ツインデッド・オルド・オール 20XX年

赤沼 夜

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第12話 レイラ・リーニー

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 大きな部屋の中央に透明な四角いケースが置いてある。中には薄緑色の液体が入っており、フリルが沢山付いた、ロリータ衣装を纏った少女が浮いている。身体数箇所にプラグが伸びている。
 少女が目を開けると、透明な四角いケースが半分に開いて、液体が周りに飛び散った。
 少女は立ち上がって、びしょ濡れになった衣装のまま歩き出した。
 黒い壁、黒い床、誰もいない廊下をとぼとぼ歩いていると、

「ーーレイラ・リーニー様!!」

 使用人が慌てた様子で駆けつけた。

「起きたばかりなのに、そんなすぐに歩いても大丈夫なのですか!?」
「大丈夫だから、歩いているのよ」
「ですが……」
「私が大丈夫だと言ってるのよ?」

 ある人が珍しく、この館に来ていると聞いて、いてもたってもいられなかった。
 階段を上り、扉を開けると、赤い絨毯が目に入り、次に木の壁が目に入る。
 ここは館、一見普通の館に見えるが、地下に行くと、実験をするための研究所になっている。
 更衣室で使用人に着替えをしてもらい、指定された部屋に向かった。

「目を覚ましたか」

 扉を開けて部屋に入ると、薄紫色の髪、赤い瞳、青白い肌の男性、支配者がソファに座っていた。ソファが2つ向かい合うように置いてあり、その真ん中にテーブルがある。壁には額縁に入った絵が飾れており、壺なども飾っていた。
 私にはそれらの価値は分からない、あってもなくてもどうでもいいと思っている。
 
「貴方が私を呼んだんですよね」
「そろそろ、リーアの近況を聞きたい時なんじゃないかって思ってね。」
「え!? お姉様の方ですよね」

 赤い髪を靡かせて、両手をグーに握って前のめりな体勢で笑顔を見せた。

「ほら、映像だ」

 支配者は空中に表示させてたウィンドウから動画ファイルを掴んで、少女に向かって投げた。
 それを慌てて受け取り、自分の開いたウィンドウに挿入した。

「これは……」

 少女は口に手を当てながら、その映像を眺めている。

「どうだい、楽しそうだろう?」

 映像ではリーアと知らない男性が京都の観光名所を回っている様子が写っている。
 
「質問があります。このお姉様の隣に居座っている黒い色の生き物はなんですか?」
「黒いやつはリーアが会いたいとか言ったから、合わせてあげたのさ」
「お姉様が!?」
「そっちじゃない方が」
「それならどうでもいいのですが、人と交流が無いに等しい状況で明らかに私達と会うことの無さそうなものとどうやってお逢いたいとなったのですか?」
「ほら、電脳空間だ」
「あー、あの、実験中のやつですか」
「そこで仲良くなったみたいだ」
「どうでもいいです。とりあえず私も京都に行かせてください」
「この3人目の少女とか気にならないか?」
「どうでもいいです。行かせてください」

 支配者は髪をかきあげながら、ソファを立ち上がって、少女に背を見せた。
 私には支配者が何を求めているのかわかっていた。

「分かりました。お望みの強化実験を私に施してください」
「それを聞きたかった。詳細は爺さんに言っておく」

 ガチャリとドアが閉まった。部屋の中に静寂か訪れた。少女はテーブルを掴んで窓に向かって思いっきり投げた。パリンッとガラスが割れる音が響く。

「お姉様……私を置いて行かないで」

 ーーー

「疲れましたーー」
「なら、そこで寝てればいいわよ」
「待ってくれるのでしょうでごさるのか?」

 変な口調で勝手に着いてきているこの人は、金髪で碧眼の美少女だ。
 英語を話しているときは普通だったのだが、俺が日本人だと知ると、どこで覚えたのか知らないが、日本語を話し始めて、変な口調で話すようになった。

「秋に京都に来れて良かったな」

 紅葉で彩られた景色を眺めながら言った。

「清水寺とか金閣寺とか、写真とかはネット上で見た事はあったが、まさか直接見れるとは思っていなかった」
「そうね。私もビックリしているわ、自然がこんな広がっている場所は初めて来たわ」

 東京などは任務で行く機会があるが、京都は犯罪ゼロを目指している為、警備が固く、他の県に応援要請するほどのことは起きない。
 東京には東京防衛隊があったが、京都にも似たようなものがあり、新撰組を想起するような、和服に刀を装備しており、メンバーが殆ど日本人で構成されている。見た目は和服だが、銃弾を弾き、刃を通さないという噂があり、素材に布を使っていない可能性があるらしい。

「なんだか、甘いものか食べたくなってきたわ」
「さっきも何回も食べてただろ?」
「食べたいのだから、食べるわ」
「わかった」

 どうせお金を払うのはリーアたのだから、俺には関係は無い。
 空中にウィンドウを表示させた。今俺達がいる場所は、五重塔が見える場所にいる。ここから近くのスイーツがある場所となると、ここくらいか。

「見つけたが、パフェとかクレープとかどちらかと言うば洋菓子だがいいのか?」
「デザートだったらなんでいいわ」
「あたしは今辛いものが食べたいわーー」

 お店に入ると、どうやら2階でも食べれる場所みたいだ。買ってきたスイーツを持って2階に移動した。窓の前にはカンター席みたいになっており、五重塔を眺めながら食べれるようになっていた。

「やっぱり、甘いものは良いわ。心が穏やかな気分にさせてくれもの」

 リーアは景色をにめもくれず、スイーツを頬張っている。
 俺は別に甘いもが嫌いじゃない、なんなら、お金はリーアが払ってくれる為、食べれるうちにと思い食べていたが、流石に1日に何個も食べていたら、食べたくなくなってきた。

「あら、食べないのかしら?」
「そうなるな」
「なら、食べなさい」

 リーアは金髪の方にスイーツを渡した。

「しかねぇ、食べてやるぜい!!」

 金髪は肉でも食っているのかと思うほど、激しく手と口を動かしながら食べている。
 
「次はどうする?」
「流石にもう疲れたわ……なんでここは移動方法が歩きしかないのよ」
「あ、私あそこ行きたいでそ、えーと、天龍寺!!」
「わざわざ遠い所を選んだよな?」
「そろそろ旅館に行くわ」
「それが良さそうだ。金髪……お前は親のところに戻った方がいいぞ」

 この金髪女もなぜ俺達に着いてきているか分からないが、京都に入って来れたということは、お金持ちの娘とかなんだろうな。

「えー! 置いてくの!? 」
「それはそうだろう」
「えー、まあいいや、そうだね」

 金髪は俺達に背を向けて歩き出した。

「ジャア、また明日!!」

 おーと言いながら走っていった。

「明日なんてないぞ、金髪」
「さあ、行きましょ」
「ああ」
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