エンド後勇者、奴隷たちに振られまくる総受け生活

極寒の日々

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33お土産

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帰宅後、セイレスの元へ駆けつける。
セイレスとクローエさんの住む三階の部屋は男子禁制なので、客間の一つに寝かされていた。
スヤスヤと心地良さそうな寝顔に安堵する。
そっと柔らかい髪を撫でると徐々に瞼が上がり美しい蒼の瞳が姿を覗かせる。

「マサキ…?」
「う、うん。た、ただいまセイレス」
「っ!お帰りなさい!」
「わ、わ!」

飛び起きて抱きついてきたセイレスを慌てて受け止める。

「セイ、良い子でお留守番してたよ」
「そ、そうみたいだな。で、でもお留守番の時は、ゆ、ゆったり、く、寛いで待っててくれると、た、助かる」
「やだ!だってマサキに早く会いたいもん!」

逃がさないとばかりにギュッと首を絞める力が強まる。
子供と侮ることなかれ。
結構力強くてちょっと焦る。

「そ、そうだ。や、約束通り、お、お土産買って来たから」
「お土産!」

セイレスの拘束がパッと解かれてホッとする。
買ってきた菓子の詰め合わせを渡すと蒼い瞳がより一層輝いた。

「わぁ綺麗!」

色とりどりのお菓子を両手で大切そうに持つセイレスに俺も嬉しくなる。

「も、もうすぐ夕飯だから、あ、明日食べような」
「うん、分かった!」

子供とは思えないほど聞き分けがいい。
良い子の返事をしたセイレスの頭を撫でると、小さな体を抱き上げる。

「じゃ、じゃあ、も、もう食堂に行って、ゆ、夕飯待ってようか」
「うん!」
「あ、お、お菓子、い、一旦置いてこようか」
「んーん。持ってく」

嬉しそうにお菓子の袋を抱えるセイレスを見ると、まぁいいかと思い直す。



食堂に行くとショーンとアル、それからクローエさんがくつろいでいた。
最近この3人でいるところをよく見る気がする。
クローエさんはセイレスの世話係をお願いしているが、セイレスは案外なんでも一人でこなせてしまうので手持ち無沙汰になることが多いらしい。
相変わらずセイレスはまったく俺以外の誰とも仲良くなろうとする気配がないので、クローエさんには世話をかけて申し訳ない。

「お、お姫様、良いモン持ってるな」

こちらに気付いたショーンが、セイレスの手に持つ菓子を見て気さくに喋りかけてきたがセイレスの方はさっと俺の胸に顔を埋めて喋る気がないアピールをしている。

「ひ、一人でお留守番できた、ご、ご褒美に買ってきたんだ」

セイレスの代わりに答えると、大して興味がなかったのかショーンは「ふーん」と気のない声を出した。

「そ、そうだ。ちょ、ちょっと待ってて…」

あることを思い出した俺はセイレスを席に下ろすと、食堂を出て自室に駆けこんだ。
そこに置かれたお菓子の詰め合わせ袋を掴むと、元来た道を戻る。
実はセイレスに買ったものと同じものをもう一つ買っていたのだ。

「お、お待たせ、こ、これ…」

持ってきたお菓子をショーンたちの前に差し出すと、3人はそれぞれ首を傾げた。

「クローエにプレゼントですか?」
「いやだわマサキ様ったら。私、子供じゃないですわ」

頬を染めて可憐に笑うクローエに、自分が誤解させたことを悟って焦る。

「ち、違…ご、ごめん。ま、紛らわしかった。こ、これは、ア、アルに…」
「俺!?」

自分宛てだとは思ってもみなかったらしいアルは目を見開いて固まっている。

「いや、なんでアルなんすか?」

ショーンが意味が分からないとばかりに不審げに問う。

「ア、アルは、あ、甘いもの、す、好きだから。ま、まだオープンしたばかりの、み、店だから、た、多分アルも食べたことないと思って」

実はアルはまだ10代だ。
普段はショーンと二人で楽しそうにしているので忘れそうになるが、貧しい家族の為に身売りして奴隷になった経緯があり、それまで甘い物をほとんど食べたことがなかったらしい。
そんな経緯からアルは甘い物が好きらしいとショーンとの会話を盗み聞きして知っている。

あの店に行った時に、セイレスの顔と同時にアルの顔も自然と浮かんだ。
今までだったらこんな贈り物をして下心を疑われたらどうしようと疑心暗鬼になっていたが、セイレスがあまりに素直に喜んでくれるので勇気が出た。
ジョフィルにはどうせ嫌われている自覚があるし、今更俺がジョフィル相手に下心を持つなんて思わないだろうから気軽にウイスキーを贈っていたけど。
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