Guardian Spirit-最強ノ守護霊〜俺に憑いている幽霊が最強神クラスの龍神様なんて聞いてない!〜

神坂ろん

文字の大きさ
16 / 40
壱ノ章:最強の守護霊

第十四話 『白い龍と、白髪の女』

しおりを挟む



でも、なんでだろう。
現実離れした光景なのに、女の姿を見ても不思議と怖いと感じる事はなかった。

むしろ、懐かしくて、安心するような―――そんな不思議な感覚。


「あ、あの…あんたは誰?さっきの幽霊は…?」

『先程の霊はわらわが消した』

「っ!?け、消した…!?えっ!?あんたが俺を助けてくれたのか!?一体どうして…っ、どうしてあんたが俺達を助けてくれたんですか?」

『妾の恩人である最初の主からの言付ことづけだ』

「恩人?主…?言付け?それってどういう…っ!」


女は小さく微笑むと、静かに姿を消してしまった。


「あの人は一体誰なんだ…?なんで俺を助けてくれたりなんて…」


ここで俺はハッとした。
そう言えばさっきから昌と裕貴の姿が見えない。

「昌、裕貴?どこに…って、えっ!?昌!裕貴!おい!しっかりしろ!大丈夫か!?おい!」

女の幽霊が消えるまでは確かにすぐそばにいたはずの2人が、何故か部屋の入口から少し離れた床に倒れていた。
俺はすぐに駆け寄って体を揺さぶる。


「おい!昌!裕貴!何があった!?おい!大丈夫か!?昌!裕貴!」



「むにゃ…はら…減った…」

「ぐー…ぐー…」



「―――あ゛?」

まさかこいつら…寝てる?

あの龍が助けてくれなかったら大変な目に遭っていたこの状況で?


ふざけんな


「おいコラ!こんな危ない所に連れてくるだけ連れてきておいて、何寝てやがる!」

ったく!心配させんじゃねーよ!あの幽霊に何かされたかと思っただろ…
まぁ…無事なら良かったけど。

さっきの龍があの女の幽霊を消してくれたおかげなのか、廃ホテルに来た時感じていた嫌な空気はなくなっていた。
それでも薄気味悪さはあるし、なんとなく誰かがいる気配はするけど、さっきの女の幽霊より弱い霊がいるだけなのかもしれない。


「おい2人共!起きろ!帰るぞ!!おい、昌!裕貴!…ったく…全然起きねぇじゃねぇか…。仕方ねぇな…目覚ましたら焼肉奢って貰うからな?」

俺は一向に起きない2人を抱きかかえる。

くっそ…!
重てぇ…ッ!

なん山奥の心霊スポットまで来て、友達を抱えてこんな山道を歩かなきゃならねぇんだ…!
暗くて見えねぇし、重てぇし…


「もう二度と心霊スポットなんて来ないからな…ッ!」



結局タクシーも捕まらず、車通りがある道まで山道を歩く羽目になってしまった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...