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第16話 「トラブルメーカー」
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――侵略。少女の話した内容はそれで間違いないはずだ。だけど、どうしてそんな言葉が出てきたのか。
「ちょっと聞かせてもらえるかな、君のお父さんが言ってた話」
「うん、あのね。お父さんは剣を作る職人さんなんだけど、去年から鉄がいっぱい、いーっぱい、届くんだって。それでたっくさん剣を作ってほしいって頼まれてるの」
確かに、武器を多く作るにはそれを使用する方法があるということだ。もしこの少女の話が本当なら、「侵略」という言葉に説得力が出てくる。
「それが本当なら心配だね。ありがとう、助かったよ」
「じゃあ、イオリちゃんと握手した―い!」
あ、やっぱりそれが目的だったんだ。
まあ、国の疑問をただ話に来る幼女なんているわけないし。ていうかいてほしくない。
「じゃあ握手しようね~」
「わーい」
イオリと少女が楽しそうに握手している。
最初に握手会みたいって思ったけど、本当に握手会になってた。
「それにしても、今の話は気になるな……」
「さっきの女の子の話? それだったら私も聞いたよ」
「本当か!?」
俺だけじゃなく、アリシアにも話を聞いてもらっていたが、そっちでも話を聞いていたらしい。
「冒険者の中で噂程度にだけど、武器の生産量が増えてるってのはあったみたい。ダンジョン攻略するにしたって量が多すぎるから、他国に戦争でもする気なんじゃないかって」
俺の隣に立っていたナナが手で口を覆い、驚きに身をすくませていた。
「お父様……どうして、そんなこと……」
ナナにとっては信じたくないことだろう。俺だって正直まだ信用できないし、嘘の方が良いと思う。
だけど、本当だと思える根拠はあるのに、否定する根拠が見当たらない。なら、その日がいつか来ると考えて対策を打たないといけない。
「その話を本当だと仮定すると、時間がないかもしれない。だって、もう一年は準備してるわけだし、しかも武器を作るってことはそれを使う人材集めは終わってると考えられるはずだ」
必要な数が分からないのに武器を作らせるわけがない。
なら、人数は揃っている。流石に武器が出来た瞬間に侵略を開始するとは思えないけど……時間がないのは間違いない。
◇
それから行列が消えるまで話を聞いてみたが、やはり数人はその噂を聞いている人がいた。
ナナの一件も踏まえると、嘘とは言い切れなくなってしまった。
そして、イオリにもナナのこと、噂のことを話した。ここまで一緒に来て仲間外れにするのも気が引けるからな。
「なるほどなるほど。カイリは配信で人気を集め、かつての英雄がそうしたように、王の座を奪い返そうとしているのか~」
「王になるのは俺じゃなくてナナにする予定だけどな」
「え、あ、そうなんだ」
「なんでちょっと悲しそうなんだよ」
イオリは俺を王にでもするつもりだったのか。
「でも、カイリが追放されなかったら配信も始めてなくて、イオリちゃんとも出会えてなかったって考えると、あのパーティーにも感謝――」
と、イオリがそこまで言ったところで、ギルドの中からハルトが出てくる。
そして、その後ろから、ギルドの受付嬢も追ってきていた。
「無茶ですよ! ハルトさん!」
受付嬢はなにやら焦っている様子。俺達がギルド前で握手会的なことを咎めに来たわけでもなさそうだ。
受付嬢は俺達を見ることもなく、ハルトを追いかけている。
「うるさい! このオレがあんな無能より弱く見えるってのか!? オレはやるぞ! あいつより強いってこれで証明してやる!」
「絶対だめです! そんな――『ウロボロス』のダンジョン攻略なんて!」
ウロボロス。それは以前俺が危険だからと止められた依頼だ。
――まさかあいつ、そんなダンジョンに挑もうとしているのか……?
「ちょっと聞かせてもらえるかな、君のお父さんが言ってた話」
「うん、あのね。お父さんは剣を作る職人さんなんだけど、去年から鉄がいっぱい、いーっぱい、届くんだって。それでたっくさん剣を作ってほしいって頼まれてるの」
確かに、武器を多く作るにはそれを使用する方法があるということだ。もしこの少女の話が本当なら、「侵略」という言葉に説得力が出てくる。
「それが本当なら心配だね。ありがとう、助かったよ」
「じゃあ、イオリちゃんと握手した―い!」
あ、やっぱりそれが目的だったんだ。
まあ、国の疑問をただ話に来る幼女なんているわけないし。ていうかいてほしくない。
「じゃあ握手しようね~」
「わーい」
イオリと少女が楽しそうに握手している。
最初に握手会みたいって思ったけど、本当に握手会になってた。
「それにしても、今の話は気になるな……」
「さっきの女の子の話? それだったら私も聞いたよ」
「本当か!?」
俺だけじゃなく、アリシアにも話を聞いてもらっていたが、そっちでも話を聞いていたらしい。
「冒険者の中で噂程度にだけど、武器の生産量が増えてるってのはあったみたい。ダンジョン攻略するにしたって量が多すぎるから、他国に戦争でもする気なんじゃないかって」
俺の隣に立っていたナナが手で口を覆い、驚きに身をすくませていた。
「お父様……どうして、そんなこと……」
ナナにとっては信じたくないことだろう。俺だって正直まだ信用できないし、嘘の方が良いと思う。
だけど、本当だと思える根拠はあるのに、否定する根拠が見当たらない。なら、その日がいつか来ると考えて対策を打たないといけない。
「その話を本当だと仮定すると、時間がないかもしれない。だって、もう一年は準備してるわけだし、しかも武器を作るってことはそれを使う人材集めは終わってると考えられるはずだ」
必要な数が分からないのに武器を作らせるわけがない。
なら、人数は揃っている。流石に武器が出来た瞬間に侵略を開始するとは思えないけど……時間がないのは間違いない。
◇
それから行列が消えるまで話を聞いてみたが、やはり数人はその噂を聞いている人がいた。
ナナの一件も踏まえると、嘘とは言い切れなくなってしまった。
そして、イオリにもナナのこと、噂のことを話した。ここまで一緒に来て仲間外れにするのも気が引けるからな。
「なるほどなるほど。カイリは配信で人気を集め、かつての英雄がそうしたように、王の座を奪い返そうとしているのか~」
「王になるのは俺じゃなくてナナにする予定だけどな」
「え、あ、そうなんだ」
「なんでちょっと悲しそうなんだよ」
イオリは俺を王にでもするつもりだったのか。
「でも、カイリが追放されなかったら配信も始めてなくて、イオリちゃんとも出会えてなかったって考えると、あのパーティーにも感謝――」
と、イオリがそこまで言ったところで、ギルドの中からハルトが出てくる。
そして、その後ろから、ギルドの受付嬢も追ってきていた。
「無茶ですよ! ハルトさん!」
受付嬢はなにやら焦っている様子。俺達がギルド前で握手会的なことを咎めに来たわけでもなさそうだ。
受付嬢は俺達を見ることもなく、ハルトを追いかけている。
「うるさい! このオレがあんな無能より弱く見えるってのか!? オレはやるぞ! あいつより強いってこれで証明してやる!」
「絶対だめです! そんな――『ウロボロス』のダンジョン攻略なんて!」
ウロボロス。それは以前俺が危険だからと止められた依頼だ。
――まさかあいつ、そんなダンジョンに挑もうとしているのか……?
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