたから。」
「そんな事できるのか?」
「誰だと思ってんのさ!雷世様よ!ストック数も増やしといたから。死んでもらっちゃ困るからね。あ、でも『リアムの無限戒』ってのは解けなかったわ。伊達に『リアム』って入ってる程はあるね。じゃ頑張って。」
【4月2日、19:25、リズの家前にて…】
ガイの目の前には石川と巌の亡骸が転がっている。
「……」
ガイは巌の亡骸を背にし、こう呟いた。
「じゃあな。クソ親父…」
障坂巌。40歳。死亡。
【19:40、永久氷地、神殿前にて…】
首を切断されたもょもと。胸にナイフを突き刺された氷室。そんな2人の前には、先程まで影も形も見当たらなかった陽道の姿が。
「(なんで…⁈)」
氷室は胸に刺さったナイフを抜き取り、『現代のオーパーツ』で治癒しながら、もょもとの体と首を拾い、陽道から離れた。
「(絶命する前にくっ付ける…‼︎)」
氷室は陽道を凝視しながら、もょもとの首をつなげようとした。しかし次の瞬間、氷室の首が切断された。
「は……?」
雪の上に落ちる氷室の頭部。その時、氷室は雪道を見た。
「(足跡が無い…)」
もし、時和のように時間を止めるタレントなら、移動した痕跡があるはず。それが無いという事は、瞬間移動の類い。
「(いや…違う……)」
そう。氷室が気づいた時には既に首は切断されていた。もし、目の前に瞬間移動して首を切断したのなら、切られた瞬間を認識できるはずだ。しかし、それがなかった。まるで、攻撃までの過程を全て飛ばしたかのように。
「(そう…か……)」
その時、氷室は陽道のタレントの正体に気づいた。しかし、段々と意識が遠のいていく。一方の陽道はそそくさと神殿の方へと歩いて行った。
「(ヤブ助さんに…ガイさんに…知らせないと……)」
氷室は『現代のオーパーツ』で自身の首を繋げようとした。するとその時、氷室はとあるものを目にした。
「ぁ……」
それはもょもとの体だ。もょもとの首には接合途中の肉片が付いており、氷室のPSI供給があればすぐにでも再生できる。
氷室は自身ともょもとの治療を同時に行う。すると、もょもとの首は元通りに繋がった。しかし、氷室の首は胴体と離れており、接続に時間がかかる。もし、コレが自身の治癒だけに集中していれば、きっと既に完治していただろう。
「(これが損する性格ってやつか…まぁいいや…後悔はない…)」
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「ッ…‼︎」
瞬間、ヤブ助は秀頼に向かって飛び出した。それを察知し、秀頼はカフにこう言った。
「手ヲ出スな。」
「了解。」
カフはそれを了承した。師弟の殺し合いを邪魔するのは野暮だと判断したのだ。
一方、ヤブ助は間合いを詰め、秀頼の顎に向けて手を伸ばす。
「『齟顎』ッ‼︎」
ヤブ助は右手で秀頼の顎を揺さぶろうとした。
「なッ…⁈」
しかし、秀頼の顎はびくともしない。すると、秀頼はヤブ助の右手首を掴んだ。
「(まずい…‼︎)」
ヤブ助は捻りを入れてすぐさま拘束を解く。しかし、そうこうしているうちに秀頼は次の攻撃モーションへと入っていた。
「『酩酊跋倒』ッ‼︎」
「ぬぁッ…⁈」
秀頼はヤブ助を宙へ投げ上げる。投げ上げられたヤブ助はあり得ない程に回転していた。これでは着地の際にダメージを負うのは必至。
しかし、秀頼はそれを待たずして、落下中のヤブ助に拳を放った。
「『人間化猫化』!!!」
ヤブ助は完全に猫化し、秀頼の拳を躱した。また、猫になった事で着地にも成功した。
「ふぎゃッ‼︎」
しかし、秀頼はそれを読んでいた。着地すると同時に体を押さえつけられてしまったのだ。
「危ウクなるトすぐ猫化スる。悪イ癖ダぞ、ヤブ助。」
「くッ…‼︎」
猫の姿では技を使う事ができない。また、人間化する事も不可能。もし人間化すれば、体の巨大化に伴い、秀頼の手で圧死してしまうからだ。
「何故、来てシマったンだ…」
「決まってる…お前達を殺す為だ…‼︎」
「ソウか…」
すると、秀頼はヤブ助の首を手刀で叩いた。
「にゃがッ……」
ヤブ助は意識を失った。しかし、生きてはいる。それを悟ったカフは秀頼に言った。
「殺さねぇのか?」
「……」
「気が引けるなら私が殺してやろぉか?」
「……」
何も答えず、カフに背を向け続ける秀頼。カフは、そんな彼女から異様な雰囲気を感じ取った。
「私ノ弟子ハ殺サセない…」
その秀頼の呟きを聞き、カフは確信した。
「(やっぱり、コイツの支配は陽道だけ。最初からこんな予感はしてたぜ。まったく。)」
秀頼はカフの方を向き、構えをとった。
「この子達ヲ見テいるとツクづく思ウ。自分ガいかニ、弱イ人間ナのかを…これ以上、弟子ノ前デ醜態ヲ晒ス訳ニはいかなイ。」
カフは秀頼の敵意を感じ取る。しかし、構えは一切取らない。戦う気が無いのか。
「御託は良い。さっさと来いよ。殺るなら殺ろうぜ。」
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