そのΩ売りました。オークションで。

塒 七巳

文字の大きさ
18 / 31

18

しおりを挟む

 
 
 
 喬一は貪るようの瑞稀の唇を奪うと、急いで服を脱ぎ捨てる。
 
 あんなに嫌がっていても、瑞稀も喬一のする事に共鳴していた。
 
 むしろ、自らも、それを求めて喬一に腕を絡ませる。
 
 何かに攻め立てられるように、喬一はよく見知った瑞稀の体に唇を寄せ、手を這わせた。
 
 
 浴室に、2人の荒い息が響く。
 

「ここじゃダメだ、ベット行こう」
 喬一はそう言うと瑞稀を立たせて寝室を目指す。
 
 だが、そこまでの道のりに2人は燃える体を抑えることが出来ない。
 
 触れ合った先から、想像も出来ないような感覚が走って快感へ変わる。
 
 
 
 なんとか寝室に辿り着いた時、2人の中で、何かが弾けた。
 
 
 
「はぁ…はぁ…めっちゃくちゃ濡れてる…溢れてくる…」
 瑞稀の足の間で喬一がそう言うと、瑞稀の体が小刻みに震える。
 喬一は瑞稀の溢れる泉に顔を埋めた。
 
 瑞稀が短い悲鳴も何度も上げると、喬一の体には堪らない興奮が押し寄せた。
 
 枯れるまで、続けても良い…そう思うほど喬一は無我夢中になった。
 
 2人、ドロドロに溶けて、一つになりたい…喬一は休む事なく、瑞稀の体を貪り続ける。
 
 
 
 
 
「頭っ…おかしくなる…」
 なんとか正気を保っていなければならないが、何一つ体は言うことを聞かない。
 そんな初めて味わう感覚に、喬一は昂りが治らない。
 
 
「瑞稀もおかしくなりそう?…ねぇ、瑞稀…1つになりたいよね?」
 
 喬一の問いは、瑞稀には既に聞こえていないかもしれない。
 
 顔も体も真っ赤にさせて、物欲しそうに瞳を潤ませ、瑞稀は喬一を見上げている。
 
「言って…瑞稀…」
 喬一が瑞稀の体の上へ跨り、自らの濡れた口元を拭う。艶かしい顔で瑞稀を見下ろすと、その指を、瑞稀の口の中へ2本差し入れた。
 
「言って、欲しいって…」
 喬一の指が、瑞稀の舌へ触れる。
 
 瑞稀はその指を咥えた。
 
 喬一の指先に、瑞稀の舌がねっとりと絡みついた。
 
 
 
 
 言いたく無い
 今直ぐやめたい
 押し退けて逃げ出したい…
 
 本当に?
 
 
 
 欲しいものをくれると言っているのに?
 
 
 瑞稀の目に涙が溜まる。
 
 本当に、自分が欲しいのは…
 
 
 
 
 今、私は何に見える?
 喬一の目に、私はどう見える?
 同じ、人間…?
 
 
 
「欲しい…早く欲しい…」
 瑞稀はそう呟いた。
 
 喬一はうっとりした笑みを浮かべると、瑞稀の顔に唇を這わせ、その唇に深く口付ける。
 
 
 瑞稀の目から、何筋も、止めどなく涙が溢れた。
 
 
 だが、喬一は、気にも留めない。
 
 今から、1つになるのだから。
 待ち侘びたその瞬間に、お互いの体は歓喜している。
 
 
 
 
 喬一は感じたことの無い全能感と幸福に包まれていた。まるで自分は天国に居る、とでも思える程に。
 
 ただ本能に身を任せ、欲望のまま、絡み合っているだけだというのに…
 
 
 
 
 理性を捨てた、飢えた獣のように
 
 
 
 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

離婚した彼女は死ぬことにした

はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。 もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。 今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、 「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」 返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。 それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。 神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。 大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。

【完結】愛する人はあの人の代わりに私を抱く

紬あおい
恋愛
年上の優しい婚約者は、叶わなかった過去の恋人の代わりに私を抱く。気付かない振りが我慢の限界を超えた時、私は………そして、愛する婚約者や家族達は………悔いのない人生を送れましたか?

貴方の✕✕、やめます

戒月冷音
恋愛
私は貴方の傍に居る為、沢山努力した。 貴方が家に帰ってこなくても、私は帰ってきた時の為、色々準備した。 ・・・・・・・・ しかし、ある事をきっかけに全てが必要なくなった。 それなら私は…

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写と他もすべて架空です。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので

ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。 しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。 異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。 異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。 公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。 『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。 更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。 だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。 ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。 モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて―― 奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。 異世界、魔法のある世界です。 色々ゆるゆるです。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

処理中です...