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第七章
平成が終わります
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あっという間に時は過ぎ、ニーグンの生誕&婚約パーティーの日がやってきた。
「師匠ー」
「あー?」
「その格好で行くんですか?」
「ん? あーなんか変か?」
紺色のドレスに身を包んだアオは、俺を見て顔をしかめた。
「パスト……」
前に着ていたドレスに似た黒っぽいドレスを着こなしている先生も同じく呆れている。
「先生だって制服で良いって言ってたじゃないっすか」
「そんな事は言ってない。あの時はこういう場所に慣れておけと言っただけだ」
そうだっけ?
もう何ね……もとい一ヶ月前の事だ。
忘れていても仕方がないか。
「んー……」
パパッと異空間からスーツを取り出した。
「これは?」
先生に渡すと、興味深そうに手に取った。
「なんだこの素材は。すごくしっかりしているが……その割に安っぽい出来というか……なんとも表現出来ない……」
「まーた師匠の変なものですか」
変なもの言うなし。
「まあ悪くはないが……浮くなこれ。なら制服で浮いてたほうがマシか」
「ですね」
そんな嫌そうな顔せんくてもよくないか?
そんな事をしていると呼び鈴が鳴った。
「お、来たか」
「行きますよー」
「へいへい」
ニーグンからの招待だからか、向こうからのお迎え馬車まで来てくれるとか、なんとも至れり尽くせりだよな。
豪華というよりはしっかりしたと言える馬車に乗り込んで、俺たちは王城へ向かった。
そこで待ち受ける衝撃のっ出来事とは!?
なんてな。
*****
「こちらでお待ちください」
「あ、これ飲んでいいですか?」
「ご自由にどうぞ。何かありましたらお申し付けくださいませ。そちらのベルを鳴らしていただければ、使用人が伺います」
「どうもー」
男性の使用人が下がると、俺達はソファーに座って全力で寛ぐことにした。
「このお菓子……確か予約必須かつ二年待ちとかいう店のだよな……」
「このジュース、味がとんでもなく濃いです。なのに全くしつこく無い……凄い……」
「この紅茶……香りが凄まじい……」
各々驚愕し続ける事数十分。
扉のノック音が響いた。
「どーぞー」
「失礼いたします」
声の後、さっきのおじさんが一礼して入ってきた。
「あれ? もうですか?」
「いえ。パスト=オリガ様にお客様でございます。お通ししてもよろしいでしょうか」
お客様? 誰だ?
「あーはい。どうぞ」
「ありがとうございます」
また一礼して、横に逸れると、
「やっほー」
ニーグンがにこやかに入ってきた。
「「で、殿下!」」
先生はすぐに床に膝をつき、アオも立ち上がった。
「おーおひさーイダッッ!!」
「殿下に失礼な態度を取るな」
先生に殴られて床に這いつくばる事になった。
なんでや……。
「あーいーよいーよ。今はプライベートみたいなものだから。それにいつもこんな感じだしね」
使用人を下がらせたニーグンは、俺の座っていた椅子の横に座るとお菓子を口に頬張った。
「二人も楽にしてよ」
「はっ」
言われた二人はすぐに元の椅子に座った。
なぜか俺は先生に踏まれたままだ。
「……先生。立てないっす」
「あ、すまない。つい」
ついで踏むなや。
ヒールがいってえんだよ。
食い込んでいたところを軽く直すと、元の場所に座ってジュースを一飲み。
「んで何しに来た?……んですか?」
先生、睨まないで。
怖い。
「いいって普通で。それより先に先に言っておこうかなと思ってさ」
「何を?」
「今日、レティスも来ているからね」
……………………は?
「師匠ー」
「あー?」
「その格好で行くんですか?」
「ん? あーなんか変か?」
紺色のドレスに身を包んだアオは、俺を見て顔をしかめた。
「パスト……」
前に着ていたドレスに似た黒っぽいドレスを着こなしている先生も同じく呆れている。
「先生だって制服で良いって言ってたじゃないっすか」
「そんな事は言ってない。あの時はこういう場所に慣れておけと言っただけだ」
そうだっけ?
もう何ね……もとい一ヶ月前の事だ。
忘れていても仕方がないか。
「んー……」
パパッと異空間からスーツを取り出した。
「これは?」
先生に渡すと、興味深そうに手に取った。
「なんだこの素材は。すごくしっかりしているが……その割に安っぽい出来というか……なんとも表現出来ない……」
「まーた師匠の変なものですか」
変なもの言うなし。
「まあ悪くはないが……浮くなこれ。なら制服で浮いてたほうがマシか」
「ですね」
そんな嫌そうな顔せんくてもよくないか?
そんな事をしていると呼び鈴が鳴った。
「お、来たか」
「行きますよー」
「へいへい」
ニーグンからの招待だからか、向こうからのお迎え馬車まで来てくれるとか、なんとも至れり尽くせりだよな。
豪華というよりはしっかりしたと言える馬車に乗り込んで、俺たちは王城へ向かった。
そこで待ち受ける衝撃のっ出来事とは!?
なんてな。
*****
「こちらでお待ちください」
「あ、これ飲んでいいですか?」
「ご自由にどうぞ。何かありましたらお申し付けくださいませ。そちらのベルを鳴らしていただければ、使用人が伺います」
「どうもー」
男性の使用人が下がると、俺達はソファーに座って全力で寛ぐことにした。
「このお菓子……確か予約必須かつ二年待ちとかいう店のだよな……」
「このジュース、味がとんでもなく濃いです。なのに全くしつこく無い……凄い……」
「この紅茶……香りが凄まじい……」
各々驚愕し続ける事数十分。
扉のノック音が響いた。
「どーぞー」
「失礼いたします」
声の後、さっきのおじさんが一礼して入ってきた。
「あれ? もうですか?」
「いえ。パスト=オリガ様にお客様でございます。お通ししてもよろしいでしょうか」
お客様? 誰だ?
「あーはい。どうぞ」
「ありがとうございます」
また一礼して、横に逸れると、
「やっほー」
ニーグンがにこやかに入ってきた。
「「で、殿下!」」
先生はすぐに床に膝をつき、アオも立ち上がった。
「おーおひさーイダッッ!!」
「殿下に失礼な態度を取るな」
先生に殴られて床に這いつくばる事になった。
なんでや……。
「あーいーよいーよ。今はプライベートみたいなものだから。それにいつもこんな感じだしね」
使用人を下がらせたニーグンは、俺の座っていた椅子の横に座るとお菓子を口に頬張った。
「二人も楽にしてよ」
「はっ」
言われた二人はすぐに元の椅子に座った。
なぜか俺は先生に踏まれたままだ。
「……先生。立てないっす」
「あ、すまない。つい」
ついで踏むなや。
ヒールがいってえんだよ。
食い込んでいたところを軽く直すと、元の場所に座ってジュースを一飲み。
「んで何しに来た?……んですか?」
先生、睨まないで。
怖い。
「いいって普通で。それより先に先に言っておこうかなと思ってさ」
「何を?」
「今日、レティスも来ているからね」
……………………は?
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みんなの感想(31件)
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やっほーい!!
楽しみにしてますた!\(°∀° )/
返信遅くなりました。更新も遅くなりました。
申し訳ございません。今後とも是非!
お、久しぶりの更新・・・。うん、確かに細かいところ忘れてるよな。
しかしなんだ?この展開・・・w
書き出したらこうなってしまったんです……www
ありがとうございます!ちょっと?だいぶ?ぶっ飛んでる主人公ですがツボにハマってもらえて嬉しいですー
俺TUEEEEは……ある……か…も…………?