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第40話 「決戦の前の平穏」
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帰ってきたら仲間たちがアイドルになってた。
しかも、(イオリの力もあるとはいえ)大人気になってる。
まだ別れてから一日も経ってないのに……
「あっ、カイリだ~! おかえりー!」
しまった、イオリに気づかれた。行列に並ぶ客の注目が俺に集まる。
「仕事中だし、邪魔したら駄目だな。離れるぞ」
俺たちは逃げるようにその場を後にした。
◇
「で、あれは結局なんだったんだ?」
イオリたちが宿に戻ってきたのは夜になった頃だった。
「それはかくかくしかじかで~」
「そんな説明マジでするやつ初めて見た!?」
漫画とかで説明を省くときやるやつじゃん。
「金銭を稼ぐために手っ取り早い方法……ということで、配信をすることになったのだ。だが、予想以上に人気が出てしまったようでな……あんなことに」
三人とも可愛いし、愛想よく振る舞うこともできるからアイドル適性は高かったけども。
「それで金は稼げたのか?」
「そりゃもうたんまりと! イオリちゃんもびっくりだぜ」
「イオリ先生はやはりすごい。宣伝するだけでファンの食いつき方が桁外れだ」
いつのまにか先生になってんじゃん。アイドルとしては先輩だし、そう呼ぶのも不思議じゃない。
「ご主人様の方はどうだったんだ? 目当てのものを手に入れることはできたのか?」
「もちろんだ。じゃあ後は装備を変えるだけか」
「いや、それももう終わっている」
シャルがアイテムボックスを開いて中身を出す。
鎧から武器から杖まで、色んなものが詰め込まれていた。
「準備万端じゃねえか。シャル、ありがとう」
「ふふふ、ご主人様に褒められるのは嬉しいが、これは私だけで買ったわけじゃない。みんなの力によるものだ」
シャルが頬を染めている。そんな表情、初めて見たな。
「みんなもありがとう。お陰で安心して厄災討伐に行けるよ」
不安要素はほぼない。厄災に関する情報がないってのだけが気になるところだけど、討伐隊を組織してるんだし、いけるだろう。
「戦いに備えてゆっくり休まないとな……って、この宿、ベッド一個しかない?」
部屋には大きなベッドが一つだけ。頑張れば全員で寝れないこともないし、枕も人数分ある。
でも……流石に全員で寝るのは……
「今からでも他の部屋を取るか。流石に同じベッドなのはみんなも嫌だろ」
「「「「「「……」」」」」」
その場にいる全員がベッドと俺を交互に見ている。
◇
夜も更け、誰もが寝静まる頃。たった一人だけ、眠れずにいる人間がいた。
「……寝れねえ」
大きなベッドのど真ん中。両脇には綺麗な少女が寝息を立てている。
俺を挟んで両隣に六人の女性が並んで寝ている。
いい匂いもするし、少し身体を動かすだけで柔らかくて温かい感覚に包まれる。
……こんなの、寝れるわけねえだろ!!
自分の邪念を抑えるので精一杯だ。目を瞑っても身体に触れる感触が脳を支配する。
思えば、俺のパーティーも大きくなったものだ。
アリシア一人から始まった、小さなパーティー。そこからあれよあれよという間に大所帯に。
追放された時はどうなるもんかと思ったけど、案外なんとかなるもんだな。
もちろん、運が良かったのもあるけど。
「厄災を倒した後、俺たちはどうなるんだろうな」
ナナを王にする。それだけは分かってるけど、俺や他のパーティーメンバーがどうなるか、全く想像つかない。
「……変わりませんよ。きっと」
「ナナ、起きてたのか?」
「なんだか呼ばれたような気がしたんです」
いつもナナは一番早く俺の心境に気づいてくれる。
「わたしたちはどこまで行っても、どうなったとしても……変わらないです。わたしが王様になった後も」
「……だよな。そうだといいな」
当たり前みたいに一緒にいて、当たり前の日常を送る。
立場や状況が変わっても、それだけは変わらないのだと、俺は信じている。
しかも、(イオリの力もあるとはいえ)大人気になってる。
まだ別れてから一日も経ってないのに……
「あっ、カイリだ~! おかえりー!」
しまった、イオリに気づかれた。行列に並ぶ客の注目が俺に集まる。
「仕事中だし、邪魔したら駄目だな。離れるぞ」
俺たちは逃げるようにその場を後にした。
◇
「で、あれは結局なんだったんだ?」
イオリたちが宿に戻ってきたのは夜になった頃だった。
「それはかくかくしかじかで~」
「そんな説明マジでするやつ初めて見た!?」
漫画とかで説明を省くときやるやつじゃん。
「金銭を稼ぐために手っ取り早い方法……ということで、配信をすることになったのだ。だが、予想以上に人気が出てしまったようでな……あんなことに」
三人とも可愛いし、愛想よく振る舞うこともできるからアイドル適性は高かったけども。
「それで金は稼げたのか?」
「そりゃもうたんまりと! イオリちゃんもびっくりだぜ」
「イオリ先生はやはりすごい。宣伝するだけでファンの食いつき方が桁外れだ」
いつのまにか先生になってんじゃん。アイドルとしては先輩だし、そう呼ぶのも不思議じゃない。
「ご主人様の方はどうだったんだ? 目当てのものを手に入れることはできたのか?」
「もちろんだ。じゃあ後は装備を変えるだけか」
「いや、それももう終わっている」
シャルがアイテムボックスを開いて中身を出す。
鎧から武器から杖まで、色んなものが詰め込まれていた。
「準備万端じゃねえか。シャル、ありがとう」
「ふふふ、ご主人様に褒められるのは嬉しいが、これは私だけで買ったわけじゃない。みんなの力によるものだ」
シャルが頬を染めている。そんな表情、初めて見たな。
「みんなもありがとう。お陰で安心して厄災討伐に行けるよ」
不安要素はほぼない。厄災に関する情報がないってのだけが気になるところだけど、討伐隊を組織してるんだし、いけるだろう。
「戦いに備えてゆっくり休まないとな……って、この宿、ベッド一個しかない?」
部屋には大きなベッドが一つだけ。頑張れば全員で寝れないこともないし、枕も人数分ある。
でも……流石に全員で寝るのは……
「今からでも他の部屋を取るか。流石に同じベッドなのはみんなも嫌だろ」
「「「「「「……」」」」」」
その場にいる全員がベッドと俺を交互に見ている。
◇
夜も更け、誰もが寝静まる頃。たった一人だけ、眠れずにいる人間がいた。
「……寝れねえ」
大きなベッドのど真ん中。両脇には綺麗な少女が寝息を立てている。
俺を挟んで両隣に六人の女性が並んで寝ている。
いい匂いもするし、少し身体を動かすだけで柔らかくて温かい感覚に包まれる。
……こんなの、寝れるわけねえだろ!!
自分の邪念を抑えるので精一杯だ。目を瞑っても身体に触れる感触が脳を支配する。
思えば、俺のパーティーも大きくなったものだ。
アリシア一人から始まった、小さなパーティー。そこからあれよあれよという間に大所帯に。
追放された時はどうなるもんかと思ったけど、案外なんとかなるもんだな。
もちろん、運が良かったのもあるけど。
「厄災を倒した後、俺たちはどうなるんだろうな」
ナナを王にする。それだけは分かってるけど、俺や他のパーティーメンバーがどうなるか、全く想像つかない。
「……変わりませんよ。きっと」
「ナナ、起きてたのか?」
「なんだか呼ばれたような気がしたんです」
いつもナナは一番早く俺の心境に気づいてくれる。
「わたしたちはどこまで行っても、どうなったとしても……変わらないです。わたしが王様になった後も」
「……だよな。そうだといいな」
当たり前みたいに一緒にいて、当たり前の日常を送る。
立場や状況が変わっても、それだけは変わらないのだと、俺は信じている。
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