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60みんなのヒーロー
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「その差出人はもしや勇者パーティのメンバーでいらっしゃる…?」
おずおずと尋ねてくるジョフィルの質問に大きく頷く。
勇者パーティは俺を含めて全部で4人。
どうやらそのうちの二人からの手紙らしい。
「か、格闘家のドレイクと、せ、聖女のクラリスだ」
ドレイクはパーティのタンク役で、クラリスは回復役だった。
あと一人は剣士で、俺は主に魔術を使いつつ剣も使うって感じでなかなかバランスのいいメンバーだったなと今にして思う。
コミュ障な俺なので二人と気安い関係こそ気付けなかったが、やはり命を預けて共に戦った仲間意識は芽生えている。
パーティ解散以降、初めての手紙に心躍り勢いよく封を切る。
「あ、あ、す、凄い! ふ、二人は結婚するらしい…!」
衝撃のニュースに思わず声をあげてしまった。
中身は結婚式の招待状だ。
「…!? それは素晴らしい知らせですね!」
「う、うん…!」
勇者パーティは各国の実力者が選出されておりそれぞれ知名度も人気も抜群にある。
その二人が結ばれるというビッグニュースにジョフィルも珍しくテンションが高い。
「ではマサキ様も実はお二人の関係はご存じだったのですよね」
「う…?」
「いえ、分かっております。今まで私に教えていただけなかったのも仕方ない事です。お仲間お二人ともにしがらみの多い上流貴族です。しかも聖女であるクラリス様は男性とお付き合いされているなど教会が良い顔をするはずがございません。気軽に第三者に喋ることは許されませんよね」
ジョフィルの言葉を聞いて喜ばしい気持ちに小さな穴が開く。
実は俺も二人の関係は全然知らなかったからだ。
むしろ二人はいつもケンカしているから仲が悪いと思っていたくらいだ。
「仲間であるマサキ様はお二人の秘密を守るために固く口を閉ざされていたのですよね」
「う…」
言われてみればパーティを解散してからこの招待状が届くまで、二人から一度も連絡を貰ったことはない。
いや、それを責めているわけではない。
元々この世界で生活している彼らは忙しいのだから、大した用事もないのに俺ごときが連絡しては迷惑だろう。
そんな卑屈な理由でこちらだって連絡していなかったのだから仕方のない事だ。
でも、でもさ、ちょっとくらいこっそり教えてくれたりさ…。
俺ってもしかして仲間から嫌われていたりしないよね…??
「マサキ様?」
「ハッ! な、なんでもない! い、いやぁ、め、めでたい。お、お祝い何にしよう」
ちょっとセンチメンタルな気分になりかけていた思考を振り払う。
そうだ、ちゃんと招待状を貰ったんだから、ドレイクとクラリスも俺の事を忘れ去ってしまったわけじゃないよな。
そう思って改めて招待状の中身を確認すると―――
「こ、これ…式の日、い、一週間前だ…も、もう終わってる…」
「は? しかし先ほど届いた物ですよ?」
つまりどういうことだろう。
……まさか俺のことを忘れられてて最近招待状を発送したとかないよな。
一度マイナスな思考になってしまうとそれに囚われてしまう。
いや、違う。
この世界では国外の郵便物となると届くのに半年以上かかる場合もあるんだ。
きっと配達側の事情に決まっている。
一週間前に有名人二人が結婚式をあげても、ネット環境なんてあるはずがない遠いこの国まで噂が届くのに時間がかかる。
だからせめて噂を耳にする前にこうして手紙で知ることが出来て幸いだったと思うことにしよう。
そう自分を納得させた時であった。
「マ、マサキ様! 客です!お客さんです!」
俺の部屋に飛び込んできたアル。
先ほど仕事を再開させたばかりなのにもう戻ってきた。
興奮した様子で顔が紅潮している。
そんな彼にジョフィルが不快そうに顔を歪める。
「なんですか騒々しい。ノックはマナーの基本ですよ」
「それどころじゃないっす!あの“白光の守護騎士フェリクス・レイス”がこの屋敷に来てるんです!」
「あ、あ、フェ、フェリクス。ひ、久々だなぁ」
懐かしい二つ名に苦笑しつつ頷くと、アルが信じられないと目を見開いた。
「それだけ!?ありえねぇ!」
批難がましいアルに肩をすくめる。
このフェリクスというのは勇者パーティの最後の一人である。
昔、アルを引き取ってすぐの頃、やはり文字を覚えていない彼の為に子供用の絵本を贈った。
それがフェリクスの物語だった気がする。
フェリクスは眉目秀麗、頭脳明晰、品行方正。
強くて最高にカッコいいみんなのヒーローとして、この世界のフェリクス人気は凄まじい。
特に男児みんなの憧れの人と言っても過言ではなく、俺は勇者なのに彼の影に隠れて存在そのものをあまり知られていなかったりする。
おずおずと尋ねてくるジョフィルの質問に大きく頷く。
勇者パーティは俺を含めて全部で4人。
どうやらそのうちの二人からの手紙らしい。
「か、格闘家のドレイクと、せ、聖女のクラリスだ」
ドレイクはパーティのタンク役で、クラリスは回復役だった。
あと一人は剣士で、俺は主に魔術を使いつつ剣も使うって感じでなかなかバランスのいいメンバーだったなと今にして思う。
コミュ障な俺なので二人と気安い関係こそ気付けなかったが、やはり命を預けて共に戦った仲間意識は芽生えている。
パーティ解散以降、初めての手紙に心躍り勢いよく封を切る。
「あ、あ、す、凄い! ふ、二人は結婚するらしい…!」
衝撃のニュースに思わず声をあげてしまった。
中身は結婚式の招待状だ。
「…!? それは素晴らしい知らせですね!」
「う、うん…!」
勇者パーティは各国の実力者が選出されておりそれぞれ知名度も人気も抜群にある。
その二人が結ばれるというビッグニュースにジョフィルも珍しくテンションが高い。
「ではマサキ様も実はお二人の関係はご存じだったのですよね」
「う…?」
「いえ、分かっております。今まで私に教えていただけなかったのも仕方ない事です。お仲間お二人ともにしがらみの多い上流貴族です。しかも聖女であるクラリス様は男性とお付き合いされているなど教会が良い顔をするはずがございません。気軽に第三者に喋ることは許されませんよね」
ジョフィルの言葉を聞いて喜ばしい気持ちに小さな穴が開く。
実は俺も二人の関係は全然知らなかったからだ。
むしろ二人はいつもケンカしているから仲が悪いと思っていたくらいだ。
「仲間であるマサキ様はお二人の秘密を守るために固く口を閉ざされていたのですよね」
「う…」
言われてみればパーティを解散してからこの招待状が届くまで、二人から一度も連絡を貰ったことはない。
いや、それを責めているわけではない。
元々この世界で生活している彼らは忙しいのだから、大した用事もないのに俺ごときが連絡しては迷惑だろう。
そんな卑屈な理由でこちらだって連絡していなかったのだから仕方のない事だ。
でも、でもさ、ちょっとくらいこっそり教えてくれたりさ…。
俺ってもしかして仲間から嫌われていたりしないよね…??
「マサキ様?」
「ハッ! な、なんでもない! い、いやぁ、め、めでたい。お、お祝い何にしよう」
ちょっとセンチメンタルな気分になりかけていた思考を振り払う。
そうだ、ちゃんと招待状を貰ったんだから、ドレイクとクラリスも俺の事を忘れ去ってしまったわけじゃないよな。
そう思って改めて招待状の中身を確認すると―――
「こ、これ…式の日、い、一週間前だ…も、もう終わってる…」
「は? しかし先ほど届いた物ですよ?」
つまりどういうことだろう。
……まさか俺のことを忘れられてて最近招待状を発送したとかないよな。
一度マイナスな思考になってしまうとそれに囚われてしまう。
いや、違う。
この世界では国外の郵便物となると届くのに半年以上かかる場合もあるんだ。
きっと配達側の事情に決まっている。
一週間前に有名人二人が結婚式をあげても、ネット環境なんてあるはずがない遠いこの国まで噂が届くのに時間がかかる。
だからせめて噂を耳にする前にこうして手紙で知ることが出来て幸いだったと思うことにしよう。
そう自分を納得させた時であった。
「マ、マサキ様! 客です!お客さんです!」
俺の部屋に飛び込んできたアル。
先ほど仕事を再開させたばかりなのにもう戻ってきた。
興奮した様子で顔が紅潮している。
そんな彼にジョフィルが不快そうに顔を歪める。
「なんですか騒々しい。ノックはマナーの基本ですよ」
「それどころじゃないっす!あの“白光の守護騎士フェリクス・レイス”がこの屋敷に来てるんです!」
「あ、あ、フェ、フェリクス。ひ、久々だなぁ」
懐かしい二つ名に苦笑しつつ頷くと、アルが信じられないと目を見開いた。
「それだけ!?ありえねぇ!」
批難がましいアルに肩をすくめる。
このフェリクスというのは勇者パーティの最後の一人である。
昔、アルを引き取ってすぐの頃、やはり文字を覚えていない彼の為に子供用の絵本を贈った。
それがフェリクスの物語だった気がする。
フェリクスは眉目秀麗、頭脳明晰、品行方正。
強くて最高にカッコいいみんなのヒーローとして、この世界のフェリクス人気は凄まじい。
特に男児みんなの憧れの人と言っても過言ではなく、俺は勇者なのに彼の影に隠れて存在そのものをあまり知られていなかったりする。
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