99 / 103
第六章
ですよねー…………
しおりを挟む
「お主は馬鹿なのか?いや馬鹿に失礼かの」
「ですよねー…………」
「え?誰この子。ここが異世界?ってことは君がアオちゃん?ってことは気だるそうな貴女がクーテさんねっ!」
「違うからねー……花梨ちゃんはこっちねー。あんたは正座」
薄々わかってたさ。
多分駄目だろうなって。
「それで?弁解はあるか?」
「ないっす」
おとなしく正座するとヘトリーが俺を見下ろしてきた。
「はあ……。久しぶりにお主のことを思い出して覗いてみればとんでもないことをしくさってからに……。異空間に生物を入れるとは何事か!この馬鹿者が!」
そう。
俺は花梨を異世界に連れて行くため、異空間魔法術で異空間に収納したのだ。
そのまま転移したら教会の中。
やっぱりなーって思ったわ。
やっぱり人間は駄目みたいだ。
なんで虫とか鳥が良くて人間が駄目なのかは分からんがその辺は神のさじ加減なのだろう。
「えー……と……許して?」
「まさか他にも生きた生物をそれぞれに連れて行ってはおらぬだろうな?」
「してませんとも!」
あっぶね。
見てなかっただけかよ。
「本当か?全く……。よいか?絶対にもうやってならんぞ?よいか?虫一匹連れて行ってはならぬからの」
「わかったって……。つか死んでたらいいのかよ」
「死んだら物だからの。物は良い。だが生物はならぬ。これはもう駄目なものは駄目という話。今回は見逃すがつぎにやったら問答無用で消滅させるからの」
「へーい」
花梨がかりんとうを食いながら心配そうにこっちを見ているのが見えた。
いーなー。
「んじゃあ花梨は連れて行けねぇんだよな。ここにはいいのか?」
「わしが許可しておるからの。ちなみに今は花梨の身体はまだ異空間の中じゃ。帰ったら出してやれ」
「うーい。…………だってさ花梨っ。流石にヘトリーに止められたら無理だっ」
「えーーっ」
花梨がなんかよくわからん物をかじりながら不満気な表情を浮かべた。
…………なにその……え?なにそれ。
何食ってんの?
「しょうがねぇよ。こいつら神様だし。つか何食ってんだよ」
「神様?エトラさんは神なの?あとこれは……えーと…なんだっけ」
「これ?これは%(@^*よ」
なるほど。
おそらくこいつらが管理してるかなんかの世界の何からしい。
「じゃあ……わかったからもう帰っていいでしょうかね」
「よいぞ。特に用事は無いからの。あ、これも何かの縁というかちょっと面白そうなので言っておこう」
「何さ」
「本当は駄目なのじゃがどうせお主の場合やることは変わらんじゃろうしな」
だからなんだよ……。
「まぁ耳を貸せ」
一応言われた通りに顔を寄せる。
……………………は?
「ごめん意味わかんないや。ハハハハ。マジで?この俺が?清廉潔白品行方正聖人君子のこの俺が?」
「いやお主はかなり性格はネジ曲がっておるし、お主の行動は大概碌でもないし、少なくとも教養があるような人物には思えんが、マジじゃ」
全否定かよ。
「理由は?」
「それはその時のお楽しみじゃな」
えー…………
「まあそんときはそんときか」
なんとかなんだろ…………多分。
つかなんとかしないと死ぬし。
「花梨帰るぞー」
「はーい。じゃあまたねエトラさんっ」
またねて……。
多分二度とこれねーだろうなあ。
そんなことを思いながら花梨が俺の横に来るのを待つ。
「それでどうやって帰るの?」
「転移」
俺はサヨナラも言わずにさっさと地球に退散した。
*****
「あぶなかったわね…………」
「本当じゃ…………。もう少し遅かったらわしら終わったぞ」
「そうね」
ヘトリーとエトラは二人でこたつに突っ伏した。
「それで?どうして言ったの?」
「んー?さっきもあやつに言ったが、縁があったからとしか言いようがないの。どうせあやつにはある程度干渉しても問題は無い存在じゃからの」
「それもそうね。あーあ。面倒だわぁ」
「そういえばそろそろ神迎祭の季節だけどお土産どうする?」
「あーそれは決まっておる」
「えーそうなのー?」
神々は今日ものんびり過ごす。
☆☆あとがき☆☆
これで第六章終了します。
詳しくは近況ボードにて。
ちなみにめっちゃ短いですが気に入ってる没ネタ載せてます。
「ですよねー…………」
「え?誰この子。ここが異世界?ってことは君がアオちゃん?ってことは気だるそうな貴女がクーテさんねっ!」
「違うからねー……花梨ちゃんはこっちねー。あんたは正座」
薄々わかってたさ。
多分駄目だろうなって。
「それで?弁解はあるか?」
「ないっす」
おとなしく正座するとヘトリーが俺を見下ろしてきた。
「はあ……。久しぶりにお主のことを思い出して覗いてみればとんでもないことをしくさってからに……。異空間に生物を入れるとは何事か!この馬鹿者が!」
そう。
俺は花梨を異世界に連れて行くため、異空間魔法術で異空間に収納したのだ。
そのまま転移したら教会の中。
やっぱりなーって思ったわ。
やっぱり人間は駄目みたいだ。
なんで虫とか鳥が良くて人間が駄目なのかは分からんがその辺は神のさじ加減なのだろう。
「えー……と……許して?」
「まさか他にも生きた生物をそれぞれに連れて行ってはおらぬだろうな?」
「してませんとも!」
あっぶね。
見てなかっただけかよ。
「本当か?全く……。よいか?絶対にもうやってならんぞ?よいか?虫一匹連れて行ってはならぬからの」
「わかったって……。つか死んでたらいいのかよ」
「死んだら物だからの。物は良い。だが生物はならぬ。これはもう駄目なものは駄目という話。今回は見逃すがつぎにやったら問答無用で消滅させるからの」
「へーい」
花梨がかりんとうを食いながら心配そうにこっちを見ているのが見えた。
いーなー。
「んじゃあ花梨は連れて行けねぇんだよな。ここにはいいのか?」
「わしが許可しておるからの。ちなみに今は花梨の身体はまだ異空間の中じゃ。帰ったら出してやれ」
「うーい。…………だってさ花梨っ。流石にヘトリーに止められたら無理だっ」
「えーーっ」
花梨がなんかよくわからん物をかじりながら不満気な表情を浮かべた。
…………なにその……え?なにそれ。
何食ってんの?
「しょうがねぇよ。こいつら神様だし。つか何食ってんだよ」
「神様?エトラさんは神なの?あとこれは……えーと…なんだっけ」
「これ?これは%(@^*よ」
なるほど。
おそらくこいつらが管理してるかなんかの世界の何からしい。
「じゃあ……わかったからもう帰っていいでしょうかね」
「よいぞ。特に用事は無いからの。あ、これも何かの縁というかちょっと面白そうなので言っておこう」
「何さ」
「本当は駄目なのじゃがどうせお主の場合やることは変わらんじゃろうしな」
だからなんだよ……。
「まぁ耳を貸せ」
一応言われた通りに顔を寄せる。
……………………は?
「ごめん意味わかんないや。ハハハハ。マジで?この俺が?清廉潔白品行方正聖人君子のこの俺が?」
「いやお主はかなり性格はネジ曲がっておるし、お主の行動は大概碌でもないし、少なくとも教養があるような人物には思えんが、マジじゃ」
全否定かよ。
「理由は?」
「それはその時のお楽しみじゃな」
えー…………
「まあそんときはそんときか」
なんとかなんだろ…………多分。
つかなんとかしないと死ぬし。
「花梨帰るぞー」
「はーい。じゃあまたねエトラさんっ」
またねて……。
多分二度とこれねーだろうなあ。
そんなことを思いながら花梨が俺の横に来るのを待つ。
「それでどうやって帰るの?」
「転移」
俺はサヨナラも言わずにさっさと地球に退散した。
*****
「あぶなかったわね…………」
「本当じゃ…………。もう少し遅かったらわしら終わったぞ」
「そうね」
ヘトリーとエトラは二人でこたつに突っ伏した。
「それで?どうして言ったの?」
「んー?さっきもあやつに言ったが、縁があったからとしか言いようがないの。どうせあやつにはある程度干渉しても問題は無い存在じゃからの」
「それもそうね。あーあ。面倒だわぁ」
「そういえばそろそろ神迎祭の季節だけどお土産どうする?」
「あーそれは決まっておる」
「えーそうなのー?」
神々は今日ものんびり過ごす。
☆☆あとがき☆☆
これで第六章終了します。
詳しくは近況ボードにて。
ちなみにめっちゃ短いですが気に入ってる没ネタ載せてます。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
心が折れた日に神の声を聞く
木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。
どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。
何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。
絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。
没ネタ供養、第二弾の短編です。
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
【長編版】悪役令嬢の妹様
紫
ファンタジー
星守 真珠深(ほしもり ますみ)は社畜お局様街道をひた走る日本人女性。
そんな彼女が現在嵌っているのが『マジカルナイト・ミラクルドリーム』というベタな乙女ゲームに悪役令嬢として登場するアイシア・フォン・ラステリノーア公爵令嬢。
ぶっちゃけて言うと、ヒロイン、攻略対象共にどちらかと言えば嫌悪感しかない。しかし、何とかアイシアの断罪回避ルートはないものかと、探しに探してとうとう全ルート開き終えたのだが、全ては無駄な努力に終わってしまった。
やり場のない気持ちを抱え、気分転換にコンビニに行こうとしたら、気づけば悪楽令嬢アイシアの妹として転生していた。
―――アイシアお姉様は私が守る!
最推し悪役令嬢、アイシアお姉様の断罪回避転生ライフを今ここに開始する!
※長編版をご希望下さり、本当にありがとうございます<(_ _)>
既に書き終えた物な為、激しく拙いですが特に手直し他はしていません。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる