忌巫女の国士録

真義える

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二章

旅のはじまり

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「葵、しっかりしろ!!」

 テツはぐったりした葵を岸に引っ張り上げようとするが、水を吸った打掛の重みで、葵の体を水中へと沈めていく。テツは打掛けを剥ぎ取ると、ようやく葵を岸へ引き上げ、何度か頬を叩いた。
 人ひとり抱えながら流れに逆らって泳いだ直後である。とてつもない疲労感と息切れに襲われながらも、体を休めている余裕は無かった。
 すぐに追手がやってくる。早急に森を出て、下界の人混みにまぎれなければすぐに見つかってしまう。
 たとえ死んでいたとしても、惲薊うんけいが諦めるはずもない事は分かっていた。

 この十年、消化不良を起こした水神が、国中にけがれをふり撒いている。疫病が広がり、妖獣が民を襲う。
 長い間人々は苦められたが、遂に待ちに待った水巫女が現れたのだ。
 飢えた獣のように、しつこく追い回すだろう。

 なかなか目を開かない葵の体を、根気強く揺する。
 目覚めなければおぶって行こうとは思ってはいたが、テツは緊急事態に直面していた。

「────うわあああ、息してない!! 死んだあああ!!!!!!」
「馬鹿が!! どけ!!」

 絶望的になって叫ぶと、川から上がってきたリンがテツをわきへ押しやった。
 強引に引き離されたテツは軽く尻もちをつく。

「何すん────!?」

 文句を言いかけて止まったのは、リンが葵の口をこじ開けかと思えば、急に口付けたからである。
 九歳で外部から切り離されたテツとはいえ、その行為が何なのかは知っていた。ずっと昔に大人の男女がしているのを見たことがあった。
 もちろん、リンのしているそれは少し様子が違うのだが、雪花せつかの妹とかたきというだけに、テツにとっては少なからず衝撃的な光景であった。

 テツが呆然としている間、数回それが繰り返されると、ようやく葵がむせながら水を吐き出した。

「────葵!! 葵!! 大丈夫か!?」

 はっと、テツは我にかえると、葵の顔を覗き込みながら背中をさすった。

「────み、みんな無事? ……あれ、狛犬は?」

 葵は辺りを見回して狛犬の姿を探すが、見あたらない。

「さあ……? やしろに戻ったんじゃないか? あいつ気まぐれだし。エサやったのにあんま懐かなかったし」
「そ、そうなの?」
「うん、乗ろうとすると暴れるからさ。俺たち、ほとんど落ちてたな!!」
「はっ!? もし振り落とされてたら……!?」
「上手くいって良かったな!!」

 テツは軽快に笑いながら、愕然としている葵の肩を叩いた。


「すぐに追っ手がくる。追いつかれる前に森を抜けるぞ」

 リンは落ち着いた口調で二人を急かした。
 頭を黒く染めていた染料は川の水ですっかり落ちてしまい、もとの白髪に戻っている。

「────お前とは行かない!!」

 テツは噛み付いた。

「葵は俺が連れていく。お前は勝手に行けよ!!」
「お前に巫女を護れるのか? ついさっきまで狼狽えるだけで何も出来なかった奴が……たいした技量だな」

 リンはテツをさげすむように見ると、鼻で笑った。

「別にここで別行動してもいいが、そうなったらお前を殺し、巫女をやしろに連れていく。そして私は腹を斬る」
「────は、はあ!? 何言ってんだお前!!」
「それが一番、国のためになるからだ」
「お前……お前……融通きかねぇな!!」

 テツは呆れたようにリンを見据えた。

「ねえリン、あんた裏切られたんだよ?」
「……民には関係ないことだ」

 テツがリンを殴り飛ばした。
 葵は咄嗟にリンの名を叫んだ。

「────やめて!! 怪我してるのに!!」
「葵は連れていかせない!! お前がそうするってんなら、俺は全力で止める!!」

 テツは葵の言葉にも耳を貸そうとせず、リンに迫った。雪花せつかあだというのが念頭にあるようだ。
 テツとの距離が縮まった瞬間、脚を絡ませるとテツを転ばせ、腕を後ろに捻った。いとも容易く動きを封じた一連の動作の素早さに、葵は口を挟む余裕すらなかった。
 当然だが、十年という時間は、二人の力量に大きな差をつけていた。

「何を偉そうに。全てはお前から始まったことだろう!! どちらにせよ、お前のことは生かしてはおかぬ」
「うるせえ!! おまえは雪花を殺したんだ!! 絶対に許さねえ!!」
「────それはこっちの台詞だ!!」

 それを耳にしたリンは、テツをひっくり返すと思いきり殴りつけた。怒りがおさまらないのか、何発もくりかえし殴り続ける。
 葵は止めようと声を張り上げるが、二人の耳には届かない。

「私とて、やりたくてやったのではない!! お前にやらされたも同然だろうが!! 感情だけでものを言うな!!」
「友達を殺されて感情的にならないわけねぇだろ!!」
「────だったらお前がやれば良かったのだ!!」

 リンはテツの胸ぐらを乱暴に掴んだ。
 鼻血を流しながらも、テツは睨み返す。

「友ならば、お前の手でやるべきだった!! それがせめてものとむらいだろうが!!」
「────もうやめて!!」

 葵が割って入ると、リンはあっさりと手を離した。

「ようやくわかった。あの最後の言葉が誰に向けられたものか……」
「────最後? あいつ、最後になんて言ったんだ!?」

 リンはそれには答えず、立ち上がると川で何かを探し始めた。深いところで潜ると、しばらくして再び川から上がってきた。その手には刀が握られている。
 滝から落ちる瞬間、身体が沈まないよう、一度手放していたのだろう。

「勝手にしろと言うなら、私はを選ぶ」

 リンが刀を抜いた。
 テツは葵を庇うように背にまわしたが、リンは刃を確かめると、再び鞘に納めた。

「────が、借りはつくらぬ。仕事はする」
「ほ、本当!?」

 協力してくれるということか、と歓喜する葵に、リンは「勘違いするな」と釘をさした。

「森を出るまでだ。……その後で、お前を殺す」

 リンはテツを睨みつけると、二人の前を素通りした。
 どちらにしても、森では協力してくれるらしい。妖獣がはびこる森の中では、剣士であるリンの存在はとても心強い。

「……葵は、腹がたたないのか?」
「そりゃあ殺されそうにもなったし、許せないけど……」
「────だったら!!」
「でも、それってリンが悪いのかな……?」

 もやもやがおさまらない胸をぎゅっとつかむ。
 水波盛みなもりに来てからずっと、気持ちを整理する時間もない。

「〝悪〟って何なんだろう? ごめん。まだちょっと、混乱してる……」

 せめて、ヒーロー漫画のように〝絶対悪〟が存在するなら、迷わずに済んだのだろうか。
 テツはどこか不満気だったが、ぐっと言葉をのみこんだ。


***


「────へっくしゅん!!」

 雑草が生い茂る道なき道を進みながら、葵は盛大にくしゃみをした。
 追手に見つかる前に移動しなければならない為、着物を乾かす時間もない。全員ずぶ濡れのままである。

「葵、平気か?」
「うん。なんか私、昨日から落ちてばっか……」
「うっ……ごめん……」
「あはは、そういうつもりで言ったんじゃないよ」

 項垂うなだれるテツに笑いかけると、苦笑いが返ってきた。
 なにも、ずぶ濡れになったのはそれだけではない。村で妖獣に襲われた時は川に落ちたし、社に流れ着く前にも井戸に落ちている。

(髪も乾かさずに寝ちゃったもんなあ……)

 この世界では自然乾燥が当たり前なのだろう。仕方がないといえばそうなのだが……。

 リンを先頭に、時々テツの手を借りながら足場の悪い道を行く。
 川の水を含んだ着物が体にまとわりつき、その重さと動きづらさで余計に体力を消耗させた。とくに葵の花嫁衣裳は何重にも重ねて着ているため、その負担は尋常ではない。
 あまり進んでいないのに滝のような汗が吹き出て、呼吸も荒くなっていく。しかし、リンとテツは息が乱れることもなく、平然としている。
 特にリンに至っては、惲薊うんけいにひどく殴られていたのに、痛がる素振りが微塵もない。

「──あのさ、大丈夫なの?」

 葵が控えめに声をかけると、リンがちらりとだけ目を向けたが、すぐに逸らした。

「何が?」
「体、大丈夫なのかなって……」
「たいしたことはない」
「あんなに殴られたのに? 実は重症なんじゃないの?」
「いいや。見た目ほどではない」
「でも──」
「安心しろ。妖獣を殺るくらいは動ける」
「そういうことじゃないんだけど……」

 体の心配をしているだけなのだが、そんな単純なことも伝わらない。なんだか釈然としなかったが、葵は諦めて口をつぐんだ。

「──今日は野宿だろうな」

 リンが呟いた一言に、愕然とする。

「野宿!? そんなのしたことないよ!?」
「そうか、ならばいい経験になる」

 いらんわそんな経験、と身の内でごちるが、そうも言ってられないのは頭ではわかっている。
 それに体力も限界だし、正直一秒でも早く休みたい。

「適当なところに身を隠す。着物を乾かしている間に必要なものを調達しなければ……」

 呟くように言うリンの後ろで、テツは恨めしそうに、だが半分は関心したように言った。

本殿ほんでん育ちのくせに、森慣れしてるな」
「でも、助かるよね。私なんて、キャンプすらしたことないもの」
「葵は時々、俺の知らない言葉を使う。どこで育ったんだ?」

 その問いかけにどう答えるか迷った。正直に言って、すんなり信じてくれたのは紗華さいかくらいだし、自分でもどうやって水波盛みなもりに来たのか、上手く説明できない。

「すごく遠くの、日本っていう国……」
「ふうん」

 意外にもあっさりした反応が返ってきた。てっきり、質問攻めになると思っていた。葵はどこまで話せばテツが驚くのか、些細な好奇心がわいた。

「井戸に落ちたんだよ」
「お前、よく生きてたな?」
「……うん。実感がないだけで、実はもう死んでるのかもしれない」
「ええ!? お前、お化けなのか!?」
「……」
「ぎゃああああ!! 出たああああ!!!!」

 深刻な顔で黙りこくると、テツが悲鳴を上げて尻もちをついた。
 九つで外部と遮断されたせいか、好奇心旺盛で、すぐに信じ込んでしまうところがある。身体は立派な大人だが、精神年齢は子供に近いのだろう。

(こいつ、ちょっと面白いな)

 からかいがいがある、とほくそ笑んでいると、突然、後ろから抱きつかれ、小さく悲鳴をもらした。

「でも、お化けなのにあったかいんだな?」

 楽しげに笑う表情かおは無垢な子供そのものだが、図体は立派な大人である。
 葵の心拍数は急激に上昇し、脳に混乱を引き起こした。

「ぎゃー!! 変態!!」

 驚きのあまり、思わず頬を引っぱたく。
 テツは赤くなった頬をおさえ、愕然がくぜんとして葵を見た。

「──な、なんで!?」
「あ……ごめん、びっくりして……」

 慌てて手を合わせたが、テツはしゅんと肩を落としていた。

 急に、リンが立ち止まった。
 葵は反応できずに、リンの背中に思い切り鼻をぶつけてしまった。それをなぞる様に、テツも葵にぶつかった勢いで、葵はもう一度顔をぶつける。しかし、今度は鼻を抑えていたのでダメージは少なかったが、その代わりに、リンにじとっと睨まれてしまった。

「二回目はこの人のせいです」

 テツを指さして言い訳すると、テツは聞き間違いを確認するかのように、自分を指さしながら目を見開いた。
 そんな二人に向けて、リンは人差し指を立てると、声を潜めた。

「──静かに」

 その視線の先には、草木の生い茂る中に、何かが横たわっている。
 その見慣れないものに目を凝らしていると、一匹の熊が姿を現した。体長が二メートル程もある。のそのそと黒い物体に近づくと、匂いを嗅ぎはじめた。やがてこちらに尻を向けてうずくまった時、テツに腕をひかれた。

「……見ない方がいい」

 その言葉の意味がわからずにいると、テツは葵の腕を引ひいてその場から連れ出そうとした。
 その時、後ろからバリバリと固いものを砕くような音がして、葵は思わず振り返ってしまった。
 熊が黒いものをむさぼっている。その塊から噴き出した真っ赤な液体を見た瞬間、葵はようやく目の前で起きている事態を察した。恐怖で思わず、小さく悲鳴をもらした。
 慌ててテツが葵の口を覆ったが、時すでに遅し。どんなに些細な音でも、この静かな森の中では、皆の耳に届くには十分だった。

「あ……遅かったか……」
「──お前な……」

 リンから呆れたような目を向けられ、葵は自分たちの置かれた状況を理解した。
 全員、ほぼ同時に獣を見やると、赤く光るそれとぶつかった。今まさに、自分たちは生き餌になった瞬間だった。
 獣は、最初に見た熊のような姿とはだいぶ異なっていた。毛は白く変色し、耳は鋭く尖り、ガアガアと唸るような声がもれる口からはだらしなく涎を垂れ流している。
 その禍々しい姿に、葵は震える声で訊ねた。

「……あ、あんなだった?」
「あれはもう妖獣だ」
「け、穢れって……」
「穢れを発症した血肉を喰うとああなるんだ。妖獣はそうやって増える」

 声を抑えながらテツが答えると、リンが動かないよう、皆を手で制する。
 テツは疑うような眼を向けた。

「まさか、倒せないなんて言わないよな?」
「まさか。だが、より確実な方法を取ろうと思う」

 妖獣を見据えたまま淡々と答えるリンに、テツは首を傾げる。

「確実な方法ってなんだ」
「餌を使う。奴の気を引きつけている間に逃げるぞ」
「そうか!! ──で、餌は?」

 リンはテツの腕を掴むと、もの凄い勢いで投げ飛ばした。
 突然のことに抵抗できず、テツは吹っ飛ばされ、妖獣の前に転がった。
 鬼の所業に衝撃を受けながら、葵はテツの名を叫んだ。

「て、テツー!!」
「行くぞ。餌に群がっている隙に──!!」
「──行かせるかー!!」

 リンが葵の手を引いて颯爽と退散しようとしたその時、袴の裾を強く引っ張られた。バランスを崩したリンは、地面に鼻をぶつけそうになるのを、すんでのところで回避した。
 見ると、テツが袴を強く握っている。
 
「──貴様!! 何をする!?」
「お前だよ!! お前が何すんだ!?」

 テツはリンの胸ぐらに掴みかかると、上にまたがった。

「剣士のくせに!! ちゃんと仕事しろよ!!」

 テツの首に脚を絡ませ後ろへ引き倒すと、今度はリンが上になり、テツを抑えつける。

「貴様をまもるとは一言も言ってない。自分で何とかしろ!!」
「じゃあそれ貸せよ!! 丸腰で戦えるか!!」
「ばか言え!! たましいを易々と手渡すわけがなかろう!!」

 すぐ後ろに妖獣が牙を剥いているというのに、二人は取っ組み合いながら転げ回り、マウントを取り合う。

「ちょっと!! 喧嘩してる場合じゃ──!!」

 葵が言い終わる間もなく、妖獣が地を蹴った。
 目の前で転げ回る生き餌に、涎を垂れ流しながら真っ直ぐ突進し、嬉々として飛び跳ねた。
 二人は髪の毛やら頬やらを引っ張りあっていたが、突然身を覆った巨大な影で、ようやく妖獣の存在を思い出したらしい。同時に上を見上げると、大人のからだ二体を余裕で収められるくらい巨大な腹が目前に迫っている。
 息ぴったりにあげた悲鳴が、森中に響き渡った。

 驚いた野鳥たちが、高く伸びた大木のてっぺんから、群れをなして飛びたった。
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