いじっぱりなシークレットムーン

奏多

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  Wishing Moon 2

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 ***


 社長室――。

 結城がここ数時間の状況を説明する。

 机の上に両肘をついて、顔を組んだ手の上に乗せている社長はじつに落ち着き払っていた。それが逆に怖い。冗談が出ない社長は、非日常だから。

「うちのデータが流出してるな。今は主にプログラム開発の顧客がやられているが」

 "プログラム開発部の顧客"

 持ち込まれるものは大体がその企業におけるシステム作りが多い。保険機関であれば、コールセンターを含むすべてのオペレータが管理している顧客データが見れるようにとか、遠隔にある関連会社と共通のデータが見れるような入力システムとか、常時管理されるものが多い。

 アプリケーションを入れたパソコンだけで見れるようにするのか、それともセキュリティーかかったWEBでIDパスワードを入れれば会員にも見えるようにするのか、それはその企業の希望によって違うけれど、常時こちらからのフォローが入って、うちでサーバー管理しているところすらも辞めると言い出しているのは確かにおかしい。

 前々からトラブルがあったとか、予兆があったわけではないのだ。

 それとも、それを全社員が見逃していたということなのだろうか。

 厳しい顔をした衣里がすっと出て言った。

「プログラム開発部だけに限ったことではないです。香月課長と鹿沼が回った大手のところも、辞めたいという表明を出してきたのですから、これはWEBの情報も流失している可能性があります」

 WEBの顧客情報はすべてデータ化出来ているわけではない。

 それでも管理しているところがあるとすれば、一番疑わしきはあたしのパソコンではないか?

 え?
 あたしのパソコンから!?

 確かにあたしはプログラム開発部がシステムを作ったところのは、エクセルで簡易だけど表にしたりしている。

「まさか、あたしのパソコンからですか!?」
 
「そうとも限りません。鹿沼主任のパソコンの中のものを持ち出すとしたら、DVDドライブか、USB接続出来る外部機器しかないが、今まで使われた形式はない」

「なんでそれわかるんですか?」

「私が作った"BB-fall"は、外部感染をも見ているセキュリティープログラムだったからです。念のためワーム騒動があったあの日の、ワームのない状態のBackupからも見てみましたけれど、あなたのパソコンに外部が接続した形跡もなければ、メールなどが使われている形跡もなかった」

 このひと、そんなことも調べていたの!?

「つまりあなたのパソコンからではない。別のパソコンから外部接続している社員を調べたら、木島くんが該当したけれど、それは結城さん……」

「ああ、さっき聞いたら、まるで関係ないことだった。木島の容疑は三上が断言してくれるだろう」

「三上って、杏奈?」

「ああ。三上、木島を鍛えていたらしいぞ、先週」

「き、鍛えてたって……服が連続同じだったことと同じ意味?」

「ああ。まあなにをしていたのかは俺が言うべきことじゃねぇな。だが間違いなくあいつらはスパイじゃねぇよ」

 結城が言うならそうなのだろう。

 内心ほっとした。

「外部機器ではないとしたら。相手に送りたいものがデータ化していなかったら、それをすぐに先方に送るにはどうすればいいか」

 資料室の資料は、スキャナでデータ化出来ていない。

 だとすれば、送れる可能性としたらただひとつ――。

「FAX?」

「はい。それはそこのコピー機との複合FAXから取り出した送信記録です」

 ああ、課長はさっきFAXのところに居た。これを、取り出していたのか。

「ここは今まで確認なさったことは?」

「いいえ。パソコンでFAXしているから……」

 この会社はWebサーバーに、プログラム開発部の作ったwebでFAX回線を選択してFAXを送信出来る『Webfax』のソフトをインストールして、共有機能の追加で全パソコンがWebからFAXが出来るようになっている。

 ただそれは原稿がデジタル化していないと駄目だ。

 相手にデジタル化していない、紙ペースの資料をFAXで送るとして、いつもコピー機にいたのは誰だろう。

 あれは――。 

 課長の指が紙の中によく登場する、ひとつの番号を指す。

 03-3573-00**

 都内のFAX番号だ。

「この番号が長期にかけてやけに多いですね。この番号がどこのものか、皆さんはご存知で?」

 皆が頭を振った。

「社長、そのパソコンにfiverciber社が法人用に出してる電話とFAX帳ソフトがインストールしてますよね」

「なんで知ってるんだ?」

「忍月に居た時、やたら渉さんから勧められて。あのひとのルーツはいつも社長に行き着くので」

「ははは」

「はああ!? 社長、そんな便利なもんあったら営業に回して下さいよ!」

 結城が噛みついた。

「ズルすると営業は育たない。お前達が育ったのは、一から自分たちの身体で歩き回ったからだろう? 与えられた情報に縋るのは、マニュアル人間のすることだ」

 正論を受けて、結城は口を尖らせながら下がった。

「調べるから、ちょっと待てよ」

 社長が慣れた手つきでテンキーを叩いていく。

 すると――。


「向島開発汐留本社、専務付秘書室――」


 そう言った社長が皮肉気な笑みを浮かべた。

 この番号がどこに繋がるかは、ここに居る皆は事前にわかきりきってはいたけれど、それでもこうして画面に名前が出れば怒りを禁じ得ない。

「最先端の情報を扱う会社が、セキュリティーを強くしていたというのに、原始的な方法で情報が流失したというわけか。しかもうちの社員から」

 衣里が言った。

「向島から外から操っているにしても、金曜日のことにしろ、かなりのプログラムの腕前……というよりは、大胆すぎやしませんか? 普通うちの社員であれば、見つからないかびくびくしているものだと思いますけど。このFAXだって何ヶ月も堂々と勤務中に送っていたわけでしょう?」

「あたしもそう思う。うちの社員は、誘われたらついていくような、ちゃらついたのはいないと思います」

「前々から、向島が動いていたのもしれねぇぞ。もしかしてスパイが入り込んで、ゆっくりと内から懐柔していったのかもしれないな。こんな突然一丸に動かないだろう」

 結城が頷く。

「つまり、皆から信頼を受けるか、あるいはムードメーカー的存在が怪しいと。プログラム開発部やWEBの内情をよく知る……」

 やはりあたしは、コピー機によくいた"彼女"を彷彿せずにはいられなかった。

「社長。あたし、心当たりがあります。彼女が根か、枝葉かはわかりませんが、確認してみてもいいですか?」

「いいぞ。だけど引き留めるな。ここまでになった以上、そいつがどの程度の向島への関与かは関係なく、息の根がかかっていたなら辞めさせる。その上での会話になる」

「わかりました」

「陽菜、それ誰?」

「エナジードリンクくれたのよ、金曜日。衣里と同じに、頑張れって」

 結城と課長の視線を感じながら、あたしは笑った。


 ***



 階段から降りると、丁度彼女はトイレに立ったところだった。

 追いかけるようにしてトイレに入り、洗面所で出てくるのを待つ。

 ドアが閉められた個室の中で、抑えた声が聞こえる。

「……はい、大丈夫。疑われてません。はい、クラウドにちゃんと入れて……これからが始まりです。はい、ではまた後で」

 わざとらしい水音がして、個室から出てくる彼女にあたしは声をかけた。


「千絵ちゃん」


 彼女はびくっと身体を震わした。

「うわあ、びっくりしたあ。主任、どうしたんですか? 綺麗なお顔が怖いですよ?」

 にこにこと彼女は可愛らしく笑いながら、彼女は手を洗う。

 嘘つき。電話してたくせに。

「ねぇ、疑われていないってなに?」

「やだなあ、盗み聞きですか? 実は私お友達の誕生パーティーに」

「最初から考えられた言い訳は必要ない。そこまでこの会社が嫌いなの?」

 よくコピー機の前に居た彼女は居たんだ。

――私雑用大好きだから、仰って下さい~。コピーやシュレッダーなんでもどうぞ~。

 どんなことでも笑顔で受ける彼女は、皆を癒やした。気のつく子だと思っていた。皆から可愛がられている子だと思っていた。そうして、恋愛話であれ、皆から頼られる要素もあったじゃないか。

「どうしてそんなこと聞くんですかぁ、主任~」

 ふわふわのパーマの髪が揺れる。いつも通りに愛らしい顔で、くすくす笑う。

「ねぇ、千絵ちゃん。あなた、FAXで向島に資料送ってたでしょう」

 数回瞬きが繰り返され、くるんと巻かれた睫がぷるぷると震えた。

 ……笑っているのだ。

「え~、バレちゃったんですか? ここはローカルなことに疎いと思ったのに。ああ、課長ですか~? さっすが~」

 くすくす、くすくす。

 悪気のないというような顔で千絵ちゃんは笑う。これが本当に悪気がないのだとしたら、純粋悪というものだ。
  

「あたしをばかにしないで!!」

 あたしは壁のタイルを手で叩いた。

 さすがにびっくりとした顔で千絵ちゃんは笑いを止めた。

「なんでこんなことしたのよ! これは会社に対する裏切りよ!!」

「そうかな」

「そうじゃないの!」

「他人のセキュリティがなんだと言ってる割には、自分のところのセキュリティ弱いんだもの。まずは社員のセキュリティ守らなきゃ。それを教えて上げたんです」

「千絵ちゃん!!」

「私、主任が大嫌いなんです」

 あたしを好きだといった同じ顔で、彼女は言う。
 
「自分は出来る女だと自信満々で、全員が愛社精神を持っていると信じてやまない。社長からは目をかけられ、怖い怖い真下さんとは友達で、イケメンの結城さんから好かれているのに仲のいい友達とか言っちゃって。そうやって常に上に居れる恵まれた環境にいることは、主任の努力の結果とは違うでしょう? 私だって主任と同じ年で入社していたら、同じなんです」

 あたしは目を細めた。

「それに課長が入社したら、課長をちらちら。結城さんが可哀想だわ」

「ちらちらなんてしてないわ!」

 悲しい悲しい悲しい。
 あたし達、仲良くやってきたと思ったのに。

 あたしにエナジードリンク持ってきてくれたのも嘘だったの?

「結城さん焦ってませんでした? 不安だーとか言って、主任に告ったりしませんでしたかあ?」

 あたしは思わずどもった。

「結局は皆、恋愛をしに会社に来ているだけなんです。誰も働きたくなんてないんですよ。お金を貰って結婚する相手に巡り会う腰掛けになったらそれでOK。会社のために尽くそうなんてスポ根、今時流行りませんからあ」

 くすくす、くすくす。
 
「三橋ちゃんに結城さんにふられたのは主任のせいだと告げたら、先に私が声をかけて迷ってた江川くんと実行に移しました。会社が駄目になりそうな不安が渦巻く今、皆は協力して率先して頑張ろうとしてますか?」

「………」

「もう少し、楽しんでようと思ったのに、バレちゃったかあ」

「あたしは、千絵ちゃん好きだったよ」

「あれぇ、過去系なんですかあ?」

「こんなことをする千絵ちゃんは嫌い。あたしが嫌ならあたしに来ればいいのに、こんなに多くを巻き込む千絵ちゃんは、卑怯で薄情で嫌い」

「な……っ」
 
「あたし、千絵ちゃんを過大評価しすぎてたのかなあ? どう思う?」

「私に聞くなんて馬鹿なんじゃないですかあ?」

「そうかもしれないね。千絵ちゃんに騙されてたもの。あたし千絵ちゃんって本当にいい子だと思ってたのに。馬鹿だったからそう思っちゃったのね」

「……っ」

「千絵ちゃんがここに居るということは、これからが始まりなんでしょう? 今度はあなたがなにかをしたのね? 電話でそう言ってたじゃない。クラウドってなに? またウイルスでも?」

 千絵ちゃんは薄く笑う。

「私、二・三日後くらいに辞めるつもりだったんですよ、この会社を。もう私耐えられない~と被害者ぶって。どうせ潰れる会社だし、置き土産に残しちゃいました」

「……潰れさせないわよ」

「ふふ、せいぜい頑張って下さい。きっとこうしている今頃も大変だと思いますけど。ほら聞こえません? 電話の音」

 確かに電話が鳴り響いている気がする。

「なにかしたの!?」

「さあ? 私はただシナリオを知っているだけですから。それと一応お世話になった先輩にこれだけ言っておきますね。これはあたし個人だけの問題じゃなく、向島の意志です。……私、向島社長の娘なんです。専務が兄で」

 向島専務とは、FAX番号の先だ。

「何番目か忘れるくらい遠い異母兄妹ですけど。ここが潰れれば私も母も自由になる。私が来た時既に、この会社は狙われていた、というわけです。私はここの社員に転職を持ちかけれるだけの存在ではありますけど、私が囁いた通り本当に向島の正社員になれるかどうかは別の話ですけどね」

 三橋さんや江川くん、そして今日まで辞めた元社員達は、そしてこれからも辞めようとしている社員達は、彼女の口車に乗せられただけなのか。それはあまりにもひどすぎる。

「そうだ、主任。主任こそ向島に来ませんか? 兄はあなたを気に入ると思うんですよね。愛人なんてどうですか?」

「断ります!」

「そうですか。いい土産が出来たと思ったのに、それは残念。これから顧客が離れて、会社は倒産する。もし苦しくなったら、私に電話下さい。条件を吞んでくれるなら、私が助けて上げます」

「条件ってなによ」


「課長を下さい」
 

 最初から課長ファンだと確かに千絵ちゃんは言っていた。

「なんで課長?」

「あんなハイスペックなひとなら「断固拒否」」

 自分でも驚くほどの即答だった。

「課長は渡さない」

 きっぱりと言い切ると、千絵ちゃんの顔が歪んだ。

「色恋と会社を同じにするような千絵ちゃんなんかに、課長は渡さない。課長を渡してすむようなものなら、こっちが切り抜けるから。甘く見ないで」
 
「ははは……。いいんですかあ、そんなこと言って? まだなにが起きたのかもわからないくせに」

「それでも。あたしのスタンスは変わらないから」

「ふうん? でも電話待ってます。主任はきっと課長を渡すから」

 そう笑って千絵ちゃんがドアを開けた、その時だった。

 開けた先に、壁に背を凭れさせるようにして、結城が腕組をしながら立っていたのは。

「え……と、結城課長……」

 さすがに突然過ぎて千絵ちゃんも笑みを作れないようだ。

「香月が簡単にお前の元に行くとでも?」

「……っ」

「あいつが黙って鹿沼から引き渡されるとでも?」

「そ、そうなります。会社のために課長は……」

 結城は笑った。とびきりの笑顔で。
 まるでその通りだと言わんばかりの、褒めているような柔和な顔で。

 そして――。

「な!!!」

 パシンッ!!

 その笑顔のまま、千絵ちゃんの頬を平手打ちにしたのだ。
 
 目を丸くさせて固まるあたしの前で、結城の顔から笑みが消えた。

「女に手を上げないとでも思ってた?」

 代わって見えるのは、

「――俺を見くびるな」

 結城の"怒"の顔。

 侮蔑したようなその顔を向けられた途端、千絵ちゃんはガタガタ震えた。

「向島と共に、相応の報いは受けても貰う。――行け」

 途中転びながら走って出ていく。
 あの感じならきっと泣いているだろう。

「に、逃がしてよかったの?」

「もうどうにもならねぇよ。あいつが裏に居たのか」

 あたしは頷いた。

「香月使おうなんてアホじゃねぇか。香月は俺も渡さねぇよ。今の会社の要になる奴を、色目使う女になんかやってたまるか! いいか、お前も絶対香月渡すなよ。色仕掛け以外なんでもやっていいから」

「……あたしの色仕掛けなんて無意味だって」

「いや、俺はまいる。やってみ?」

「やりません!」

 あたし達は軽く笑い合った。

「ねぇ電話の音、なに?」

「ああ、顧客のHPにランサムウェアを仕込まれた」

「え?」

「振り込み口座がうちのものになっているってよ」

「なんですって!!」

 ランサムウェアとは、それを実行してしまうと遠隔でパソコンをロックされ、ファイルまで暗号化されて使えない。元に戻すためには指定口座にお金を振り込めと"ransom(身代金)"を要求される悪質なプログラムのことを言う。

 誘拐犯としてうちの名前が出ているのなら、うちの信用はがた落ちじゃないか。

 ランサムウェアの被害者だと訴えても、きっとそれを防止できなかったうちの手腕を言われるだけだ。

 千絵ちゃんがしていった置き土産とは、このことなのか。

「課長が作ったセキュリティソフト擦り抜けてきたってわけ?」

「クラウドがやられたらしい」

 クラウドとは、利用者がネットワーク経由で、クラウドサービス事業者のサーバーに保存してあるファイルであれば、アクセスさえ出来ればどこででも自由に編集等使うことが出来るもので、同じパソコンだけを使わないといけないとか制約はない。

 利用者のデータを預かるうちは、いつもセキュリティーに気をつけて居なければならない。
 
「香月が作ったソフトもちゃんと作動していたらしいが、今回は圧縮かかったランサムが解凍した状態の「.dll(共用)ファイル」が既にクラウドにあって、それを遠隔的に実行しために、ランサムの動きになったらしい。dllはソフト動かすために必要なファイルだから、ウイルス用の特別なデータの拡張子ではなかったことが、敗因かもと言ってたぞ。簡単に言えば、盲点突いたんだよ」

「遠隔的にって出来るの、そんなこと!?」

「出来るらしいな、出来たんだから。今あのサーバーで作業している企業は、ファイル凍結状態だ。WEBを置いてあるからWEBも見れない、WEBを見に来た通りすがりも被害にあっている。……その苦情の電話だ」

 向島はそういう専門家を雇っているのだろうか。

 あまりに手腕が玄人すぎる。千絵ちゃんか誰かが課長が作ったソフトを相手に渡して、どこかに穴がないのか探して作ったもののようだ。

 普通ウイルスとか悪質なプログラムは、何度も手間をかけさせない。足がついてしまうからだ。

 でもこれは――。

「どうする気なの!? ランサムウェアって、何十桁もの鍵(=パスワード)がなければ解除出来ないから、皆お金支払うんでしょう!?」

「ああ。さらには振り込んで元に戻らなかったら、うちの責任にもなる」

「そんな……、金曜危機を脱したはずだったのに」

「しかもお前らが外に行っている間、プログラム開発部は、示し合わせたように一気に辞めて、今は三上しかいないらしい」

 それだったのか、杏奈が戻ってきたあたしに訴えようとしていたのは。

「こうなりゃ、香月と三上のふたりにかかっている。まずはランサム抑えなきゃ話になんねぇぞ」

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