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蛇石の封印
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時は少しだけ遡る。
ひみか達と別れたあゆみはというと叔父の正敏と二人神社の拝殿裏にいた。
「お、おじさん。本当にしなきゃダメ? ボク……恥ずかしい」
「なにを言ってるんだあゆみ。初めてでもないくせに。おじさんが手伝ってあげよう。さあ、脱ぎなさい」
今日、あゆむが神社に来た要件は正敏から呼び出されての事だった。
今、その要件をこなすための準備真っ最中なのである。
「ああ、もう。わかったよ、わかった。自分でするから、あっち行っててよ」
「あまり時間がないんだ。遠慮することはない。ほら、まずは手を入れて差し込むんだ」
「これくらいは分かるよ。大丈夫。あっちいってったら」
「いいから早くしろ。それから下も入れて」
「うん。こうだよね。入ったよ、大丈夫。もう、いいよ」
「腰のところのを使うんだぞ。さあ、締め上げるんだ」
「んっ……。ちょっとキツイ、かも」
「は、はあはあ……。い、いいぞ。あゆみ、さ、流石だ! 」
と、二人がやり取りしている所へ突然別な人物が割って入ってきた。
「いい加減にしろ。このクソおやじ! 」
スパンッと手に持つスリッパで正敏を叩いたのは、いまりの弟イノリだった。
現在中学二年生だが、父親よりも遥かに大きな体で身長180を超えガッチリした体躯。
あゆみと並ぶとまるで大人と子供に見える。
「い、痛いじゃないか。ち、父親になんだその態度は」
叔父は息子に詰め寄って抗議した。
顔が真っ赤なのは、怒っているのか恥じているの。はたまた両方なのかもしれない。
「偉そうにいえる立場じゃないだろ。この変態親父」
「何だ変態親父とは。と、父さんはあゆみの手助けをしてやろうとだな」
彼は言い募る父親に対して冷たい視線を向けながら、
「あんたがいると余計兄ちゃんのやる気が削がれるだろ」と言った。
対して正敏は「む、むしろ父さんはやる気をださせようとだな」ともごもごいうが完全無視。そして、あゆみに向かって「大丈夫っすか? あゆみ兄ちゃん」と口調を変えて尋ねる。
「ああ、イッ君。ごめん。やっぱり一人の方がやりやすいかな」
歳の近い従兄弟同士あゆみはイノリとも仲が良く「イッくん」「あゆみ兄ちゃん」と呼んで合う仲だ。
「おっけっす。ほら、親父。邪魔しない、邪魔しない。こっちへ来るっす」
「あ、あゆみ。叔父さんはないかがわしい意味はないんだ。本当に手伝って……」
言いかけたところでイノリが思いっきりグイッと手を引き、廊下へ連れ出すと襖を締めた。
「あははは。相変わらずだな」
笑い声をあげて残っている部屋には巫女装束に着替えている真っ最中の美少女がいる。
それがあゆみだった。
「やっぱり、何度やっても女装はなれないよな」
ぼやきつつも八割がた着替えた姿でポージングなどをしてみる。
「でも、我ながら似合っちゃうんだよ。参った参った」
その口調とは裏腹に声が弾んでいるように聞こえる。
以外にノリノリなのかもしれない。
そもそも、彼がなぜこのような恰好をしているかというと、叔父から呼ばれた要件に関わる事だとは既に触れた。
今日の要件は妖怪絡みの事である。
話は更に100年程前に遡る。
ひみか達と別れたあゆみはというと叔父の正敏と二人神社の拝殿裏にいた。
「お、おじさん。本当にしなきゃダメ? ボク……恥ずかしい」
「なにを言ってるんだあゆみ。初めてでもないくせに。おじさんが手伝ってあげよう。さあ、脱ぎなさい」
今日、あゆむが神社に来た要件は正敏から呼び出されての事だった。
今、その要件をこなすための準備真っ最中なのである。
「ああ、もう。わかったよ、わかった。自分でするから、あっち行っててよ」
「あまり時間がないんだ。遠慮することはない。ほら、まずは手を入れて差し込むんだ」
「これくらいは分かるよ。大丈夫。あっちいってったら」
「いいから早くしろ。それから下も入れて」
「うん。こうだよね。入ったよ、大丈夫。もう、いいよ」
「腰のところのを使うんだぞ。さあ、締め上げるんだ」
「んっ……。ちょっとキツイ、かも」
「は、はあはあ……。い、いいぞ。あゆみ、さ、流石だ! 」
と、二人がやり取りしている所へ突然別な人物が割って入ってきた。
「いい加減にしろ。このクソおやじ! 」
スパンッと手に持つスリッパで正敏を叩いたのは、いまりの弟イノリだった。
現在中学二年生だが、父親よりも遥かに大きな体で身長180を超えガッチリした体躯。
あゆみと並ぶとまるで大人と子供に見える。
「い、痛いじゃないか。ち、父親になんだその態度は」
叔父は息子に詰め寄って抗議した。
顔が真っ赤なのは、怒っているのか恥じているの。はたまた両方なのかもしれない。
「偉そうにいえる立場じゃないだろ。この変態親父」
「何だ変態親父とは。と、父さんはあゆみの手助けをしてやろうとだな」
彼は言い募る父親に対して冷たい視線を向けながら、
「あんたがいると余計兄ちゃんのやる気が削がれるだろ」と言った。
対して正敏は「む、むしろ父さんはやる気をださせようとだな」ともごもごいうが完全無視。そして、あゆみに向かって「大丈夫っすか? あゆみ兄ちゃん」と口調を変えて尋ねる。
「ああ、イッ君。ごめん。やっぱり一人の方がやりやすいかな」
歳の近い従兄弟同士あゆみはイノリとも仲が良く「イッくん」「あゆみ兄ちゃん」と呼んで合う仲だ。
「おっけっす。ほら、親父。邪魔しない、邪魔しない。こっちへ来るっす」
「あ、あゆみ。叔父さんはないかがわしい意味はないんだ。本当に手伝って……」
言いかけたところでイノリが思いっきりグイッと手を引き、廊下へ連れ出すと襖を締めた。
「あははは。相変わらずだな」
笑い声をあげて残っている部屋には巫女装束に着替えている真っ最中の美少女がいる。
それがあゆみだった。
「やっぱり、何度やっても女装はなれないよな」
ぼやきつつも八割がた着替えた姿でポージングなどをしてみる。
「でも、我ながら似合っちゃうんだよ。参った参った」
その口調とは裏腹に声が弾んでいるように聞こえる。
以外にノリノリなのかもしれない。
そもそも、彼がなぜこのような恰好をしているかというと、叔父から呼ばれた要件に関わる事だとは既に触れた。
今日の要件は妖怪絡みの事である。
話は更に100年程前に遡る。
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