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蛇石の封印
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その昔、神社にほど近い場所に沼があった。沼には大蛇が棲みついていた。
この大蛇、困り者で田畑を荒らし、人や牛馬が近づけば誰彼構わず丸のみする。
仕方なく辺りの人たちは供物を捧げるので人を襲うのは止めてくれと交渉。
初めは野菜や米、他所から手に入れた魚などを供えていた。
一時はそれで収まったが段々それでは満足せず、終いには人を差し出せと迫ってくる。
周りの人たちがほとほと困っている所へ一人の歩き巫女がやってきた。
彼女は人々の話を聞くと、
「私が協力するので蛇を退治しましょう」と申し出た。
それが可能であればどれだけ助かるかわからないが、失敗すれば大蛇の怒りを買い、村中の人間が食われてしまうかもしれない。
尻込みするものもいたが、このままでは何も解決しない。
最終的に村人たちはその提案をのんだ。
作戦は単純なものだ。
まず村の庄屋が持っている蔵がある。ここへ、供物の人や馬や牛を用意したと言って蛇を誘い出すのだ。犠牲となる村の仲間が食べられるのを見るのは忍びないので蔵の中で食べてくれ。そんな理由付けでいいだろう。念の為に蔵の中には案山子に着物を着せて置いておく。
その蔵の中。壁や床には油をぬっておく。そして村中から用意したありったけのワラや薪、もみ殻などを積み上げる。そしてそこへ火を放ち蒸し焼きにするのだ。
更には大量のたばこの葉を別に用意する。そしてそれを山と積んだ籠を複数の村人背負い隠れて待つ。これで準備は整った。
誘いだされた大蛇は蔵の中へと入っていった。そこへ火を放った。
大蛇はすぐに異常に気付いたが、既に外では、用意されたタバコの葉がぐるりと蔵を取り巻くように積み上げられていた。
それに火がつけられ煙が上がっている。蛇はタバコの匂いが大の苦手。その為外にも出られない。
しまいには「ぎゃやああああああああああああああああ」
この世の物とは思えない悲鳴が上がった。
そして、瓦礫となり火が落ちた蔵を探ってみたが大蛇の死骸は見つからなかった。代わりに直径30cmくらい。真ん丸く白い石が残されていた。長く生きた蛇は最終的に龍となるなどと言われており、その過程で様々な霊力を宿らせるという。恐らくこの大蛇もその類のものだったのだろう。
そして、身が焼けつくされる前に石に変化して身を守ったのではないか。
いずれ長い時を経て復活するかもしれない。
「私が石の守り役となりましょう」
巫女はそう言って沼のほとりにお堂を建てて住むことになった。直に彼女は溶け込み、村の若い男と夫婦になった。
二人の間には女の子が生まれたが、この子供には巫女である母親の影響だろうか、不思議な能力があった。
人の失くし物を探し当てたり、天候や気候を予知したり、病気や果ては人の生き死にまで言い当てる。そして大蛇退治をした母親共々村の信仰を集める事になる。
以来、この家系は女性を家長として続いていく。生まれた子供は霊能力を持ち、特に女性は能力が強い。
しかし、家長となった女性は身体が弱く短命だった。能力が強い分身体の負荷も大きいのかもれない。その寿命は次第に短くなり、明治に入る頃の当主はついに二十代の若さで命を落とした。
このまま行けば近い将来の当主は幼いまま命を落としてしまうかもしれない。
そこへ、次代の当主に託宣が降りた。それはこの地を去れというものだ。
場所替えをして、心機一転を望め。
当主は村人に訳を話し、大蛇の玉については望月神社に管理を託して町へ移住した。
これが今の金鞠家である。
この大蛇、困り者で田畑を荒らし、人や牛馬が近づけば誰彼構わず丸のみする。
仕方なく辺りの人たちは供物を捧げるので人を襲うのは止めてくれと交渉。
初めは野菜や米、他所から手に入れた魚などを供えていた。
一時はそれで収まったが段々それでは満足せず、終いには人を差し出せと迫ってくる。
周りの人たちがほとほと困っている所へ一人の歩き巫女がやってきた。
彼女は人々の話を聞くと、
「私が協力するので蛇を退治しましょう」と申し出た。
それが可能であればどれだけ助かるかわからないが、失敗すれば大蛇の怒りを買い、村中の人間が食われてしまうかもしれない。
尻込みするものもいたが、このままでは何も解決しない。
最終的に村人たちはその提案をのんだ。
作戦は単純なものだ。
まず村の庄屋が持っている蔵がある。ここへ、供物の人や馬や牛を用意したと言って蛇を誘い出すのだ。犠牲となる村の仲間が食べられるのを見るのは忍びないので蔵の中で食べてくれ。そんな理由付けでいいだろう。念の為に蔵の中には案山子に着物を着せて置いておく。
その蔵の中。壁や床には油をぬっておく。そして村中から用意したありったけのワラや薪、もみ殻などを積み上げる。そしてそこへ火を放ち蒸し焼きにするのだ。
更には大量のたばこの葉を別に用意する。そしてそれを山と積んだ籠を複数の村人背負い隠れて待つ。これで準備は整った。
誘いだされた大蛇は蔵の中へと入っていった。そこへ火を放った。
大蛇はすぐに異常に気付いたが、既に外では、用意されたタバコの葉がぐるりと蔵を取り巻くように積み上げられていた。
それに火がつけられ煙が上がっている。蛇はタバコの匂いが大の苦手。その為外にも出られない。
しまいには「ぎゃやああああああああああああああああ」
この世の物とは思えない悲鳴が上がった。
そして、瓦礫となり火が落ちた蔵を探ってみたが大蛇の死骸は見つからなかった。代わりに直径30cmくらい。真ん丸く白い石が残されていた。長く生きた蛇は最終的に龍となるなどと言われており、その過程で様々な霊力を宿らせるという。恐らくこの大蛇もその類のものだったのだろう。
そして、身が焼けつくされる前に石に変化して身を守ったのではないか。
いずれ長い時を経て復活するかもしれない。
「私が石の守り役となりましょう」
巫女はそう言って沼のほとりにお堂を建てて住むことになった。直に彼女は溶け込み、村の若い男と夫婦になった。
二人の間には女の子が生まれたが、この子供には巫女である母親の影響だろうか、不思議な能力があった。
人の失くし物を探し当てたり、天候や気候を予知したり、病気や果ては人の生き死にまで言い当てる。そして大蛇退治をした母親共々村の信仰を集める事になる。
以来、この家系は女性を家長として続いていく。生まれた子供は霊能力を持ち、特に女性は能力が強い。
しかし、家長となった女性は身体が弱く短命だった。能力が強い分身体の負荷も大きいのかもれない。その寿命は次第に短くなり、明治に入る頃の当主はついに二十代の若さで命を落とした。
このまま行けば近い将来の当主は幼いまま命を落としてしまうかもしれない。
そこへ、次代の当主に託宣が降りた。それはこの地を去れというものだ。
場所替えをして、心機一転を望め。
当主は村人に訳を話し、大蛇の玉については望月神社に管理を託して町へ移住した。
これが今の金鞠家である。
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