22 / 75
王道ベタネタ(?)×ぐだぐだ日常編
『予想外のスキンシップにドキッ!』なイベントが起こったようです。
しおりを挟む
セクハラかどうかは個人の感性による。報告者はミスミ。
+ + + + + +
「どうしましょう」
「何が。っつーかいきなり現れての第一声がそれか」
「すみません、ちょっと動揺していまして」
「ああそう。別に聞きたくないけど聞いてやる。どうした」
「実は、さっき『彼女』と接触がありまして」
「まさかお前も目が合っただのなんだのじゃないだろうな」
「え、目ですか。合いましたけどそれが?」
「……いやいい。気にするな。おまえがたかが目が合ったくらいで動揺するはずなかったな」
「自己完結されると気になるんですが。――というかそれ、ユズの話ですかもしかして」
「ご名答。よくわかったな」
「私たちの中で、目が合っただけで報告に来るようなのはユズくらいでしょう。レンリは微妙なところですが、あなたが呆れ気味だったので違うと判断したまでです」
「言われてみれば。で、あんたは何があったわけ」
「ついうっかりキスしてしまいました」
「――…よーし歯ァくいしばれ。オイタした野郎にはそれくらい当然だよな?」
「え、いやちょっと待ってください」
「誰が待つか。ああいや待ってやってもいい。その代り殴るのはユズにやってもらうか」
「あなた容赦する気ゼロですね!?」
「容赦する気があると思ったならそっちのが驚きだっての。うかつでアホでバカなことやらかした自覚があるなら大人しく殴られろ。あとはもう知らん」
「いや本当待ってください! キスって言っても口にじゃありません!!」
「じゃあどこにやったキリキリ答えろ」
「頬です親愛です決してやましい気持ちでやったわけじゃないんです!」
「その判断は前後関係わかってからじゃないと何とも。何がどうしてそんなことになったの」
「……ピアノを弾いてたんですよ」
「ピアノ?」
「この学園の音楽室っていうのは複数あるんですが、そのうちの一つに音楽関係者垂涎のグランドピアノがありまして」
「まあカンナのとこだしそれはありそうだけど。それで?」
「たまに弾かせてもらってるんです。本来生徒用に開放しない部屋なんですが、カンナに頼んで」
「回りくどい。とっとと肝心のとこ話せ馬鹿」
「間違って迷い込んできた『彼女』があんまりにも無邪気に私のピアノを褒めたので嬉しくなって感謝を伝えようとしてうっかり」
「――前言ったよな? 日本じゃ基本的に親しくない人間からのスキンシップは好まれないって。そりゃもう何回も懇切丁寧に教えてやったよな?」
「……はい。覚えてます」
「なのになんでンなことやったわけ。家族間でやるのは構わないけど他はやめとけって忠告したよな?」
「浮かれてまして……すみません」
「謝る相手が違う。――あっちの反応はどうだったわけ? まあ最初のあんたの様子からして深刻なことにはなってないと思うけど」
「顔真っ赤にして走り去られました」
「だろうね。で、あんたは何に動揺したっての」
「あなたの忠告をうっかり忘れるくらい浮かれてしまった自分ですとか顔真っ赤にして涙目になってるの見てやってしまったと血の気がひいたのは確かなのに可愛いとかもっと見ていたいとか思ってしまった自分ですとかつまり自分が制御できてないことに驚いたというか何というか」
「……よしわかった、とりあえず脳内お花畑もとい頭の中がピンクなのは一人で充分だからそれ以上はやめろ。ネジどこに落っことしてきたんだこの馬鹿。あと頬染めるな気持ち悪い」
「……あなたのソレでちょっと落ち着きました。もう少しクールダウンしたいのでもう一度罵ってもらっていいですか――って痛っ!?」
「その発言がいろんな意味でアウトなことに気付いてない時点で落ち着けてないだろうがこの馬鹿。呆れるの通り越して鳥肌立ったんだけどもう放置していい?」
「すみません自力でクールダウンするので見捨てないでください……!」
+ + + + + +
「どうしましょう」
「何が。っつーかいきなり現れての第一声がそれか」
「すみません、ちょっと動揺していまして」
「ああそう。別に聞きたくないけど聞いてやる。どうした」
「実は、さっき『彼女』と接触がありまして」
「まさかお前も目が合っただのなんだのじゃないだろうな」
「え、目ですか。合いましたけどそれが?」
「……いやいい。気にするな。おまえがたかが目が合ったくらいで動揺するはずなかったな」
「自己完結されると気になるんですが。――というかそれ、ユズの話ですかもしかして」
「ご名答。よくわかったな」
「私たちの中で、目が合っただけで報告に来るようなのはユズくらいでしょう。レンリは微妙なところですが、あなたが呆れ気味だったので違うと判断したまでです」
「言われてみれば。で、あんたは何があったわけ」
「ついうっかりキスしてしまいました」
「――…よーし歯ァくいしばれ。オイタした野郎にはそれくらい当然だよな?」
「え、いやちょっと待ってください」
「誰が待つか。ああいや待ってやってもいい。その代り殴るのはユズにやってもらうか」
「あなた容赦する気ゼロですね!?」
「容赦する気があると思ったならそっちのが驚きだっての。うかつでアホでバカなことやらかした自覚があるなら大人しく殴られろ。あとはもう知らん」
「いや本当待ってください! キスって言っても口にじゃありません!!」
「じゃあどこにやったキリキリ答えろ」
「頬です親愛です決してやましい気持ちでやったわけじゃないんです!」
「その判断は前後関係わかってからじゃないと何とも。何がどうしてそんなことになったの」
「……ピアノを弾いてたんですよ」
「ピアノ?」
「この学園の音楽室っていうのは複数あるんですが、そのうちの一つに音楽関係者垂涎のグランドピアノがありまして」
「まあカンナのとこだしそれはありそうだけど。それで?」
「たまに弾かせてもらってるんです。本来生徒用に開放しない部屋なんですが、カンナに頼んで」
「回りくどい。とっとと肝心のとこ話せ馬鹿」
「間違って迷い込んできた『彼女』があんまりにも無邪気に私のピアノを褒めたので嬉しくなって感謝を伝えようとしてうっかり」
「――前言ったよな? 日本じゃ基本的に親しくない人間からのスキンシップは好まれないって。そりゃもう何回も懇切丁寧に教えてやったよな?」
「……はい。覚えてます」
「なのになんでンなことやったわけ。家族間でやるのは構わないけど他はやめとけって忠告したよな?」
「浮かれてまして……すみません」
「謝る相手が違う。――あっちの反応はどうだったわけ? まあ最初のあんたの様子からして深刻なことにはなってないと思うけど」
「顔真っ赤にして走り去られました」
「だろうね。で、あんたは何に動揺したっての」
「あなたの忠告をうっかり忘れるくらい浮かれてしまった自分ですとか顔真っ赤にして涙目になってるの見てやってしまったと血の気がひいたのは確かなのに可愛いとかもっと見ていたいとか思ってしまった自分ですとかつまり自分が制御できてないことに驚いたというか何というか」
「……よしわかった、とりあえず脳内お花畑もとい頭の中がピンクなのは一人で充分だからそれ以上はやめろ。ネジどこに落っことしてきたんだこの馬鹿。あと頬染めるな気持ち悪い」
「……あなたのソレでちょっと落ち着きました。もう少しクールダウンしたいのでもう一度罵ってもらっていいですか――って痛っ!?」
「その発言がいろんな意味でアウトなことに気付いてない時点で落ち着けてないだろうがこの馬鹿。呆れるの通り越して鳥肌立ったんだけどもう放置していい?」
「すみません自力でクールダウンするので見捨てないでください……!」
0
あなたにおすすめの小説
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
隣人はクールな同期でした。
氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。
30歳を前にして
未婚で恋人もいないけれど。
マンションの隣に住む同期の男と
酒を酌み交わす日々。
心許すアイツとは
”同期以上、恋人未満―――”
1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され
恋敵の幼馴染には刃を向けられる。
広報部所属
●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳)
編集部所属 副編集長
●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳)
本当に好きな人は…誰?
己の気持ちに向き合う最後の恋。
“ただの恋愛物語”ってだけじゃない
命と、人との
向き合うという事。
現実に、なさそうな
だけどちょっとあり得るかもしれない
複雑に絡み合う人間模様を描いた
等身大のラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる