59 / 72
59手紙
しおりを挟む
「そ、それで、は、話ってなんだ?」
ようやく本題を切り出すと丁度食べ終わったアルがフォークを置いた。
「実は…最近ショーンの様子がおかしいんです。なんか妙に思い詰めてるっていうか、ぼんやりしてる時も多いし、この前もほら、あの変態を殺そうとしたり…とにかく情緒が不安定なんです」
ショーンのことか。
確かにあの時のショーンの凶暴性には目を見張ったな。
結局あれからデイビッドはショーンを怖がって今でも避けている節がある。
「ショーンも根は悪い奴じゃないんです。俺もショーンにはかなり世話になったし」
ショーンはなんだかんだ言いつつテディに付き纏われても相手をしている気がする。
筋トレについてアドバイス貰ったと嬉しそうにしているテディを見たこともある。
俺以外には結構優しいところがあるのは確かだ。
「だから今度は俺がショーンの力になりたいって思ってるのに、あいつ何も話してくれないんだ」
悔しそうに俯くアルを見るとこちらも何か出来ないかという思いが湧いてくる。
「…ふむ」
アルの話を聞いたジョフィルが少し考えて口を開いた。
「最近ショーン宛の手紙が増えている気がしますね。先日も届いた手紙を渡すと顔色が悪くなったような…」
「お、送り主は…?」
「あまり気にしておりませんでしたが、確か無記名だったと思います」
ショーンに届く謎の手紙か…。
「何かトラブルに巻き込まれてるのかも。マサキ様、一度ショーンと話してくれませんか?もしかしたらマサキ様だったらあいつも喋るかもしれません」
「も、もちろん、き、聞いてみるけど、ア、アルにも打ち明けてくれないことを、お、俺なんかに喋ってくれるかな?」
「普段マサキ様に舐めた口きいてますけど、ショーンは本当はマサキ様のこと…すげぇ好きだと思います」
「そ、それはない」
アルが突拍子もないことを言うので思わず真顔で返してしまう。
「た、多分、ショ、ショーンは俺のこと、き、嫌いだと思う」
「それは…そうですね」
まさかの肯定が返ってきた。
自分で言っといてなんだがちょっとへこむ。
「マサキ様のことは…俺も大嫌いです」
「ぐふっ…!」
「たまに衝動的に憎くて堪らなくなります…」
「がはっ…!」
なにこれなにこれ?
ショーンについて心配していると思ったら、なんで俺を口撃してんのこの子?
思わぬダメージをノーガードで受けた俺は血反吐を吐いてしまいそうだった。
「セイはマサキのこと大大大好きだよ!」
隣に座るセイレスが大きな声で告白してくれる。
「セ、セイレス!お、俺もセイレスが大好きだ!」
セイレスの言葉が傷付いた俺の心を万能薬のように浄化していく。
感激でセイレスを抱き上げると、ご機嫌な猫のように目を細めてこちらに擦り寄るセイレスが堪らなく可愛い。
「ごほん」
しばらく抱き合っていたが、ジョフィルがわざとらしく咳払いをしたので仕方なく離れる。
そんな底冷えする視線を向けなくてもいいじゃないか。
「はは、そういうところなんだよなぁ…」
アルに呆れた半笑いで言われても、どういうところなのかサッパリ分からない。
「でも嫌いだからって、好きが存在しないわけじゃないんです。むしろ逆。大好きだからこそマサキ様の一挙手一投足が気になって仕方ないのに、マサキ様はこっちのことなんて全然気にも留めず他の奴らにデレデレしてっ!こんなの殺意沸かないわけがないじゃないですか!」
途中から興奮した様子で語るアル。
その言葉に圧倒されていると、それを見たアルはハッとした後気まずそうに視線を逸らした。
「あくまで俺が想像するショーンの心情です。俺が思ってるわけじゃないですからね」
「う、うん」
「じゃ、じゃあ俺は仕事残ってるんでこれで。ショーンの件、よろしくお願いします」
そのままそそくさと出て行ったアルをしばらく見つめ、ショーンの件に思考を移す。
よく考えると俺はショーンについてあまり知らない。
あんな感じだから近寄り難いってのもあるが、昔からショーン自身が自分のことを語りたがらない気がする。
「ジョ、ジョフィルはどう思う?」
ジョフィルも俺と同じだけショーンと付き合いがある。
何か俺の知らないショーンを知っていたりしないかな。
「そもそもショーンに興味ありませんからねぇ。放っておけば良いかと」
「そ、そういうわけにもいかないよ」
ジョフィルは安定してジョフィルだな。
昔から二人は相性が悪そうだ。
「と、とりあえず手紙の件を、さ、さりげなく切り出してみるかな」
「ああ、そうだ。手紙と言えば」
スーツの胸元から何かを取り出してこちらに差し出すジョフィル。
「先ほどマサキ様宛てにお手紙が届きました」
「あ、ありがとう」
白い封筒を受け取り裏返して差出人を確認する。
ドレイク・グレンデール
クラリス・フォン・ローゼン
「う、うわぁ!ひ、久々だな…」
連名になっている差出人の名前を見て思わず興奮する。
それはかつて命を預け合った仲間たちの名前だった。
ようやく本題を切り出すと丁度食べ終わったアルがフォークを置いた。
「実は…最近ショーンの様子がおかしいんです。なんか妙に思い詰めてるっていうか、ぼんやりしてる時も多いし、この前もほら、あの変態を殺そうとしたり…とにかく情緒が不安定なんです」
ショーンのことか。
確かにあの時のショーンの凶暴性には目を見張ったな。
結局あれからデイビッドはショーンを怖がって今でも避けている節がある。
「ショーンも根は悪い奴じゃないんです。俺もショーンにはかなり世話になったし」
ショーンはなんだかんだ言いつつテディに付き纏われても相手をしている気がする。
筋トレについてアドバイス貰ったと嬉しそうにしているテディを見たこともある。
俺以外には結構優しいところがあるのは確かだ。
「だから今度は俺がショーンの力になりたいって思ってるのに、あいつ何も話してくれないんだ」
悔しそうに俯くアルを見るとこちらも何か出来ないかという思いが湧いてくる。
「…ふむ」
アルの話を聞いたジョフィルが少し考えて口を開いた。
「最近ショーン宛の手紙が増えている気がしますね。先日も届いた手紙を渡すと顔色が悪くなったような…」
「お、送り主は…?」
「あまり気にしておりませんでしたが、確か無記名だったと思います」
ショーンに届く謎の手紙か…。
「何かトラブルに巻き込まれてるのかも。マサキ様、一度ショーンと話してくれませんか?もしかしたらマサキ様だったらあいつも喋るかもしれません」
「も、もちろん、き、聞いてみるけど、ア、アルにも打ち明けてくれないことを、お、俺なんかに喋ってくれるかな?」
「普段マサキ様に舐めた口きいてますけど、ショーンは本当はマサキ様のこと…すげぇ好きだと思います」
「そ、それはない」
アルが突拍子もないことを言うので思わず真顔で返してしまう。
「た、多分、ショ、ショーンは俺のこと、き、嫌いだと思う」
「それは…そうですね」
まさかの肯定が返ってきた。
自分で言っといてなんだがちょっとへこむ。
「マサキ様のことは…俺も大嫌いです」
「ぐふっ…!」
「たまに衝動的に憎くて堪らなくなります…」
「がはっ…!」
なにこれなにこれ?
ショーンについて心配していると思ったら、なんで俺を口撃してんのこの子?
思わぬダメージをノーガードで受けた俺は血反吐を吐いてしまいそうだった。
「セイはマサキのこと大大大好きだよ!」
隣に座るセイレスが大きな声で告白してくれる。
「セ、セイレス!お、俺もセイレスが大好きだ!」
セイレスの言葉が傷付いた俺の心を万能薬のように浄化していく。
感激でセイレスを抱き上げると、ご機嫌な猫のように目を細めてこちらに擦り寄るセイレスが堪らなく可愛い。
「ごほん」
しばらく抱き合っていたが、ジョフィルがわざとらしく咳払いをしたので仕方なく離れる。
そんな底冷えする視線を向けなくてもいいじゃないか。
「はは、そういうところなんだよなぁ…」
アルに呆れた半笑いで言われても、どういうところなのかサッパリ分からない。
「でも嫌いだからって、好きが存在しないわけじゃないんです。むしろ逆。大好きだからこそマサキ様の一挙手一投足が気になって仕方ないのに、マサキ様はこっちのことなんて全然気にも留めず他の奴らにデレデレしてっ!こんなの殺意沸かないわけがないじゃないですか!」
途中から興奮した様子で語るアル。
その言葉に圧倒されていると、それを見たアルはハッとした後気まずそうに視線を逸らした。
「あくまで俺が想像するショーンの心情です。俺が思ってるわけじゃないですからね」
「う、うん」
「じゃ、じゃあ俺は仕事残ってるんでこれで。ショーンの件、よろしくお願いします」
そのままそそくさと出て行ったアルをしばらく見つめ、ショーンの件に思考を移す。
よく考えると俺はショーンについてあまり知らない。
あんな感じだから近寄り難いってのもあるが、昔からショーン自身が自分のことを語りたがらない気がする。
「ジョ、ジョフィルはどう思う?」
ジョフィルも俺と同じだけショーンと付き合いがある。
何か俺の知らないショーンを知っていたりしないかな。
「そもそもショーンに興味ありませんからねぇ。放っておけば良いかと」
「そ、そういうわけにもいかないよ」
ジョフィルは安定してジョフィルだな。
昔から二人は相性が悪そうだ。
「と、とりあえず手紙の件を、さ、さりげなく切り出してみるかな」
「ああ、そうだ。手紙と言えば」
スーツの胸元から何かを取り出してこちらに差し出すジョフィル。
「先ほどマサキ様宛てにお手紙が届きました」
「あ、ありがとう」
白い封筒を受け取り裏返して差出人を確認する。
ドレイク・グレンデール
クラリス・フォン・ローゼン
「う、うわぁ!ひ、久々だな…」
連名になっている差出人の名前を見て思わず興奮する。
それはかつて命を預け合った仲間たちの名前だった。
1,096
あなたにおすすめの小説
落としたのは化粧じゃなく、みんなの心でした
444
BL
『醜い顔…汚らしい』
幼い頃、実母が病気によって早くに亡くなった数年後に新しい義母からそう言われたシリルは、その言葉が耳に残って16歳となった今も引きずっていた。
だが、義母のその言葉は真っ赤な嘘でシリルはとても美しかった。ただ前妻の息子であるシリルに嫉妬した結果こぼした八つ当たりの言葉であったのをシリルは知らずに、義母のいう醜い顔を隠すために化粧をする。
その結果、彼は化粧によって本当に醜い顔になってしまった。そんな彼が虐げられながらも徐々に周囲を絆す話
暴力表現があるところには※をつけております
妖精です、囲われてます
うあゆ
BL
僕は妖精
森で気ままに暮らしていました。
ふと気づいたら人間に囲まれてました。
でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。
__________
妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精
なんやかんやお互い幸せに暮らします。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。
また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
幼馴染がいじめるのは俺だ!
むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに...
「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」
「はっ...ぁ??」
好きな奴って俺じゃないの___!?
ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子
ーーーーーー
主人公 いじめられっ子
小鳥遊洸人
タカナシ ヒロト
小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。
姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。
高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、
脳破壊。
千透星への恋心を自覚する。
幼馴染 いじめっ子
神宮寺 千透星
ジングウジ チトセ
小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。
美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている)
転校生の須藤千尋が初恋である
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜
小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」
魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で―――
義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる