異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

第154話 フィーネリーゼと王太子妃 中編

ブライドルが考え込んでいる間、ブライゼルスとフィーネリーゼがブライドルを見ている

「フィーネリーゼ殿、この数日本当に楽しかった…本当の名前や家柄を言わずに申し訳無い」
ブライドルが頭を下げて言う
「ブライ様、家柄なんてどうでも良いのですが…匿ってくれて本当に嬉しかったです。 温室も広くて本当に楽しい日々でした」
フィーネリーゼが笑顔で言う
「セルメリア侯爵家ブライドル・セルメリアと申します」
ブライドルが頭を下げながら丁寧に挨拶をする
「え？ セルメリア侯爵家…ブライドル様、大変無礼な事をしてしまい申し訳ありません」
フィーネリーゼが驚いた様に頭を下げている
「フィーネリーゼ殿…えーと、その…実は前妻が亡くなり、妻と共に過ごしていた温室が好きになり…色々知識は得ていますが…フィーネリーゼ様と共に過ごすこの時間が壊れるのが怖く話せずにいましたが…これからも一緒に居て貰えませんか？」
ブライドルがフィーネリーゼを見て言う

「これからも？ えーとそれは…」
フィーネリーゼが驚いた様に戸惑っている
「この屋敷で共に…妻になって貰いたい…何が有ってもフィーネリーゼ様を守ると誓います。 これからも温室で楽しい日々を過ごしたいと思います」
ブライドルが少し赤くなりながらフィーネリーゼを見ている
「え…………実は私には３人の元婚約者が居ました…事情が有り、婚約破棄をしていますが…社交界では悪い噂が流れて…迷惑になりますが…」
フィーネリーゼが思い出したように暗い顔で呟く
「その事なら問題ない！ 最初の婚約者なら、新しい妻との間に子供が出来て、あの時の子供と侍女は、領地の屋敷で軟禁状態になっている。 侍女との子供が出来て前の婚約者から婚約破棄されたと既に噂が流れて、今の奥方も認めている。 ２人目は、この前誰かの所為で取り潰されているが…拷問主義だった事は噂が流れている…犠牲者の家族が身分を失ってから、仕返しをして既に片付いている…最後の商人はまだ健在だが…悪趣味な事は噂が流れているぞ！ 安心して良いぞ」
ブライゼルスが笑顔で言う

「え！ 何故？ もしかしてもう調べられていたのですか？…ブライ様………」
フィーネリーゼが驚いた様にブライゼルスを見てからブライドルを見ている
「何が有っても守るから…一緒に人生を歩んで欲しい…時間が必要か？」
ブライドルが考えながらフィーネリーゼを見ている
「ブライドル様…嬉しく思いますが…問題になりそうですが…御父様も面倒な人ですから…」
「それなら心配は無いと思うぞ！！ イールスの策略は恐ろしいからな！」
ブライドルがイールスを見て言うと、フィーネリーゼが驚いた様にイールスを見ている

「男爵なら安心して下さい、これから向かう場所で今後の事も話しになりますから…新しい温室の助言を頼みたいので、誰も文句は言えません」
イールスが笑顔で頭を下げる
「イールス君は何者ですか？」
フィーネリーゼがイールスを見て言う
「下賤な身の未熟者です」
イールスが笑顔で言うと、ブライドルとブライゼルスが笑っている
「謎の多い人ですね…ブライドル様、御母様と相談はしたいと思います…ブライドル様と一緒に過ごすためには、話し合いも必要と思います。 ブライドル様不束者ですがよろしくお願いします」
フィーネリーゼがブライドルを見て言う
「わかった！！ 帰りに御母様に会いに行こう！！」
ブライドルが満面の笑顔で言う
「はい、ブライドル様」
フィーネリーゼが少し赤くなりながら言う
「フィーネリーゼ！！ ブライドルを頼んだぞ！！」
ブライゼルスが満面の笑顔で言う
「はい、御父様…」
フィーネリーゼが少し照れた様に言う

イールスの馬車に乗るとセーレンの屋敷に向かい、セーレンと合流して王宮に向かい、侍女の案内で部屋に向かい、しばらく待っていると、別の部屋に案内され、バウルトリアと王太子と女性が待っている
「王太子殿下、本日は御尊顔を拝見できて大変光栄に思います。王太子妃殿下、御尊顔を拝見できて大変光栄に思います。イールスと申します」
イールスが王太子と横に居る王太子妃に丁寧に挨拶を始めていると、フィーネリーゼの顔から血の気が引いて、震えている
（何故王太子様と王太子妃様が…イールス君先に教えて下さい）

「イールス待っていたぞ！ それにブライドルも…フィーネリーゼか？ そんなに固くならなくても良いぞ」
王太子が笑顔で言う
「大変申し訳ありません…フィーネリーゼ・ランクスルバウムと申します。御尊顔を拝見できて光栄に思います」
フィーネリーゼが慌てて頭を下げている
「固くならなくて良いぞ！！ 今日は妻の為に薬草を提供してくれた事に対しての御礼だ！ 座って歓談しよう」
王太子が笑顔で言うと、バウルトリアが座るように言っている

イールス達が座る
「イールス、ブライドルは何故ここに？」
王太子がイールスを見ている
「実は残りの３つの薬草は、ブライドル様の温室で栽培されていました。 感謝しています」
イールスが頭を下げながら説明している
「残りの３つか！ 忘れていたな！！ ブライドル、感謝するぞ」
王太子が笑顔で言う
「お役にたてて嬉しく思います」
ブライドルが頭を下げながら言う
「薬師達が役にたたない証明嬉しく思います。 王妃様が言われる通り良い男ですね」
王太子妃が微笑みながらイールスを見ている
「下賤な身の未熟者ですので、御迷惑ばかりかけて申し訳ありません」
イールスが頭を下げて言うと、王太子妃が笑っている
「イールスはいつもこうなる！ 信用は出来るが、何をするか予想も付かないぞ」
王太子が笑っている
「そうですね…国の不正を数々暴いてくれて嬉しくなります。 ふふふ、年頃の妹が居たら、勧めたくなりますわ！！ 子供達と仲良くして下さいね」
王太子妃が微笑みながら言うと、フィーネリーゼが驚きの余りイールスを見ている