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栄養があるからと好き嫌いを克服させようとする奴がいるが同じ栄養は多分他の食べ物でも摂れる
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「は?」
突然何を言い出すのかと、戸惑っている様子の赤毛の彼女。
しかし、それにかまっている場合ではない。それほどに、目の前のミネストローネの味は衝撃的だった。
うまい。うますぎる。
トマトの酸味と香味野菜の甘味が、見事なバランスで調和している。
あっさり軽いのに、思わずパンに手が伸びる程の、しっかりとした味わい。
俺は今まで、実家の料理長の料理こそが至高と思っていたが。まさかこんな所で、これほどの味に出会えるとは――。
「素晴らしく美味なスープだ。これは、君が?」
「え? あ、うん、そうだけど」
改めて、向いの料理人の顔を見る。
少し焼けた肌。頬に散らばるそばかす。透明感のある薄茶の丸い瞳。
俺よりも少し年下か? もしかしたら陛下と同年かもしれない。この若さで、これ程の深みを出せるとは。
「料理は幼い頃から?」
俺の質問に、彼女は少しムッとしたようだった。
「そりゃあね。あたしはあんたみたいなお貴族様じゃないんだから。家には、メイドもシェフも当然いない。小さい頃から家の手伝いは何だってやったわよ。料理もそのひとつ」
家の手伝い程度でこの腕前。何と素晴らしい。彼女は天才だ。
然るべき教育を受け、是非とも王宮の厨房に立って欲しい。
このミネストローネならば、陛下のトマト嫌いを克服させる事が出来るかもしれないから。
陛下はお小さい頃から、トマトが苦手でいらっしゃった。
トマト料理が出される度に、代わりに食べてくれと、何度泣き付かれた事か。
『食べ物を粗末にしたくは無いけれど、どうしても苦手なの』と、目をウルウルされて訴えられたら、俺などはもうイチコロだ。
陛下のお役に立ちたい。あわよくば、ありがとうのチューなどをして頂きたい。
そんな下心を抱えた俺がトマト係を引き受けたせいで、ローラ様から、好き嫌いを克服する機会を奪ってしまった。
けれど、『トマトが赤くなると医者が青くなる』と言われている程、健康に良い野菜であるし。是非召し上がって頂きたいと、かねてから思ってはいて。
しかし、彼女が今日明日で王宮料理人になれるわけではない。
まずはこのスープを少々頂戴して、実家の使用人に運ばせ、陛下にお出しするか? しかし、移動中に冷めてしまったスープを、再度温める過程で味が変わってしまうかも……
そんな事を考えながら小難しい顔で黙っている俺の心の内を、正面の天才シェフは全く違うようにとらえたらしく――。
「ふん。バカにするならすれば? あんたみたいな上流階級の男からしたら、若い娘が手を傷だらけにして料理してるなんて、ドン引きでしょ? 今まで散々バカにされてきたから、ご遠慮なく」
「バカにする? 料理人を? そんな愚かな人間がいるのか?」
思いもよらない卑屈な発言に、驚いてしまう。
「料理は命を奪い、与える、万人に不可欠なものだ。それに従事する人間を馬鹿にする奴に、尊い命を頂いて生きる資格はない」
敬愛する父の教えを語った俺に、はじめはぱちくりと目を瞬かせていた彼女は、突然大口を開いて笑い出した。
「あはは! あんた、面白いね! さすがは女王の護衛騎士!」
「元、だがな。俺はレオナルド・レノックス。これから毎日君の料理を食べられるなら、今回の異動命令に感謝しなくては」
彼女は俺が差し出した手を、固く握った。
「あたしはジェニー・ローラン! 一応、ここの料理長やってる。よろしくね。ええと……レオ、で、いい?」
「え……あ……」
胸が、弾むように高鳴る。
あの愛しい人も、俺をそう呼んでいたから。
「え、なに、ダメなの?」
「いや、いいんだ。そう呼ばれるのは、一週間前ぶりで……少し驚い――」
「もしかして、女王様からもそう呼ばれてた?」
ガシャン!
手元のグラスを倒してしまった。テーブルの上に水面が広がっていく。
我ながら、何とわかりやすい動揺の現れ……。
「き、君は天才料理人であるだけではなく、心を透視する能力が……?」
「あはは! あんたってホント面白いね! あれだけ叫んでれば、あんたが女王に惚れてる事位、誰だってわかるって! だから、もしかしてと思って!」
腹を抱えるジェニー。
そしてひとしきり笑った後、彼女は息を乱しながら、どこからか取り出したフキンで、テーブルを手早く拭いた。
「そんなにいい女なんだ? 女王様は」
「……ああ」
あの方を思い浮かべるだけで、胸が締め付けられる。
お会いしたい。
たった一週間。
たった一週間離れていただけなのに。恋しくて恋しくてたまらない。
陛下はご健勝でいらっしゃるだろうか。
お食事や睡眠を、きちんと取られているだろうか。
新しい護衛騎士と、信頼関係を築けているだろうか。
ああ願わくば、新しい護衛騎士が巨乳ダイナマイトボディを好む男でありますように。
全くタイプでは無いという事でもなければ、大抵の男は陛下に恋心を抱いてしまうに違いないから。
「陛下は……絹糸のように真っ直ぐ伸びた金髪で。ガラス細工のように美しい碧眼で。誰よりあたたかなお心の持ち主なんだ。その微笑みは、まるで聖母のようで……。ただその場にいらっしゃるだけで、まばゆい程の光を放っておられるような……」
「ええと、レオ……話の途中で悪いんだけど……」
うっとりと語る俺の言葉を、遠慮がちに遮るジェニー。
「なんだ? 陛下の魅力を語りつくすにはまだまだ時間が――」
「いやだって……あそこに、今あんたが言った特徴にぴったりの女が、立ってるもんだから」
声を潜めるジェニーが指差した、食堂の入口へと目をやる。
絹糸のように真っ直ぐ伸びた金髪。ガラス細工のように美しい碧眼。聖母のような微笑み。
「へ……いか……?」
そこには、俺が恋い焦がれる、ローラ様がいらした。
突然何を言い出すのかと、戸惑っている様子の赤毛の彼女。
しかし、それにかまっている場合ではない。それほどに、目の前のミネストローネの味は衝撃的だった。
うまい。うますぎる。
トマトの酸味と香味野菜の甘味が、見事なバランスで調和している。
あっさり軽いのに、思わずパンに手が伸びる程の、しっかりとした味わい。
俺は今まで、実家の料理長の料理こそが至高と思っていたが。まさかこんな所で、これほどの味に出会えるとは――。
「素晴らしく美味なスープだ。これは、君が?」
「え? あ、うん、そうだけど」
改めて、向いの料理人の顔を見る。
少し焼けた肌。頬に散らばるそばかす。透明感のある薄茶の丸い瞳。
俺よりも少し年下か? もしかしたら陛下と同年かもしれない。この若さで、これ程の深みを出せるとは。
「料理は幼い頃から?」
俺の質問に、彼女は少しムッとしたようだった。
「そりゃあね。あたしはあんたみたいなお貴族様じゃないんだから。家には、メイドもシェフも当然いない。小さい頃から家の手伝いは何だってやったわよ。料理もそのひとつ」
家の手伝い程度でこの腕前。何と素晴らしい。彼女は天才だ。
然るべき教育を受け、是非とも王宮の厨房に立って欲しい。
このミネストローネならば、陛下のトマト嫌いを克服させる事が出来るかもしれないから。
陛下はお小さい頃から、トマトが苦手でいらっしゃった。
トマト料理が出される度に、代わりに食べてくれと、何度泣き付かれた事か。
『食べ物を粗末にしたくは無いけれど、どうしても苦手なの』と、目をウルウルされて訴えられたら、俺などはもうイチコロだ。
陛下のお役に立ちたい。あわよくば、ありがとうのチューなどをして頂きたい。
そんな下心を抱えた俺がトマト係を引き受けたせいで、ローラ様から、好き嫌いを克服する機会を奪ってしまった。
けれど、『トマトが赤くなると医者が青くなる』と言われている程、健康に良い野菜であるし。是非召し上がって頂きたいと、かねてから思ってはいて。
しかし、彼女が今日明日で王宮料理人になれるわけではない。
まずはこのスープを少々頂戴して、実家の使用人に運ばせ、陛下にお出しするか? しかし、移動中に冷めてしまったスープを、再度温める過程で味が変わってしまうかも……
そんな事を考えながら小難しい顔で黙っている俺の心の内を、正面の天才シェフは全く違うようにとらえたらしく――。
「ふん。バカにするならすれば? あんたみたいな上流階級の男からしたら、若い娘が手を傷だらけにして料理してるなんて、ドン引きでしょ? 今まで散々バカにされてきたから、ご遠慮なく」
「バカにする? 料理人を? そんな愚かな人間がいるのか?」
思いもよらない卑屈な発言に、驚いてしまう。
「料理は命を奪い、与える、万人に不可欠なものだ。それに従事する人間を馬鹿にする奴に、尊い命を頂いて生きる資格はない」
敬愛する父の教えを語った俺に、はじめはぱちくりと目を瞬かせていた彼女は、突然大口を開いて笑い出した。
「あはは! あんた、面白いね! さすがは女王の護衛騎士!」
「元、だがな。俺はレオナルド・レノックス。これから毎日君の料理を食べられるなら、今回の異動命令に感謝しなくては」
彼女は俺が差し出した手を、固く握った。
「あたしはジェニー・ローラン! 一応、ここの料理長やってる。よろしくね。ええと……レオ、で、いい?」
「え……あ……」
胸が、弾むように高鳴る。
あの愛しい人も、俺をそう呼んでいたから。
「え、なに、ダメなの?」
「いや、いいんだ。そう呼ばれるのは、一週間前ぶりで……少し驚い――」
「もしかして、女王様からもそう呼ばれてた?」
ガシャン!
手元のグラスを倒してしまった。テーブルの上に水面が広がっていく。
我ながら、何とわかりやすい動揺の現れ……。
「き、君は天才料理人であるだけではなく、心を透視する能力が……?」
「あはは! あんたってホント面白いね! あれだけ叫んでれば、あんたが女王に惚れてる事位、誰だってわかるって! だから、もしかしてと思って!」
腹を抱えるジェニー。
そしてひとしきり笑った後、彼女は息を乱しながら、どこからか取り出したフキンで、テーブルを手早く拭いた。
「そんなにいい女なんだ? 女王様は」
「……ああ」
あの方を思い浮かべるだけで、胸が締め付けられる。
お会いしたい。
たった一週間。
たった一週間離れていただけなのに。恋しくて恋しくてたまらない。
陛下はご健勝でいらっしゃるだろうか。
お食事や睡眠を、きちんと取られているだろうか。
新しい護衛騎士と、信頼関係を築けているだろうか。
ああ願わくば、新しい護衛騎士が巨乳ダイナマイトボディを好む男でありますように。
全くタイプでは無いという事でもなければ、大抵の男は陛下に恋心を抱いてしまうに違いないから。
「陛下は……絹糸のように真っ直ぐ伸びた金髪で。ガラス細工のように美しい碧眼で。誰よりあたたかなお心の持ち主なんだ。その微笑みは、まるで聖母のようで……。ただその場にいらっしゃるだけで、まばゆい程の光を放っておられるような……」
「ええと、レオ……話の途中で悪いんだけど……」
うっとりと語る俺の言葉を、遠慮がちに遮るジェニー。
「なんだ? 陛下の魅力を語りつくすにはまだまだ時間が――」
「いやだって……あそこに、今あんたが言った特徴にぴったりの女が、立ってるもんだから」
声を潜めるジェニーが指差した、食堂の入口へと目をやる。
絹糸のように真っ直ぐ伸びた金髪。ガラス細工のように美しい碧眼。聖母のような微笑み。
「へ……いか……?」
そこには、俺が恋い焦がれる、ローラ様がいらした。
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