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「イツキ、お願い!視せて!!」
焦り気味のアヤさんに急かされて慌てて右目を手で塞ぐと、僕の見ている景色をアヤさんの瞼に映した。
「これは……岩ガニって呼ばれてる魔物の一種だよ。私としては『ヤドカリ』に近い生き物だという認識なんだけど、こいつらは自身で頑強な岩や石をくり抜き、それを背負って身を守り生活しているんだ。でも【索敵】スキルが9の私でもこれほど見る事が出来ないなんて…」
アヤさんは呆然としながら呟くと、無限収納から一振りの剣を取り出した。
アヤさんがいつも腰に下げている、あのクソ重たい剣だ。
「舌噛まないように口を閉じて、しっかり掴まってて」
そう言うと、アヤさんは軽やかに走り出した。
や、やっつける気なのかな?
もしかして怖い魔物だったの!?
僕はアヤさんの首と肩に腕を回して掴まり、動く邪魔にならないように身体を固定した。
と、アヤさんは岩ガニとすれ違う度に見えない速度で剣を振るい、一体どうやっているのか、器用に背負っている岩だけを砕いて中身だけの状態にするのだった。
「あ、あやさん?」
「もう動かないから大丈夫だよ。後は全部回収して終わりだから」
………回収?
なんで全部回収?
20~30cmくらいになってしまった焦げ茶色の岩ガニの中身達は、全て絶命しているらしくてピクリとも動かない。アヤさんはソレらを無言で一つずつ拾いながら無限収納に仕舞って行くと、やがて全部を仕舞い終わってから、プルプルと肩を震わせて僕をギュッと抱き締めた。
「凄いよ……
ありがとうイツキ」
???
は?
え?何が?
「岩ガニはね、魔物としてのレベルはC~Bくらいなんだけど、捕獲レベルSの超レア食材なんだよ。物凄く、物凄~~く美味しいんだ!だけど本当に滅多に見付からなくてね、料理人達の間では幻の食材だなんて言われてるくらいなんだよ」
まぼろしの?
一気にテンションの上がったアヤさんが極上の笑みを浮かべて僕の身体に頬擦りすると、
「とにかく岩ガニは【隠密】がレベル10とカンストしてる所為か、まず見付ける事すら難しいんだけど、あんな重そうなのを背負ってる割には恐ろしく素早くてね。仮に見付けられても捕獲する事が非常に困難だったんだよ。まぁシーリア近郊の海岸沿いに生息している事は知られてたんだけど、まさか生きてるのを見られた上に、23匹もゲット出来るとは夢にも思わなかったよ」
鼻息も荒く大興奮で一気に捲し立て、アヤさんは上機嫌でニコニコと、僕の髪をかき混ぜるように撫でまくった。
こんなにも喜んでくれるのなら、もっと居ないか探してみちゃおうかな?
さっき確認した時、腕輪の石はまだ青かったし…
僕はちょっと本気を出して目を凝らすと、辺りをゆっくりじっくり見回してみた。
…………ッ居た!でも一匹だけ。
少し小さくて、背負ってる岩が40cmくらいしかないけど、だけどその岩が周りの砂と同じ、真っ白な奴!!
僕は急いでアヤさんの肩を揺らしてから、右目に手を当てて塞いだ。
焦り気味のアヤさんに急かされて慌てて右目を手で塞ぐと、僕の見ている景色をアヤさんの瞼に映した。
「これは……岩ガニって呼ばれてる魔物の一種だよ。私としては『ヤドカリ』に近い生き物だという認識なんだけど、こいつらは自身で頑強な岩や石をくり抜き、それを背負って身を守り生活しているんだ。でも【索敵】スキルが9の私でもこれほど見る事が出来ないなんて…」
アヤさんは呆然としながら呟くと、無限収納から一振りの剣を取り出した。
アヤさんがいつも腰に下げている、あのクソ重たい剣だ。
「舌噛まないように口を閉じて、しっかり掴まってて」
そう言うと、アヤさんは軽やかに走り出した。
や、やっつける気なのかな?
もしかして怖い魔物だったの!?
僕はアヤさんの首と肩に腕を回して掴まり、動く邪魔にならないように身体を固定した。
と、アヤさんは岩ガニとすれ違う度に見えない速度で剣を振るい、一体どうやっているのか、器用に背負っている岩だけを砕いて中身だけの状態にするのだった。
「あ、あやさん?」
「もう動かないから大丈夫だよ。後は全部回収して終わりだから」
………回収?
なんで全部回収?
20~30cmくらいになってしまった焦げ茶色の岩ガニの中身達は、全て絶命しているらしくてピクリとも動かない。アヤさんはソレらを無言で一つずつ拾いながら無限収納に仕舞って行くと、やがて全部を仕舞い終わってから、プルプルと肩を震わせて僕をギュッと抱き締めた。
「凄いよ……
ありがとうイツキ」
???
は?
え?何が?
「岩ガニはね、魔物としてのレベルはC~Bくらいなんだけど、捕獲レベルSの超レア食材なんだよ。物凄く、物凄~~く美味しいんだ!だけど本当に滅多に見付からなくてね、料理人達の間では幻の食材だなんて言われてるくらいなんだよ」
まぼろしの?
一気にテンションの上がったアヤさんが極上の笑みを浮かべて僕の身体に頬擦りすると、
「とにかく岩ガニは【隠密】がレベル10とカンストしてる所為か、まず見付ける事すら難しいんだけど、あんな重そうなのを背負ってる割には恐ろしく素早くてね。仮に見付けられても捕獲する事が非常に困難だったんだよ。まぁシーリア近郊の海岸沿いに生息している事は知られてたんだけど、まさか生きてるのを見られた上に、23匹もゲット出来るとは夢にも思わなかったよ」
鼻息も荒く大興奮で一気に捲し立て、アヤさんは上機嫌でニコニコと、僕の髪をかき混ぜるように撫でまくった。
こんなにも喜んでくれるのなら、もっと居ないか探してみちゃおうかな?
さっき確認した時、腕輪の石はまだ青かったし…
僕はちょっと本気を出して目を凝らすと、辺りをゆっくりじっくり見回してみた。
…………ッ居た!でも一匹だけ。
少し小さくて、背負ってる岩が40cmくらいしかないけど、だけどその岩が周りの砂と同じ、真っ白な奴!!
僕は急いでアヤさんの肩を揺らしてから、右目に手を当てて塞いだ。
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