97 / 103
第六章
健康鬼
しおりを挟む
「はじめましてだな!我はスレイ。アオの父でピレマフの王だ。よろしくな、娘の師匠とやら」
「はあ……。よ、よろしくです……」
怖いから顔近づけないでと言いたいけど怖いから言えないや。
何その下顎から生えている牙。
それに地面に埋まってても分かってたけど、地面に立った状態でさらにその異様さを理解できた。
何このデカさ。
倍……ほどではないにしても、それに近い気がするぞ。
つか肩に乗っけてるユリさんのせいですごくすごーく見覚えのある何かに見えるんだけど。
それに口調が随分王様っぽいっすね。
あ、ちなみに俺はもう地面に立っている。
どうやって地面から出たかというと。
先生が俺の周りの土を消して、足元から少しずつ土を戻し、俺はスポーンッと外に出た。
俺はもう突っ込みたくない。
「これは土産だ。皆で食べようぞ」
と言ってスレイさんが当たり前のように異空間からデカイ箱を三箱出してきた。
…………ははっ。
「なんですかこれ」
「我の好きな海産物、穀物、野菜である!」
なんか健康的に見える!!
何この鬼!
生肉食えよ!齧りつけよ!
「我が捌くから、ユリさんは焼くのを頼んでいいだろうか?」
「し、しょうがないから手伝ってあげる……」
なんだこの夫婦。
「そうか。パストは知らなかったな」
先生が呆気に取られている俺に教えてくれた。
二人は歴代でもあり得ないくらいのバカップル夫婦なんだそうだ。
これはマジで驚いたのだが、ピレマフは多夫多妻制という超ハーレム国家である。
まあ元々数が少ないためそんなことになったらしい。
しかも近親結婚もオッケーなんだと。
すげえなピレマフ。
つか近親交配ってヤバイんじゃ……。
そんな国の中でスレイさんとユリさんは結婚し、他に相手は作らずにいるんだとさ。
ちなみに子供はアオだけなのはそういう種族だかららしい。
生涯で同じ相手との子供は一人しかできないんだとか。
よく滅びなかったな鬼人族。
「うーむ…………。それにしても…………」
あの桃色空間の邪魔をしていいものか……。
そこでふと気づいた。
「あれ?なんで普通に鬼人族の男性がいるんだ?」
「ん?そうか、知らないのか」
俺の独り言に先生が答えてくれた。
「何がですか?」
「魔普獣魔武闘大会にアオも参加したんだ」
「はあ?!」
聞いてねぇぞ!
「師匠は興味ないだろうから言わなくてもいいと思いますよ?と言っていたし私も確かにと思った」
まあ興味ねぇよ?
ねぇけど俺師匠じゃん!
師匠には報告しろよー……。
「それでアオが何かしたんですか?」
「ああ。本気で闘って、鬼人族の地位を認めさせたんだ」
ぜんっぜんわかんねぇし。
「ちなみにアオはチェニックと同じチームで先鋒だったぞ」
ここでチェニック!
すっかり忘れてたわ!!
何してんだよお前ら!
「そういえば何してんすかチェニックは」
「ん?奴なら王国からチェニック隊とやらを与えられてな。そこの隊長だ」
「…………何それ大出世じゃん」
「いやあ凄かったぞ。特に決勝戦の大将戦での魔界の王子との一騎打ち。あれは見事だった」
やべ。
ちょっと見たかったかも。
「つかあいつそんな強くなってんですか?」
「ああ。詳しくはわからんが、なんでも勇者の神託がどうとか」
なんで肝心なところがフワッとしてんのさ!
興味ねぇのに逆に興味でてくんだろ!
「ちなみに奴の隊は少数精鋭。そして全て女性だ」
糞ハーレムはまだ健在か。
「そういえばアオはハーレム軍団には入らなかったのか」
「アオ曰く、なんか生理的に無理。だと」
…………ははっ。
「こらパスト!食べておらぬではないか!肉ばかりでは栄養が偏る!ほら野菜も食べよ!」
いきなり襟首捕まれ引き上げられ口元にデカいセロリみたいな物を突き付けられた。
ごめんなさい。どんな顔をしたらいいか分からないわ。
「これは我が心を込めて作ったイーレだ!ほら口を開けよ!」
わーお。
王お手製のセロリだー。あ、イーレかー。
どっちでもいいわー。
一応口の中に入れてみた。
「何これうっっまっっ!!!」
「そうであろう!」
めっちゃうめぇ!!
齧った瞬間、セ……イーレ独特の爽やかな香りが鼻を突き抜け、味もサッパリしているのに噛むほど味が出る。
セロ……イーレやば!!
いつの間にか地面に下ろされた俺の前には、色とりどりの生野菜の数々が。
「いただきまぁす!!」
やば!ヤバ!うま!みずみずしい野菜だけど何こいつら!マジヤバイ!ヤバ過ぎで語彙力がヤバい!
「ハッハッハー。喜んでくれて嬉しい。時にパストよ。折り入って話があるのだが良いだろうか」
「なんふか?」
「いやあ大した話じゃあない。ちょっとだけ相談だ」
「ゴクン。まあ出来る限り事はしますよ。アオには世話にもなってますし、爆睡中も世話になってましたし」
それは良かったと朗らか……うん朗らかに笑う赤鬼。
ぜひ血糊を口につけたいところだ。
「いやあ実は頼みというのは他でもない。日本で野菜の種を持ってきてほしいのだよ」
俺は野菜を吹き出した。
「はあ……。よ、よろしくです……」
怖いから顔近づけないでと言いたいけど怖いから言えないや。
何その下顎から生えている牙。
それに地面に埋まってても分かってたけど、地面に立った状態でさらにその異様さを理解できた。
何このデカさ。
倍……ほどではないにしても、それに近い気がするぞ。
つか肩に乗っけてるユリさんのせいですごくすごーく見覚えのある何かに見えるんだけど。
それに口調が随分王様っぽいっすね。
あ、ちなみに俺はもう地面に立っている。
どうやって地面から出たかというと。
先生が俺の周りの土を消して、足元から少しずつ土を戻し、俺はスポーンッと外に出た。
俺はもう突っ込みたくない。
「これは土産だ。皆で食べようぞ」
と言ってスレイさんが当たり前のように異空間からデカイ箱を三箱出してきた。
…………ははっ。
「なんですかこれ」
「我の好きな海産物、穀物、野菜である!」
なんか健康的に見える!!
何この鬼!
生肉食えよ!齧りつけよ!
「我が捌くから、ユリさんは焼くのを頼んでいいだろうか?」
「し、しょうがないから手伝ってあげる……」
なんだこの夫婦。
「そうか。パストは知らなかったな」
先生が呆気に取られている俺に教えてくれた。
二人は歴代でもあり得ないくらいのバカップル夫婦なんだそうだ。
これはマジで驚いたのだが、ピレマフは多夫多妻制という超ハーレム国家である。
まあ元々数が少ないためそんなことになったらしい。
しかも近親結婚もオッケーなんだと。
すげえなピレマフ。
つか近親交配ってヤバイんじゃ……。
そんな国の中でスレイさんとユリさんは結婚し、他に相手は作らずにいるんだとさ。
ちなみに子供はアオだけなのはそういう種族だかららしい。
生涯で同じ相手との子供は一人しかできないんだとか。
よく滅びなかったな鬼人族。
「うーむ…………。それにしても…………」
あの桃色空間の邪魔をしていいものか……。
そこでふと気づいた。
「あれ?なんで普通に鬼人族の男性がいるんだ?」
「ん?そうか、知らないのか」
俺の独り言に先生が答えてくれた。
「何がですか?」
「魔普獣魔武闘大会にアオも参加したんだ」
「はあ?!」
聞いてねぇぞ!
「師匠は興味ないだろうから言わなくてもいいと思いますよ?と言っていたし私も確かにと思った」
まあ興味ねぇよ?
ねぇけど俺師匠じゃん!
師匠には報告しろよー……。
「それでアオが何かしたんですか?」
「ああ。本気で闘って、鬼人族の地位を認めさせたんだ」
ぜんっぜんわかんねぇし。
「ちなみにアオはチェニックと同じチームで先鋒だったぞ」
ここでチェニック!
すっかり忘れてたわ!!
何してんだよお前ら!
「そういえば何してんすかチェニックは」
「ん?奴なら王国からチェニック隊とやらを与えられてな。そこの隊長だ」
「…………何それ大出世じゃん」
「いやあ凄かったぞ。特に決勝戦の大将戦での魔界の王子との一騎打ち。あれは見事だった」
やべ。
ちょっと見たかったかも。
「つかあいつそんな強くなってんですか?」
「ああ。詳しくはわからんが、なんでも勇者の神託がどうとか」
なんで肝心なところがフワッとしてんのさ!
興味ねぇのに逆に興味でてくんだろ!
「ちなみに奴の隊は少数精鋭。そして全て女性だ」
糞ハーレムはまだ健在か。
「そういえばアオはハーレム軍団には入らなかったのか」
「アオ曰く、なんか生理的に無理。だと」
…………ははっ。
「こらパスト!食べておらぬではないか!肉ばかりでは栄養が偏る!ほら野菜も食べよ!」
いきなり襟首捕まれ引き上げられ口元にデカいセロリみたいな物を突き付けられた。
ごめんなさい。どんな顔をしたらいいか分からないわ。
「これは我が心を込めて作ったイーレだ!ほら口を開けよ!」
わーお。
王お手製のセロリだー。あ、イーレかー。
どっちでもいいわー。
一応口の中に入れてみた。
「何これうっっまっっ!!!」
「そうであろう!」
めっちゃうめぇ!!
齧った瞬間、セ……イーレ独特の爽やかな香りが鼻を突き抜け、味もサッパリしているのに噛むほど味が出る。
セロ……イーレやば!!
いつの間にか地面に下ろされた俺の前には、色とりどりの生野菜の数々が。
「いただきまぁす!!」
やば!ヤバ!うま!みずみずしい野菜だけど何こいつら!マジヤバイ!ヤバ過ぎで語彙力がヤバい!
「ハッハッハー。喜んでくれて嬉しい。時にパストよ。折り入って話があるのだが良いだろうか」
「なんふか?」
「いやあ大した話じゃあない。ちょっとだけ相談だ」
「ゴクン。まあ出来る限り事はしますよ。アオには世話にもなってますし、爆睡中も世話になってましたし」
それは良かったと朗らか……うん朗らかに笑う赤鬼。
ぜひ血糊を口につけたいところだ。
「いやあ実は頼みというのは他でもない。日本で野菜の種を持ってきてほしいのだよ」
俺は野菜を吹き出した。
0
あなたにおすすめの小説
前世は厳しい家族とお茶を極めたから、今世は優しい家族とお茶魔法極めます
初昔 茶ノ介
ファンタジー
代々続くお茶の名家、香坂家。そこに生まれ、小さな時から名家にふさわしくなるように厳しく指導を受けてきた香坂千景。
常にお茶のことを優先し、名家に恥じぬ実力を身につけた彼女は齢六十で人間国宝とまで言われる茶人となった。
しかし、身体は病魔に侵され、家族もおらず、また家の定める人にしか茶を入れてはならない生活に嫌気がさしていた。
そして、ある要人を持て成す席で、病状が悪化し命を落としてしまう。
そのまま消えるのかと思った千景は、目が覚めた時、自分の小さくなった手や見たことのない部屋、見たことのない人たちに囲まれて驚きを隠せなかった。
そこで周りの人達から公爵家の次女リーリフィアと呼ばれて……。
これは、前世で名家として厳しく指導を受けお茶を極めた千景が、異世界で公爵家次女リーリフィアとしてお茶魔法を極め優しい家族と幸せになるお話……。
ーーーーーーーー
のんびりと書いていきます。
よかったら楽しんでいただけると嬉しいです。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
1歳児天使の異世界生活!
春爛漫
ファンタジー
夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。
※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる