タッタラ子爵家の奇妙な結婚事情

れん

文字の大きさ
10 / 17
子爵令嬢と公爵の政略結婚

三男四男のお話

しおりを挟む
「えぇ、えぇ、そうでしょうね。ジュラの旦那は伯爵家次男だったのが気が付いたら男爵家として家を興してますし、うちも母上が来てからあれこれうまく回っていますよ!」

 まぁまぁ、買い被りですよ。私がしたことはそうたいしたことではありませんよ。どこのおうちでも奥方がやっていることですわ。
 そもそももともと公爵家には力がありましたし、旦那様は一人でも何でもできましたから。私が頑張ったのは旦那様のご機嫌取りぐらいですわ。

「そもそも父のご機嫌を取るのが大変なんですが。まぁその結果が六人か……」

 んっふふふ、げんなりした顔をしないでくださいな。旦那様そっくりの綺麗な瞳でじっとりと見つめられて、私はコロコロと笑う。

「あぁそうでしょうねぇ。ともかく母上やジュラがポコポコ産むもんですから、跡取り問題が深刻な高位貴族から熱烈なラブレターがいっぱいですよ」

 血の濃さが原因なのだから、うちに求めないで他の子爵家でもいいと思うのだけれども。そう思いきれないのが高位貴族なんですわね。
 それに実績があるところの方がいい。と言うことかしら。

 次男の方も今三人目を妊娠中だそうだし、近年では珍しい人数よねぇ。三男のところももう生まれているし、四男は、どうだったかしら。

「ゼノのところは男の跡継ぎが生まれず娘が継いだので、その娘が男児を産んだということで領を上げてのお祭り騒ぎだそうですよ。
 チノは奥方が隣国の第三王女だって知ったときはオレは卒倒しましたよ?!」

 三男のお嫁さんは大きな漁港を持つ領主のお嬢様で、女は船に乗ると不吉だという迷信を蹴り飛ばして自ら船を出す女傑だそうですわ。
 婿取りの挨拶を貰った時に、あの子ったら公爵家だって言ってなかったみたいで、あちらの御両親ともども真っ青になっていましたが、威勢のいい、気持ちのいいお嬢さんでしたわ。

 あの子のおかげで我が家の食卓に魚が並ぶようになったんだったわね。

 四男の方は、お隣の国も王家や上位貴族は血の濃さゆえの子供が生まれにくい問題が起きているようで、降嫁した第三王女の子を王家に迎えるかどうかとか言う話があるとか。ただそうするには、チノの実家が他国の公爵家と言う高位貴族なのがいろいろネックだそうで。

「男が生まれても女が生まれてもチノのところは面倒ごとの予感が!!」

 長男が頭を抱える。
 あらあらまぁまぁ、それは仕方がないわね。今からそんなことを考えても仕方ありませんよ。なるようにしかなりませんから。

「それもそうなんですがね。
 はぁ、シアには王家からも縁談が来ていたんですが、もうこれ以上うちの家系図がややこしいことになるのは勘弁してほしいです」

 あぁ、そう言えば弟のところに末っ子を養子にしたいって言う話がどこかの公爵家からあったとか聞きましたわね。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

新婚初夜に『白い結婚にしてほしい』と言われたので論理的に詰めたら夫が泣きました

ささい
恋愛
「愛人がいるから、白い結婚にしてほしい」 政略結婚の初夜にそう告げた夫ルーファス。 妻カレンの反応は—— 「それ、契約不履行ですよね?」 「あなたの感情論、論理的に破綻してますよ?」 泣き落としは通じない。 そして初夜の翌朝、夫は泣いていた。 逃げ道は全部塞がれ、気づけば毎日論破されていた。 これは、論破され続けた夫がなぜか幸せになる話。

【完結】よめかわ

ariya
恋愛
遊び人として名高い貴族・夏基は、不祥事の罰として「醜聞の姫」白川殿と政略結婚することに。 初夜、暗い印象しかなかった姫の顔を初めて見た瞬間――大きな黒目がちな瞳、薄桜色の頬、恥ずかしげに俯く仕草に、夏基は衝撃を受ける。 (可愛すぎる……こんな姫が俺の妻!?) 亡き恋人への想いを捨てきれず、夫を拒む白川殿。 それでも夏基は過去の女たちに別れを告げ、花を贈り、文を重ね、誠心誠意尽くして彼女の心を溶かしていく。 儚くて純粋で、泣き顔さえ愛らしい姫を、夏基はもう手放せない―― 平安貴族の切なく甘い、極上よめかわ恋物語。 ※縦読み推奨です。 ※過去に投稿した小説を加筆修正しました。 ※小説家になろう、カクヨム、NOVELDAYにも投稿しています。

氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁

瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。 彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。

うわさの行方

下沢翠花(しもざわすいか)
恋愛
まだ十歳で結婚したセシリア。 すぐに戦場へ行ってしまった夫のニールスは優しい人だった。 戦場から帰るまでは。 三年ぶりにあったニールスは、なぜかセシリアを遠ざける。 ニールスの素っ気ない態度に傷つき疲弊していくセシリアは謂れのない酷い噂に追い詰められて行く。

政略結婚の為の婚約破棄など貴方には言えなかった

青空一夏
恋愛
私は、第三王女なので、政略結婚はしなくて良いと父である王様に言われていた。だから私は大好きな騎士団長ワイアットとの愛を育んでいた。けれど、大国の王に望まれた私は戦争を避けるために嫁ぐことになった。その大国の王は老人でその王が亡くなると側妃や愛妾は全て一緒に埋葬されるという風習も知った。 二度とワイアットに会えないことを悟った私は、ワイアットに憎まれることを選んだ。私のことなど忘れてワイアットには幸せになってほしかった。 「あなたみたいな貧乏貴族より、大国の王に嫁ぐわ」そんな心にもないことを言って、私は大好きな男性に恨まれ蔑まれ嫌われた。 泣く泣く嫁入りをした私だが、その3年後に嫁ぎ先の王が亡くなる前に私を祖国に帰してくれた。帰ってきた私に大金持ちになったワイアットが結婚を申し込むが、これは彼の復讐だった。 私は、この結婚で愛が掴めるのでしょうか? よくありがちなお話の流れです。

処理中です...