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僕はアヤさんの心臓の音を聞きながら、言われた通り深呼吸をすると、少しだけ落ち着いてきて硬直していた身体から力を抜いていった。
「ちょっとは落ち着いたかな?ほら、いい子だから俯いてないで怖がらずに顔を上げてごらん」
背中をポンポンされてから頭を撫でられ、僕は恐る恐る顔を上げた。
アヤさんと目が合って、怒ったり呆れたりしている様子がない事に安堵すると、意を決してナージャさんの方に振り返った。
例え嫌な顔をされたとしても、凹まずにちゃんと謝らないと!
大丈夫だ。今は後ろにアヤさんが居てくれてる。
だからまずは相手と目が合う前に先手必勝だ!
「ごめ「ごめんなさい!!」んなさ………ぅえ?」
謝ろうとして遮られるように先に謝られてしまい、僕は呆然として目を丸くしてしまった。
何で?
どうしてナージャさんが謝ってくるの??
ここは僕が失礼な態度を取ってしまった事に対して、きちんと謝らないといけない場面でしょう?
僕は困惑してオロオロしていると、アヤさんに優しく肩をポンと叩かれて我に返った。
で、アヤさんの手がまだ僕の肩に乗ったままな事に勇気を貰い、改めてナージャさんに頭を下げた。
「ごめんなさい!僕、ナージャさんが、僕なんかに笑顔で挨拶してくれて、自己紹介してくれて、嬉しかったのに、まともに返事も出来なくて、失礼な態度を取って…しまって、本当に…ごめんなさぃ」
僕としては精一杯、声を出したつもりだけど…
だけど特に後半部分は聞き取って貰えたか心配になる程度の声しか出せず、謝罪を受け入れてくれるのか…ちゃんと聞こえたのか、二つの意味で不安になった僕は顔を上げられずに固まってしまった。
「イツキ様…」
ナージャさんに、つい零れたって感じで声を掛けられて、僕は肩をビクッと震わせた。
でも、ここで顔を上げないのでは謝った意味が、ない。
僕は震える両手を拳の形に握って力を込めると、気合を入れて顔を上げた。
でも目の前には…
驚いた顔をしているナージャさんがいて、僕達は二人して同じような表情のまま、暫くの間言葉もなく見詰め合ってしまったのだった。
「フハッ……ぅくく……」
突然、吹き出されて振り返った。
アヤさんが口元を手で隠すようにして顔を横に向け、肩を震わせている。
あ、また変なスイッチ入った?
僕は不安で震えていた事も、驚いて呆然としていた事も忘れ、つい家にいた時のようにアヤさんの両頬を摘んで横に引っ張った。
「いひゅき、わりゃってごみぇんて、ひっぱんないれよ」
イケメンから変な顔で謝られ、面白くて小さく笑いながら手を離すと、アヤさんが嬉しそうな顔で「やっと笑ったね」と、髪を梳くようにして優しく頭を撫でてくれた。
……気持ちいい。
じゃなくて!僕ってばこんな時に何をやっちゃったんだ!
焦ってナージャさんとミケーリュウスさんを見れば、二人は目を真ん丸にして口をポカンと開け、信じられない物を見たって感じで放心していたのだった。
「ちょっとは落ち着いたかな?ほら、いい子だから俯いてないで怖がらずに顔を上げてごらん」
背中をポンポンされてから頭を撫でられ、僕は恐る恐る顔を上げた。
アヤさんと目が合って、怒ったり呆れたりしている様子がない事に安堵すると、意を決してナージャさんの方に振り返った。
例え嫌な顔をされたとしても、凹まずにちゃんと謝らないと!
大丈夫だ。今は後ろにアヤさんが居てくれてる。
だからまずは相手と目が合う前に先手必勝だ!
「ごめ「ごめんなさい!!」んなさ………ぅえ?」
謝ろうとして遮られるように先に謝られてしまい、僕は呆然として目を丸くしてしまった。
何で?
どうしてナージャさんが謝ってくるの??
ここは僕が失礼な態度を取ってしまった事に対して、きちんと謝らないといけない場面でしょう?
僕は困惑してオロオロしていると、アヤさんに優しく肩をポンと叩かれて我に返った。
で、アヤさんの手がまだ僕の肩に乗ったままな事に勇気を貰い、改めてナージャさんに頭を下げた。
「ごめんなさい!僕、ナージャさんが、僕なんかに笑顔で挨拶してくれて、自己紹介してくれて、嬉しかったのに、まともに返事も出来なくて、失礼な態度を取って…しまって、本当に…ごめんなさぃ」
僕としては精一杯、声を出したつもりだけど…
だけど特に後半部分は聞き取って貰えたか心配になる程度の声しか出せず、謝罪を受け入れてくれるのか…ちゃんと聞こえたのか、二つの意味で不安になった僕は顔を上げられずに固まってしまった。
「イツキ様…」
ナージャさんに、つい零れたって感じで声を掛けられて、僕は肩をビクッと震わせた。
でも、ここで顔を上げないのでは謝った意味が、ない。
僕は震える両手を拳の形に握って力を込めると、気合を入れて顔を上げた。
でも目の前には…
驚いた顔をしているナージャさんがいて、僕達は二人して同じような表情のまま、暫くの間言葉もなく見詰め合ってしまったのだった。
「フハッ……ぅくく……」
突然、吹き出されて振り返った。
アヤさんが口元を手で隠すようにして顔を横に向け、肩を震わせている。
あ、また変なスイッチ入った?
僕は不安で震えていた事も、驚いて呆然としていた事も忘れ、つい家にいた時のようにアヤさんの両頬を摘んで横に引っ張った。
「いひゅき、わりゃってごみぇんて、ひっぱんないれよ」
イケメンから変な顔で謝られ、面白くて小さく笑いながら手を離すと、アヤさんが嬉しそうな顔で「やっと笑ったね」と、髪を梳くようにして優しく頭を撫でてくれた。
……気持ちいい。
じゃなくて!僕ってばこんな時に何をやっちゃったんだ!
焦ってナージャさんとミケーリュウスさんを見れば、二人は目を真ん丸にして口をポカンと開け、信じられない物を見たって感じで放心していたのだった。
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