7 / 215
第6話 長寿アイテム
しおりを挟むハイハイに疲れて途中からほふく前進していた俺は、まだ不安だったのでほかに何かないか探し回った。
すると部屋の端の方に、皮というより糸を編んで造ったようなシルクのような見た目のバッグが落ちていた。劣化をしていないことからマジックバッグだと思った俺は、ゴキ〇リのようにカサカサとそのバッグに近づき手に取って鑑定した。
【 マジックバッグ(特級) 】
おお! 特級!? さっきのマジックバッグにはそんな表示無かったぞ?
これはかなり良い物なのでは?
何か大当たりの予感がした俺は、ほかのマジックバッグとの違いを確かめるためにとりあえずポーションを取り出してみようと手を入れて念じた。
すると俺の手にはエメラルドに光るポーションが現れた。
これはもしかしたら……
俺は次に何か食べれる物と念じた。すると手にパンのような感触を感じて取り出してみると、まるで焼きたてのような良い匂いのフランスパンらしき物が現れた。
歓喜した俺は次に水筒と念じた。するとミスリルっぽい容器に革のカバーが付いた水筒が現れた。
そしてフタを開けて匂いを嗅いでみた。
普通の水っぽいな。よし……
俺は水筒を口に含み少し飲んでみた。普通のおいしい水だった。
これは間違いなさそうだ。このマジックバッグの中は時が止まってる。
キタッ! 絶対これは高ランクで金持ちのやつの持ち物だったはず。このバッグの中身が俺を救う!
俺はレアなスキル書が入ってますようにと願いながらバッグに手を入れ……る前にパンを食べた。
いや、だってずっと何も食べてなかったから! もう夜10時だし! 14時間動きっぱなしだったし!
パンだけでは足りずバッグから紙に包まれた肉の塊も出し、水を飲みながら俺は急いで食べた。ちなみに何かおかしいと水筒を鑑定したら、無限水筒とかいう名前で飲んでも飲んでも全く減らなかった。凄くね?
そして満腹になった俺はバッグからスキル書を取り出した。
その中に白銀の分厚いスキル書とかあって興奮したが、覚えてガッカリした。
俺はまだ当たりがあるかもしれないと気を取り直し、そのほかのスキル書も開いて片っ端から覚えた。
結果、覚えたスキルは銀色のスキル書の『魔力譲渡』と、水色・焦げ茶・薄茶・緑色のスキル書の『圧壊』と『地形操作』と『錬金』と『調合』だった。
うん、全部今の俺にはハズレだったよ。
魔力譲渡と錬金と調合はすぐに使えるけど空気で敵を押し潰す圧壊と、その名の通り地形を操作する強力そうなスキルは使用制限エリアにお入りになりました。
魔力譲渡とかあげるほど魔力ねえしっ! あげる仲間いねえしっ! 物質にも譲渡できるらしいけど、なんのためにするのかサッパリわからん。やっぱり仲間に自分の魔力をあげる時に使うんだろう。
強くなれば使い道がありそうだし、錬金と調合以外は今まで聞いたことのないスキルばかりだから強いんだろううけどさ。俺はいま強くならないと未来がないんだよ。
俺はほかになにか装備が無いか思いつく限りの物を念じて取り出した。色々な種類のポーション、アクセサリー、革鎧、武器、マント、ブーツ、丈夫な服などなど。
すると出るわ出るわでこっちの方は当たりだった。恐らくパーティ全体の予備の物なのだろう。知らないものは鑑定し、出たのはこんな感じだった。
ポーション類
○ポーション2等級×5、3等級×30、4等級×40、5等級×30
○魔力回復ポーション3等級×20 、4等級×40
○解毒のポーション2等級×10、3等級×20 、4等級×40
○状態異常回復ポーション2等級×15、3等級×30 、4等級×60
装備類
○黒竜の革鎧、黒竜のマント、黒竜のブーツ、五毒の短剣×3 、祝福の指輪(3等級)×3
この青い液体の魔力回復ポーションてのは初めて見るし、黄色い液体の状態異常回復ポーションも知らない。恐らく日本や外国ではまだ到達していない階層とか、調合なんかでできるものなのだろう。
ちなみにポーションは1~5等級まであるらしい。5等級が一番効果が低く、俺は5等級しか見つけたことはない。
ネットでは3等級までしか出たという情報はなかった。もちろんどれもダンジョンの宝箱産だ。
調合スキルがあってもレシピがないと作れないらしいし。小説みたいに教えてくれる現地人なんていないからな。なんたってダンジョンの方からこっちに来たんだ。現地人が一緒に来てなきゃ作り方なんてわかるわけないよな。
とりあえず俺は黒竜のマントとブーツを装備することにした。名前が厨二っぽいが、名前からして耐久力ありそうだから装備するの一択だろ。黒竜の革鎧はカッコイイが、今装備している魔鉄のハーフプレイトアーマーの方が防御力高そうだからな。
そして魔力回復ポーションを飲んで魔力を回復した後に、自分の身につけているアクセサリーと骸のマジックバッグに入れていたアクセサリーに、特級マジックバッグに入っていたアクセサリーを鑑定してみた。
するととんでもない物が出てきた。
○浄化のネックレス×3
○停滞の指輪 3等級×3、4等級×3
○祝福の指輪 3等級×2、4等級×1、5等級×2
○護りの指輪 3等級×6
ヤバイヤバイヤバイ! 停滞の指輪はヤバイ!この赤い宝石の指輪がそうだったとは……これはM-tubeで話題になったから知ってる。アメリカでこの指輪の5等級が上級レベルのダンジョンで見つかって、パーティが奪い合いになって壊滅した挙句に生き残った奴が権力者によって殺されたって噂でもちきりだった。
確か5等級で老化の速度が2分の1になるとんでもアイテムだ。
それを3等級? 4等級? 殺される……生きて帰って持ってることがバレたら俺は間違いなく殺される。
おいおい……こんなアイテムをあの骸たちは身に付けてたって、もしかしてこのドラゴンに挑んだ人たちって勇者レベル? それが全滅? そんだけ強いドラゴンってことだよな?
やっぱりここって相当ヤバイダンジョンのかなり深い階層なんじゃ……
だあぁぁぁ! ストップ! 今は考えない! またあの時みたいに心が病む。
なるようになる! 先のことは考えない! 今はこのボス部屋にしか見えないところから出ることだけを考えろ!
くそっ! 死が近い場所で長生きのアイテムを寄越しやがって! 過去最大級の嫌がらせを受けた気分だ!
とりあえず俺の怪我が回復していったのが、このエメラルドグリーンの石がはまっている祝福の指輪ってやつのおかげなのはわかった。
こんな物の存在聞いたことないけどな。ポーションとの違いは即効性か? 指輪は徐々にって感じか。
まあこの3等級のやつは付けたままでいいな。
この白い石がはまってる護りの指輪は鑑定しても効果がわからない。鑑定の熟練度不足か……これも聞いたことないアクセサリーだけど、とりあえず付けたままでいいだろう。護ってくれよ?
停滞の指輪は……どうせ誰も来ないだろうしこの3等級てのを付けとくか。
最近おでこが広くなった気がしないでもないしな。
俺は親父の頭を思い浮かべながら、そっと指輪をはめたのだった。
よしっ! もういいだろう。やっぱり気になって仕方ない。
宝箱を開けよう。ドラゴンが気付いたら速攻で逃げよう!
俺はさっきからずっと『開けないの? いいもの入ってるよ? 』と問いかけてきている青白く光る宝箱へと向かっていった。いや、俺の妄想だ。
そして宝箱の前に辿り着き、宝箱をじっと観察した。
鍵穴がない? イメージしてたのと違うな……ドラゴンを倒したあとのご褒美だからか?
ミミックとかほんと勘弁してくれよ?
俺はこの人が入れそうな3つの宝箱の周囲をウロついて観察したが、特に怪しい感じはしなかった。
これ以上時間を掛けても仕方ないので一番左端の宝箱の蓋を開けることにした。
そーっと、そーっと……開いた! 黒と金のスキル書? ハッ!? ドラゴンは!?
グオォォォ
グオォォォ
寝てるな……本当に仕掛けが無いみたいだ。よし、怖いから3つ全部開けて一気に中身を取り出そう。
俺は3つの宝箱を一気に開けて、中にあったスキル書2冊とポーションらしきもの5本と腕輪1つと指輪3つを取り出して特級マジックバッグに入れて急いでその場を離れ、ハイハイで扉の近くまで移動した。
……セーフ? 大丈夫そうだ。ふぅぅぅ……ドラゴンキラーの武器とかは無かったか。
仕方ない、スキルに期待だな。魔力はもう少しあるけど一応魔力回復ポーションを飲んでおくか。
あれ? 回復しない? さっき飲んでからまだ10分くらいしか経過してないからか? クールタイムがあるのかね? ゲームみたいだな。とりあえず魔力は少しあるしいいか。
俺は魔力回復ポーションにクールタイムがあることを知り、少し残念に思ったがまあそういう縛りがある物語やゲームがあるしなと納得することにした。
さて、頼むぞ? どんな敵でも即死させるスキルとか頼む!
俺は過去これほど神に祈ったことは無いと思うほどに祈りながら、期待値の高いスキル書を鑑定した。
【 吸魔のスキル 】
【 結界のスキル 】
うおっ! 当た……り? とハズレ?
黒色のスキル書の吸魔のスキルが多分、魔力の譲渡のスキルの逆バージョンで魔力吸収だろう。金色の表紙のやつは結界。結界は当たりだろう。だがドラゴンの攻撃を耐えられるほどの耐久力があるのか?
練習しようにもできない。ドラゴンで練習とかそれはもう本番だろ。
くうぅ。せめてアクセサリーは……この黒い腕輪は絶対防御の能力とか頼む!『鑑定』!
【 空間収納の腕輪 】
ぐっ! 恐らく時が止まってるマジックバッグ的な物なんだろうけど! 良いものだけど! でも違うんだ、今はコレじゃない!
まだだ! まだ俺の持ってる指輪より濃い色の指輪と、金色の液体が入ったポーションみたいなのがある!
そんなに時の進行を遅らせたり止めたいならいっそ時間停止の指輪とか、透明人間になれる秘薬とか頼む!
ファイナルチャンス! 『鑑定』!
【 停滞の指輪 2等級 】×2
【 時戻りの秘薬 】 ×6
長寿セットでした……
終わった……ここで長生きとか考えられねーんだよ。すぐそこに死神がいるんだよ。
俺は最強のドラゴンを前にして、恐らく数百年は生きれそうな長寿セットを手に入れたのだった。
20
あなたにおすすめの小説
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
異世界帰還者の気苦労無双録~チートスキルまで手に入れたのに幼馴染のお世話でダンジョン攻略が捗らない~
虎柄トラ
ファンタジー
下校帰りに不慮の事故に遭い命を落とした桜川凪は、女神から開口一番に異世界転生しないかと勧誘を受ける。
意味が分からず凪が聞き返すと、女神は涙ながらに異世界の現状について語り出す。
女神が管理する世界ではいま魔族と人類とで戦争をしているが、このままだと人類が負けて世界は滅亡してしまう。
敗色濃厚なその理由は、魔族側には魔王がいるのに対して、人類側には勇者がいないからだという。
剣と魔法が存在するファンタジー世界は大好物だが、そんな物騒な世界で勇者になんてなりたくない凪は断るが、女神は聞き入れようとしない。
一歩も引かない女神に対して凪は、「魔王を倒せたら、俺を元の身体で元いた世界に帰還転生させろ」と交換条件を提示する。
快諾した女神と契約を交わし転生した凪は、見事に魔王を打ち倒して元の世界に帰還するが――。
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる