エンド後勇者、奴隷たちに振られまくる総受け生活

極寒の日々

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62 イカれたメンバーを紹介するぜ

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「まったくまったく」と鼻息荒く、いかに俺の生活能力が終わっているかを嬉々として語るジョフィル。
別に元の世界では一人暮らしだったし、魔法が使えるこちらの世界の方が家事スキルは上がっている気がする。
俺は自活出来ると思うと反論したいが、絶好調で喋り続けるジョフィルに口を挟める隙がない。
フェリクスも様子のおかしいジョフィルに首を傾げつつも見守っている。


「マサキこれから予定は?」
「べ、別にない」

これからセイレスと夕飯までゴロゴロしたりダラダラしたりしか予定はない。
そんな日常だからフェリクスにも注意されるのかもな。

「だったらドレイクとクラリスへの結婚祝いを探しに行かないか? 贈るだろ?」
「い、いいなそれ」

式に参加出来なかったからせめて贈り物はしたい。

「あ、あ、じゃ、じゃあ、セ、セイレスも一緒にいい?」

きっと勝手に出掛けたらいじけてしまう。
フェリクスにも会わせたかったし丁度いい。

「セイレスって…エルフの少女?」
「ん? セ、セイレスのこと、い、言ったっけ?」
「いや、でも勇者が奴隷になっていたエルフの少女を助けたって噂話をさっき街で聞いた。
それになんとかって言う男爵をその時に捕縛したらしいじゃないか。珍しく権力を行使したんだろ? さっき領主に挨拶に言った時に報告されたよ。素行の悪い貴族だったがギルドの利権に深く絡んで手出し出来ずに困っていたから、勇者が動いてくれて助かったって喜んでたよ」

領主に挨拶までしてたのか。
フェリクスは大国の大貴族の子息らしく、何かとしがらみも多いようだ。
大変だな。

「う、うん。フェ、フェリクスにも紹介したい」
「俺も是非会いたいね」

ということで二人でセイレスが待つ部屋に移動することに。

「そうだ! そのいきだ!デイビッドなら出来るぞぉぉ! きっと立派な奴隷になれる! ご主人様に踏みつけにして貰える日も近いぞ!」
「はい!頑張ります!」
「俺も腕立てで応援している!ふんふん!」
「はい!ありがとうございます!」

応接室を出るとテディとデイビッドが廊下で騒いでいた。

「うぉぉ! 唸れ俺の筋肉ぅぅ!」

テディは本当に元気になったなぁ。
やつれ死にそうだったとは思えない。
でもちょっと元気すぎるかな…。

「ふ、二人とも、も、もうちょっと静かにしような」
「ご主人様…!」
「マサキ様…!」
「見てください俺の筋肉!また少し成長したんです!」
「マサキ様…どうか私を罰してくださいませんか…ハァハァ…役立たずな私めは床掃除もまともに出来ません。どうぞ踏みつけでも鞭打ちでもお好きに!」
「こらっ!半人前が図々しいぞ! 俺もまだ未経験なのにっ!性奴隷の座は渡さん!」

だからうるさいって。
背後でフェリクスが引いているのを感じる。

「マサキ…彼の首に隷属の首輪が付いているように見えるんだが? まさか君…」
「ご、ご、ごか、誤解だから!そ、その首輪は、デ、デイビッドが、じ、自分で付けたものだからっ!」
「奴隷を好んで飼う者はみんなそんな世迷言を言うんだ。それに隣の彼も性奴隷とかなんとか言ってなかったか?」

じっとりとしたフェリクスの視線が俺に突き刺さる。

「テ、テディの首輪は、は、外してるし、デ、デイビッドの首輪は、ま、魔力を通してない。デ、デイビッドは、そ、そもそも、ど、奴隷じゃないんだ」
「そうですお客様、誤解です」

俺がフェリクスから責められているのを見て、テディからフォローの頷きが入る。

「こんな半人前のデイビッドがご主人様の奴隷なんて栄誉を頂けるわけがありません。デイビッドは俺の偽物のご主人様でしたが、今は反省してただの使用人として、奴隷を目指して一から修行しています」
「???」

フェリクスの頭にハテナマークが浮かんでいるのが分かる。
うん、そりゃあ分かる訳がないが、俺もあまり説明はしたくないな。
正直彼らの思考は俺もあまり理解していない。


「あの…」

おずおずと言った感じで声がかけられる。
振り返るとそこにはアルがいた。

「ど、どうした?」
「白光の守護騎士にサインを貰いたくて」

胸に絵本を抱えていることに気づく。
俺が昔アルにあげたものだ。

「ん?サインか?もちろんいいよ」

理解できないものから気をそらせることに安堵したように微笑むフェリクス。

「どこに書けばいい?」
「こ、これに…」

差し出された絵本を受け取るとサラサラと慣れた様子でサインを書いていく。

「この本、随分読み込んでいるね」

目をきらめかせて見守るアルにそれを返す前に改めて絵本を見るフェリクス。
確かに絵本は何度も開いた形跡があってボロボロだ。

「はい…凄く面白いので…」

アルがモジモジしながら返事をする。
こんなアル初めてみたな。
俺には半目の薄ら笑いしか見せてくれないのに。

「良かったら新しい本をプレゼントしようか?」
「いえ、この本じゃないと意味がないので」

本を受け取ったアルは嬉しそうにギュッと胸に抱え込む。

「そうか。よほど大切なんだね」
「はい」

にこやかに頷いた後、俺と目が合ってハッと息をのんだ。
そしてみるみるうちに顔が真っ赤になる。

「違うから!そうじゃねぇから!」

突然叫んだかと思えばそのまま走り出してしまった。
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