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第5章:選択
第一部隊所属騎士・アインズ
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◇◇◇
──強盗殺人の騒ぎから四年。
十八歳で学校を卒業して騎士となったアインズは、第一部隊の所属に。数多くの先輩騎士の中に放り込まれても見劣りしない、優秀な騎士としてその名を馳せた。
そんな、未来の隊長候補とまで言われた彼女には、第一部隊内に同期で同い年のライバルが存在した。得意武器として大きな鎌を背負う男──名をツヴァイと言う。
拠点へ帰還する途中、ツヴァイは己とライバルの、その日の成績を比較して言った。
「ふん、今日の戦果は私の方が上みたいだな」
「何言ってんの? それを考慮しても五対四。私の勝ちよ」
「ならば、あと二回連続で勝てばいいだけの話だ」
「出来るものならやってみなさいよ、この攻撃力極振り男」
「なんだと、スピード全振り女」
ぐぬぬ……と、歯を食いしばりながら睨み合うアインズとツヴァイ。二人の視線がぶつかる場所に、火花が散るのではないだろうかと思わせる。
「そこ、うるさいぞ!」
しかしその醜い争いは、上官の一言で容易に終焉を迎えた。
「「申し訳ございません!」」
この様に時折ぶつかり合いながらも、互いの事は信頼している。特にアインズにとっては、ツヴァイとの仲間意識が形成され、「尊い命」と呼べる存在になっていた。
◇◇◇
それから一年が経った頃、ブライトヒル王国のすぐ南にある小国が戦いを仕掛けてきた。ちょうどそのタイミングで、二人に後輩ができた。
「この度、第一部隊所属となりました、アルニムと申します。以後よろしくお願い致します!」
新進気鋭の若者を歓迎し、拠点内に拍手が響く。やがて静まり、第一部隊長はアインズらに指示を出した。
「アインズ、ツヴァイ。アルニムの教育はお前たちに任せる。先輩騎士としての自覚を持ち、しっかりと育て上げるように!」
「「はっ!」」
◇◇◇
戦線が少し落ち着いたため、部隊を三分割して、交代で休むことになった。休むと言っても、フカフカのベッドなどは無い。キャンプ内に敷いた布の上に、少々横になる程度である。
「アルニム。今日の戦いぶり、良かったわよ」
「ありがとうございます、アインズさん!」
「けど、一つだけ。攻撃力ばかりじゃなくて、もっとスピードを意識した方が良いわね。じゃないと、そのうち反動で身体を傷めちゃうわ」
おお……と感心し、アルニムは彼女からのアドバイスを帳面に記録した。
と、そこへ──
「なかなかやるな、アルニム」
「ツヴァイさんも、ありがとうございます!」
「だが、一つ気になるな。スピードばかり気にしていると、すぐに消耗してしまうぞ」
「はい! えっと、スピード重視は……あれ?」
アルニムは、今しがた書いた二つのメモの内容が、相反しているように感じた。
「つまり、バランス良くって事ですよね?」
「スピードの方が大事よ」
「いや、一撃の重さを重視すべきだ」
ムッとアインズらは互いを睨み、火花を散らす。
「スピードよ!」
「攻撃力だ!」
「ああ、お二人とも! 落ち着いてください!」
キャンプ内で騒ぐ三人。そこへ、休んでいた先輩騎士からクレームが入る。
「おい、うるさいぞ三人とも。休めないだろうが」
「「「申し訳ございません!」」」
なんで僕まで……と、先輩の巻き添えを食ったアルニムは内心で嘆いた。
◇◇◇
それから一週間弱。落ち着いていた状況は一変し、ブライトヒル王国騎士団にも大きな被害が出始めた。特に第二部隊は死傷者が多数出ていて、人手不足が深刻な問題となっている。その事実が、隊長から第一部隊の隊員らに説明された。
「そこで、我が第一部隊から第二部隊に人員を分ける事となった。ユルゲン、エーリッヒ、ペーター、ツヴァイ! 以上四名には、第二部隊へ移籍してもらう。期間は未定、そのまま第二部隊所属になる可能性もある」
騎士団の決定で、ツヴァイは第二部隊へ行くことに。異動は明日からである為、この晩に準備にかかった。
「では、私が居なくても頑張るのだぞ」
「はい、ツヴァイさんも!」
「せいせいするわね」
「はぁ……アルニム、アインズの面倒を見てやってくれ。頼むぞ」
それは心配と言うよりも、茶化す目的が主だ。ツヴァイは、笑いをこらえるような顔と声色でアルニムに依頼した。
「はい!」
「はい、じゃないのよあんた。ああ、それよりツヴァイ」
「なんだ?」
アインズは記憶を辿り、数年前から積み重なったツヴァイとの勝敗数をカウントする。
「十五対十四。やっぱり私の勝ちね」
「なんだ、まだ数えていたのか。暇なヤツだ」
「ちょっと止めてよ、私が子供みたいじゃないの」
「違うのか?」
「あはは……お二人とも、別れ際くらい仲良くしてください……」
素直な言葉を口にしないが、アインズは部隊内のライバルが減って無念に感じていた。
また、勝敗数などもう気にしていないかのように振舞ったツヴァイだが、実のところ、負けを悔やんでいた。
そんな互いの想いなど露知らず、二人は別の隊で各々戦果をあげていく。
ツヴァイらが第一部隊を去って一ヶ月。戦況は完全にブライトヒル騎士団の優位となり、相手の小国は白旗を上げた。
失われた第二部隊の戦力が再編成され、ツヴァイは完全にそちらの所属に。
彼もアインズも悪運強く生き残り続け、約三年経つ頃には、両者とも隊のトップクラスにまで昇進していたのであった。
──強盗殺人の騒ぎから四年。
十八歳で学校を卒業して騎士となったアインズは、第一部隊の所属に。数多くの先輩騎士の中に放り込まれても見劣りしない、優秀な騎士としてその名を馳せた。
そんな、未来の隊長候補とまで言われた彼女には、第一部隊内に同期で同い年のライバルが存在した。得意武器として大きな鎌を背負う男──名をツヴァイと言う。
拠点へ帰還する途中、ツヴァイは己とライバルの、その日の成績を比較して言った。
「ふん、今日の戦果は私の方が上みたいだな」
「何言ってんの? それを考慮しても五対四。私の勝ちよ」
「ならば、あと二回連続で勝てばいいだけの話だ」
「出来るものならやってみなさいよ、この攻撃力極振り男」
「なんだと、スピード全振り女」
ぐぬぬ……と、歯を食いしばりながら睨み合うアインズとツヴァイ。二人の視線がぶつかる場所に、火花が散るのではないだろうかと思わせる。
「そこ、うるさいぞ!」
しかしその醜い争いは、上官の一言で容易に終焉を迎えた。
「「申し訳ございません!」」
この様に時折ぶつかり合いながらも、互いの事は信頼している。特にアインズにとっては、ツヴァイとの仲間意識が形成され、「尊い命」と呼べる存在になっていた。
◇◇◇
それから一年が経った頃、ブライトヒル王国のすぐ南にある小国が戦いを仕掛けてきた。ちょうどそのタイミングで、二人に後輩ができた。
「この度、第一部隊所属となりました、アルニムと申します。以後よろしくお願い致します!」
新進気鋭の若者を歓迎し、拠点内に拍手が響く。やがて静まり、第一部隊長はアインズらに指示を出した。
「アインズ、ツヴァイ。アルニムの教育はお前たちに任せる。先輩騎士としての自覚を持ち、しっかりと育て上げるように!」
「「はっ!」」
◇◇◇
戦線が少し落ち着いたため、部隊を三分割して、交代で休むことになった。休むと言っても、フカフカのベッドなどは無い。キャンプ内に敷いた布の上に、少々横になる程度である。
「アルニム。今日の戦いぶり、良かったわよ」
「ありがとうございます、アインズさん!」
「けど、一つだけ。攻撃力ばかりじゃなくて、もっとスピードを意識した方が良いわね。じゃないと、そのうち反動で身体を傷めちゃうわ」
おお……と感心し、アルニムは彼女からのアドバイスを帳面に記録した。
と、そこへ──
「なかなかやるな、アルニム」
「ツヴァイさんも、ありがとうございます!」
「だが、一つ気になるな。スピードばかり気にしていると、すぐに消耗してしまうぞ」
「はい! えっと、スピード重視は……あれ?」
アルニムは、今しがた書いた二つのメモの内容が、相反しているように感じた。
「つまり、バランス良くって事ですよね?」
「スピードの方が大事よ」
「いや、一撃の重さを重視すべきだ」
ムッとアインズらは互いを睨み、火花を散らす。
「スピードよ!」
「攻撃力だ!」
「ああ、お二人とも! 落ち着いてください!」
キャンプ内で騒ぐ三人。そこへ、休んでいた先輩騎士からクレームが入る。
「おい、うるさいぞ三人とも。休めないだろうが」
「「「申し訳ございません!」」」
なんで僕まで……と、先輩の巻き添えを食ったアルニムは内心で嘆いた。
◇◇◇
それから一週間弱。落ち着いていた状況は一変し、ブライトヒル王国騎士団にも大きな被害が出始めた。特に第二部隊は死傷者が多数出ていて、人手不足が深刻な問題となっている。その事実が、隊長から第一部隊の隊員らに説明された。
「そこで、我が第一部隊から第二部隊に人員を分ける事となった。ユルゲン、エーリッヒ、ペーター、ツヴァイ! 以上四名には、第二部隊へ移籍してもらう。期間は未定、そのまま第二部隊所属になる可能性もある」
騎士団の決定で、ツヴァイは第二部隊へ行くことに。異動は明日からである為、この晩に準備にかかった。
「では、私が居なくても頑張るのだぞ」
「はい、ツヴァイさんも!」
「せいせいするわね」
「はぁ……アルニム、アインズの面倒を見てやってくれ。頼むぞ」
それは心配と言うよりも、茶化す目的が主だ。ツヴァイは、笑いをこらえるような顔と声色でアルニムに依頼した。
「はい!」
「はい、じゃないのよあんた。ああ、それよりツヴァイ」
「なんだ?」
アインズは記憶を辿り、数年前から積み重なったツヴァイとの勝敗数をカウントする。
「十五対十四。やっぱり私の勝ちね」
「なんだ、まだ数えていたのか。暇なヤツだ」
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「違うのか?」
「あはは……お二人とも、別れ際くらい仲良くしてください……」
素直な言葉を口にしないが、アインズは部隊内のライバルが減って無念に感じていた。
また、勝敗数などもう気にしていないかのように振舞ったツヴァイだが、実のところ、負けを悔やんでいた。
そんな互いの想いなど露知らず、二人は別の隊で各々戦果をあげていく。
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私はこの日月神示(ひつきしんじ)に出会い、研究し始めてもう25年になります。
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なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。
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この小説は真実の物語です。
「神典日月神示(しんてんひつきしんじ)真実の物語」
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