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9話 ササリアの反撃
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「まあ、それではササリア様はボルドー第四王子殿下と無理矢理……!?」
「……!!」
会場中が一瞬、静まり返る……それほどの叫び、内容が飛んできたからだった。様子を見ていた私とジスパ様たちだったけれど、そろそろ動いた方が良いのかもしれない。なぜなら、その言葉はボルドー様と話していた貴族が放った言葉だったからだ。
「少し近づいてみよう、フリージア嬢。ここでは聞き取りにくいからな」
「は、はい! 畏まりました……!」
私とジスパ様は急いで、ササリアの近くに移動した。その時、彼女と目が合ったけれど、特に驚いている様子はない。既に来ていることは分かっていたようね。
「お、おい……声が大きいぞ、シルメル公爵令嬢。人聞きの悪いことを言わないでくれ……」
「しかし、そういうことなのでございましょう? ボルドー様はササリア様の姉上と離縁したとも聞いておりますし」
「いや……あれはだな。フリージアの態度が横暴だった為に……」
「ん? 聞き間違いじゃない……?」
確かにさっき、ボルドー様は私との離縁……婚約破棄の理由を私の態度が悪かったからだと言った。これは……流石に横暴が過ぎるわ。しかも、こんな舞踏会の真ん中で堂々と嘘を吐くなんて……王族として最低過ぎる。
「あら、フリージア様の方に問題があったのですか? 聞いたところによると、ササリア様が逆らえないのを良いことに強引に婚約相手を変えた、と聞きましたが?」
「な、なんだと……? そんな噂どこから……」
「どうなんですの、ササリア様?」
私やジスパ様が責め立てるよりも早く、公爵令嬢のシルメル・ヴェンパース様が鋭い突っ込みを入れていた。ボルドー様も相手が公爵令嬢だけに、あまり強くは出られない様子だった。ウィクリフ王国では公爵と侯爵の間には明確な地位の差があるわけで……。
「いえ、私の口から申し上げられることでは……」
「確かに……ササリア様の口から真実は言えませんわよね……」
「な、なんだ……この状況は? なぜ、私を睨んでいる?」
「いえ、特に睨んではおりませんが……」
ボルドー様は完全にシルメル様からの不信を買ってしまったようだ。よく見ると、ササリアの口元が少し緩んでいるような……まさか情報を秘密裏に流したのは彼女自身? ジスパ様と一緒にボルドー様を責める予定だったのに、彼への攻撃はササリアから既に始まっていたようだ。
ササリア……怖い。
「……!!」
会場中が一瞬、静まり返る……それほどの叫び、内容が飛んできたからだった。様子を見ていた私とジスパ様たちだったけれど、そろそろ動いた方が良いのかもしれない。なぜなら、その言葉はボルドー様と話していた貴族が放った言葉だったからだ。
「少し近づいてみよう、フリージア嬢。ここでは聞き取りにくいからな」
「は、はい! 畏まりました……!」
私とジスパ様は急いで、ササリアの近くに移動した。その時、彼女と目が合ったけれど、特に驚いている様子はない。既に来ていることは分かっていたようね。
「お、おい……声が大きいぞ、シルメル公爵令嬢。人聞きの悪いことを言わないでくれ……」
「しかし、そういうことなのでございましょう? ボルドー様はササリア様の姉上と離縁したとも聞いておりますし」
「いや……あれはだな。フリージアの態度が横暴だった為に……」
「ん? 聞き間違いじゃない……?」
確かにさっき、ボルドー様は私との離縁……婚約破棄の理由を私の態度が悪かったからだと言った。これは……流石に横暴が過ぎるわ。しかも、こんな舞踏会の真ん中で堂々と嘘を吐くなんて……王族として最低過ぎる。
「あら、フリージア様の方に問題があったのですか? 聞いたところによると、ササリア様が逆らえないのを良いことに強引に婚約相手を変えた、と聞きましたが?」
「な、なんだと……? そんな噂どこから……」
「どうなんですの、ササリア様?」
私やジスパ様が責め立てるよりも早く、公爵令嬢のシルメル・ヴェンパース様が鋭い突っ込みを入れていた。ボルドー様も相手が公爵令嬢だけに、あまり強くは出られない様子だった。ウィクリフ王国では公爵と侯爵の間には明確な地位の差があるわけで……。
「いえ、私の口から申し上げられることでは……」
「確かに……ササリア様の口から真実は言えませんわよね……」
「な、なんだ……この状況は? なぜ、私を睨んでいる?」
「いえ、特に睨んではおりませんが……」
ボルドー様は完全にシルメル様からの不信を買ってしまったようだ。よく見ると、ササリアの口元が少し緩んでいるような……まさか情報を秘密裏に流したのは彼女自身? ジスパ様と一緒にボルドー様を責める予定だったのに、彼への攻撃はササリアから既に始まっていたようだ。
ササリア……怖い。
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