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第一章
鬼人との会話
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治療も終わったし、改めて鬼人と話さないとな。
にしてもなんでこんなとこにいるんだ?
まあ聞けばおせーてくれるかね。
「あーお待たせ。治療させてくれてありがとう」
言いながら俺も鬼人の向かいに胡坐をかいて座る。
「いやいや。なんか、ニヤつきながら余裕ですよーみたいな態度にイラッとしてね。ついヤっちゃった」
ヤっちゃったて……。
これまずいな。
下手な態度とると殺りあうことになるかも……。
「それはこちらが悪い。申し訳ない。いろいろと聞きたいことことがあるんだが……その前に自己紹介しなきゃな。俺の名前はパスト=オリガだ。
「なに?!パスト?!ってことは二年前にアオ様を助けて下さったあの?!」
「知り合いなのか?」
「知り合いどころか、私はアオ様の護衛隊の元隊長だ」
なにそれすげえ偶然。
「へぇ。というかあいつ護衛なんかついてたんだ。こんな護衛からよく逃げ出せたな」
「元だよ元。三年前に退役して今は隠居生活さ。あ、私の名前はグンだ。よろしく」
そう言ってグンが手を出してきたので、俺も手を出して握手して話を続ける。
「いきなり本題でわりいが、鬼人族の男がなんでこんなところに?しかも一人で」
たしか、男は多人数で行動するのが一般的とか書いてあったはずだ。
アオも言ってたしな。
アオってのは、中等時代の仕事中にたまたま助けた鬼人族の女の子だ。
なんでも、本に感化して国を逃げ出したんだと。
迷惑極まりない。
しかも、鬼人族の王女だって言うもんだから、鬼人族ってバカばっかりなのか?と思ってしまった。
その時、俺の作った飯とか、地球の飯のレシピとか、異空間魔法だとか、まあその辺に感動され、なんやかんやで条件付きで俺の弟子になることが決まってる。
「アオ様が二年前家出をした時、私は真っ先に探そうとしたんだけど止められてね。それで揉めていたんだけど結局私の後任の護衛隊長とその部下が探しに行くことになったんだ。なのに彼らが国を出て三日後にひょっこり帰ってきて、しかもいきなり普人族に弟子入りするために私はここで修行するー!って宣言なさってねー」
「おーホントに修行しだしたのか。てことはそろそろ国から出てくんのかな」
「それが……」
「お?どしたさ?」
なんかやな予感……。
「実は……。アオ様が……。またいなくなっちゃってねー……」
やっぱり……。
「……修行はどうした?」
「アオ様メチャメチャ頑張ってさあ……。三ヶ月前に終わらせちゃったんだよね……。それでそのまま、師匠を探すー!と宣言して失踪……。国中の手が空いてる者が、世界中に散って探しまわることになったってわけ。私は疲れたのでここで休憩しつつ、ついでにこの辺の魔物を狩っていたんだけど、たまたま普人族を見かけてね。暇だったから話しかけようとしたら逃げられちゃって。そんで魔物と間違えられたかなあと思ってほとぼりが冷めるまで奥に引っ込んでたらアレがきてなめくさった態度とるじゃん?苛ついてるところにそんな態度じゃあね。私そこそこ気が短いから」
じゃん?じゃねえ。
あのバカ……。
待ってろっつったろーに……。
「アオは俺を探すって言ってたんだよな。ってことは……多分あいつラヴィエ国にいるかもしれねえ。あいつと会ったのはその近くのバル山脈ってとこでな。ついでにそこでギルド登録もしてやったから、多分そこで金を稼いでるんじゃねえかな。」
「なるほど……」
会ったら一発殴ったろ。
「俺はこの試験が終われば俺が通ってる学園は長期休暇に入るんだわ。そしたら迎えに行くつもりだったんだが、グンも一緒に来ないか?多分こっからラヴィエに行くのに男の鬼人じゃ今回みたいに誤解される可能性もあるだろうし」
「たしかに……。んーーー……わかった。待ってるから、私も連れて行ってほしい」
そう言って、グンは俺に頭を下げた。
「わかった。じゃ食糧とか置いておくよ。一ヶ月後に来れるはずだから」
「よろしくねー。ところで…あ、いやなんでもない。」
「ん?なんだよ」
「あーいや……。君強いねと思ってさ」
「ああ、俺は強いぜ。ヤるか?」
「本音はすっごくヤりあいたいけど、我慢しとく」
「そうかい。んじゃこいつら連れてくわ」
まずは、異空間魔法で中身を全部出す。
ドジャアー。
そのうち溜め込んだ食料の一部をアイテムボックスにぶち込んでグンに渡す。
顔が引きつってたワロス。
そんで異空間魔法に入れておいた中から秘密兵器の自動車を出す。
まあこれも自作な上車の知識なんぞないため非常に乗り心地の悪い仕様である。
タイヤが四つ付いていて、燃料が魔力ってだけ。
サスペンション?
なにそれ僕知らなーい。
こいつらを荷台に詰め込んで。
出したものをまた異空間にぶち込む。面倒だなあこれ。
「んじゃ一ヶ月後に!また来るよ!」
「う、うん。なんかもういろいろ聞きたいことがあるけどもういーや……。よろしくねー」
こうして、俺はグンと会話を終え村に帰った。
にしてもなんでこんなとこにいるんだ?
まあ聞けばおせーてくれるかね。
「あーお待たせ。治療させてくれてありがとう」
言いながら俺も鬼人の向かいに胡坐をかいて座る。
「いやいや。なんか、ニヤつきながら余裕ですよーみたいな態度にイラッとしてね。ついヤっちゃった」
ヤっちゃったて……。
これまずいな。
下手な態度とると殺りあうことになるかも……。
「それはこちらが悪い。申し訳ない。いろいろと聞きたいことことがあるんだが……その前に自己紹介しなきゃな。俺の名前はパスト=オリガだ。
「なに?!パスト?!ってことは二年前にアオ様を助けて下さったあの?!」
「知り合いなのか?」
「知り合いどころか、私はアオ様の護衛隊の元隊長だ」
なにそれすげえ偶然。
「へぇ。というかあいつ護衛なんかついてたんだ。こんな護衛からよく逃げ出せたな」
「元だよ元。三年前に退役して今は隠居生活さ。あ、私の名前はグンだ。よろしく」
そう言ってグンが手を出してきたので、俺も手を出して握手して話を続ける。
「いきなり本題でわりいが、鬼人族の男がなんでこんなところに?しかも一人で」
たしか、男は多人数で行動するのが一般的とか書いてあったはずだ。
アオも言ってたしな。
アオってのは、中等時代の仕事中にたまたま助けた鬼人族の女の子だ。
なんでも、本に感化して国を逃げ出したんだと。
迷惑極まりない。
しかも、鬼人族の王女だって言うもんだから、鬼人族ってバカばっかりなのか?と思ってしまった。
その時、俺の作った飯とか、地球の飯のレシピとか、異空間魔法だとか、まあその辺に感動され、なんやかんやで条件付きで俺の弟子になることが決まってる。
「アオ様が二年前家出をした時、私は真っ先に探そうとしたんだけど止められてね。それで揉めていたんだけど結局私の後任の護衛隊長とその部下が探しに行くことになったんだ。なのに彼らが国を出て三日後にひょっこり帰ってきて、しかもいきなり普人族に弟子入りするために私はここで修行するー!って宣言なさってねー」
「おーホントに修行しだしたのか。てことはそろそろ国から出てくんのかな」
「それが……」
「お?どしたさ?」
なんかやな予感……。
「実は……。アオ様が……。またいなくなっちゃってねー……」
やっぱり……。
「……修行はどうした?」
「アオ様メチャメチャ頑張ってさあ……。三ヶ月前に終わらせちゃったんだよね……。それでそのまま、師匠を探すー!と宣言して失踪……。国中の手が空いてる者が、世界中に散って探しまわることになったってわけ。私は疲れたのでここで休憩しつつ、ついでにこの辺の魔物を狩っていたんだけど、たまたま普人族を見かけてね。暇だったから話しかけようとしたら逃げられちゃって。そんで魔物と間違えられたかなあと思ってほとぼりが冷めるまで奥に引っ込んでたらアレがきてなめくさった態度とるじゃん?苛ついてるところにそんな態度じゃあね。私そこそこ気が短いから」
じゃん?じゃねえ。
あのバカ……。
待ってろっつったろーに……。
「アオは俺を探すって言ってたんだよな。ってことは……多分あいつラヴィエ国にいるかもしれねえ。あいつと会ったのはその近くのバル山脈ってとこでな。ついでにそこでギルド登録もしてやったから、多分そこで金を稼いでるんじゃねえかな。」
「なるほど……」
会ったら一発殴ったろ。
「俺はこの試験が終われば俺が通ってる学園は長期休暇に入るんだわ。そしたら迎えに行くつもりだったんだが、グンも一緒に来ないか?多分こっからラヴィエに行くのに男の鬼人じゃ今回みたいに誤解される可能性もあるだろうし」
「たしかに……。んーーー……わかった。待ってるから、私も連れて行ってほしい」
そう言って、グンは俺に頭を下げた。
「わかった。じゃ食糧とか置いておくよ。一ヶ月後に来れるはずだから」
「よろしくねー。ところで…あ、いやなんでもない。」
「ん?なんだよ」
「あーいや……。君強いねと思ってさ」
「ああ、俺は強いぜ。ヤるか?」
「本音はすっごくヤりあいたいけど、我慢しとく」
「そうかい。んじゃこいつら連れてくわ」
まずは、異空間魔法で中身を全部出す。
ドジャアー。
そのうち溜め込んだ食料の一部をアイテムボックスにぶち込んでグンに渡す。
顔が引きつってたワロス。
そんで異空間魔法に入れておいた中から秘密兵器の自動車を出す。
まあこれも自作な上車の知識なんぞないため非常に乗り心地の悪い仕様である。
タイヤが四つ付いていて、燃料が魔力ってだけ。
サスペンション?
なにそれ僕知らなーい。
こいつらを荷台に詰め込んで。
出したものをまた異空間にぶち込む。面倒だなあこれ。
「んじゃ一ヶ月後に!また来るよ!」
「う、うん。なんかもういろいろ聞きたいことがあるけどもういーや……。よろしくねー」
こうして、俺はグンと会話を終え村に帰った。
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