71 / 105
ワンコが嬉しい時にしっぽを振るのは反射なのか故意なのか
しおりを挟む
「そうか、やはりハドソン君は君達の同期だったんだね」
「はい。あいつが医者だって事も、侍医一族の跡取りだって事も、俺は全然知ってました。レオと違って」
伯爵から明かされた、元同級生の素性には驚いたが――。
呆れたように俺を横目で見るアランの言葉に、驚きに拍車がかかる。
「知っていたなら、なぜ教えてくれなかったんだ、アラン……!」
「いや、クリスの家柄なんて話題になった事なかったし。そもそも、あいつの経歴とか家柄とか……騎士団で知らねぇの、お前位だからな? 超絶エリートで有名なクリス・ハドソンの存在自体覚えてなかった奴に言っても仕方ねえけど」
「そ、存在自体覚えてなかった? 同じ教室で青春を共にした、友人の事を……?」
若干引いたような目で、俺を見る伯爵。
なんだか自分が非常な人間だと言われているようで、必死に弁解したくなってしまう。
「違うんです伯爵! 俺はその……決して薄情だとか、常識や記憶力に乏しい人間というわけでは無く! 俺の頭はいつだって陛下の事でいっぱいで! ローラ様についてならば、どんな細かな事も記憶しています! 試しに、適当な日にちを言ってみて貰えますか?」
「え? 日にち?」
「俺がお会いした日であれば、陛下がどこで何をしていたか、完璧に答えられます!」
「うわ、気持ちワル……っ」
「気持ち悪くなど無い! 多忙な君主の行動や健康状態をご本人に代わり記憶しておくのは、護衛騎士の重要な仕事だ!」
「いやお前、護衛騎士になる前から陛下に関する記憶力は病的によかったじゃん。着ていたドレス、アクセサリーから、食事の内容まで……健康状態とやらに関係ねぇ事も全部覚えてて。俺は何度鳥肌が立ったことか」
「食事やお召し物が健康に関係ないだと? 呆れた! 本当にお前は無知だなアラン!」
グロテスクな昆虫を見るような視線を俺に向けるジェニーとアランに、全力で反論する。
「女性というのは食事や衣類によって、全身の浮腫み具合がまるで違ってくるんだ! 塩分と炭水化物の多いパスタを召し上がり、更に座りっぱなし立ちっぱなしの公務が続いた日の翌日なんてヒドイぞ!? 顔なんて瞼まで腫れて、二重の幅が変ってしまう程だ! それにウエストがキツめのドレスを着たりしたら……コルセットでうっ滞した水分が全て下半身に溜まって、靴が悲鳴をあげるのでは無いかという位、脚もパンパンになる! そういう日の陛下はすごく不機嫌なんだ! いや不機嫌と言っても、陛下は人間が出来ておいでだから、人に当たり散らすような真似はなさらないが! ヒールがカーペットに引っかかっただけで、舌打ちをなさって……それがまた、お傍に控えている俺にしか聞こえない位のささやかな、けれど何とも言え無いいやらしい音なんだよ! 陛下の小さなお口の中で、ねっとりとした官能的な舌が、どんな風に動いてあの音が出ているのかと思うと……それだけで俺はもう……!」
「伯爵、医療衛生の専門家として、クリス・ハドソンを迎え入れられないか……という質問でしたね? 私が代わりにお答えします」
なぜか顔を赤らめて俺の話を遮り、こちらを睨み付ける陛下。
おかしいな。今日は顔も足も浮腫んで無いし、さほどタイトなドレスも着ていらっしゃらないのに。どうして急にご機嫌ナナメになってしまったのか……。
「彼が協力してくれる可能性は低いと思うわ。クリスはレオに良い感情を持っていないらしいの。理由はわからないけれど……だから……」
「そうなのですか? それは……意外です。御父上同士は仲が良かったと聞いておりましたので……てっきり息子である君達も……」
「仲が良かった? 俺の父と、クリスの父親が、ですか?」
伯爵によって明らかにされた意外な交友関係に、少々くどめに確認をしてしまう。
「ああ。親交があったようだよ。聞いた事が無いかい? 君の母君が、いつまでも若すぎて心配……という理由で、医者にかかった事があると。その時、母君を診たのが先代のハドソン先生……クリス・ハドソン君の父君だよ。レノックス伯爵から相談を受けて、往診したらしい」
知らなかった。
父は親しい友人は必ずと言っていい程家族に紹介してくれていたのに。俺は、ハドソン侯爵に引き合わされた覚えが無い。
「伯爵はなぜそんな……息子の俺ですら知らなかった父の交友関係をご存知なのですか?」
「知らなかったぁ? また忘れてるだけなんじゃねえの?」
皮肉めいた笑みを浮かべながら、茶々を入れてくるアラン。しかし伯爵は、奴の推測に賛同せずに答えた。
「社交界で耳にした話だよ。生前は、お二人が親しい仲だとは知らなかったんだが……5年前の今頃、父君達が亡くなられた時、様々な情報が飛び交って。人が死ぬと、故人について語る人々が多くなるだろう? それで……」
「ちょっと待ってください、5年前って……クリスの父君も、俺の父と同時期に亡くなっているんですか?」
伯爵が、あまりにもサラリと言うものだから。俺もサラリと聞き流しそうになってしまったけれど。
元クラスメイトの父親が、実は俺の父と友人で、しかも同時期に死んでいる。
何とも気味が悪い偶然に、俺は思わず顔をしかめた。
しかし、この偶然は父達二人だけに限った事では無かったようで――
「あら偶然! あたしの母親が亡くなったのも5年前よ」
まず最初に会話に入り込んできたのはジェニー。
純粋に驚いている様子の彼女を見る限り、特に深い意味の無い発言だったのだろうが……彼女の言葉を聞いた同期の桜は、引きつった笑顔を浮かべた。
「……嘘だろ……俺の親父が死んだのも、ちょうど5年前だぜ……?」
静まり返る恵みの間。
反射的に見合う、俺とローラ様。
「……単なる偶然というには……出来過ぎているわね……」
「ええ。それに……陛下、彼らには死期以外にも共通点があります」
『共通点?』と、オウム返しをしながら首を傾げる陛下から視線を外し、俺はグランヴィル伯爵を見た。
何か重要な事を知っているけれど、言えない。そんな葛藤の滲ませながら、俺達のやりとりを見守っていた、彼の顔を。
「伯爵、教えて下さい。クリスの父上……ハドソン侯爵は、紅薔薇の受領者でしたか? 俺やアランの父……そしてジェニーの母君と同じように」
「――ああ。君の言う通りだ」
心なしか嬉しそうに頷く伯爵を見て――
俺は、『紅薔薇の秘密』とやらのしっぽに触れたような……確かな手ごたえを感じていた。
「はい。あいつが医者だって事も、侍医一族の跡取りだって事も、俺は全然知ってました。レオと違って」
伯爵から明かされた、元同級生の素性には驚いたが――。
呆れたように俺を横目で見るアランの言葉に、驚きに拍車がかかる。
「知っていたなら、なぜ教えてくれなかったんだ、アラン……!」
「いや、クリスの家柄なんて話題になった事なかったし。そもそも、あいつの経歴とか家柄とか……騎士団で知らねぇの、お前位だからな? 超絶エリートで有名なクリス・ハドソンの存在自体覚えてなかった奴に言っても仕方ねえけど」
「そ、存在自体覚えてなかった? 同じ教室で青春を共にした、友人の事を……?」
若干引いたような目で、俺を見る伯爵。
なんだか自分が非常な人間だと言われているようで、必死に弁解したくなってしまう。
「違うんです伯爵! 俺はその……決して薄情だとか、常識や記憶力に乏しい人間というわけでは無く! 俺の頭はいつだって陛下の事でいっぱいで! ローラ様についてならば、どんな細かな事も記憶しています! 試しに、適当な日にちを言ってみて貰えますか?」
「え? 日にち?」
「俺がお会いした日であれば、陛下がどこで何をしていたか、完璧に答えられます!」
「うわ、気持ちワル……っ」
「気持ち悪くなど無い! 多忙な君主の行動や健康状態をご本人に代わり記憶しておくのは、護衛騎士の重要な仕事だ!」
「いやお前、護衛騎士になる前から陛下に関する記憶力は病的によかったじゃん。着ていたドレス、アクセサリーから、食事の内容まで……健康状態とやらに関係ねぇ事も全部覚えてて。俺は何度鳥肌が立ったことか」
「食事やお召し物が健康に関係ないだと? 呆れた! 本当にお前は無知だなアラン!」
グロテスクな昆虫を見るような視線を俺に向けるジェニーとアランに、全力で反論する。
「女性というのは食事や衣類によって、全身の浮腫み具合がまるで違ってくるんだ! 塩分と炭水化物の多いパスタを召し上がり、更に座りっぱなし立ちっぱなしの公務が続いた日の翌日なんてヒドイぞ!? 顔なんて瞼まで腫れて、二重の幅が変ってしまう程だ! それにウエストがキツめのドレスを着たりしたら……コルセットでうっ滞した水分が全て下半身に溜まって、靴が悲鳴をあげるのでは無いかという位、脚もパンパンになる! そういう日の陛下はすごく不機嫌なんだ! いや不機嫌と言っても、陛下は人間が出来ておいでだから、人に当たり散らすような真似はなさらないが! ヒールがカーペットに引っかかっただけで、舌打ちをなさって……それがまた、お傍に控えている俺にしか聞こえない位のささやかな、けれど何とも言え無いいやらしい音なんだよ! 陛下の小さなお口の中で、ねっとりとした官能的な舌が、どんな風に動いてあの音が出ているのかと思うと……それだけで俺はもう……!」
「伯爵、医療衛生の専門家として、クリス・ハドソンを迎え入れられないか……という質問でしたね? 私が代わりにお答えします」
なぜか顔を赤らめて俺の話を遮り、こちらを睨み付ける陛下。
おかしいな。今日は顔も足も浮腫んで無いし、さほどタイトなドレスも着ていらっしゃらないのに。どうして急にご機嫌ナナメになってしまったのか……。
「彼が協力してくれる可能性は低いと思うわ。クリスはレオに良い感情を持っていないらしいの。理由はわからないけれど……だから……」
「そうなのですか? それは……意外です。御父上同士は仲が良かったと聞いておりましたので……てっきり息子である君達も……」
「仲が良かった? 俺の父と、クリスの父親が、ですか?」
伯爵によって明らかにされた意外な交友関係に、少々くどめに確認をしてしまう。
「ああ。親交があったようだよ。聞いた事が無いかい? 君の母君が、いつまでも若すぎて心配……という理由で、医者にかかった事があると。その時、母君を診たのが先代のハドソン先生……クリス・ハドソン君の父君だよ。レノックス伯爵から相談を受けて、往診したらしい」
知らなかった。
父は親しい友人は必ずと言っていい程家族に紹介してくれていたのに。俺は、ハドソン侯爵に引き合わされた覚えが無い。
「伯爵はなぜそんな……息子の俺ですら知らなかった父の交友関係をご存知なのですか?」
「知らなかったぁ? また忘れてるだけなんじゃねえの?」
皮肉めいた笑みを浮かべながら、茶々を入れてくるアラン。しかし伯爵は、奴の推測に賛同せずに答えた。
「社交界で耳にした話だよ。生前は、お二人が親しい仲だとは知らなかったんだが……5年前の今頃、父君達が亡くなられた時、様々な情報が飛び交って。人が死ぬと、故人について語る人々が多くなるだろう? それで……」
「ちょっと待ってください、5年前って……クリスの父君も、俺の父と同時期に亡くなっているんですか?」
伯爵が、あまりにもサラリと言うものだから。俺もサラリと聞き流しそうになってしまったけれど。
元クラスメイトの父親が、実は俺の父と友人で、しかも同時期に死んでいる。
何とも気味が悪い偶然に、俺は思わず顔をしかめた。
しかし、この偶然は父達二人だけに限った事では無かったようで――
「あら偶然! あたしの母親が亡くなったのも5年前よ」
まず最初に会話に入り込んできたのはジェニー。
純粋に驚いている様子の彼女を見る限り、特に深い意味の無い発言だったのだろうが……彼女の言葉を聞いた同期の桜は、引きつった笑顔を浮かべた。
「……嘘だろ……俺の親父が死んだのも、ちょうど5年前だぜ……?」
静まり返る恵みの間。
反射的に見合う、俺とローラ様。
「……単なる偶然というには……出来過ぎているわね……」
「ええ。それに……陛下、彼らには死期以外にも共通点があります」
『共通点?』と、オウム返しをしながら首を傾げる陛下から視線を外し、俺はグランヴィル伯爵を見た。
何か重要な事を知っているけれど、言えない。そんな葛藤の滲ませながら、俺達のやりとりを見守っていた、彼の顔を。
「伯爵、教えて下さい。クリスの父上……ハドソン侯爵は、紅薔薇の受領者でしたか? 俺やアランの父……そしてジェニーの母君と同じように」
「――ああ。君の言う通りだ」
心なしか嬉しそうに頷く伯爵を見て――
俺は、『紅薔薇の秘密』とやらのしっぽに触れたような……確かな手ごたえを感じていた。
0
あなたにおすすめの小説
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
【完結】愛人の子を育てろと言われた契約結婚の伯爵夫人、幼なじみに溺愛されて成り上がり、夫を追い出します
深山きらら
恋愛
政略結婚でレンフォード伯爵家に嫁いだセシリア。しかし初夜、夫のルパートから「君を愛するつもりはない」と告げられる。さらに義母から残酷な命令が。「愛人ロザリンドの子を、あなたの子として育てなさい」。屈辱に耐える日々の中、偶然再会した幼なじみの商人リオンが、セシリアの才能を信じて事業を支援してくれる。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
【完結】これは紛うことなき政略結婚である
七瀬菜々
恋愛
没落寸前の貧乏侯爵家の令嬢アンリエッタ・ペリゴールは、スラム街出身の豪商クロード・ウェルズリーと結婚した。
金はないが血筋だけは立派な女と、金はあるが賤しい血筋の男。
互いに金と爵位のためだけに結婚した二人はきっと、恋も愛も介在しない冷めきった結婚生活を送ることになるのだろう。
アンリエッタはそう思っていた。
けれど、いざ新婚生活を始めてみると、何だか想像していたよりもずっと甘い気がして……!?
*この物語は、今まで顔を合わせれば喧嘩ばかりだった二人が夫婦となり、紆余曲折ありながらも愛と絆を深めていくただのハイテンションラブコメ………になる予定です。
ーーーーーーーーーー
*主要な登場人物*
○アンリエッタ・ペリゴール
いろんな不幸が重なり落ちぶれた、貧乏侯爵家の一人娘。意地っ張りでプライドの高いツンデレヒロイン。
○クロード・ウェルズリー
一代で莫大な富を築き上げた豪商。生まれは卑しいが、顔がよく金持ち。恋愛に関しては不器用な男。
○ニコル
アンリエッタの侍女。
アンリエッタにとっては母であり、姉であり、友である大切な存在。
○ミゲル
クロードの秘書。
優しそうに見えて辛辣で容赦がない性格。常にひと言多い。
崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜
束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。
家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。
「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。
皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。
今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。
ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……!
心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。
婚約破棄された辺境伯令嬢ノアは、冷血と呼ばれた帝国大提督に一瞬で溺愛されました〜政略結婚のはずが、なぜか甘やかされまくってます!?〜
夜桜
恋愛
辺境の地を治めるクレメンタイン辺境伯家の令嬢ノアは、帝国元老院から突然の召喚を受ける。
帝都で待っていたのは、婚約者である若きエリート議員、マグヌス・ローレンス。――しかし彼は、帝国中枢の面前でノアとの婚約を一方的に破棄する。
「君のような“辺境育ち”では、帝国の未来にふさわしくない」
誰もがノアを笑い、見下し、軽んじる中、ひとりの男が静かに立ち上がった。
「その令嬢が不要なら、私がもらおう」
そう言ったのは、“冷血の大提督”と恐れられる帝国軍最高司令官――レックス・エヴァンス。
冷たく厳しい眼差しの奥に宿る、深い誠実さとあたたかさ。
彼の隣で、ノアは帝都の陰謀に立ち向かい、誇りと未来を取り戻していく。
これは、婚約破棄された辺境伯令嬢が、帝国最強の大提督に“一瞬で”溺愛され、
やがて帝国そのものを揺るがす人生逆転の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる