Guardian Spirit-最強ノ守護霊〜俺に憑いている幽霊が最強神クラスの龍神様なんて聞いてない!〜

神坂ろん

文字の大きさ
31 / 40
弐ノ章:魑魅魍魎のモノ達

第二十九話 『慎吾と狛犬』-慎吾side-

しおりを挟む


『我々は、この神社の設立者であり初代神主である黒部尊と、ミコトと共に神社やこの人間界を守護していた神の使い・狛犬ダ。』


「!!!」

(やっぱり…この子犬達が…狛犬…)



『ミコトがいなくなってからは、我等狛犬が先代のミコトとの約束を守り、ミコトの意思を引き継ぎ、この人間界を護りつつ、ミコトの力を受け継ぎし子孫が誕生するまで数百年の間、ずっとこの神社で待っていタ』


『そうして漸くミコトの力を持つニンゲンが誕生しタ…。先ほどお主は、ミコトの夢を見たと言っタが、ミコトの夢は誰もが見られる夢ではない。――黒部家の子孫の中で、ミコトの血を最も強く受け継ぎし者しか見れぬ…。勿論、我々の姿もミコトの血を強く受け継ぐ者にしか見れぬのダ。…お主は、『雰囲気』 『霊力』 『身に纏う氣』『匂い』――全てがミコトと同じ…』

「全て同じって…それってどういう…」

『きっとお主が、ミコトの力を最も強く受け継ぐ…ミコトの力を受け継ぎしニンゲンだろう。――まだ、“力”は目覚めてはいないようだが…』

「…っ」


左右に尻尾を揺らしながら変わった話し方をする子犬の姿は、はっきり言ってめちゃくちゃ可愛い。
コロコロした体型と、白いモフモフの毛並みにプラスして話し方のギャップが凄まじい。

(やばい…可愛い…なんだ、この可愛すぎる子犬は…!いや、子犬じゃなくて狛犬か…)


阿形と吽形の可愛すぎる姿に、爆発してしまいそうな衝動を必死に抑える。
実は動物の中で犬が一番好きな俺にとって、モフモフなちんまり姿の狛犬は堪らない程可愛すぎる光景なのである。

(抱っこしたら触り心地は良いんだろうな…)


そんな事を想いながら、俺を見上げてくる阿形と吽形に平然を装って答える。

「力って…・悪いけど俺にはそんな力はないぞ?まぁ、昔から幽霊とか妖怪の姿は普通に視えるし、父さんからも霊力は高いって言われてきたけど、ただ視えるだけで何か出来る訳じゃない。…黒部尊さんの力がどんな力だったのかは分からないが、俺は何の力もない」


『それはお主が、自分の力を知らぬだけダ』

『我々には感じる。――…お主の中にあるミコトの力を…』

「そんな事を言われても…」


(本当に俺にはそんな力はないんだが…)


2匹の銀色の瞳が俺の姿を映す。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...