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第四回 鰻
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色々あったラトビアでの語学留学。
ついに七月が終わります。
お久しぶりでございます、さきくさゆりでございます。
七月の終わりと言えば皆さんは何を思い浮かべますか?
私は…………鰻! 土用の丑の日!
大学に入るまでは愛知県で育った私は、バリッと焼いた鰻が大好きです。
東京の蒸した?鰻も美味しいのですが、どうも食べた気がしないというかなんというか。
ちなみに、『蓬扇』というお店の鰻が一番好き(まあそこと後2店舗くらいしか行った事ないんですけどね)。
名古屋の緑区にあるので、お近くに行かれる予定がある方は是非に是非に。
なお、小学校の卒業祝いで連れてってもらった時に、小学校の先生軍と鉢合わせし、その中の一人に「最後の最後まで宿題出さなかったね」と親に暴露され軽く気まずい思いをした場所でもある。
どうでも良きかな。
さて。
私含めて、家族、特に母は鰻が大好きです。
最後の晩餐は鰻が良いと言うくらいに鰻好き。
もちろん土用の丑の日は鰻を食べます。
生の鰻を買ってきて捌いて炭焼きにして食べたりもします。
ひつまぶしにもします。
だから私は思った。
ラトビアでも土用の丑の日には鰻を食べよう。
ラトビアでも鰻は売っています。
スーパーではありません。
スーパーの魚屋には売ってませんでした。
なので私は旧市街の方にある、市場に足を伸ばしました。
ネットで検索すれば出てくるラトビア市場は、それはそれは大きく賑やかで色々と売っています。
肉、野菜、果物、漬物、民芸品に服や靴、レストランもあり、もちろん魚だって売っています。
ヨーロッパでも鰻を売っていることは、母からの情報で知っており、辞書にも鰻(zutis)と書いてあったため、ラトビアにもあるはずだと魚コーナーを歩くと……割とすぐに見つけました。
丸々一本の鰻を。
うん。
捌いてないやつ。
まるごと鰻。
死んでるけど。
いやまて。
魚屋はここだけではない。
私は建物を歩きました。
結果。
どこの鰻もまるごと鰻。
あとは鰻の干物。
しかも普通の鰻より高い。
普通の鰻は27~29ユーロ。
干物は44~50ユーロ。
まあ干物はひやかし感覚で見ていたのでどうでも良い。
さあ困った。
現在私は一人暮らし。
ルームシェア相手もすでに帰国済み。
おすそ分けするには物が物。つーか相手がいない。
とりあえず店員さんに身振りとラトビア語の単語で聞いてみたところ、まるごとしか売っていないと言う。
困った……。
まず捌けないし、多いし、どうするよ。
数秒考えてから私は。
(いーや!買っちゃお!)
私は身振りとラトビア単語で、買うことと、内臓を取って開いてもらうことを伝えました。
毎度ラトビアの店員さんの話すと思うんですけど、ラトビアの店員さんって優しい人が多いと思うんですよね。
なんとか理解しようとしてくれたり、考えてる時は嫌な顔せず(内心は知らんが)待ってくれるし。
ここの店員さんもやっぱりニコニコ優しく単語を変え身振りを交えて私の伝えたいことを察してくれて、無事内臓を取った鰻の開きを購入。
肝吸いとか肝焼きも考えましたが、ちょっと内臓は怖かったのでやめました。
おそらく、あの店で鰻を買った日本人は私が初めてかもしれません。
言っちゃなんだが多分買うやついないやろ、ラトビアで鰻。
意気揚々と帰宅した私は鰻をまな板の上に丸めて乗せて写真撮影。
ラトビアの鰻は、日本のより少し太めで、少し短いかなと感じました。
なんかこう、胴長短足的な?ずんぐりむっくり的な?
とりあえず5等分に骨ごと包丁で無理くり切って、オーブンで焼き、途中でタレ(戸村焼きのタレと日本酒と醤油を混ぜたやつ)に潜らせてまた焼いてを三回ほど繰り返し。
炊きたてのご飯の上に乗っけてタレをかけて完成。
ラトビア鰻丼。
食べた感想は、まず一言目にうっま!!が出ました。
青空レストラン並みのうまあー!でしたね。
ラトビア鰻は、やはり肉が分厚めで、食感は少し弾力があり、かみごたえがある感じでしたね。
さらに脂の量が尋常じゃなかったです。
オーブンで焼いたので、だからなのかもですが、甘めの脂が結構お腹にくる。
正直小丼で3杯いけるなと思っていたのに、食べてみると一杯でかなり満足してしまいました。
そして翌日。
私は焼いた鰻を小さく切って、ご飯と一緒に炊き込みました。
はい。
ひつまぶし!
私がまるごと一匹買った理由はこれです。
丼だけじゃなくて、ひつまぶしもやれるよな。三日くらい楽しめるよな。
そんな考えからまるごと買ったのですが大正解。
ひつまぶしも美味いこと美味いこと。
ちゃんとダシ汁(昆布茶と日本酒と醤油と鰹出汁)も作り、出汁茶漬けも食しましたよ。
総じて感想は、
美味いが少ししつこい味?
脂を落とす焼き方をすると良いかも。
です。
皆さんも、ラトビアにお越しの際は是非ラトビア鰻を食してみてください。
個人的には大満足な土用の丑の日でした。
ちなみにこの日、鰻を食べていたら、久しぶりになんとなく寂しさを覚えました。
美味い物は皆んなで食べる方がより美味いのかもしれません。
美味さを共有できる相手。
欲しいなぁ。
ついに七月が終わります。
お久しぶりでございます、さきくさゆりでございます。
七月の終わりと言えば皆さんは何を思い浮かべますか?
私は…………鰻! 土用の丑の日!
大学に入るまでは愛知県で育った私は、バリッと焼いた鰻が大好きです。
東京の蒸した?鰻も美味しいのですが、どうも食べた気がしないというかなんというか。
ちなみに、『蓬扇』というお店の鰻が一番好き(まあそこと後2店舗くらいしか行った事ないんですけどね)。
名古屋の緑区にあるので、お近くに行かれる予定がある方は是非に是非に。
なお、小学校の卒業祝いで連れてってもらった時に、小学校の先生軍と鉢合わせし、その中の一人に「最後の最後まで宿題出さなかったね」と親に暴露され軽く気まずい思いをした場所でもある。
どうでも良きかな。
さて。
私含めて、家族、特に母は鰻が大好きです。
最後の晩餐は鰻が良いと言うくらいに鰻好き。
もちろん土用の丑の日は鰻を食べます。
生の鰻を買ってきて捌いて炭焼きにして食べたりもします。
ひつまぶしにもします。
だから私は思った。
ラトビアでも土用の丑の日には鰻を食べよう。
ラトビアでも鰻は売っています。
スーパーではありません。
スーパーの魚屋には売ってませんでした。
なので私は旧市街の方にある、市場に足を伸ばしました。
ネットで検索すれば出てくるラトビア市場は、それはそれは大きく賑やかで色々と売っています。
肉、野菜、果物、漬物、民芸品に服や靴、レストランもあり、もちろん魚だって売っています。
ヨーロッパでも鰻を売っていることは、母からの情報で知っており、辞書にも鰻(zutis)と書いてあったため、ラトビアにもあるはずだと魚コーナーを歩くと……割とすぐに見つけました。
丸々一本の鰻を。
うん。
捌いてないやつ。
まるごと鰻。
死んでるけど。
いやまて。
魚屋はここだけではない。
私は建物を歩きました。
結果。
どこの鰻もまるごと鰻。
あとは鰻の干物。
しかも普通の鰻より高い。
普通の鰻は27~29ユーロ。
干物は44~50ユーロ。
まあ干物はひやかし感覚で見ていたのでどうでも良い。
さあ困った。
現在私は一人暮らし。
ルームシェア相手もすでに帰国済み。
おすそ分けするには物が物。つーか相手がいない。
とりあえず店員さんに身振りとラトビア語の単語で聞いてみたところ、まるごとしか売っていないと言う。
困った……。
まず捌けないし、多いし、どうするよ。
数秒考えてから私は。
(いーや!買っちゃお!)
私は身振りとラトビア単語で、買うことと、内臓を取って開いてもらうことを伝えました。
毎度ラトビアの店員さんの話すと思うんですけど、ラトビアの店員さんって優しい人が多いと思うんですよね。
なんとか理解しようとしてくれたり、考えてる時は嫌な顔せず(内心は知らんが)待ってくれるし。
ここの店員さんもやっぱりニコニコ優しく単語を変え身振りを交えて私の伝えたいことを察してくれて、無事内臓を取った鰻の開きを購入。
肝吸いとか肝焼きも考えましたが、ちょっと内臓は怖かったのでやめました。
おそらく、あの店で鰻を買った日本人は私が初めてかもしれません。
言っちゃなんだが多分買うやついないやろ、ラトビアで鰻。
意気揚々と帰宅した私は鰻をまな板の上に丸めて乗せて写真撮影。
ラトビアの鰻は、日本のより少し太めで、少し短いかなと感じました。
なんかこう、胴長短足的な?ずんぐりむっくり的な?
とりあえず5等分に骨ごと包丁で無理くり切って、オーブンで焼き、途中でタレ(戸村焼きのタレと日本酒と醤油を混ぜたやつ)に潜らせてまた焼いてを三回ほど繰り返し。
炊きたてのご飯の上に乗っけてタレをかけて完成。
ラトビア鰻丼。
食べた感想は、まず一言目にうっま!!が出ました。
青空レストラン並みのうまあー!でしたね。
ラトビア鰻は、やはり肉が分厚めで、食感は少し弾力があり、かみごたえがある感じでしたね。
さらに脂の量が尋常じゃなかったです。
オーブンで焼いたので、だからなのかもですが、甘めの脂が結構お腹にくる。
正直小丼で3杯いけるなと思っていたのに、食べてみると一杯でかなり満足してしまいました。
そして翌日。
私は焼いた鰻を小さく切って、ご飯と一緒に炊き込みました。
はい。
ひつまぶし!
私がまるごと一匹買った理由はこれです。
丼だけじゃなくて、ひつまぶしもやれるよな。三日くらい楽しめるよな。
そんな考えからまるごと買ったのですが大正解。
ひつまぶしも美味いこと美味いこと。
ちゃんとダシ汁(昆布茶と日本酒と醤油と鰹出汁)も作り、出汁茶漬けも食しましたよ。
総じて感想は、
美味いが少ししつこい味?
脂を落とす焼き方をすると良いかも。
です。
皆さんも、ラトビアにお越しの際は是非ラトビア鰻を食してみてください。
個人的には大満足な土用の丑の日でした。
ちなみにこの日、鰻を食べていたら、久しぶりになんとなく寂しさを覚えました。
美味い物は皆んなで食べる方がより美味いのかもしれません。
美味さを共有できる相手。
欲しいなぁ。
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