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第298話 王妃と密談
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「イールス様は娘の事はどう思ってますの? 御転婆な娘ですから、色々迷惑を御掛けしているでしょう… ミネルバからも色々聞いて、残念振り… 本当に悩ましいと思います」
王妃がイールスを見詰めて言う
「残念ですが、この国に残る事は不可能です。 ユリアリース女王陛下が結婚して王配を迎えれば、国は1つにまとまりません… ジークレン様が王位に即位する為に道を作る事に専念する事が国の為になると思います」
イールスが少し迷ってから話し始める
「ふふふ、予想を超える返答ですね… その通りです。その為に私は表に出ず、病床に伏せっている事にしています。 表に出れば、派閥が出来上がり、貴族達が政争を始めます。 公爵家を潰しても、王配問題で対立が出来上がるでしょう… 既に最大派閥はイールス様を推しています」
「それでも帰国しますので、派閥は別の人を推す様になります」
イールスが笑顔で答えている
「権力欲が無くて困りますね… 次期王妃候補も争奪になるでしょう」
「慎重に選ぶ事をお勧めします」
イールスが苦笑いしている
「そこで… この手紙をアーゼリアストリア国王陛下に渡して欲しいと思います。 内容はアーゼリアストリア王国の上級貴族もしくは、王族の御令嬢、イールス様の妹様などからジークレンの妃として迎え入れたいとの事です」
王妃が微笑みながら手紙を差し出す
「え! ジークレン様の… 政略結婚ですか? 大丈夫でしょうか?」
イールスが驚いて目を見開いている
「この手紙の事はジークにも伝えています。イールス将軍様の紹介ならば喜んで迎えると言わさせました」
王妃が微笑みながら説明をしている
この手紙… 預かって良いのか? 完全に何か企んでいるのか? どうしたら? 妹と言うと… 王家で礼儀作法させて、何人か送り込まれるのを望んでいる? あ!… 何とか回避を…
イールスが迷っているのを見て王妃が笑い始める
「ふふふ、この手紙の意味理解しているようですね… 実質イールス様の血族を王妃として迎え入れれば、イールス様の子などを我が王家に仕えさせる為です。 領地も用意させておりますから、何時でもこの国に骨を埋めて欲しいですね」
王妃がイタズラぽく言うと、イールスが苦笑いしている
「どうして未熟者の半人前に大変な事ばかり言うのでしょうか?」
イールスが苦笑いして聞く
「この国に必要な才能を全て持っているからでしょう… イールスの書の事でジークも驚いていましたよ… この早い復興速度と、難民の移住まで… 混乱無く女王即位の道筋まで指し示して、公爵家の潰し方まで… 偉大なる先生と認めています」
王妃が本を出して言うと、イールスが頭を押さえて苦笑いする
あれは…ユリアリース様が覚えが悪くて色々書いた物… イールスの書? 内容から乗っ取りを考えているなど思われても… 素直に全て認めないと…
「中を見てしまいましたか?」
「完全に国の再興の手順書ですから… ユリアリース女王に即位させるのも、この本を読んで理解していますが、問題はイールス様がユリアリースに対して責任を取らない事ですね… ミネルバから全て聞き出しましたが何かしら責任は必要です。 イールス様には今回壊滅している地域の一部を受け取って下さいね… 勿論イールス様の子供の代で良いですね」
王妃が微笑みながらイールスを見ている
「それは」
「既に決定事項です。 覚悟しておいて下さい… 逃げるならユリアリースを受け取って下さいね… その方が喜ぶでしょう」
「それは…… 無理です」
「15年ぐらい後イールス様の子供が来るのを待っております。 その手紙も忘れずに国王陛下に手渡して下さい」
王妃が上機嫌に笑い始める
イールスが部屋を出て、侍女の案内で戻っていく
「イールス、何かあったのか?」
アリーオがイールスの顔色を見て聞く
「色々嫌味を言われただけです。 ユリアリース様に対して責任をとか…」
イールスが苦笑いしてアリーオを睨んでいる
「は? それは大変な事に… 」
「やっぱりアリーオ様を恨みます」
「え! それは恨まないでくれ!! 後が怖いから… 全力でイールスを守るから… 兄として何としても守るぞ!!」
アリーオが慌てて言う
「やっぱりエリーゼマリーナ様に手紙を書いた方が良いかな? それともメサリア様かシンシリア様に… フィーネリーゼ様にも書こうかな… もう色々伝えた方が良いかな?」
イールスが考え込んでいる
「イールス、頼むからそれは止めてくれーーー 」
アリーオが慌てて叫び、フライクルベルト子爵とレイクルスベルト子爵が笑っている
(相当色々言われたのか? アリーオ様に当たっているのか? 年相応の事もするのだな… 戦場で無敵を誇るイールス将軍でも… アリーオ様も弟と呼ぶとは… 本当は前から仲が良かったのか? )
カシューが入ってくる
「今後の予定だが、即位式が終わった後に、盛大にパーティーを開催する事が決まっている。 アリーオ様達にも参加をお願いします。 取り潰された貴族達の屋敷がいくつか空いているので、そちらに滞在をできるように手筈を整えてある…」
カシューが説明をしている
「有り難く使わせて貰います」
アリーオが笑顔で言う
「パーティーも有りますから、身支度も必要でしょう… イールス殿には、1つ屋敷を与えるそうです。 場所はミネルバ殿の御実家の隣ですので、治安も大丈夫でしょう」
カシューが笑みを浮かべて言う
「え! 何故一人だけ別に?」
イールスが驚いたようにカシューを見ている
「2人も伯爵家の分家の令嬢がいるとか… それにイールス殿は従者達でも屋敷の管理が出来るだろ? 女性騎士達でも管理が出来るような… リゼッタ殿が門番だろ?」
カシューが笑いながら言う
「女性達に野営を続けさせるのはまずいか…」
イールスが苦笑いしている
「アリーオ様もそれで構わないか?」
カシューがイールスの顔色を伺い、アリーオを見て言う
「そうだな… その方がイールスもゆっくり出来るだろう… 何気に多くの女性が常に一緒に居たな… 羨ましい…」
アリーオが苦笑いしている
「羨ましい? アリーオ様浮気したかったのですか? 」
イールスがアリーオを見て言う
「え! そんな事はないぞ!! 怒らせたら終わりだ!!」
アリーオが焦って叫び、フライクルベルト子爵とレイクルスベルト子爵が爆笑している
「騎士に案内させる」
カシューが笑いながら言う
王妃がイールスを見詰めて言う
「残念ですが、この国に残る事は不可能です。 ユリアリース女王陛下が結婚して王配を迎えれば、国は1つにまとまりません… ジークレン様が王位に即位する為に道を作る事に専念する事が国の為になると思います」
イールスが少し迷ってから話し始める
「ふふふ、予想を超える返答ですね… その通りです。その為に私は表に出ず、病床に伏せっている事にしています。 表に出れば、派閥が出来上がり、貴族達が政争を始めます。 公爵家を潰しても、王配問題で対立が出来上がるでしょう… 既に最大派閥はイールス様を推しています」
「それでも帰国しますので、派閥は別の人を推す様になります」
イールスが笑顔で答えている
「権力欲が無くて困りますね… 次期王妃候補も争奪になるでしょう」
「慎重に選ぶ事をお勧めします」
イールスが苦笑いしている
「そこで… この手紙をアーゼリアストリア国王陛下に渡して欲しいと思います。 内容はアーゼリアストリア王国の上級貴族もしくは、王族の御令嬢、イールス様の妹様などからジークレンの妃として迎え入れたいとの事です」
王妃が微笑みながら手紙を差し出す
「え! ジークレン様の… 政略結婚ですか? 大丈夫でしょうか?」
イールスが驚いて目を見開いている
「この手紙の事はジークにも伝えています。イールス将軍様の紹介ならば喜んで迎えると言わさせました」
王妃が微笑みながら説明をしている
この手紙… 預かって良いのか? 完全に何か企んでいるのか? どうしたら? 妹と言うと… 王家で礼儀作法させて、何人か送り込まれるのを望んでいる? あ!… 何とか回避を…
イールスが迷っているのを見て王妃が笑い始める
「ふふふ、この手紙の意味理解しているようですね… 実質イールス様の血族を王妃として迎え入れれば、イールス様の子などを我が王家に仕えさせる為です。 領地も用意させておりますから、何時でもこの国に骨を埋めて欲しいですね」
王妃がイタズラぽく言うと、イールスが苦笑いしている
「どうして未熟者の半人前に大変な事ばかり言うのでしょうか?」
イールスが苦笑いして聞く
「この国に必要な才能を全て持っているからでしょう… イールスの書の事でジークも驚いていましたよ… この早い復興速度と、難民の移住まで… 混乱無く女王即位の道筋まで指し示して、公爵家の潰し方まで… 偉大なる先生と認めています」
王妃が本を出して言うと、イールスが頭を押さえて苦笑いする
あれは…ユリアリース様が覚えが悪くて色々書いた物… イールスの書? 内容から乗っ取りを考えているなど思われても… 素直に全て認めないと…
「中を見てしまいましたか?」
「完全に国の再興の手順書ですから… ユリアリース女王に即位させるのも、この本を読んで理解していますが、問題はイールス様がユリアリースに対して責任を取らない事ですね… ミネルバから全て聞き出しましたが何かしら責任は必要です。 イールス様には今回壊滅している地域の一部を受け取って下さいね… 勿論イールス様の子供の代で良いですね」
王妃が微笑みながらイールスを見ている
「それは」
「既に決定事項です。 覚悟しておいて下さい… 逃げるならユリアリースを受け取って下さいね… その方が喜ぶでしょう」
「それは…… 無理です」
「15年ぐらい後イールス様の子供が来るのを待っております。 その手紙も忘れずに国王陛下に手渡して下さい」
王妃が上機嫌に笑い始める
イールスが部屋を出て、侍女の案内で戻っていく
「イールス、何かあったのか?」
アリーオがイールスの顔色を見て聞く
「色々嫌味を言われただけです。 ユリアリース様に対して責任をとか…」
イールスが苦笑いしてアリーオを睨んでいる
「は? それは大変な事に… 」
「やっぱりアリーオ様を恨みます」
「え! それは恨まないでくれ!! 後が怖いから… 全力でイールスを守るから… 兄として何としても守るぞ!!」
アリーオが慌てて言う
「やっぱりエリーゼマリーナ様に手紙を書いた方が良いかな? それともメサリア様かシンシリア様に… フィーネリーゼ様にも書こうかな… もう色々伝えた方が良いかな?」
イールスが考え込んでいる
「イールス、頼むからそれは止めてくれーーー 」
アリーオが慌てて叫び、フライクルベルト子爵とレイクルスベルト子爵が笑っている
(相当色々言われたのか? アリーオ様に当たっているのか? 年相応の事もするのだな… 戦場で無敵を誇るイールス将軍でも… アリーオ様も弟と呼ぶとは… 本当は前から仲が良かったのか? )
カシューが入ってくる
「今後の予定だが、即位式が終わった後に、盛大にパーティーを開催する事が決まっている。 アリーオ様達にも参加をお願いします。 取り潰された貴族達の屋敷がいくつか空いているので、そちらに滞在をできるように手筈を整えてある…」
カシューが説明をしている
「有り難く使わせて貰います」
アリーオが笑顔で言う
「パーティーも有りますから、身支度も必要でしょう… イールス殿には、1つ屋敷を与えるそうです。 場所はミネルバ殿の御実家の隣ですので、治安も大丈夫でしょう」
カシューが笑みを浮かべて言う
「え! 何故一人だけ別に?」
イールスが驚いたようにカシューを見ている
「2人も伯爵家の分家の令嬢がいるとか… それにイールス殿は従者達でも屋敷の管理が出来るだろ? 女性騎士達でも管理が出来るような… リゼッタ殿が門番だろ?」
カシューが笑いながら言う
「女性達に野営を続けさせるのはまずいか…」
イールスが苦笑いしている
「アリーオ様もそれで構わないか?」
カシューがイールスの顔色を伺い、アリーオを見て言う
「そうだな… その方がイールスもゆっくり出来るだろう… 何気に多くの女性が常に一緒に居たな… 羨ましい…」
アリーオが苦笑いしている
「羨ましい? アリーオ様浮気したかったのですか? 」
イールスがアリーオを見て言う
「え! そんな事はないぞ!! 怒らせたら終わりだ!!」
アリーオが焦って叫び、フライクルベルト子爵とレイクルスベルト子爵が爆笑している
「騎士に案内させる」
カシューが笑いながら言う
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