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【お祓い】のその先に
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百鬼夜荘に戻ると未だいつもの様にみんなワイワイやっていた。
が、修二はその中にあゆみの姿を認めると田村が首を吊ったことを一気にまくしたてた。
言われたあゆみは「そ、そんな……」と呻いたかと想うと二の句が継げないようだった。そこへ更に言い募ろうとした修二に対して、
「喝っ!」
するどい声がつきささった。
「ひゃっひゃいっ。す、すみません」
修二は反射的に謝ってしまった。
「うるさいぞ馬鹿イタチ。何を取り乱している」
そう言って渋い声を張り上げたのは、スリーピースのスーツをビシッと着こなしたメガネの美男子。年は三十歳くらいに見えるがその正体は齢八百歳を超える天狗の棟梁、白蔵陣八だった。
「な、お、お天狗様。事情も知らないで……く、口挟まないでくださいよ」
陣八は沢山の天狗を従え、自身も強大な力を持っている。普段の修二は傍にいるだけでビクビクだったが、その時の彼は取り乱していたので強い言葉をぶつける。が、
「ふっ……。何をいっている。貴様の所業などこのワシが知らぬと想ったら大間違いだ」
「え。あの、しってらっしゃるんですか。あ、てめえシロ。告げ口しやがったな」
お祓い当日に設営などを手伝っていたシロは本来、陣八の居候で助手兼秘書の役割を担っていた。日当二千円で口止めをしていたのだが、彼らの関係性を考えれば筒抜けなのは明らかだ。
「そもそも、ワシの大事な助手を安い金で使い潰しおって。貴様の思惑などシロを通じずともお見通しだわ。たわけっ」
彼の配下の天狗は姿を見せずともあちこちに散って行動している。常に監視カメラで見張られているようなものなのだ。
「あははは、そうなんですか。いや、それならそれでいってくださったら良かったのに。お人が悪いなあ」
修二は旗色が悪くなったと悟ったのか、突然こびへつらうような口調になる。
「事情が呑み込めないんだけど、そもそも、あんた何やったわけ?」
「また、ろくでもない事企んだんだろ。あゆみを利用して金儲けしようとしたって訳かい?」
「か、金儲け何て人聞きが悪いな。引き合わせしただけよ。人助け、ひとだすけ~」
あきなとメアリーに詰め寄られた彼は、とんちが得意な小僧さんが主役の古いアニメに出てくる口癖のようなイントネーションでおどける。
「で、何があったんだい?」
「いや、だからよ。首吊りが続いてる事故物件てのがあってな。そこをお祓いしてほしいって人にあゆみを紹介したんだよ。でも、上手くいかなかった、のかい? 何がどうなってんのか俺にもさっぱり」
「イタチよ。人間から貴様が仕事としてそれをうけたのだな?」
「あ、はい。まあ、そっすね」
今更否定しようがないと察したのだろう。彼は力なく返事をする。
「では問うが、具体的に何を頼まれた? 」
「いや、だから。さっき言ったとおりね。事故物件をお祓いしてほしいっていわれたんすよ」
「ふむ。では、あゆみに問うぞ。貴様は何をした?」
が、修二はその中にあゆみの姿を認めると田村が首を吊ったことを一気にまくしたてた。
言われたあゆみは「そ、そんな……」と呻いたかと想うと二の句が継げないようだった。そこへ更に言い募ろうとした修二に対して、
「喝っ!」
するどい声がつきささった。
「ひゃっひゃいっ。す、すみません」
修二は反射的に謝ってしまった。
「うるさいぞ馬鹿イタチ。何を取り乱している」
そう言って渋い声を張り上げたのは、スリーピースのスーツをビシッと着こなしたメガネの美男子。年は三十歳くらいに見えるがその正体は齢八百歳を超える天狗の棟梁、白蔵陣八だった。
「な、お、お天狗様。事情も知らないで……く、口挟まないでくださいよ」
陣八は沢山の天狗を従え、自身も強大な力を持っている。普段の修二は傍にいるだけでビクビクだったが、その時の彼は取り乱していたので強い言葉をぶつける。が、
「ふっ……。何をいっている。貴様の所業などこのワシが知らぬと想ったら大間違いだ」
「え。あの、しってらっしゃるんですか。あ、てめえシロ。告げ口しやがったな」
お祓い当日に設営などを手伝っていたシロは本来、陣八の居候で助手兼秘書の役割を担っていた。日当二千円で口止めをしていたのだが、彼らの関係性を考えれば筒抜けなのは明らかだ。
「そもそも、ワシの大事な助手を安い金で使い潰しおって。貴様の思惑などシロを通じずともお見通しだわ。たわけっ」
彼の配下の天狗は姿を見せずともあちこちに散って行動している。常に監視カメラで見張られているようなものなのだ。
「あははは、そうなんですか。いや、それならそれでいってくださったら良かったのに。お人が悪いなあ」
修二は旗色が悪くなったと悟ったのか、突然こびへつらうような口調になる。
「事情が呑み込めないんだけど、そもそも、あんた何やったわけ?」
「また、ろくでもない事企んだんだろ。あゆみを利用して金儲けしようとしたって訳かい?」
「か、金儲け何て人聞きが悪いな。引き合わせしただけよ。人助け、ひとだすけ~」
あきなとメアリーに詰め寄られた彼は、とんちが得意な小僧さんが主役の古いアニメに出てくる口癖のようなイントネーションでおどける。
「で、何があったんだい?」
「いや、だからよ。首吊りが続いてる事故物件てのがあってな。そこをお祓いしてほしいって人にあゆみを紹介したんだよ。でも、上手くいかなかった、のかい? 何がどうなってんのか俺にもさっぱり」
「イタチよ。人間から貴様が仕事としてそれをうけたのだな?」
「あ、はい。まあ、そっすね」
今更否定しようがないと察したのだろう。彼は力なく返事をする。
「では問うが、具体的に何を頼まれた? 」
「いや、だから。さっき言ったとおりね。事故物件をお祓いしてほしいっていわれたんすよ」
「ふむ。では、あゆみに問うぞ。貴様は何をした?」
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