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番外編・央央アタック大作戦
六.危機【2】
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男たちはけらけら笑いながら、央央を値踏みするかのように眺めている。舌なめずりする者もいる。鳥肌が立つ。簡単に引っかかってしまった。
「帝都から来ているとかいう、有名な易者と噂を耳にして、すぐに行き先がわかったぞ」
だから老婆を装い大金を置いて帰り、央央が来るのを待ち伏せしていたのだろう。
「待っていても、あのつえー保鏢は来ないぜ?」
「な、なんでよ!?」
「お前の名前で文を送ったからな」
まさか匪賊に名前まで調べられているとは思わなかった。
(伯父さんはどこ!?)
央央を見守っていたはずの伯父の姿はどこにもなく、背後を窺っても見当たらなかった。
「ああ、あの後ろを見張っていたおっさんなら、適当に雇った女の誘惑で、あっさりついてったぜ?」
そう耳にして、あの伯父ならあり得るなと納得してしまった。ここは一人で切り抜けるしかない。
「一度しか言わない。観念して俺の嫁になれ!」
「ふん。嫌に決まってるじゃない! あんたの嫁になるくらいなら、犬の餌になる方が何十倍もマシだわ!!」
嫁ぐ相手は四年前から決めている。むさ苦しく、生理的に受けつけない男と婚礼を挙げるくらいなら、今すぐ舌を噛んでもいい──央央は小さく頷いた。
「……そうか。それなら仕方あるまい。俺のものにならないのなら、お望み通り、死んで犬の餌になってもらおうか!」
叫びながら刀男はこちらに向かってくる。他の男たちは、にやにやしながら逃げる姿を見物している。悪趣味だ。絶対に捕まるわけにはいかない。
霜北府へ一歩でも足を踏み入れれば、人目もあるため勝機はある。匪賊は馬に乗って来ているはずなので、馬の姿がないか探した。何頭か放牧されており、草を食んでいる様子が遠目に見えた。
「あの馬たちは、小娘には乗りこなせねえよ!」
刀男はそう吐き捨てながら、余裕綽綽といった様子で逃げる央央を観察していた。暴れ馬だろうとなんだろうと、央央が助かる方法はそれしかない。
必死に走ったものの、馬に乗ろうとしたところで、ヒヒーンと後ろ足を振り上げて暴れてしまった。
「ほらな、無理だって言ったろ?」
刀男は愉快そうにほくそ笑んでいた。逃げる央央を眺めている男たちは、刀男が、体のどの部分から切り刻むのかを予想して楽しそうだ。つい先日は、真っ先に首を跳ね、予想が外れたから今日こそは当てて儲けるぞと意気込んでいる。
(……そんなの、冗談じゃないわ!!)
央央はわざと暴れ馬の尻を叩くと叫んだ。
「肉にされて私に食べられたくなかったら、言うこと聞きなさーーーーい!!」
央央の必死な様子が馬にも伝わったのか、しりっぱねを上げて怒っていた馬は、いきなり素直になり、背中に央央を乗せた。男たちはまさかの展開に驚いている。
「ふん。逃げるが勝ちよ──!!」
暴れ馬の手綱を引いた央央は、そう宣言してから馬の腹を一回蹴った。すると、いきなり走り出す。
「ちょっと、向かうのはあっちよ!?」
刀男に真正面から突っ込もうとしたため、慌てて方向転換するように右側に手綱を引っ張る。ぎりぎりのところで回避したので、後は町へ向かって逃げるだけだ。
(……よし。このまま行けば、なんとかなるわ……!)
ところが。刀男から命からがら逃げきったと思いきや、ビュンと風を切るような音が背後から迫ってくることに気がついた。音の正体を確認するよりも先に、央央の背中には鈍い痛みが走る。なにかが刺さったあと、地面に転がり落ちた。一体、なにが起ったのか状況を飲み込めない。男の姿は後ろだ。刀の届く範囲ではない。
「よし。命中!」
「……えっ?」
恐る恐る地面に落ちたものの正体を確かめると、そこには血のついた小刀が落ちていた。その血の持ち主はもちろん──。
「……央央!!」
珍しく焦った様子の晋高が、乗っていた馬の腹を蹴ってこちらに向かって駆けてくる。匪賊は来ないと言っていたのに、その背後には伯父の姿もあった。助かった。
「おい、まずいぞ。逃げるぞ!」
町の方面からは、晋高や伯父たち以外にも、大勢の憲兵が飛び出している。それを目にした男たちは、馬を目指して必死の形相で走り出した。
「一人残らず捕まえろ!」
「了解」
そこからは走馬灯のようにゆっくりだった。央央は背中に走る激痛に耐えられなくなり、乗っていた馬の手綱を離してしまった。臆病な馬はその場で暴れ出し、なんとか背中にしがみついていた央央は、馬から振り落とされそうになる。それを目にした晋高は、乗っていた馬から飛び降り、落下する央央の体を、地面すれすれのところで抱き留めた。
「央央……すまない、大丈夫か? 央央……!!」
(……私は無事なのに、そんな悲しい顔をする必要はないのよ)
今にも泣き出しそうなほど、暗い表情をしている晋高が心配になった。そして、背中の痛みから逃れるために、央央は意識を手放した。
「帝都から来ているとかいう、有名な易者と噂を耳にして、すぐに行き先がわかったぞ」
だから老婆を装い大金を置いて帰り、央央が来るのを待ち伏せしていたのだろう。
「待っていても、あのつえー保鏢は来ないぜ?」
「な、なんでよ!?」
「お前の名前で文を送ったからな」
まさか匪賊に名前まで調べられているとは思わなかった。
(伯父さんはどこ!?)
央央を見守っていたはずの伯父の姿はどこにもなく、背後を窺っても見当たらなかった。
「ああ、あの後ろを見張っていたおっさんなら、適当に雇った女の誘惑で、あっさりついてったぜ?」
そう耳にして、あの伯父ならあり得るなと納得してしまった。ここは一人で切り抜けるしかない。
「一度しか言わない。観念して俺の嫁になれ!」
「ふん。嫌に決まってるじゃない! あんたの嫁になるくらいなら、犬の餌になる方が何十倍もマシだわ!!」
嫁ぐ相手は四年前から決めている。むさ苦しく、生理的に受けつけない男と婚礼を挙げるくらいなら、今すぐ舌を噛んでもいい──央央は小さく頷いた。
「……そうか。それなら仕方あるまい。俺のものにならないのなら、お望み通り、死んで犬の餌になってもらおうか!」
叫びながら刀男はこちらに向かってくる。他の男たちは、にやにやしながら逃げる姿を見物している。悪趣味だ。絶対に捕まるわけにはいかない。
霜北府へ一歩でも足を踏み入れれば、人目もあるため勝機はある。匪賊は馬に乗って来ているはずなので、馬の姿がないか探した。何頭か放牧されており、草を食んでいる様子が遠目に見えた。
「あの馬たちは、小娘には乗りこなせねえよ!」
刀男はそう吐き捨てながら、余裕綽綽といった様子で逃げる央央を観察していた。暴れ馬だろうとなんだろうと、央央が助かる方法はそれしかない。
必死に走ったものの、馬に乗ろうとしたところで、ヒヒーンと後ろ足を振り上げて暴れてしまった。
「ほらな、無理だって言ったろ?」
刀男は愉快そうにほくそ笑んでいた。逃げる央央を眺めている男たちは、刀男が、体のどの部分から切り刻むのかを予想して楽しそうだ。つい先日は、真っ先に首を跳ね、予想が外れたから今日こそは当てて儲けるぞと意気込んでいる。
(……そんなの、冗談じゃないわ!!)
央央はわざと暴れ馬の尻を叩くと叫んだ。
「肉にされて私に食べられたくなかったら、言うこと聞きなさーーーーい!!」
央央の必死な様子が馬にも伝わったのか、しりっぱねを上げて怒っていた馬は、いきなり素直になり、背中に央央を乗せた。男たちはまさかの展開に驚いている。
「ふん。逃げるが勝ちよ──!!」
暴れ馬の手綱を引いた央央は、そう宣言してから馬の腹を一回蹴った。すると、いきなり走り出す。
「ちょっと、向かうのはあっちよ!?」
刀男に真正面から突っ込もうとしたため、慌てて方向転換するように右側に手綱を引っ張る。ぎりぎりのところで回避したので、後は町へ向かって逃げるだけだ。
(……よし。このまま行けば、なんとかなるわ……!)
ところが。刀男から命からがら逃げきったと思いきや、ビュンと風を切るような音が背後から迫ってくることに気がついた。音の正体を確認するよりも先に、央央の背中には鈍い痛みが走る。なにかが刺さったあと、地面に転がり落ちた。一体、なにが起ったのか状況を飲み込めない。男の姿は後ろだ。刀の届く範囲ではない。
「よし。命中!」
「……えっ?」
恐る恐る地面に落ちたものの正体を確かめると、そこには血のついた小刀が落ちていた。その血の持ち主はもちろん──。
「……央央!!」
珍しく焦った様子の晋高が、乗っていた馬の腹を蹴ってこちらに向かって駆けてくる。匪賊は来ないと言っていたのに、その背後には伯父の姿もあった。助かった。
「おい、まずいぞ。逃げるぞ!」
町の方面からは、晋高や伯父たち以外にも、大勢の憲兵が飛び出している。それを目にした男たちは、馬を目指して必死の形相で走り出した。
「一人残らず捕まえろ!」
「了解」
そこからは走馬灯のようにゆっくりだった。央央は背中に走る激痛に耐えられなくなり、乗っていた馬の手綱を離してしまった。臆病な馬はその場で暴れ出し、なんとか背中にしがみついていた央央は、馬から振り落とされそうになる。それを目にした晋高は、乗っていた馬から飛び降り、落下する央央の体を、地面すれすれのところで抱き留めた。
「央央……すまない、大丈夫か? 央央……!!」
(……私は無事なのに、そんな悲しい顔をする必要はないのよ)
今にも泣き出しそうなほど、暗い表情をしている晋高が心配になった。そして、背中の痛みから逃れるために、央央は意識を手放した。
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