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日米の動物に関する法律の違いなど

日本とアメリカの里親会の違い

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 不幸な犬猫を増やさないために、ペットショップで犬猫を買わないで欲しい、できたら里親会や保健所に足を運んで欲しいと思っている。
 
そういう話を親しい友人といつもしている。そしてその友人が猫を里親会からもらうことになった。彼女は日本に住んでいる。何度もインターネットの里親会をチェックしていた。猫大好きな友人なので良かったねと喜びあった。

ところが1か月後ペットショップで子猫を買ったというのだ。

「え!もう里親会から連絡きたって言ってたじゃない?どうしたの?」ペットショップで買ったということにショックを受けながらも聞いてみた
 
「それがさあ……何回も連絡した後、家まで来られてこの玄関ではだめですって言われたの」
 
「え!?家の間取りのダメ出し??」

 
その女性は里親会に言われて大きな2段階建てのケージまで購入していた。その上で家まで調べに来たらしい。そして両開きの玄関が広く、脱走するからダメだと言われたそうなのだ。

私は心底驚いてしまった。

「もう(うちの子に)って何度も期待して、あげくに家まで来てだめって言われて、希望がなくなって……そんな時にふらっとペットショップに行っちゃったんだ。そうしたらかわいい子猫ちゃんと目があっちゃって……」

私はその女性を責めることはできない。何度も里親会のサイトを覗き、本当に猫を飼いたかったのを知っていたからだ。

日本の一部の里親会はすごく厳しいと聞いている。例えば独身男性はだめだとか年収の審査があったり、毎月写真とリポートを送るように言われたりするそうだ。

里親会で虐待目的で子犬子猫を手に入れていたケースもあるので、責任を感じるのだと思うが、私は動物を愛するやさしい(独身男性)を何人も知っているし、(年収が低く)てもペットにだけはお金を惜しまない人も知っている。

動物を守る目的なのに、あまりにも敷居が高いと逆効果だと思うのだが。

私たちは子猫を抱っこさせてもらっているときに観察されたくらいで家族構成や、ましてどんな家に住んでいるか聞かれなかった。

もしも「あなたの家を見せてほしい」と言われたら断っていたと思う。アメリカでは(他人)が家の中に入るということは考えられないことだからだ。

日本では反対に「家の中を見せられない、あげられないという人は信用できない」そうだ。私はここまでするのはやりすぎだと思う。

この里親会でも確かに数人断られていて、その人達は非常に怒っていた。でも私達の目から見ても子猫の扱いが乱暴でハラハラしていたので里親会のジャッジの目は正確だったのではないかと思った。

残念なことに動物に対しての責任感が薄い人も確かにいて、生まれた子犬や子猫を簡単に捨てたり、買ったけど大きくなったからと保健所に連れて行く話も何回も聞いたことがある。

小さくても命。大事にして欲しい。そして動物でも一緒に暮らせば家族なのだ。一生大事にしてほしいなと思う。

 
さて、友人の買った猫だがチンチラ(長毛種のねこ、夏はカットが必要)という種類だった。一緒のケージにいたベンガル(ヒョウ柄の人気種だが野性的で運動量も必要で食事も生食が望ましいと言われる)に餌を奪われてボーッとしているようなおとなしい性格だったそうだ。

日本に遊びに行った時にその子に会いに行ってきた。 人が来ると逃げるよと言われてたので覚悟していたが、私が猫好きだとすぐに見抜いたのかスッと近づいてきて甘える。
 
「か~~~かわいい~~~!!」チャチャだったらここで「ふしゃ~~!」なのに。そして挨拶が済むとトコトコ歩いて自分のケージに帰っていく。おもちゃではちょっと遊ぶけれどカーテンにかけのぼったりもしない。(これする子猫結構いる)家を見わたすと鳥かごやケージに入っているうさぎもいる。 

「ケージに飛び乗ってひっくり返したりしないの?」
「あはは、そんなことしたことないよ」

チャチャならする。絶対にする。カシオミニを掛けても良い(by動物のお医者さん) 
 
物が多く、お世辞にも片付いている家ではないのにいたずらをしないなんて。キッチンなんて宝の山(チャチャ目線)なのに。

そういう種類の猫だからではないと思う。いたずらっ子のチンチラもいる。猫にも性格があるのだ。


のら猫も里親に出された猫もペットショップの猫も、同じ命。

すべての猫達が幸せになれますようにと願っている。
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