物の怪の宴

いーすと

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第1章

第1話「物の怪の森」

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長い長い道を歩いていた。


そこは暗く不気味で、たくさんの魔物が目を光らせている。


奇妙な声が僕の名前を呼んでいる。


僕は咄嗟に目を固く閉じ、耳を塞いだ。


見ないで。呼ばないで。


僕はここにいるみんなが大嫌いだ。



"コロ…テ………ル"



"コロシテ…ル"




"コロシテヤル!!"




「誰か…誰か助けて!!!!」







「危ない!!」

「そこから逃げなさい!!」




ーーー


酷い夢を見た。


どうやら寝ている間に雨に打たれたらしい、服は濡れて重くなっている。


目を覚ました時、時刻は午前8時を回っていた。


僕はすることがないので、あてもなく森を歩き出した。


この森を彷徨って早9年。


もはや僕にはこの森の地理にわからない所などなかった。


しかし1つ気がかりがあった。


夢で聞こえたあの言葉…


あの言葉だけがはっきり焼き付いて離れなかった。




''殺してやる''




その言葉は夢で聞いただけなのに、なぜか酷く現実味があった。


そして…この言葉で、まだ僕は誰かに狙われているんだと確信を持った。


未だに誰かが隙をついて僕を殺そうとしている?


もし本当にそうでも…僕には味方など誰一人いない。


こんなことなら僕は…


早く殺されてしまいたい。


ーーー


天使である母、悪魔である父の元に生まれ、ランドルフと名づけられた僕の容姿は、身体の右半分が天使、左半分が悪魔である。


こんな僕が、純血種しか認めない天使や悪魔達が大半の世の中で許されるはずも無く──


僕は物の怪だ、忌み子だと言われて度々敵に追われ、時には酷く怪我を負った。


僕が5歳の頃だったか、唯一僕の存在を認めてくれていた両親は殺され、僕は深い森に捨てられた。


これまで僕がどのようにして生きてきたのか、それは自分でもよくわからない。


わからないけど、なぜ生きているかはわかる。


生きる意味を探しているのだ。


こんな僕でも、殺されなかったことには理由がある。そう思った。


そう思わなければ、僕は自我を保っていられないのだ。


きっと生きる意味が見つからない限り、僕はこの森を彷徨い続けるのだろう。


そしていつか、純血種の天使や悪魔に見つかって、殺されるのだろう。


未来なんてもう見え透いていた。


それでも明るい未来が来ることを、幸せになれることを、信じた。


それが、両親の願いだった。


両親は最期に僕に、


''幸せになれ'' と言った。


なんて馬鹿なことを言ってくれるんだろう。


幸せになるなんて、僕が生まれた時点で無理に決まっているのに。


でも、両親の願いならと、こうして信じてきた。


しかし限界は近づいていた。


毎日のように見る悪夢と森の過酷な環境に、心は完全にすり減ってしまった。


最早僕には、幸せになるどころか普通に生きていく道すら残されてないよ。


母さん、父さん、ごめんね。


僕はやっぱり、この世界じゃ生きていけないんだ──





───
☆キャラクター紹介☆

ランドルフ・ギャレット
(Randolph Garrett)
男 14歳 152cm
天使と悪魔のハイブリッド。
人から"物の怪"と呼ばれ、森に捨てられた。両親はランドルフを忌み嫌う者に殺された。
テレパシーや魔力の属性を特定できる特殊能力から???率いる天使軍と???率いる悪魔軍に狙われる。
性格は大人しく、また非常に巻き込まれ体質。
好きな物は果物、嫌いなものはおばけ。趣味はぬいぐるみを集めること。
魔力属性は闇。(副属性は光)
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