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第七章
家族になろーうよー
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オウサイさんが部屋から出ていくと、急に部屋が静かになった。
どんだけうるさかったんだ。
なぜか俺も先生も無言のまま少しだけ時間が経つ。
「…………パスト」
「ひゃいっ?!」
そんな状態からいきなり話しかけて来た先生のなぜかやたら低めのドスの効いたと言っていい声は俺をビビらせるのに丁度いい塩梅で……ちょっと何言ってるのか自分でもよくわからない。
「そうビクつくな。飯の前に話をしておこうと思ってな」
「は、はあ」
一体何なんだ。
すると先生は正座に座り直した。
つられて俺も正座する。
「オホンッ」
心無しか先生の顔が若干赤い。
咳払いした先生は改めて俺を睨みつけてきた。
なんで睨むんですか?
その目つきはさながら獲物を見つけた肉食獣。
そうか……。
そういうことか……。
「実はな……パスト……」
「申し訳ございませんでしたぁぁぁ!!」
俺は速攻で土下座した。
いや何かやったらしいからさ。
本来なら何をしたか理解した上で謝るべきなのだが、とりあえず土下座からの大きな声で謝罪する。
こうすることで意表を突き怒りを通り越して呆れさせる作戦だ。
「パスト……」
「申し訳ございません!!」
「おいパスト……」
「許してください!!」
「だからパス……」
「本当に申し訳ございませ「やめろバカ者!!」……へ?」
顔を上げると先生がジト目で半ギレの顔をしていた。
「話は最後まで聞かんか。何も怒ってなぞいないわ」
そうなの?
完全に喰ろうてやろうかみたいな雰囲気出してましたけど。
「そうではなく……あー全く。中々恥ずかしいことだな」
「喰うのが?」
「食う?!いきなりそんなことするか!そうではなくて……」
いきなりじゃなければ喰うんですね。
心なしか顔を赤らめてる先生は珍しいのでなんとなく観察しながら言葉の続きを待つ。
「スーーハーー……。実はなパスト。これは提案なんだが……」
「はあ」
提案?
「進路のことで迷っていると聞いてな。それなら手っ取り早く就職できる方法があるんだ」
「なんすか?!」
「お、おう。食いつくな」
「当たり前っすよ。なかなか迷ってるんでね。良さげな提案なら即候補です」
「それは良かった。なら単刀直入に言おう」
「はい」
重苦しい声が俺の耳に入る。
俺は固唾を飲んで続きを待った。
「…………家族にならないか?」
……。
…………。
………………。
……………………。
…………………………。
………………………………。
「すいません。もう一度お願いします」
「家族になろう」
聞き直したが疑問文じゃなくなっただけだった。
「本気で言って……ますね」
「もちろんだ」
まさか家族になれと言われるとわね。
確かに卒業後はオリガの性は捨ててしまうし、性無しは少々肩身が狭い思いもするだろう。
いくら学園卒業の資格を持っていても騎士団の絶対安全圏である上層部に上り詰めるのはかなり大変だろうし。
問題は……。
「先生の家の稼業は?」
「ほ、本家は代々警備会社を取り仕切っている」
マジか。
警備会社……儲けは良さそうだが……キツイだろう……あ、でも一族に入れればワンチャン……。
「……少し考えても良いですか?」
「あ、ああ。まあ別に稼業を手伝えとは言わないからな。実際私は教師だしな」
え、そうなの?
てっきり先生に子供がいないから後継がー的な話じゃなく?
あ、兄弟姉妹がいるのか。
「先生って兄弟姉妹は?」
「いないぞ。私は一人っ子だが、それがどうかしたか?」
「そうなんすか。てっきり後継がいないとかなのかと」
「ああそれなら問題ない。我が家はまだ母が取り仕切っているからな。向こう二十年は安泰だろう。父もいるしな」
「え?じゃあそんなに大きくはない感じっすか?」
「まあな」
って事は無駄な争いもないと言える?
「まあとりあえずそのことが言いたくてここに呼んだんだ」
まあ家族になろうぜとか中々重要な事だしな。
和樹もプロポーズする時は少しばかり考えなきゃならんかな。
「年の差は少しあるがまあいいかなと思うんだ」
「そこそこはありますからねぇ」
「……そこは少しばかり目をつぶってくれ」
「へーい」
そっから先は、先生の家の事とか、家族のこととかを聞かされたが、そこまで必死になって聞く事はしなかった。
正直息子になるのは悪くはないが、先生のことを母と呼べるかと言えばそれはやっぱり無理かもしれないし、稼業の方は継ぐかどうかも未定だからだ。
だからとりあえずは……。
「お待たせぇ!」
この料亭の料理を食すことに専念しよう。
オウサイさんが持ってくる料理は見た目は京料理洋風版みたいな感じだった。
ただ味はやたらと濃いめだったが。
曰く、濃い味付けと凝った見た目は贅沢の極みだそうです。
値段はわからんがかなりするっぽかった。
いや先生が払ってくれていたからな。
酒は蒸留酒で料理に合う合う。
ついつい進むのだが、いい酒ってのはいい酔い方をするらしい。
記憶が飛んりすることもなく先生と二人で楽しむことができた。
どんだけうるさかったんだ。
なぜか俺も先生も無言のまま少しだけ時間が経つ。
「…………パスト」
「ひゃいっ?!」
そんな状態からいきなり話しかけて来た先生のなぜかやたら低めのドスの効いたと言っていい声は俺をビビらせるのに丁度いい塩梅で……ちょっと何言ってるのか自分でもよくわからない。
「そうビクつくな。飯の前に話をしておこうと思ってな」
「は、はあ」
一体何なんだ。
すると先生は正座に座り直した。
つられて俺も正座する。
「オホンッ」
心無しか先生の顔が若干赤い。
咳払いした先生は改めて俺を睨みつけてきた。
なんで睨むんですか?
その目つきはさながら獲物を見つけた肉食獣。
そうか……。
そういうことか……。
「実はな……パスト……」
「申し訳ございませんでしたぁぁぁ!!」
俺は速攻で土下座した。
いや何かやったらしいからさ。
本来なら何をしたか理解した上で謝るべきなのだが、とりあえず土下座からの大きな声で謝罪する。
こうすることで意表を突き怒りを通り越して呆れさせる作戦だ。
「パスト……」
「申し訳ございません!!」
「おいパスト……」
「許してください!!」
「だからパス……」
「本当に申し訳ございませ「やめろバカ者!!」……へ?」
顔を上げると先生がジト目で半ギレの顔をしていた。
「話は最後まで聞かんか。何も怒ってなぞいないわ」
そうなの?
完全に喰ろうてやろうかみたいな雰囲気出してましたけど。
「そうではなく……あー全く。中々恥ずかしいことだな」
「喰うのが?」
「食う?!いきなりそんなことするか!そうではなくて……」
いきなりじゃなければ喰うんですね。
心なしか顔を赤らめてる先生は珍しいのでなんとなく観察しながら言葉の続きを待つ。
「スーーハーー……。実はなパスト。これは提案なんだが……」
「はあ」
提案?
「進路のことで迷っていると聞いてな。それなら手っ取り早く就職できる方法があるんだ」
「なんすか?!」
「お、おう。食いつくな」
「当たり前っすよ。なかなか迷ってるんでね。良さげな提案なら即候補です」
「それは良かった。なら単刀直入に言おう」
「はい」
重苦しい声が俺の耳に入る。
俺は固唾を飲んで続きを待った。
「…………家族にならないか?」
……。
…………。
………………。
……………………。
…………………………。
………………………………。
「すいません。もう一度お願いします」
「家族になろう」
聞き直したが疑問文じゃなくなっただけだった。
「本気で言って……ますね」
「もちろんだ」
まさか家族になれと言われるとわね。
確かに卒業後はオリガの性は捨ててしまうし、性無しは少々肩身が狭い思いもするだろう。
いくら学園卒業の資格を持っていても騎士団の絶対安全圏である上層部に上り詰めるのはかなり大変だろうし。
問題は……。
「先生の家の稼業は?」
「ほ、本家は代々警備会社を取り仕切っている」
マジか。
警備会社……儲けは良さそうだが……キツイだろう……あ、でも一族に入れればワンチャン……。
「……少し考えても良いですか?」
「あ、ああ。まあ別に稼業を手伝えとは言わないからな。実際私は教師だしな」
え、そうなの?
てっきり先生に子供がいないから後継がー的な話じゃなく?
あ、兄弟姉妹がいるのか。
「先生って兄弟姉妹は?」
「いないぞ。私は一人っ子だが、それがどうかしたか?」
「そうなんすか。てっきり後継がいないとかなのかと」
「ああそれなら問題ない。我が家はまだ母が取り仕切っているからな。向こう二十年は安泰だろう。父もいるしな」
「え?じゃあそんなに大きくはない感じっすか?」
「まあな」
って事は無駄な争いもないと言える?
「まあとりあえずそのことが言いたくてここに呼んだんだ」
まあ家族になろうぜとか中々重要な事だしな。
和樹もプロポーズする時は少しばかり考えなきゃならんかな。
「年の差は少しあるがまあいいかなと思うんだ」
「そこそこはありますからねぇ」
「……そこは少しばかり目をつぶってくれ」
「へーい」
そっから先は、先生の家の事とか、家族のこととかを聞かされたが、そこまで必死になって聞く事はしなかった。
正直息子になるのは悪くはないが、先生のことを母と呼べるかと言えばそれはやっぱり無理かもしれないし、稼業の方は継ぐかどうかも未定だからだ。
だからとりあえずは……。
「お待たせぇ!」
この料亭の料理を食すことに専念しよう。
オウサイさんが持ってくる料理は見た目は京料理洋風版みたいな感じだった。
ただ味はやたらと濃いめだったが。
曰く、濃い味付けと凝った見た目は贅沢の極みだそうです。
値段はわからんがかなりするっぽかった。
いや先生が払ってくれていたからな。
酒は蒸留酒で料理に合う合う。
ついつい進むのだが、いい酒ってのはいい酔い方をするらしい。
記憶が飛んりすることもなく先生と二人で楽しむことができた。
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