ゴールデンクラッカー☆大介

泉出康一

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11Chance 『人質』

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ブラジル、パラナ州マリンガにて…

「少し待て。」

ブレイドはスーツの男達に話しかけた。

「ゴールデンクラッカーの始末は、俺たち『Zoo』の仕事のはずだ。何故、お前ら『カラス』共がでしゃばってくる?」
「これがあのお方の意向です。」
「気に食わねぇな。それじゃまるで、俺達の腕が信用できねぇみたいな言い方だな?」
「その通りです。あのお方はガッカリなさってました…お前達の無能さに。」

次の瞬間、ブレイドは長岡が持っていた拳銃を奪い、スーツの男に銃口を向けた。

「…何のつもりですか。」
「依頼は破棄する。そのガキを離せ。」

長岡は何か言いたげな表情をしている。

「勘違いするなよ。俺は単純にコイツらが嫌いなんだ。それによ…人質を取るなんてやり方…三流以下だぜ!クズ野郎!」
「本気ですか?そんな事したって、人質は解放しませんよ?」
「本気か、だと?こっちのセリフだ。俺相手にザコ20人程度で勝てると思ってんのか?」

長岡もブレイドへの警戒を解き、スーツの男達の方を向いた。

「そやぞ!俺もおんねん!玉潰されたくなかったら早よペドロ返せ!!!」
「兄ちゃん!!!」
「心配すんなペドロ。今助けたるからな。」
「うん!!!」

スーツの男は大きなため息をついた。

「…どうしてこうも、自由に操れないのでしょうかね…人間という生き物は…」

次の瞬間、銃声が響いた。
スーツの男の持つ拳銃から微かに煙が上がり、その横でペドロは静かに地面に崩れ落ちた。

「まぁ良い。人質ならもう一人いますから…」

次の瞬間、長岡は見えない腕で、ペドロを撃った男を殴り飛ばした。

「ペドロ!!!」

長岡は地面に倒れているペドロに駆け寄った。
ペドロの周りには血溜まりができ始めている。
銃弾はペドロの頭部を貫通しており、すでに息絶えていた。

「そんな……」

スーツの男達は長岡に銃口を向けた。
次の瞬間、ブレイドはスーツの男達に向けてナイフを投げつけ、男達を一掃した。

「おい、ゴールデンクラッカー。早くココから離れた方がいい。」

長岡はただペドロの横でしゃがみ込みじっとしている。
ペドロを殺し、殴り飛ばされたスーツの男が立ち上がった。

「逃げる?ちがいますよ、ゴールデンクラッカー。貴方はコレから立ち向かわなければならない。言いましたよね?人質はもう一人いる、と…」
「お前まさか!」
「大方、我々の本拠地は、もう調べがついているのでしょう。人質を返して欲しくば、向かわれると良い。あのお方の元へ…」

スーツの男は拳銃を自身の頭部に向けた。

「私の任務は失敗した。もはやここまでです。」

次の瞬間、発砲音が鳴り響き、スーツの男は倒れた。

「自分の命を…こんなにも、あっさりと捨てられるのか…⁈」
「何やねん…コイツら…!」

長岡もペッテイングも呆気なく自殺した男に驚いている。

「…それが『カラス』だ。」
「からす…?」
「『Zoo』とは別の闇組織。何でも屋だ。依頼主の命令ならどんな事でもやる。例え、死ねという命令ですらな。」

長岡はペドロの遺体を抱えた。

「ペドロ…お前の姉さん、絶対助けたるからな…!」

サンパウロ、とあるビルにて…

太った男が豪華な椅子に座っている。
その男の前には、2人の『カラス』。そして、その『カラス』達に体を縛られているイザベラが居た。

「ほうほう。それで、ゴールデンクラッカーは?」
「もう時期来るかと。」
「なるほどぅ…」

太った男は立ち上がり、イザベラに顔を近づけた。

「この女は…暇つぶし、という訳でござるな。ふぅ~ん!満足でござる!」
「(助けて…大介さん…)」

夕方、病院にて…

治療を終えた長岡と植松は、ベットの上で話をしていた。

「裏ボスの名前はボルドビ。何でも屋組織『カラス』を雇って、サンパウロのビルで待ち伏せ中。」

長岡は無言でベットから降りた。

「行くんか?」
「あぁ。」
「…『カラス』だけやったら、多分、お前一人で行っても勝てる。けど、『Zoo』もおる可能性あるぞ。」
「それでも、俺は行く。」
「…お前、ホンマ僧侶枠やな。」
「どういう事やねんそれ。」
「そう言うと思って、助っ人、雇っといたぞ。」

その日の夜、サンパウロ、ボルドビの居るビルの前にて…

ビルの前には長岡とペッテイング、そして、ブレイドが居た。

「助っ人ってキミだったのか。」
「なんぼや?植松になんぼで雇われてん?」
「2億。」

長岡とペッテイングは目を丸くし、顔を見合わせている。

「さて、どうする。おそらくボルドビは最上階だが…先ずは侵入だな。」
「決まってる…ッ!!!」

次の瞬間、長岡は走り出した。

「ワンチャン正面突破やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

見えない腕を創造し、ビルの出入り口を破壊した。

「まぁ、それが一番の近道だね。」
「行くぞ。」

ペッテイングとブレイドは長岡を追いかけた。
長岡は『高痴漢技術サワレヤ』を駆使して、立ち向かってくる敵共を倒しながら、どんどん上の階へ登っていく。

数分後…

三人はあっという間に最上階までたどり着いた。

「うるぁぁぁあ!!!」

最上階の大きな扉の前に居た『カラス』共を見えない腕で一掃した。

「…見るからに、この扉の先だね。」
「あぁ。」
「行くぞ…」

扉を破壊し、部屋の中に入った。

ビルの最上階、大きな扉の先、広い部屋にて…

長岡達は部屋に入った。
その部屋は、一フロア丸々だだっ広い一つの部屋となっていた。

「誰か居る…」

その部屋の中心には一人の青年が立っていた。

「思ったより若いやんけ。」

ブレイドはその青年を見るなり、驚嘆した。

「な、何で奴がココに…⁈」
「どうした…?」
「…アイツはボルドビじゃない…」
「な、なんだって⁈」
「そんじゃ、ボルドビは…イザベラは何処やねん!!!」

その時、部屋の隅から声が聞こえてきた。

「大介さん…」

その声の主はイザベラだった。

「イザベラ!!!」

長岡はイザベラに近寄った。
イザベラの表情や、はだけた服を見て、長岡は何があったかを察した。
長岡はイザベラを抱きしめた。

「すまん…!俺が…もっと早よ来てれば…!ホンマ…すまん…!」

長岡は涙を流した。それにつられ、イザベラの目からも涙が零れ落ちた。

「ペドロは…?」
「…殺された…」
「…そう…ですか…」
「すまん…ホンマにすまん…!全部…俺のせいや…!」
「…ううん…大介さんのせいじゃない…助けに来てくれて…嬉しい…です…」

その時、部屋の中央にいた青年が動き始めた。

「来る…ッ!!!」

ブレイドは震えている。
今まで見たことないブレイドの様子にペッテイングも焦りを覚える。

「…奴は一体何者なんだ?」
「『Zoo』最年少にして最強の殺し屋…組織のNo.2、コードネーム…モカ…!」
「『Zoo』のNo.2…」

ブレイドは叫んだ。

「構えろ!ゴールデンクラッカー!」

長岡は涙を拭い、立ち上がった。

「ごめん、イザベラ…あと、もうちょいやから…もうちょいで、全部終わるから…」
「大介さん…死なないで…!」
「おう…!」

長岡とブレイドは構えをとった。
今、最後の戦いが始まろうとしている。
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